Think Health
2015-03-07T12:01:18+09:00
chiropratica
カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記
Excite Blog
NO.589 骨粗鬆症NEW その24 「骨を丈夫にするコツ!」
http://chirotic.exblog.jp/24214042/
2015-03-07T09:57:00+09:00
2015-03-07T12:01:18+09:00
2015-03-07T09:57:24+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
長らくお話してきた「骨粗鬆症」のテーマですが、今日で最後になります^^。
さて、骨を丈夫にするコツとしていままで話してきたことを、ここでもう一度まとめたいと思いますが、骨はやはりカルシウムが主成分ですから、カルシウムが抜けて骨に問題が起こることは事実です。
毎日の食生活の中で、またはご自身の消化吸収能力の影響により、カルシウムがしっかり摂れていないような状態では、血液中のカルシウムが少なくなると(心臓などに問題が起こる)、骨からカルシウムを溶かして血液中に補給します。こういったことから、カルシウム不足がずっと続いていくと、せっかく若い時に在庫したカルシウムを使い続けることになって、それが骨粗鬆症になっていくというわけです。
骨を丈夫にするコツを3つお伝えしましょう!
1.カルシウムはやはりしっかり摂る!
カルシウムは絶対摂らなければいけない、これがまず一つ大切なことです。
カルシウムは十分摂って頂きたい、閉経後にカルシウム減少がそれこそ、骨粗鬆症になるぐらいの大変な減り方にならないように出来るだけ蓄えを多くしておくこと、これがまず第一です。若い時からカルシウムを摂ってカルシウムの蓄えを多くしておくことです!
2.ビタミンD3をしっかり意識する!
カルシウムの吸収をしっかりさせてください。これにはビタミンD3が大切です。
ビタミンDは日光に当たることにより、皮膚のコレステロールから合成されます。たまには日光浴も大事になるわけですね。
またもちろんご自身の胃腸の消化吸収能力もカルシウムの吸収率にはとても関わります。
特に胃酸の分泌が低下しているとカルシウムの吸収率も落ちてきます。
これは
こちらを参照してください^^。
3.骨には適度な刺激を!
骨に適度な刺激を与えてください。適度な刺激が骨の細胞を活性化します。
じっとしていたら、骨がダメになることは宇宙に行った人のことでもわかります(無重力空間では骨がもろくなる)。
骨に負荷をかけてあげるということは絶対大切なのです。
何はともあれ、この3つ!
これが骨を丈夫にするコツになります。
最後になりますが、もし、カルシウムをサプリメントで摂る時の注意点も。
カルシウムは強力なアルカリ性ミネラルなので、強力な酸性環境にある胃液の中に入れることは、明らかに胃液をアルカリ性方向に誘導します。これにより消化吸収不良が起こってしまいます。これはカルシウム、マグネシウム、アルミニウムは制酸剤に使われることからも明らかですね。
よくみなさん間違えていることが多いのですが、これらミネラルのサプリメントは食後よりも食間がベストタイミングな摂取時間となるので覚えておいてくださいね^^。食前30分前もしくは、食後4時間以降が良いと思います!
最後の言葉になりますが・・・
“私たちの大事な骨の栄養は
食べ方の基本”
私が、この「骨粗鬆症」のblogを書いていて、1つ思ったことがあります。
骨の栄養。これは私たちの身体を作る栄養を考える上で、一番の基本となることだなと。
それだけ、ここに書いてあることは重要なことです。
基本的な食べ方が全て網羅されていると言っても過言ではないです。
みなさん是非是非、参考にしてみてください^^。
なにかご質問があれば、
こちらから気軽に聞いてくださいね。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地
Face book page|カイロプラティカ]]>
NO.588 骨粗鬆症NEW その23 「牛乳って実は」
http://chirotic.exblog.jp/24206086/
2015-03-05T09:44:00+09:00
2015-03-07T09:44:46+09:00
2015-03-05T09:44:45+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
さて、いままで、みなさんのほとんどが、強い骨と健康な歯をつくるには多量のカルシウムを摂取する必要があると思っていたでしょう。
これまでのblogを読んで、その常識が少しでも変ってきたと思いますが、そのカルシウムの最良な摂取源としては、多くの人が「牛乳」や「乳製品」と答えるのではないでしょうか。
そしてみなさんのほとんどが、「牛乳」にはカルシウムが豊富に含まれていると思っているでしょう。
牛乳は、子供からお年寄りまで幅広い年齢層に飲まれているのですが、その第一の理由として「不足しているカルシウムを摂りたい」という方が多いようです。
たしかに「牛乳」がカルシウムの豊富な食品の一つであることは間違いありません。
しかし・・・
「いくら飲んでも牛乳のカルシウムは利用されない」のです。
牛乳はいくら飲んでも、そこに含まれているカルシウムは吸収されず、排泄されてしまうといいます。
興味深い研究があります。
ハーバード大学が行った大規模な調査で、アメリカ11州に住む30歳から55歳の女性看護師7万7761人を対象に、1980年から実に12年にわたって牛乳や乳製品の摂取と骨折の関係について追跡調査をしました。
「毎日コップ2杯の牛乳を飲むグループ」と「週に1度以下しか牛乳を飲まないグループ」ではどちらの骨が強いかと聞けば、前者と答える方が多いでしょう。
しかしこの疑問に対して行った調査の結果、それぞれのグループの骨の強さはまったく同じでした。驚くことに、牛乳をたくさん飲んでも骨折の予防にはならないことがわかったのです。
