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まじめ日記 米粉の可能性〜小麦グルテンフリーな生活〜/chiropratica 小菅一憲

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今日から9月ですね!
前回からなかなかblog更新ができずにいましたが、今日はみなさん興味深い話だと思いますよ~。
さて行きましょう!


先日、患者さんから米粉で出来た麺を頂きました!
これがなかなかどうして美味しかったんです^^。

この方は、小麦グルテン過敏症から来る症状をお持ちだったので、私が勧めた小麦抜きの生活を実践していらっしゃる方です。
小麦抜きの生活は、並大抵の努力じゃあできません。何せ現代人の食事にはほとんどに小麦が含まれていますから。
特に女性はパンやパスタ好きな方が多くて、小麦を抜くとなると相当な決意が必要。そういった時にこの「米粉」は多いに助けになってくれるかもしれません。


最近米粉のパン焼き器も出ているくらいなので、少しメジャーになってきた感がありますが、米粉とはどういったものなのでしょう?


日本人の食生活を支えてきたお米。
米粉は文字どおり、お米を粉にしたものです。私たち日本人は、古くから白玉粉、もち粉など米粉を活用してきました。またせんべいや団子をはじめとする和菓子など、日本では古くから米粉を原料とした食品に親しんできました。
しかし、それはごく一部での活用法でしかありません。
近年、製粉技術の進歩によってパンやケーキ、麺類など、それまで主に小麦粉で作られていた加工品にまで幅広く利用されるようになり、その可能性も広がってきているわけです。
今日は少しこの米粉について話してみたいと思いますね^^。


すでによく知られている通り、日本の食糧自給率は主要先進国の中でも最低の水準です。平成21年度においては前年度から低下し、40%(カロリーベース)となっています。生産額ベースでは70%を保っていますが、それでも日常的に食べている食物の多くを、海外からの輸入に頼っていることには違いありません。

みなさんは毎日、かなりの割合で小麦粉製品を口にしているのではないでしょうか?
その小麦の自給率は14%と言われています。86%が輸入なのですね。


世界の穀物価格は平成18年秋から上昇し、不安定な状態が続いています。近年の異常気象による影響も深刻です。
昨年の夏は記録的な猛暑でした。世界有数の小麦の輸出国であるロシアでは、干ばつによる不作の影響で小麦の輸出を制限するに至り、そのため世界的に小麦価格が上昇しました。
今後何らかの要因で小麦の安定的な供給が脅かされる事態に陥らないとも限りません。そうした中で、国内で自給できる穀物を少しでも増やしていくことが求められてきたのです。


そこでこの「米粉」の登場というわけ。米粉の利用が広がってきた理由にはこんな背景があったのですね。



自給率の低い小麦粉製品の消費量は増加してきた一方、自給率の高い米の消費量は減少傾向にあります。
今の米の消費量であれば、全国にある水田の6割でまかなうことができます。このため、4割の水田を有効に活用することが必要となってきました。その方法として、輸入に依存している作物である麦類や大豆の栽培が挙げられていますが、条件によっては米以外の生産に適さない水田もあります。このため米粉用の米は、水田を有効活用できる作物としても期待されています。

また水田の活用には、国内生産を増加させ、自給率を高める意外の意義もあるそうです。
水田は作物の生産だけでなく、生産活動を通じて、国土の保全や水源の涵養、自然環境の保全、良好な経過の形成など、文化の伝承の場としても重要な役割を果たしています。
農林水産省では、平成22年度から実施している「戸別所得補償モデル対策」で、米粉用込めの生産を支援してきています。平成23年からも引き続き、生産者を支援していくようです。



