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NO.571 骨粗鬆症NEW その4 ピークボーンマスと加齢による骨量減少

今日は、加齢による骨量の減少についてお話していきたいと思います。

まず、みなさん、年齢的に言うと何歳ぐらいが一番骨が丈夫かご存知ですか?
通常、骨塩量ということで骨のいわゆるミネラル量を計る数値があります。その中でも最大骨塩(ピークボーンマス)とは文字通り一番骨代謝が活発な時期に蓄えられる骨塩量のピークのことで、20歳~30歳頃に最大量に達します。
ちなみに以前は、女性の平均では、30代にピークボーンマスが来るということで言われていましたが、今は残念ながら20代になっている現状があります。
これが骨の現状ですね。
実際に20歳〜35歳までが一番骨が強い。強いということは最大骨量を持っているということなんですが、残念ながら最大骨量を持った後は、だんだん減少していきます。



実は、ピークボーンマスを境に、骨の骨塩量は減っていき、強度も下がってきてしまうと言われています。ピークボーンマス時に80%程あった骨塩量が、60代、70代、早い人では50代過ぎから40%を切るようになってくると骨粗鬆症になってしまうわけです。

なぜ減少するかということですが、やはりどうしても、年齢的に(男性も女性も共通ですが)ミネラル分の吸収が悪くなる、そういった意味で下がってきてしまうのです。また女性には女性特有のことがありますね。




加齢による骨量減少の原因

1.エストロゲンが骨の新陳代謝に関わっているが、エストロゲンの減少による骨量の減少が起こる。
2.骨をつくる細胞の働きが弱まる。
3.骨に刺激を与える運動量の減少。
4.食事量の減少。
5.消化吸収能力の低下。
6.Caの吸収を助ける活性化ビタミンDの産生減少によるCa吸収の低下。



さて、女性はというと、女性特有のことがあるんですね。
これはエストロゲンが骨の新陳代謝に関わっているからです。閉経に向かってエストロゲンが減少してくるので、当然骨量の減少も起こってくるわけです。
それと骨をつくる細胞の働きが年齢とともに働きが弱まるということもあります。これは年齢とともに致し方ないことかもしれません。
またこれは女性特有かもしれませんが、骨というのは、刺激を与えることで活性化する細胞であるのに、その刺激を与える運動量がどうしても少ないことも骨量の減少と関係があります。
その他段々食事量が減ってきますよね・・・。そして先程お話した消化吸収能力も減ってくるわけです。さらにもう1つ、カルシウムの吸収を助ける活性化ビタミンDという、ビタミンの生産能力も減ってくるので、それによってカルシウムの吸収が出来なくなって骨粗鬆症が起こるということも大きな原因の1つに上げられます。
こういう風に見ていくと、男性よりも女性の方が、減少するリスクになりうるものをたくさん抱えているということになりますね。




最初の話に戻りますが、年齢とともに骨量が減少してしまうのが必然の流れなら(もちろん予防についてはこれからお話していきますが)、子供の頃にしっかりとピークボーンマスを上げて上げる栄養学が必要です。なので、この骨粗鬆症というテーマは若い人は関係ないということではないんです。今は大人になってから栄養学学んでも遅いんです。後手になってしまうので、是非今から考えていてほしいのです。
今の若い人は、30代でも60%を割っている方がいます。そういう方は、50歳を超えると、骨粗鬆症のリスクが特にあがると言われています。

骨のことを考えると、若い時の食事や運動がどれだけ大事か。
是非みなさんも覚えておいて頂けると嬉しいです!^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

# by chiropratica | 2015-01-13 16:00 | 骨粗鬆症

NO.570 骨粗鬆症NEW その3 加齢と骨格

今日は「加齢と骨格」というお話で、以前もblogで一度お話していますが、再度掲載させて頂きたいと思います^^。



このテーマの初めにお話したように、実は「骨」自体には老化というものはありません。
骨には生理的な老化というものはないのです。
「加齢」とともに起こるのは、骨の構成成分が減少して骨量が減るということなのです。
それを一般には老化としていますが、骨自体に老化はないので、その構成成分を増やしておく、もしくは減らないようにすることで、加齢による骨の変化は防止できるということなのです。