もちろん、牛乳だけではなく、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズ、ホイップクリームなどの乳製品も対象にして調べています。さらに、骨折のリスクに影響するホルモン剤(エストロゲン)の使用、喫煙状況や摂取カロリー、肥満度などのほかの要因ついてもあわせて調査したうえで、乳製品単独の影響のみを分析するという徹底ぶりです。
その結果、「牛乳を飲めば骨が強くなる」という結論は導き出せませんでした。
それどころか、なんと乳製品からたくさんのカルシウムを摂っている人のほうが、そうでない人より骨折しやすいという結果が出たのです。
(山田豊文 病気になりたくない人はこうしなさい 引用)
おどろきですよね。
さらに母乳栄養児と人工栄養児を比較した研究があります。
通常、牛乳には1リットルにつき約1200mgのカルシウムが含まれています。一方、母乳には1リットルにつき約300mgのカルシウムしか含まれていません。しかし、これだけの差があっても、母乳栄養児は人工栄養児より多くのカルシウムを吸収しているという結果が出たのです。
(Flank A.Oski,M.D. DON'T DRINK YOUR MILK 引用)
そして、放射性カルシウムを用いたカルシウムの吸収研究で、牛乳中のカルシウムは18〜36%しか吸収されないという結果が報告されています。
なぜそれほどまでに牛乳中のカルシウムは吸収できないのでしょう。
その原因の一つは、牛乳がカルシウムだけでなく「リン」を多く含んでいることです。牛乳の中のカルシウムとリンの比率は2対1よりもやや大きいのですが、リンは腸管内でカルシウムと結合するためにカルシウムの吸収を阻害することがあるのです(以前のblog参照)。
それゆえに多くの栄養学者がカルシウムの比率が2対1以下(3対1とか4対1)の食品だけをカルシウム源として利用すべきだと主張しています。たしかにただでさえ加工食品を摂る現代人はリンが過剰なので、カルシウム源としてリンが少なめの食品を選ぶべきかもしれません。
そしてもう一つの理由は、牛乳や乳製品は、動物性たんぱく質を非常に多く含む食品ということです。
これも以前のblogでも述べたので、動物性たんぱく質が体内で酸性物質を大量に生じさせることはご存じだと思います。動物性たんぱく質が非常に多い牛乳や乳製品を過剰に摂取すると、骨からカルシウムが溶け出す「脱灰」が促進されます。
たんぱく質代謝の過程で生じる尿酸や硫酸のために、血液を大きく酸性に傾けてしまい、それを中和するのにカルシウムが動員されてしまうのです。
その他、牛乳や乳製品は、カルシウムとマグネシウムの比率が悪く、マグネシウムがほとんど含まれておりません。牛乳を多飲し、乳製品を多食するという生活を続けていれば、食事全体のカルシウムとマグネシウムの摂取比率が大きく崩れた状態になり、マグネシウム不足になります。
また食事の欧米化でマグネシウムが不足しがちな現代人ならなおさらです。
マグネシウムについても前のblogを読んで頂いていたらわかると思いますが、カルシウムとセットで必要な大切なミネラルです。身体は、血液中のカルシウムが不足しないように、骨から補充したり、常に血液中のカルシウム濃度を一定にしていますが、マグネシウムが不足すると、その調節がうまくいかず、カルシウムが溶け出す脱灰がここでも促進されてしまうのです。
欧米などでも乳製品の一日の摂取量が1000mgを超える地域では、骨折が多いというデータが複数報告されています。
日本でも小学生の女の子を対象にした骨密度の検査で、骨密度が著しく低い値を示した女の子が約38%に達していたという報告もあります。
私たちは多量の牛乳や乳製品を摂取する生活を送っていますが、それにもかかわらず骨粗鬆症が減ったという話はいっこうに聞きません。なおかつ子供たちの骨すら弱くなっている今の世の中です。
乳製品だけの問題ではありませんが、もう一度食生活は見直していく必要があるのではないでしょうか。
では牛乳や乳製品を摂らなければ、何からカルシウムを摂ればいいのか。
みなさんは戸惑うかもしれません。
いやいや牛乳より良いカルシウム源はたくさんあります。
少しご紹介していきましょう!
〈緑黄色野菜〉
まず、おすすめしたいのは野菜です。野菜は知られざるカルシウムの宝庫です。とくに「葉が濃い緑色の野菜」、たとえば、ケール、ブロッコリー、小松菜、からし菜、カブやダイコンの葉などはカルシウムを豊富に含んでいます。ゆでたり、いためたりすれば量を多く食べられるので、牛乳コップ1杯くらいのカルシウムはすぐ補給できます。たとえば、小松菜なら100gで約170mg相当のカルシウムが摂取できます。もちろん煮汁に流れたカルシウムもとりましょうね。
アメリカの実験結果(ヒーニーらによる)では、ケールなどの野菜からのカルシウム吸収は、牛乳からの吸収にほぼ等しいという報告もあります。
そのほかのカルシウムを豊富に含む野菜としては、モロヘイヤ、明日葉、春菊、水菜、シソ、アーティチョーク、キャベツ、ニンジン、セロリ、セルリアック、チャイブ(エゾネギ)、タンポポの若葉、フェンネル(ウイキョウ)、サヤインゲン、ワサビ、ニラネギ、タマネギ、パセリ、パースニップ、ホウレンソウなどがあげられます。
またこれらの野菜にはカルシウムだけでなく、ほかのミネラルやビタミンも豊富です。
骨を作るにはほかのミネラルも大事だというお話はしましたが、こうした食材にはカルシウムとのバランスに欠かせないマグネシウム(以前のblog参照)も多く、発ガン物質を抑制する物質や食物繊維なども豊富です。
骨粗鬆症を予防する他の野菜としては、カルシウムとたんぱく質の結合を助けて、骨を強くするビタミンKの多い野菜には「ダイコン」「キャベツ」「パセリ」「アスパラガス」があります。カルシウムとビタミンKを含む野菜には「クレソン」「ニラ」、カルシウムとマグネシウムをバランス良く含む野菜には「ホウレンソウ」があります。
すごいですね!野菜^^。