では、いままでなぜ米粉が登場しなかったのでしょう。


それには、米が硬く、粉砕しにくい作物だったということがあります
もし無理矢理粉砕すると細かくはなりますが、米のでんぷん粒に傷がついてしまいます。
でんぷん粒の損傷が激しいと、吸水性が高くなり、粉が水分をたくさん含んでしまうため、団子のような生地にしかなりません。含まれた水分が気泡をつぶしてしまってふっくらとした生地ができないのです。
そのため、小麦粉の代わりに使用できる粉にするには、小麦粉に近い微細な粒を作ることと、でんぷん粒の損傷の少ない粉を作るという2つの課題がありました。
しかし、近年、各機械メーカー、製粉会社の研究開発と技術革新によって、製粉ダメージが少なく、微細な粉の製造が可能となり、パンやケーキ、麺など、さまざまな用途に使い分けられる上質な米粉が生産されるようになったのです。


米粉の可能性は様々なことにつながります。

現に都内のある学校では、給食に米粉を使っているそうです。とくに小麦アレルギーの子供がみんなと同じ献立を食べられることが、喜ばれているそう。
たしかにこれは大いに活用できますね。
また米粉の利点は他にもあります。普通はバターや油で小麦粉を炒めてルウを作るのに対して、米粉だと最後に溶かすだけでOK。また天ぷらなどもさっくり揚がり衣も少量で済む。そして大きな鍋での料理も小麦粉より米粉の方が、汚れが落ちやすく、片付けが楽なんだそうです。
後は値段がもう少し安くなるといいですね〜^^。





さて、ここで米と小麦の違いを少し。

世界の食物文化は、アジアを中心とする米粒を食べる「粒食文化」と、主に小麦粉を多用する「粉食文化」に大きく分かれています。
米と小麦の基本的な違いは、粒が結晶状態になっているか、粉状になっているかです。小麦は米のように精白しようとしてもうまくいきません。胚芽が中に巻き込んでいるので、粒がもろくて、白いきれいな粒にはならないのです。そこで粉砕して、粉にして使ってきました。
逆に米は粒が硬くてしっかりしているので、粉砕はしにくいわけです。糠を取って胚芽を除くと、白いきれいな粒になります。加工しなくてもおいしく食べられるため、稲作地域では「粒食文化」が発達したのですが、近年、技術の進歩に伴い、米を粉砕して小麦のような使い方ができるようになったのですね。


米の主成分であるでんぷんは、アミロースとアミロペクチンに分けられます。この2つの構成割合が米の粘りに大きく関係していて、アミロースの割合が高い米は、粘りが少なく、パサパサした食感になります。
米の種類でいえば、インディカ種(インド型品種)はアミロースの割合が高く30%前後。私たちが食べているジャポニカ種(日本型品種)の場合、アミロースは20%くらいなので、インディカ種より軟らかく、粘り気があります。

東南アジアのフォーやライスペーパーはインディカ種の特徴を活かしたものです。米の中では硬質な品種で、硬めのでんぷんだからこそ、しっかりした生地ができるわけです。だから、フォーの押し出し麺や、押し広げてフィルムのようなライスペーパーにすることができるのです。



一方、ジャポニカ種は、別の用途に開発することがなかなかできませんでした。それが、昭和53年頃に米が過剰供給となり、新たな用途の開発に取り組むことになったようです。その後粉砕技術が発達し、平成3年に新潟県の食品研究センター(当時の食品研究所)が開発した製粉技術によって細かい米粉を作ることができるようになり、米粉を使った製品開発も盛んにされるようになりました。

さて、米粉のパンにしろ麺にしろ「口当たりがよく消化も良い」「もっちりしていて日本人好みの食感」などの特徴がありますが、他にも健康面で良いことがあるようです。

それはまず米粉の低吸油性。
アメリカでも論文が出ていますが、米粉を使った衣で揚げ物を作った場合、油を吸う率が少ないという特性があるのです。
実際どの米の種類でも薄力粉よりも吸油性が低いという実験結果もあります。つまり米粉のほうが低吸油で、ヘルシーということですね。


その他、私が気になるのは血糖値の上昇についてです。
ただでさえ、白いお米は血糖値の上昇が早いわけですが、それを粉砕して粉にすると消化吸収が早くなります。結果、血糖値の急上昇が起こると思うのですが・・・。