前回お話したように、人間の骨は、新しい骨をつくる細胞「骨芽細胞」と古い骨を溶かす細胞「破骨細胞」が同時に働くことで代謝を行っています。骨の中の古くなったコラーゲンとカルシウムを破骨細胞が酸で溶かして血液中に流します。そして骨芽細胞はまずコラーゲンから骨基質(骨の骨組み)を作り、そこにカルシウムを加えて骨を作り出します。1本の骨は2年〜3年かけて生まれかわりますが、加齢によってバランスが崩れると、骨を破壊する細胞のほうが偏って活発になっていき、骨密度が減っていきます。

人は産まれてから思春期にかけては、このようなリモデリングで骨が失われるよりも、骨形成の方が勝っています。
青年では、骨が失われる早さと形成される早さとが、ほぼ等しくなります。
そして中年になって、性ホルモン(ステロイド)量が減少すると、閉経後の女性では特に、骨吸収量が骨形成量を越えるので、骨量が減少します。



女性と男性では骨量の減少の仕方が少し違います。

通常、女性は骨量が減少するのは30歳以降に始まり、エストロゲン(女性ホルモン)の量が減少する45歳頃には急激に、加速的に骨量が減ってしまいます。そして骨量の減少は続き、70歳までには骨に含まれるカルシウムの30%が失われます。女性では、一旦、骨が失われ始めると、10年間に約8%ずつの骨量が失われ続けてしまうのです。
さらに女性の骨は一般に男性の骨よりも、元々小さいので、老人での骨量の減少は、女性に典型的で、より深刻な問題を引き起こすことになります。

一方、男性では、60歳になるまで、骨からカルシウムが失われることはなく、その後は10年間に約3%ずつ骨量が失われます。




加齢による「骨量の減少」は避けられないことなのですね。
そしてもう一つ、加齢によって起こることがあります。それは「骨が脆くなる」ことです。
骨が脆くなるのは、タンパク質を合成する早さが遅くなることと、ヒト成長ホルモンの分泌量が少なくなることなどによります。ヒト成長ホルモンの量が減ると、骨を強くし、骨に柔軟性をもたせる繊維の産出量が減ってしまうのです。結果として、コラーゲン(タンパク質やビタミン)やカルシウム結合タンパク質で出来ていた「骨基質(骨の骨組み)」の大部分が無機のミネラルによって占められるようになってしまうのです。




このように・・・
加齢は骨に対して、大きな2つの影響をもたらします。
それは、「骨量が失われること」、そして「骨が脆くなること」なのです。


いちどスカスカになった骨は二度と回復しません。
骨量が減っていくのは誰にもまぬがれないことならば、どうすればいいのでしょう。
それは20〜35歳にピークを迎える最大骨塩量(peak bone mass)をできるだけ増やしておくことです。
若いうちから食生活と運動で、最大の骨量をあげておけば、加齢によって減ってきてもリスクは少なくなります。
そして、そのことが骨粗鬆症の予防にもなるのです。


もう間に合わないという人がたくさんいるかもしれません。
それでも骨を丈夫にする栄養素や食事、運動によって骨量の減る速度をゆるやかにはできるでしょう。
骨に適度なストレスを与える運動の目安は一日に一万歩以上。
ホルモンなどの調整薬で「治す」ことも不可能ではありませんが、丈夫でしなやかな骨をつくるために、ふだんの生活を見直すことから予防を始めましょう。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


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# by chiropratica | 2015-01-10 14:21 | 骨粗鬆症

NO.569 骨粗鬆症NEW その2 骨のリモデリング

NO.569 骨粗鬆症NEW その2 骨のリモデリング_b0195635_160121.jpg


今日は、骨の代謝のお話をしていきます^^。

骨はもちろんずっと使っていると古くなります。カチカチの固い骨ではありますが、もちろん生きているので代謝をしているのですね。古くなった部分は捨てられ、新しいものがそこに生まれてくる、これが骨の新陳代謝と言います。
骨も、皮膚と同様に生まれる前に形成され、その後、更新されつづけます。
骨が成長して、成人の骨の形と大きさに達した後でも、古い骨は破壊され続け、その場所に新しい骨組織が形成されます。