予備知識として、最近ではキノコに含まれている天然の糖類、トレハロースが骨粗鬆症を予防する作用をもつ糖類とわかり、注目を集めているみたいですね。「エリンギ」「ナメコ」などは、このトレハロースとビタミンDを豊富に含んでいます。
〈海藻類〉
野菜以外では、海藻類もおすすめです。
海藻は牛乳に比べて、カルシウムの利用効率が1000倍も高いという報告もあります。
海藻は日本人に昔からなじみの深い食品で、カルシウムやマグネシウムに加え、体液や血液の状態を一定に保つカリウム、それに鉄などが豊富に含まれています。また海藻類に含まれる水溶性食物繊維は、血糖値の急な上昇を防いだり、血圧や血中のコレステロール値を下げる作用があります。
アメリカでも「シーベジタブル」(海の野菜)と呼び、積極的に食べるようになっているようです。
〈小魚〉
いわしの丸干し、ししゃも、わかさぎ、煮干し、干しえび、ジャコ、しらす干し・・・こうした小魚にはカルシウムが豊富で、1回に食べる量が少ないものの、手軽なカルシウム供給源になります。
そう。小魚からを摂るカルシウムの吸収を高める工夫があります。
実は小魚のカルシウムは、身体に吸収しにくい形のカルシウムで身体に吸収される率は33%ほどしかないのですが、この吸収率を高めるために、クエン酸でキレート化させ、クエン酸カルシウムとして吸収を高める方法があります。方法と言っても、昔から馴染みがあるものですが、調理の際に酢やレモン汁などを活用するのです。焼いた魚や揚げた魚にレモン汁をたっぷりかけたり、酢の物にジャコやしらす干しを加えてみれば完成です。
こうした工夫で断然カルシウム吸収も高まります。
〈豆類〉
大豆製品は、カルシウムとマグネシウムを鉄とともに含み、そのミネラルの組み合わせは、牛乳よりずっと優れています。大豆には100g中240mgものカルシウムが含まれます。五目豆、高野豆腐の含め煮、おからのいり煮、きな粉料理・・・などなど。もちろん豆腐や納豆などの大豆製品もオッケーです。カルシウムとビタミンKが豊富な納豆は最高ですね。
〈その他〉
果物にもカルシウムが豊富なものがあります。
ローズヒップ(バラの実)、ラズベリー、キウイ、イチジク、黒スグリ、黒イチゴなどです。
そしてその他の良好なカルシウム源として、アーモンド、インゲン豆、オートミール、全粒粉小麦、ゴマ、ヒマワリの種、乾燥果実などがあります。
これらの食材から摂るカルシウム吸収率ですが、牛乳と比べると・・・
大根の葉で2.5倍、切り干し大根で5倍、ヒジキで14倍、わかめで7倍、海藻で10倍、小魚や煮干しで22倍、ゴマで10倍になります。
これからはカルシウム含有量よりも吸収率で考えるべき事実ですね。
もちろん、いままでの長い骨粗鬆症のテーマでお話してきたように、これらのカルシウム源から健康的にカルシウムを摂取する以外にも、他のビタミン・ミネラルが必要です。
万能な野菜、とくに有機野菜などから、マグネシウム、ストロンチウム、マンガン、セレン、銅、ケイ素、ヨウ素などの他のミネラルをしっかり摂ること、日光を浴びてビタミンDを補給、そして適度なたんぱく質を摂取すること、これらは骨粗鬆症を予防するだけでなく、健康的な食生活の第一歩になると思います。
みなさんも是非明日から試してみてくださいね。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
NO.587 骨粗鬆症NEW その22 「イソフラボンって」
http://chirotic.exblog.jp/24198418/
2015-03-03T09:57:00+09:00
2015-03-03T09:58:08+09:00
2015-03-03T09:57:43+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
今日は、骨粗鬆症でもよく話題にあがる大豆の成分「イソフラボン」についてお話していきましょう!
「イソフラボン」は、大豆胚芽に多く含まれるフラボノイド「ポリフェノール」の一種で、女性ホルモン様の物質で化学構造がエストロゲンと似ているため、ファイトエストロゲン(植物女性ホルモン)とも呼ばれているのです。体内では、エストロゲンと同じような働きと効果があると考えられており、注目されています。
作用は穏やかで、効き目はエストロゲンの1000分の1〜1万分の1とされていますが、エストロゲンと同様に、更年期障害の症状の緩和、動脈硬化や高コレステロール血症の予防をはじめ、骨からカルシウムが溶け出すのを抑える効果を持ちます。
またイソフラボンはエストロゲンの受容体に働きかけ、ホルモン分泌量の減少によって発生する骨粗鬆症を予防することがわかっています。
その他、糖質代謝改善にも有効といわれています。
そしてエストロゲンが過剰な状態にあるときは、エストロゲンの受容体にイソフラボンが結合し、エストロゲンの働きを抑える抗女性ホルモン作用もあります。つまり、過剰なエストロゲンによって高まる乳がん発症のリスクを抑える効果も期待できるのです。
すごいですね「イソフラボン」。
イソフラボンは、配糖体(糖がついていて分子量が大きい)のグルコシド型イソフラボンと、非配糖体のアグリコン型イソフラボンに分かれます。味噌などの大豆発酵食品の中には、アグリコン型が多く含まれますが、ほとんどの場合、食品中ではグルコシド型として存在しています。
アグリコン型は分子構造的に糖が外れているので、すばやく腸管から吸収されます。このためグルコシド型に
比べて吸収率がはるかに高いと言えます.
イソフラボンについての研究では、特に更年期女性で、骨密度を改善したという報告もありますが、アメリカでは、大豆イソフラボン摂取が骨密度や骨形成バイオマーカー、骨吸収バイオマーカーを改善するという証拠はまだ不十分であると報告しており、これからの更なる研究が望まれているところです。
2008年の栄養学の専門ジャーナルに、閉経後の女性では大豆イソフラボンが骨の健康維持に有用であるという研究データ(メタ分析)が報告されていました。(Eur J Clin Nutr. 2008 Feb;62(2):155-161.)