これについても面白い実験をしているよう。
普通の米だと確かに消化吸収が早くなるのですが、硬質なお米ではどうかということを調べているらしい・・・。
ご飯としてはとても食べられない超硬質米の「EM10」は、それが持つでんぷん「アミロペクチン」の性質から硬いため、糊状になりにくく、消化吸収されにくいという特徴があります。
消化吸収が遅いということは、血糖値の急な上昇が抑えられるのではないかと考えられているそうなのですが、血糖値の急上昇が抑えられる米粉には期待したいところですね。

「EM10」はやっと栽培が可能になったこれからの米粉専用品種だそうですが、近年ポリフェノールの含有量が多い品種も栽培されているようで、これからますます米粉の可能性が広がっていきそうな予感^^。




~小麦グルテンフリーな生活~

さて、最後に「グルテン過敏症」に少しだけ触れておきましょう。この小麦グルテンの過敏症は、現代人に非常に多くみられ、それに気付いていない人もたくさんいます。


グルテンとは小麦たんぱく質の一種です。
グルテンがたくさんのアミノ酸がつながって構成されたタンパク質であるのに対して、でんぷんはブドウ糖がつながって構成されている炭水化物です。
グルテンは皆さんが毎日食べる食材、特に加工食品の多くに使われています。現在ではアレルギー(セリアック病が主ですが)の原因食材となるため、食品の表示は「グルテン」や「小麦粉(グルテン含む)」と表示することが義務になっています。
グルテンを含まれる食べ物を摂取することでアレルギー症状が現れるものを、セリアック病と呼んでいますが、これはグルテンなどによって腸の粘膜や細胞が影響を受け炎症を発症し、それが慢性化することによって起こるものです。しかし、セリアック病まではいかなくても、このグルテン過敏症の方は数多くいます。
アメリカやカナダではこの6年ほどの間に、セリアック病判定のための血液検査や小腸の生検を行っても陰性なのに、セリアック病に似たような症状が出ている症例が確認され、その症状を「グルテン過敏症」と呼ぶようになりました。

日本を含む多くの先進国では小麦は切っても切り離せない食品の一つですよね。グルテンを過剰摂取していると知らず知らずのうちにグルテン過敏症になってしまう可能性があります。ある論文では、グルテンは基本的に摂りすぎることで過敏症になるとされているくらいです。


ちなみにグルテン過敏症の症状とは・・・


・食後2時間以内の腹部膨満感
・貧血
・慢性的な下痢
・慢性疲労
・便の悪臭
・うつ様症状
・倦怠感
・気力低下
・体力低下
・情緒不安
・集中力低下
・血糖の上下動(特に低血糖症状)
・急激な体重の増減
・関節痛
・頭痛
・慢性肩こり
・不眠
・傷が治りにくい
・乾燥肌
・蕁麻疹やかゆみ


などなど。


グルテンは小麦製品を使った食品のほとんどに含まれています。グルテンが含まれているものは、パン、唐揚げ、天ぷら、カレー、シチュー、クッキー、ケーキ、スナック菓子、ビスケットなど挙げればキリがありません。

上記の症状があった方で、小麦抜きの生活を2週間やってみて、それらの症状がなくなった場合は、グルテンに反応している可能性があります。
私が臨床に出ていても、慢性の下痢や便秘に悩まされていたり、慢性疲労や慢性肩こりの症状を持っている方にこのグルテン過敏症は本当に多いと思います。



私もグルテンフリーの生活を実践しているので、その大変さがすごくわかりますが、今ではお話してきた米粉によるパンや麺類、そして血糖値障害を持っている方にも大豆粉による食品も出てきています。
アメリカではグルテンの含まれていない食品も数多く市販されているようですね。日本も近い将来グルテンフリーの食品産業が増えてくるかもしれません。

それだけ、グルテンによる健康の問題は大きくなってきているのです。

みなさんもグルテンフリーな生活をすると何か変わるかもしれませんよ~^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

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by chiropratica | 2011-09-01 11:59 | まじめ日記


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

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