この古い骨組織を新しい骨組織で取り替え続けることを、骨のリモデリング remodeling とも言っています。
骨中の細胞が全て入れ替わるのに3年はかかります。この3年の中で、骨形成(骨を作る)と骨破壊(骨が古くなって寿命がきたところを破壊して取り除く)が一定の割合できちんと行なわれているんですね^^。




正常人では骨破壊と骨形成が平衡状態にあるため、骨量は一定に維持されていますが、このバランスが破錠したりすると、骨量が減少して、骨粗鬆症などが起こります。
また骨には、骨芽細胞と破骨細胞という細胞が存在します。骨芽細胞はミネラルとコラーゲンを沈着させて骨を形成しますが、逆に破骨細胞はミネラルとコラーゲンを吸収して骨組織を壊す働きをしています。
この二つの働きには微妙なバランスが保たれているのです。
あまりにたくさんのミネラルが骨に沈着すると余分な骨組織が骨に大きなこぶや鋭い突起をつくり、関節の動きを悪くすることがあります。また逆に骨からカルシウムが過剰に失われたり、新しい骨組織が十分につくられなかったりすると骨が弱くなり、曲がったり、骨折しやすくなります。
このように、この二つの細胞の働きは骨のリモデリングには非常に重要なのですね。


肌だったら、垢として古い細胞が捨てられていくのはみなさんもご存知だと思いますが、骨はそういう仕組みがないので、しっかりと破骨細胞というのを用意して、骨の古いところを削り取り、その分を骨芽細胞が穴埋めしていくという、そういう新陳代謝を行なっているわけなのです。

おもしろいですよね。





やり方としては・・・、骨の一部に寿命が来たところ、その部分に破骨細胞がやってきて、削っていきます。この削り方なんですが、実際は古くなったコラーゲンと古くなったカルシウムを破骨細胞の中から酸性の酸と酵素を出して溶かしていくんです。溶かしていって、その溶かしたものを血液に流す。これが破骨細胞の仕事です。そして最終的にその産物はおしっことして出て行きます。そしてそれが終わったら、破骨細胞が消えていきます。
さて、削っていくと、そこが削られて穴が空きますね。そこに次は骨芽細胞というものが出てきて、その骨芽細胞がコラーゲン作りを行い、血液中からカルシウムを取り込んで新しい骨作りを始めます。こうやって綺麗に骨が出来上がるわけですが、他にもまた寿命が来ている部分があるとこのサイクルを行なうわけです。このサイクルはずっと続けられていて、3年間ずっと続けられると全部の骨細胞が入れ替わって一巡したということになるんですね。


この2つの細胞の代謝によって、毎日3%〜5%の細胞が入れ替わっています。
その時にこの細胞のバランスが取れていれば、骨塩量、骨密度が下がるということは絶対ないわけですが、破骨細胞側にウェイトが高くなるのが、どうしても閉経期以降です。これはエストロゲンという女性ホルモンが関わっています。骨の代謝に関わるエストロゲンというホルモンが少なくなってしまうと、破骨細胞の方にウェイトがかかってきます。
また一旦骨からカルシウムが取り出されて、密だった骨が粗になってしまうと、破骨細胞がさらに活躍してしまう悪循環が起こります。こうしてどうしても破骨細胞にウェイトがかかった結果、骨粗鬆症がだんだん悪くなってしまうのです。


いかがでしたか?
今日は骨の新陳代謝(リモデリング)について詳しくお話しました。
また次回を楽しみにしていてくださいね^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


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# by chiropratica | 2015-01-08 15:58 | 骨粗鬆症