前述したように、閉経後に生じる骨粗鬆症は、骨改変(リモデリング)サイクルの開始頻度の増加と、骨改変部位での骨吸収と骨形成のアンバランスで生じます。閉経後の骨粗鬆症では、エストロゲン欠乏などのために、骨改変部位において、骨吸収が異常に亢進し失ってしまった骨量を、骨形成によって十分に埋めることができず、骨密度が急速に減少します。
今回の研究では、9報のランダム化比較試験における432名を解析した結果、大豆イソフラボンの摂取が骨の再吸収を抑制し、骨形成を促進するという報告をしています。
具体的には、イソフラボンを摂取した被験者では、摂取していない被験者に比べて、尿中の骨再吸収マーカー(Dpyr)の有意な低下、血中の骨形成マーカー(BAP)の有意な増加が認められていたのです。
こう考えていくと、骨粗鬆症にはホルモン投与で「エストロゲン」を補給してガンのリスクを増やすよりは、こちらの方が断然安全なのではないでしょうか。
女性には特に、大豆をオススメしたいですね^^。
日本人に大豆製品は身近なものなので、無理にサプリメントや健康食品で摂る必要はないと思いますが、いまでは、「骨のカルシウムの維持に役立つ大豆イソフラボンを含んでいるので、骨の健康が気になる方に適しています」と表示してある保健機能食品もあるくらいです。
イソフラボンの摂取の目安は1日約70〜75mgと言われています。
ですが、実はこの摂取量に関してはあまり根拠はありません。
日本人は昔から大豆製品を日常生活に取り入れてきたので、食べ物から摂る分には過剰摂取の心配はないでしょう。とくに通常の大豆食品による摂取での健康被害は報告されていません。
ただ、サプリメントで摂る場合は、イソフラボンと言えどエストロゲン作用があるので、とくに乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫など、ホルモンに大きく影響を受けやすい状態にある女性や閉経前の女性は過剰に摂取しないようにしましょう。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
NO.586 骨粗鬆症NEW その21 「酸性食品について」
http://chirotic.exblog.jp/24153106/
2015-02-21T10:28:00+09:00
2015-02-19T22:41:33+09:00
2015-02-19T22:41:02+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
今日は血液を酸性にする食べ物のお話です。
「酸性食品」の摂り過ぎがカルシウムの排泄を促進して、骨密度の減少につながることが多くの研究で指摘されています。「酸性食品」とは簡単に言うと、肉類、高たんぱく食品全般、穀類などです。それに対して、野菜や果物は、ほとんどがアルカリ性食品です。
前回のblogでも少し触れましたが、動物性たんぱく質を過剰に摂取すると骨からカルシウムが溶け出す「脱灰」が促進されます。
詳しくメカニズムを見て行くと・・・
健康な状態では、血液は「弱アルカリ性」に保たれています。ところが酸性の食品を多く食べると血液が酸性に傾いてしまいます。血液が酸性化することは生命活動において非常に危険なことなので、身体はこれをなんとか中和しようとして、骨や歯の中のカルシウムをアルカリとして血液中に動員します。これが「脱灰」の起きるメカニズムです。
通常だと、副甲状腺ホルモンが、用の済んだカルシウムをすみやかに骨や歯に戻すことで(これが「再石灰化」)、脱灰と再石灰化のバランスをうまく保っていますが、牛乳や乳製品、肉類などを食べ過ぎてしまうと、「脱灰」だけが起こりやすくなるのです。
動物性たんぱく質などの酸性食品が、この副甲状腺ホルモンの働きを阻害するために、再石灰化が行われず、骨由来のカルシウムが尿中に排泄されてしまうのです。
できれば、「酸性食品」の過剰摂取は控えておきたいところですね。
前回同様、動物たんぱく質の多い肉類や牛乳、乳製品は過剰に摂取しないということがポイントになります。
ちなみに補足ですが、通常お米や小麦などはリンを多く含む「酸性食材」と言われますが、お米や小麦を原料とする加工食品においては、その中の添加物でナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ性添加物が大量に含まれていることもあり、この場合は強力なアルカリ食材となりますね。
また野菜や果物(一部を除いて)は、「アルカリ性食材」と言われますが、基本的に食材のpHを決めるミネラルは植物や動物が作れる物質ではなく、生育する土壌に含まれるミネラル量に依存するので、その土壌のミネラルによってまた変わってきます。
栽培方法、例えば水耕栽培などによっても含有するミネラルには、微妙に変化がありますね。
甘みを強く引き出すためには、ナトリウムやカリウムは少ない方が良いので、その分酸性のリンの割合が多くなる場合もあります。
こう考えていくと、なかなかこの食材のpHというのは奥が深いと思いませんか?
また機会があれば、この手のお話をしたいと思いますが、わかっているのはリンや硫黄などの酸性ミネラルを含むような動物の肉は全て酸性食材ということです。
もちろん、お肉も大切な栄養源ではありますが、酸性食材の摂り過ぎは、血液中やリンパ液中のpHのバランス維持のために骨や歯からのカルシウムの溶け出し(脱灰)が起こるので、骨粗鬆症のテーマの中では注意が必要ということになります。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
NO.586 骨粗鬆症NEW その20 「たんぱく質の考え方」
http://chirotic.exblog.jp/24151357/
2015-02-19T14:05:00+09:00
2015-02-19T14:06:33+09:00
2015-02-19T14:05:57+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
骨作りには、「たんぱく質」が重要という話をしてきました。
少し混乱するかもしれないですが、前回の「リン」同様、たんぱく質摂取にもバランスが重要になるようです。
以前も一度お伝えしましたが、大切な話なので再度お話していきましょう!
たんぱく質摂取量の増加は、骨量を増加させ、骨折リスクを低下させるというのは本当のことですが、たんぱく質を摂り過ぎると尿中へのカルシウムの排出も多くなるといいます。
また栄養医学ジャーナルの「American Journal of Clinical Nutrition」で発表された研究では、たんぱく質を過剰に摂取している場合、カルシウムを大量にとっても、体内のカルシウムバランスは修正できないと報告しています。
食事からとるたんぱく質の影響を調べた、いくつかの研究データを紹介しましょう。
極端にたんぱく質の摂取量の多いイヌイット(エスキモー)の高齢女性と、それよりずっと少ない量のたんぱく質しかとっていない高齢女性の骨密度を比較した研究があります。その結果、イヌイットの高齢女性のほうが、明らかに骨密度が少ないことが確認されました。しかし、もっと若い年齢層で比較した場合には、こうした傾向はなかったといいます。
イヌイットのカルシウム摂取量は、平均的な西洋人の2倍も高いのですが(1日2000mg)、彼らの骨粗鬆症の発生率は高く、アメリカの白人にくらべて骨量が10〜15%も低いと言われています。これはおそらく、イヌイットのたんぱく質(魚、クジラ、セイウチ)の摂取量が250〜400gとあまりに高いことが原因と思われています。一方アフリカのバンツー族のカルシウム摂取量は400mg程ですが、彼らは骨粗鬆症とは無縁なのです。そしてこれは、たんぱく質のほとんどが植物由来で1日47gと少ないからだといいます。