NO.568 骨粗鬆症NEW その1 骨の働きについて

NO.568 骨粗鬆症NEW その1 骨の働きについて_b0195635_17213278.jpg


みなさん、新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

今回の年末年始は、1週間ぐらいお休みがありましたが、相変わらず実家に帰ったり、親戚の集まりなどであっという間の1週間でした。でも比較的ゆっくりと出来る時間もあったので、のんびりといろんなことが出来たと思います。
私は今日から仕事初めですが、気持ちの良いスタートを切ることが出来ました^^。

このblog「Think Health」も今日からまた始まります。
新年1つ目のテーマは、以前にもお話したことがありますが、「骨粗鬆症」についてお話します。
また新たな情報も交えながらの内容になりますので、みなさんも楽しみにしていてくださいね。



さて、早速ですが今日は骨の働きについてお話していきましょう!

まず最初にみなさんに質問です。
私達の骨は一体何個ぐらいあると思いますか?





答えは、206個です。
上の骸骨の写真を見てみても、かなりの数だと思いませんか?

この206本もの骨が私達の身体を支え、内臓を保護し、カルシウムなどを蓄えるという働きをしています。そんな大切な骨が脆くならないように、今回のテーマではみなさんに今からでも出来る食事の見直しや栄養素のことを詳しくお話していこうと思っています。




先程もお話しましたように、人の骨格は全部で206個もの骨でできていると言われています。
頭蓋骨に始まり、耳子骨(耳の骨)、舌骨、肋骨、胸骨、そして背骨を作っている椎骨が中心にあります。またそこに手・足をつなぐ骨が入るわけです。
 これらの骨には、どんな働きがあるのでしょう。

①「支持」
 軟部組織を支えたり、筋肉の付着部になったりすることで身体の枠組みを作っています。

②「保護」
 多くの内臓を外傷から守っています。例えば、頭蓋は脳を守り、椎骨(背骨)は脊髄を守り、肋骨は心臓と肺を守っています。

③「血球の生成 」
 骨の中では赤色骨髄と呼ばれる結合組織が身体に重要な赤血球、白血球、血小板を作りだしています。 
④「ミネラルの貯蔵」
 骨組織は数種のミネラル、とくに、カルシウムとリンを蓄えています。


このように、骨といっても身体に大事な内臓や脳を守ったり、運動の補助をしたり、必要な栄養素を貯蔵したりと実に様々なことをしているのですね。
ちなみに骨が臓器を守ることはお話しましたが、絶対骨粗鬆症が起こらない場所があります。それはどこかというと、脳なんですね^^。脳は人間の身体の中でも一番大事な部分でもあるので、必ず守らなければならないという使命があるのでしょう。頭蓋骨だけには骨粗鬆症は起こりません。

その他、臓器を守っている例としてわかりやすいのは、肺や心臓などの重要な部分でしょうか。ここはみなさんご存知のように肋骨で守られていますよね。そして話が前後しましたが、①の支えるということで言えば、大腿骨(足の腿の骨)は300kgぐらい支えることが出来ますし、腰椎は700kg支えることが出来ると言われているぐらいしっかりと体重を受け止めています。

そして骨の皮質骨の真ん中には骨髄と呼ばれているところがありますが、そこで血球を作っています。またカルシウムなどのミネラルを蓄える貯蔵庫という役割もあるわけです。




こんなに大切な骨がもし、健康でなくなればこれらの仕事はどうなるでしょう?

骨が不健康ということはどういうことかというと、骨からカルシウムが抜けてスカスカになって、極端なことをいうと軽石のようになってしまうことでを言います。そうするともちろん身体の重みを支えることが出来ず、骨折をしやすくなるというような状態が起こってくるわけですね。
こうなると生活にも支障が出てきます。
こういった状態を、「骨粗鬆症」と言っています。




骨は他の臓器と違うところがあります。
年齢によって年齢によって老化をするということはないんです。
骨が自ずと年齢的に老化するということではなく、骨からカルシウムが抜けて(いわゆる骨の構成成分が減少して)しまうことを、骨の老化という言葉を使っていることが多いのです。
このように考えていくと、生理的な老化ということはないので、予防とか治療ということが出来ると考えて下さって良いと思います。

みなさんご存知のように、骨の構成成分の中からの減少が一番激しいのが、カルシウムなんです。
ですが、カルシウム以外にも大切な栄養素はたくさんあります。
人間の身体にとって大切な骨。
今回お話するのは、その大切な骨の健康を保ち、年齢を重ねても元気で動けるようににみなさんに是非今知っておいて頂きたい内容です。
若い人には関係ないと思っているかもしれませんが・・・いえいえ、そんなことはありません。
大いに関係してくる問題なのです。

骨粗鬆症を起こす原因には、若い時の食生活などが大きく関わってくるんです。
これからゆっくり話していきますので、楽しみにしていてくださいね^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


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# by chiropratica | 2015-01-06 16:47 | 骨粗鬆症

NO.567 腸管免疫 その34 大腸が元気になる栄養素

NO.567 腸管免疫 その34 大腸が元気になる栄養素_b0195635_21541086.jpg


今日は、腸全体のまとめとして、腸に必要な栄養素をあげていきたいと思います。

今からお話する成分は、特に過敏性大腸炎やクローン病、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患に有効と言われてきている栄養素でもあるので、良かったら参考にしてみてくださいね^^。

さて、まずは自然の抗炎症効果のあるものからです。


<クルクミン>

クルクミンはインド伝承のスパイスとして知られていて、既に大腸がんの発生を抑制する作用があることが報告されています。またターメリックの活性成分でもあるクルクミンは、潰瘍性大腸炎およびクローン病の発生を抑える作用、予防作用の効果の可能性があるということです。
日本では、ウコンとしても知られていて、いわゆる2日酔いの予防が有名かもしれないですね。もちろんクルクミンは肝臓機能に対する作用もありますが、特筆すべきはなんといっても「抗炎症作用」です。細菌、ウィルスなどの感染による炎症はもちろん、傷や歯周病など炎症を起こした場合に抜群の効果を発揮します。
出来るかぎり生に近い形で摂取するとその恩恵にあずかることができます。


<マスティック>

マスティックとは聞きなれない名前だと思いますが、地中海沿岸地方で育つピスタチオの仲間の樹木の樹皮から抽出された成分です。樹木の成分にはけっこう身体に有効なものが多いんです。
クルクミンと同じく、このマスティックには潰瘍性大腸炎やクローン病など、炎症を伴う腸炎の抗炎症機能成分として有効であるとされています。



これらの成分以外にも、柳の樹皮抽出物や、生姜、ニンニク、ボスウェリア(以前のblog参照)には抗炎症作用があるとされているので、腸疾患に対する効果も期待されます。
また消化を助け、炎症も抑えてくれるブロメライン(パイナップルに多く含まれる)やケルセチン(エンジュまたはタマネギの茶皮に含まれる)などの成分も、一緒に摂るとさらに良いと思います^^。


次に・・・
炎症を抑える意味では、油の摂り方も重要でしょう。


<オメガ3系必須脂肪酸>(フラックスオイル、シソ油、魚油)

大抵、腸の炎症疾患を持っている方や慢性下痢の方は、オメガ3系の必須脂肪酸が足りていないことが多いです。
オメガ3系の必須脂肪酸は、炎症が起こる過程を抑制してくれます。
紅花油、コーン油、ひまわり油、大豆油などの調理油(オメガ6のリノール酸)や加工品、マーガリンなどに含まれる腐った油(トランス脂肪酸)を控えて、オメガ3の油を摂ることで、腸の状態は著しく改善してくれるはずです。
そして調理には、なるべくオリーブオイルかキャノーラ油を使うようにしましょう。



そして・・・「小腸」のテーマでも話題にしましたが、

<L-グルタミン>

体の中でも消化管は、最も多く、アミノ酸であるL-グルタミンを消費していると言えます。小腸の細胞は、他の臓器に比べてより多くのL-グルタミンを吸収し、第一のエネルギー源として使っています。
L-グルタミンは生のキャベツに多く含まれますが、積極的に摂取することで腸内細胞を健康的に強化しくれます。