卵と乳製品はとるが肉類は食べない菜食主義の女性と、普通に肉を食べている女性の骨密度を比較した研究もあります。その結果、20代〜40代の比較では違いが見られませんでしたが、50代、60代になるとはっきり差が現れました。50代以降は、肉類を食べている女性グループのほうに骨粗鬆症の発生率が明らかに高く、その傾向は年齢層が高まるにつれて、さらに拡大したといいます。
そしてアリス、マーシュの行った研究では、50歳〜89歳のあいだの卵乳菜食の女性グループの骨組織の減少率は18%だったの対し、肉を食べている女性グループでは35%の減少率でした。
こうなると「お肉」は食べない方が良いような気がしてきますが、アメリカの研究ですので、日本人が思っている以上に肉摂取量は多いと思います。
ただ、毎日お肉を摂るなど過剰摂取にはリスクがあります。
では肉の過剰摂取の何がいけないのでしょう。
これはおそらく、肉の過剰摂取は、骨からカルシウムなどのミネラルを溶かし出す「脱灰」を促進する原因になるからだと思われます。
肉は多くの動物性たんぱく質を含み、代謝産物として酸性物質を大量に発生します。肉を食べると血液が酸性に傾き、その中和のためにカルシウムが使われ、「脱灰」という減少が起きてしまうのです。
また肉は前回のblogでお話したリンが多く、カルシウムが少ない食べ物です。通常、血液中のカルシウムとリンは1対1の割合を保っています。ところが、肉を食べすぎると血液中のリンが過剰になり、そのバランスを保つために骨からカルシウムが溶け出してしまうのです。
肉はたんぱく質を手軽に供給する反面、摂り方によっては骨を弱くする食べ物なのですね。
もちろん、いままでお話してきた通り、骨の骨組みであるコラーゲンの繊維は「たんぱく質」出来ていることは確かで、肉類のたんぱく質は、骨の成長には重要な役割を果たすIGF-1(インスリン様成長因子)を高めるとも言われています。
ようするに、たんぱく質は重要な栄養素ということは間違いないですが、摂り過ぎにはくれぐれも注意が必要ということですね。
ここでもバランスが重要ということです^^。
もちろんお肉には他の食材では少ない、鉄や亜鉛、ビタミンB群も豊富に含まれていることが多いので、たんぱく質に関して言えることとしては、お肉、お魚、卵、大豆製品をバランス良く食べることがポイントとなりそうです。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
NO.586 骨粗鬆症NEW その19 「リンには注意!」
http://chirotic.exblog.jp/24143482/
2015-02-17T12:30:00+09:00
2015-02-17T12:31:26+09:00
2015-02-17T12:30:55+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
さて、今日は骨粗鬆症についての栄養で、少し注意が必要なものについてです。
みなさん「リン」という栄養を知っていますか?
リンは、骨を作る時のリン酸カルシウムとして必要となるものです。
しかし、実はこの摂取量が難しいところで、摂取するカルシウムとリンのバランスも非常に重要になります。
たとえば、たとえたっぷりカルシウムをとっていたとしても、それと同じか、それ以上のリンも摂取していたとしたら、カルシウムは満足に仕事が出来なくなってしまうのです。
現代人はリンを過剰に摂取していることがよく言われています。リンが豊富に含まれているものには、肉類、鶏肉、魚、穀類などがあげれれますが、とくに現代人では加工食品が問題になります。
加工食品の中の、品質改良材、結着剤として利用されるリン酸塩は、ミネラルの吸収を阻害し、リンの過剰摂取によりカルシウムの吸収を悪くしています。
100g中の加工食品のリンを比較してみると・・・
豚肉200mg / ロースハム340mg
じゃがいも40mg / ポテトチップス100mg
あじ230mg / 魚肉ソーセージ200mg
こう考えるとロースハムやポテトチップスなど加工食品にしてしまうだけで、明らかにリンの取り込みが多いことがわかりますね。砂糖、お菓子、甘味飲料などもリンを含んでいます。
リン(P):カルシウム(Ca)は1:1が理想ですが、現代人は4:1くらいになっていると言われていますが、これも「リン」が多く含まれている加工食品を多く摂取することが、原因の一つでしょう。
なかなか難しいことかもしれませんが、大切なのはバランスなのですね。
一般的には良い食べ方でも、バランスの悪いとり方になっていると不都合が出ることもあります。
骨粗鬆症の予防をしたい方は、加工食品の摂り過ぎに注意です。
炭酸飲料水や加工食品の添加物として広く使われているリン。摂り過ぎてしまうと血液中のカルシウムとのバランスが崩れ、カルシウムの排泄されてしまうのです。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
NO.585 骨粗鬆症NEW その18 「ビタミンKも大事」
http://chirotic.exblog.jp/24121154/
2015-02-14T10:54:00+09:00
2015-02-11T20:57:33+09:00
2015-02-11T20:56:42+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
最後に「ビタミンK」。このビタミンは骨密度の増加には効果はありませんが、骨折の抑制をしてくれると言われています。
これはビタミンKが、骨に含まれているたんぱく質のオステオカルシン(カルシウムを沈着させ骨質を向上)の活性化を促進して、骨質を良くすると言われているからです。
ビタミンKは特に納豆に豊富で、納豆の摂取量の少ない西日本では、摂取量の多い東日本より、大腿骨頸部骨折の頻度が高いといいます。
納豆以外には、レバーや、緑黄色野菜に多く含まれていますよ^^。
今日も少なめですが、これで。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
NO.584 骨粗鬆症NEW その17 「ビタミンDの大切な働き」
http://chirotic.exblog.jp/24121123/
2015-02-12T20:48:00+09:00
2015-02-11T20:57:14+09:00
2015-02-11T20:49:02+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
ビタミンの中では、骨作りには欠かせないのが「ビタミンD」。
ビタミンDは私たちが食べ物から摂るDと紫外線を浴びることによって皮膚で作っているDとこの2種類のDがあります。ただ、そうやってビタミンDを摂りました、作りましただけでは、骨には全く役に立ちません。
まずそれらのビタミンDは肝臓に入っていって、水酸化という働きを受けて、活性化第一段階の反応を受けます。そしてそれが続いて腎臓に入って腎臓でさらに水酸化という反応を受けて活性化が起こります。こうやって、腎臓で活性化されて初めてビタミンD3という活性型ビタミンD3になって骨の吸収を高めるという働きが出来るようになるんです。
なのでエノキを食べたからすぐに効くとか、そういうことではないんですね。逆に言えば、腎臓が悪い方は骨も悪いです。それは何より、ビタミンD3が出来ないからなんですね。
ビタミンD3は腸管の内皮細胞でカルシウム結合たんぱく質を産生し、カルシウムの吸収を増加しますが、最初からの流れを少しまとめてみましょう!