そしてもちろん・・・乳酸菌を摂ることも有効ですよね^^。

<プロバイオティクスやプレバイオティクス>

過敏性大腸炎などの患者さんにプロバイオティクス、腸まで届く乳酸菌を長期間摂取してもらうと、下痢や腹痛が大幅に改善されることもよくあります。
またこのテーマでも述べてきましたが、プレバイオティクス(善玉菌のエサ)を摂ることで、腸内の善玉菌を育成し、消化と排泄機能の向上や免疫機能向上の効果を図ることができます。腸内環境を整えてあげること、これは様々な腸疾患においてとても重要なことです。

飲むときは、胃酸の分泌が少ない食前30分前に飲みましょうね。

また、腸の調子が悪い人に消化機能の低下がみられるので、消化酵素を摂ってあげることも助けになります。


<消化酵素>

消化酵素はもちろん人間の身体で作りだすことができますが、消化管の健康状態が良くない人は、酵素の分泌が少なく、消化過程に問題を起こしている場合が多いのです。
その場合、外から消化酵素を補ってあげると、消化管内の消化不十分な食物による問題を予防する助けとなってくれます。腸に届く未消化のものを少なくし、アレルギーを予防するとともに、栄養素の吸収量も増加させてくれるのですね。

有名なところでは、パイナップルに含まれる「ブロメライン」、パパイヤに含まれる「パパイン」など。もちろんサプリメントでもあります。
食後のお腹の張りがある人などは、試してみてくださいね^^。



その他、通常のビタミン/ミネラルも必要です。

<ビタミン/ミネラル>

特に腸が弱い人は、ビタミンB群や亜鉛などが減少していることが多く、これらは必須の栄養素になります。
またビタミンAも小腸と大腸における細胞の成長や修復に必要ですね。

消化機能が落ちていると栄養素の吸収率が、健康な人より格段に落ちてしまうので、こういった方はマルチビタミン/ミネラルのサプリメントを飲んであげるのも手でしょう^^。



さてここまで、腸に有効な栄養素を述べてきました。


私が臨床をやってきて、腸の状態を改善する上で大事なポイントだと思うのが、以下の点です。

①アレルギーの食べ物がないか一度確認する
②動物脂肪、トランス脂肪をなるべく避ける
③オメガ3脂肪酸を積極的に摂取する
④糖分(炭水化物含む)の摂取許容量を見極めること
⑤精製された砂糖や小麦の摂取量をなるべく少なくする
⑥アルコールをやめる
⑦乳製品も場合によってはやめた方が良い人も多い
⑧乳酸菌を毎食30分前に摂る
⑨毎食適度な繊維質を摂る(ただし、腸が過敏な人は刺激が多すぎると下痢をします)


これができれば、ほとんどのケースで改善してくれます。



最後の言葉になりますが・・・

“腸が元気になれば!
身体が健康に!
そして長生きに!

長い間、このテーマを読んできた方には、腸が元気になることがどれだけ大事なことかわかって頂けたと思います。

身体を動かすための大事な栄養素。
それを吸収する上で大事な消化管。
そして免疫の土台ともなっている腸。

単なる下痢や便秘と思わず、腸の状態を改善してあげることは、私たちが健康になるために何よりも大切なことだと思います。
慢性的な下痢や軟便、そして便秘。
いつものことだからとあきらめず、今一度、自分のお腹に注目してみましょう!



なにかご質問があれば、
こちらから
気軽に聞いてくださいね。
今日で今年の投稿も最後になります。みなさん、今年もThink Health読んで頂き、本当にありがとうございました^^。またコメントや質問、そして感謝の言葉など頂くことで、こういった情報を伝えていくことの必要性を再認識しています。また来年も、変わらずみなさんの健康に少しでも役に立つ情報を書き続けていきますので、じっくり読んで頂けたら嬉しく思います。
いつもありがとうございます。

みなさん、良いお年をお迎えください^^。



小菅一憲

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# by chiropratica | 2014-12-30 10:51 | 腸管免疫


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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