ビタミンD
↓ マグネシウム
ビタミンDの活性化(肝臓、腎臓)
↓
カルシウム結合たんぱく質の産生(小腸)
↓ カルシウム
カルシウムの吸収と移動
↓ リン・マグネシウム
リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム
リン酸マグネシウム様物質
カルシウム
コラーゲン(アミノ酸から形成された)
↓
骨に沈着
こんな感じになります^^。
ビタミンDの不足はあまり心配することがありませんが、ビタミンDが少ない女性(血中濃度50nmol以下)では、副甲状腺ホルモンが高く、大腿骨低骨密度者の割合も高いとされています。
偏食やあまり日光に当たらない生活をしている人、大気汚染の地域に暮らしている人、高齢者の方は摂取量を多めにする必要があります。
日本では、日光・紫外線が少ない東北地方では減っている人が多いという統計があります。
ビタミンDは、かつお、さけ、うなぎ、マグロ、煮干し、しらす干しなど魚類に多く含まれています。きくらげや椎茸にも多く含まれていると言われていますが、生椎茸にはビタミンDは含まれていません。椎茸にはエルゴステロールという物質が含まれていて、これが日光に当たるとビタミンDに変化します。
ですから「干し椎茸」が良いわけですね^^。
近年は、紫外線から皮膚を保護する習慣が世界的に広がり、いまでは女性だけでなく、男性や子供にまでその傾向があります。
たしかに紫外線を多く浴びることへのリスクはありますが、1日15分~20分程度の日光浴でも、牛乳の中に含まれる何十倍ものビタミンDが体内で合成されるので(しかもタダで)、1日1回くらいは日光に当たることを心がけたいものですね^^。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
NO.583 骨粗鬆症NEW その16 「亜鉛も大切」
http://chirotic.exblog.jp/24121088/
2015-02-10T20:36:00+09:00
2015-03-05T09:46:23+09:00
2015-02-11T20:41:13+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
今日は簡単に亜鉛の話。
「亜鉛」が不足しているほど、顎の骨の損失が進行しやすい傾向のあることも指摘されており、食事からとる亜鉛の量が少ないほど、骨組織が失われる可能性が高まるということがあります。
「亜鉛」もまた、200種類以上もの酵素反応に必要なミネラルで、たんぱく質の合成に深く関わっています。
マグネシウム同様、かなり重要度の高いミネラルでしょう。
今日はちょっと文が少ないですが、これでおしまい^^。
手抜きではないですよ。笑。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
NO.582 骨粗鬆症NEW その15 「マグネシウムの大切さ」
http://chirotic.exblog.jp/24107218/
2015-02-07T10:08:00+09:00
2015-02-11T20:36:10+09:00
2015-02-08T10:07:59+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
さて、今日からカルシウム以外でも、骨作りに大切な栄養素をたくさん紹介していきます!
1つ目は何より大事な「マグネシウム」についてお話しますね^^。
特にミネラルの中では「マグネシウム」が重要です。マグネシウムは、「カルシウム」とセットで必ず必要なミネラルで、身体の内外のマグネシウムが、カルシウムの吸収と代謝をコントールし、体内環境の調整を行っているという研究も多々あります。
最近の研究では、骨粗鬆症の女性19人中16人にマグネシウムの不足が認められたと報告しているくらいで、カルシウムが正しく作用するにはマグネシウムが欠かせません。つまり、皆さんが、カルシウムの吸収とそれをコントロールするために必要十分なマグネシウムを体内に持ち合わせていなければ、カルシウム過剰が引き起こされ、カルシウム過剰による筋肉痙攣、繊維筋痛症、動脈硬化、虫歯などの症状を招く可能性もあるということです。そしてこの状態が腎臓でおこれば、カルシウム過剰による結石ができやすい状況になってしまいます。
これらは、カルシウムとマグネシウムが互いに拮抗作用を持つためです。
カルシウムは筋肉のテンションを高め硬直させる作用があるのに対して、マグネシウムは筋肉を弛緩させリラックスさせる作用があるのですね。
とくに、筋肉細胞で、この2つのミネラルバランスは大切で、バランスが崩れると筋肉の収縮や弛緩がスムーズにできなくなります。マグネシウムが不足していると、緊張が解けず、筋肉がひきつります。これが心臓で起きてしまうと心筋梗塞などにつながってしまいます。
少し難しかったかもしれませんが、カルシウムとマグネシウムは細胞内において互いに助け合いながら働いているのはわかりましたか?
骨作りにおいては、リン酸マグネシウムとして骨に存在したり、骨芽細胞、副甲状腺ホルモンに必要とされ、カルシウム吸収に重要な活性化ビタミンDを作るときに腎臓で必要なミネラルでもあります。
カルシウムとマグネシウムの摂取バランスとしては2:1~1:1がベスト。豆類、貝類、雑穀、海藻などがマグネシウムを多く含んでいます。
以前、このblog「マグネシウムの話」でもお話しましたが、少しだけマグネシウムの作用についてもお話しておきましょう^^。
マグネシウムは、体内の325種類以上にもなる酵素を制御しています。
それらの酵素の中の一つは、エネルギーを産生、搬送、貯蔵、利用する働きをしているもの、また細胞新陳代謝、DNA、RNAの合成、細胞成長、細胞増殖などに関わる働きをしている酵素もあります。またマグネシウムは体内の神経を活動させる電流の統合をしていたり、心臓活性、神経筋伝導、筋肉収縮、血管緊張、血圧、抹消血流などにも関与しています。
難しい言葉が多いと思いますが、身体の様々なことに本当によく関わっているミネラルなのです。
前述したように、カルシウムの細胞出入りを制御、調節するのもマグネシウムのため、マグネシウムがないと正常な筋肉活動が出来ません。マグネシウム不足は筋肉衰弱、骨軟化、不安症、心臓発作、不整脈、突発発作、けいれんにも関わっています。
全米化学アカデミーの調査結果によると、大半のアメリカ人がマグネシウム欠乏症で、男性では1日の推奨摂取量の約80%、女性に至っては70%程と言われています。
ここまで体内の様々な酵素反応に関わるマグネシウムなので、このミネラルが不足するだけで、体調不良が起こることが想像出来るのではないでしょうか?
アメリカで、1936年に書かれた上院文書では、「現在何百万エーカーという農地で栽培されている食品(果物・野菜・穀類)は、もはや何種類かのミネラルを十分に含有しておらず、そのため、いくらこの種の食品を摂ったとしても、われわれは飢餓状態におかれたままになるのである。肉体の健康は、私たちが取り込んでいるカロリー、ビタミン、あるいは脂質・タンパク質・炭水化物を正確な割合で摂ることより、摂取するミネラル類に直接的に依存している。研究室のテストによれば、果物、野菜、穀類、卵、さらに現在では牛乳・肉類でさえもが数世代前のものとは同じではなくなってきている。果物や野菜を食べて、完全な健康に必要とされるミネラル塩を胃袋に送り込もうとしても出来ない相談になっている」と書かれています。
これが書かれたのは1936年。
今から77年前です。今日では農地がさらにミネラル欠乏状態にあるのは、目に見えていて日本も例外ではありません。また肥料もこうしたミネラルの補充を十分に満たしていないと言います。
いかがでしたか?
骨にとってはもちろん、人間の命の営みにもカルシウムは不可欠なミネラルですが、そのカルシウムが確実に働くために「マグネシウム」が必須であるということを知っている人はあまりいなかったかもしれません。
いままでの話で、カルシウムとマグネシウムの働きについてある程度理解して頂けたなら、毎日の生活でこれらのミネラルを上手に摂取していけると良いと思います。今日からは是非、カルシウムだけでなく、マグネシウムにも注目してくださいね^^。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
NO.581 骨粗鬆症NEW その14 「骨作りのための栄養素」
http://chirotic.exblog.jp/24096867/
2015-02-05T17:45:00+09:00
2015-02-05T17:46:51+09:00
2015-02-05T17:46:11+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
さて、前回は「カルシウムだけではない!」という話をしましたが、今日は「骨作り」のための栄養素を一挙紹介です!
① 鉄筋(骨組み)
まず土台となる骨組みを作ります。縦横に走るスジで出来た土台。このスジが「コラーゲン」で、このスジが脆いと骨も脆くなります。コラーゲンはタンパク質からビタミンCの助けを借りて作りだします。
② 粘土
鉄筋部が出来たら、その上から粘土となる「ムコ多糖類」をしっかり補給する必要があります。ムコ多糖類は、コンドロイチンやヒアルロン酸、コラーゲンなどですが、それぞれビタミンA、ビタミンB、ビタミンCとタンパク質を使って作られます。
③ コンクリート
そして最後にコンクリートである「カルシウム」を流し込んで、骨が完成です!
そして・・・
骨作りには、たくさんの栄養素が関わります。
カルシウム :リン酸カルシウムとして骨を作り、骨基質を硬くする。
リン :リン酸カルシウムとして骨を作り、骨基質を硬くする。
マグネシウム:リン酸マグネシウムとして骨を作る。骨芽細胞に必要。
亜鉛 :たんぱく質の代謝や骨芽細胞に必要。
ビタミンA :コンドロイチンを作るときに必要。破骨細胞に必要。
ビタミンB :ヒアルロン酸を作るときに必要。
ビタミンC :コラーゲンの繊維をつくるときに必要。
ビタミンD :小腸から血液へのカルシウム吸収を促進。
ビタミンK :骨質を向上させるオステオカルシンを作るときに必要。
たんぱく質 :骨基質のコラーゲン繊維を作るのに必要。
細かく言うと、他にもありますが・・・
骨作りには実はこれだけの栄養素が関わっているのですね^^。
まずはもちろんカルシウムですね。
カルシウムが骨基質にくっつかなければならない、また十分に蓄えなくてはいけないのですが、体内で作ること出来ないので、食事からしっかり摂るということにかかっていると思います。
そして次にここで書いてある中でも大切なのがビタミンD3です。
これは活性型ビタミンDと言われるもので、腸からカルシウムが吸収される時の吸収を高める成分なんです。なので、カルシウムだけではなかなか吸収出来ないところをDがあるから吸収出来るようになる、そういうことなんですね^^。またもう一つ大切なビタミンD3の大切な働きがあります。先程血液中に1%のカルシウムがあって、この1%のカルシウムが命に大切な働きをするとお話しましたが、これをビタミンDとさっきお話した副甲状腺ホルモンが共同して、血液中の体内カルシウムを補充していく働き、こういう働きもこのD3にはあります。
そしてリン酸カルシウムというのが、骨の成分として主役になるので、リンも大切です。
ただ最近の方は大抵リンは過剰に摂取しているケースが多いのです。逆に減らしたいと言ってもよいぐらい、そのぐらい多く摂ってしまっているミネラルなんです。実際カルシウムとリンは1:1が望ましい、譲ってもカルシウム1に対して2ぐらいだと言われているんですが、実は現在は4ぐらいあります。
・・・なぜでしょう?
実はこのリン、ほとんど食品添加物に入っています。どういう食品添加物かお分かりでしょうか?
例えば、かまぼこやさつま揚げ、これを魚のすり身から作ったままだったら、すぐ痛んじゃいますよね。また弾力性もない。実はスーパーなどに出ているこういったお惣菜のもにには全て添加物としてリンを使用しています。
やはり、市場のニーズに答えて、くしゃくしゃのかまぼこよりは弾力性のあるかまぼこの方が売れますよね?そういったことからポリリン酸入れるんです。その度にリンが増えるんですね。
話は少しそれましたが、過剰のリンもカルシウムを減少させるので、加工品の摂り過ぎも骨粗鬆症が増える原因の1つかもしれませんね・・・。
さて、もちろんタンパク質。これも必ず必要な栄養素です!
このテーマの前の記事でコラーゲンとオステオカルシンの話をしたと思いますが、タンパク質はとても重要なんです。
ただ少し難しくて、不足すると骨にマイナス効果ですが、逆に多すぎても腎臓からカルシウムを追い出したりするんです。なので適量を摂らなければならないですね^^。
じゃあどのぐらいの摂取量がちょうど良いのかということですが、骨だけに関してお話すると、体重に1.2gをかけてください。
それが必ず必要なたんぱく質量となります。
もちろん例外もあって、成長期のお子さん、骨が伸びる時期のお子さんは必要量は多くなるので、体重に1.4を掛けていきます。
今日は大まかな骨作りの栄養素をご紹介しましたが、次回からは1つ1つの栄養素についてじっくりとお話していきます。
人間の身体を作る栄養にもつながる話なので、とても勉強になると思いますよ。
楽しみにしていてくださいね^^
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
NO.580 骨粗鬆症NEW その13 「カルシウムだけではない!?」
http://chirotic.exblog.jp/24088156/
2015-02-03T13:44:00+09:00
2015-02-03T13:45:46+09:00
2015-02-03T13:45:17+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
今日は、いままでの常識を捨てて「骨に必要なのはカルシウムだけではない」ということをみなさんにも理解していただきたいと思います。
この話は大分前にも、このblogでお話しましたがとても重要な話なので、もう一度掲載しますね^^。
2001年NIHコンセンサス会議において、「骨粗鬆症は骨強度の低下によって、骨折リスクが高くなる骨の障害と定義される。骨強度は骨密度と骨の質の両方を反映する」とされ、はじめて「骨質」という概念が提唱されました。
骨強度の70%は骨密度に、残り30%は骨質に依存しています。
骨基質 + ハイドロオキシアパタイト(リン酸カルシウム)= 骨
骨基質 + 骨密度(骨に含まれるミネラル量)= 骨の強度
そう。骨はカルシウムだけで、できているわけではないのです。そして骨の強度に関わるのも「カルシウム」だけではないということなんですね。
このことは、日本人よりアメリカ人の方がカルシウム摂取量は多いのに、アメリカ人の方が、骨折が多いということからも明らかです。
さて少し世界の研究や発表を見てみましょう。
まずはこんな研究から・・・
カルシウムの摂取量がアメリカで推奨されている量とほぼ同じ人々と、アメリカ人の半分以下しか摂取していない人々(主にアフリカの原住民)を比較したところ、カルシウム摂取量が少ない人々に骨がもろいという現象はみられなかったようです。
しかも、アフリカ諸国とアメリカの黒人は、ほとんどの白人に比べてカルシウム摂取量がはるかに少ないのですが、骨粗鬆症の発症率は低く、かえって骨密度は高いくらいだったといいます。
これには驚きますね^^。
アメリカ人は一日平均807mgのカルシウムを牛乳から摂取しています。
他の国民がどれくらいの量のカルシウムを牛乳から一日に平均して摂取しているかを調べたところ、スペイン人は308mg、ブラジル人は205mg、台湾人は13mg、ガーナ人は8mgとなっています。
しかし、これらの人々は歯がないわけでも、骨折をくり返して寝たきりになっているわけでもありません。
なんと、カルシウム摂取量の多い国ほど骨粗鬆症の発生頻度(骨折)が高いという報告すらあるのです。
1987年のメイヨ・クリニックの研究によると、カルシウム摂取量と骨量の減少速度には関係がないと述べ、カルシウム摂取量が少ないと骨量が速く減少するという仮説は支持出来ないと結論づけています。
そして大きなところでは・・・
イギリス政府が、「世界のいくつかの国では、カルシウム摂取量がイギリスの現行の勧告摂取量より少ないにもかかわらず、骨粗鬆症の発生が少ない」と述べて、「カルシウム・パラドックス」の存在を認めていることや、世界保健機構(WHO)の専門家グループが、「一日のカルシウム摂取量が300mg未満でも健康に害を及ぼすという確たる証拠はない」と結論づけていることなどがあげられます。
またWHOは、カルシウムの摂取量が少ない国々で、骨粗鬆症の発生率が高くないことを確認しています。骨粗鬆症の予防のために勧告されている食事性カルシウムが、数々の健康障害を起こす可能性があることすら指摘しているのです。
ここまで見てくると、カルシウムを多く摂ることが果たして「骨粗鬆症」に良いのかわからなくなってきますね。
実はこれは、人が食物から摂取するカルシウムの量に順応できることが明らかだからです。カルシウム摂取量が減れば、必要に応じてカルシウム吸収量は増えるようになっていること、そしていくらカルシウム摂取量が多くても、人体のカルシウム吸収率はある程度の限度があるということでもあります。
さて少し話しは戻って・・・
骨は、材質学的には鉄筋コンクリートに表すことができます。コンクリート部分に相当するのがミネラル成分(カルシウム)であり、鉄筋に相当するのがコラーゲンです。骨におけるコラーゲン含有量は重量あたりで換算すると20%程度ですが、体積あたりに換算すると50%になることから、実はコラーゲンの骨強度に及ぼす影響は大きいのです。
またコラーゲンの繊維の強度を決めているのが、隣り合う分子同士をつなぎ止める構造体「コラーゲン架橋」です。コラーゲン架橋は、鉄筋同士をつなぎ止める「梁」相当します。そして「コラーゲン架橋」には骨強度を高める善玉架橋と、骨を脆弱にする悪玉架橋に分類され、この悪玉の正体は、老化物質として知られる advanced glycation end products(AGEs)です。
ちょっと難しい言葉が出てきましたが、要は活性酸素による酸化 oxidationや糖尿病などによる糖化 glycationにより骨の骨組みであるコラーゲン繊維の強度が低下し、骨が脆くなってしまうということなのです。
この悪玉架橋は鉄筋に蓄積する「さび」と言っても良いでしょう。
骨強度を強めるには、カルシウムだけ摂ればいいということではないのです。酸化や糖化による悪玉架橋を防ぎ、コラーゲンの元になるタンパク質やその他ミネラルなどを摂ることが重要であるということを新しい常識として頭に入れておきましょう。
必要なその他のミネラルは、マグネシウム、ストロンチウム、マンガン、銅、セレン、ヨウ素、ケイ素、リンなどです。
アメリカの例ですが、骨粗鬆症の患者さんに対して、カルシウム投与を半分に減らして、これらのミネラルを追加投与したところ、骨密度がぐんと上昇したといいます。
またアンソニー・アルバネーゼ博士らは、2つの女性グループの骨密度の変化を比較する研究を行いました。一方のグループには一日700mg〜800mgのカルシウムのサプリメントが与えられ、もう一方のグループには、同量のカルシウム・サプリメントに加えて6種類のミネラルと12種類のビタミンが最低でもRDA(栄養摂取勧告量)を満たす量与えられました。実験を開始する前と、サプリメントを12ヶ月とった後の骨密度を測定した結果、カルシウムしかとっていないグループに比較して、カルシウムとマルチビタミン・ミネラルをとったグループの骨密度は2、3倍も増加率が高かったといいます。
カルシウムに加えて複数のミネラルをサプリメントで与えるアプローチは、骨粗鬆症以外の治療分野でも注目が高まっています。心疾患関連の一連の研究は、マグネシウム、マンガン、カリウムなどのミネラルを十分補給することなしにカルシウムだけを過剰に与えると、むしろ心臓に有害に働く可能性があると指摘しています。
もちろん、骨粗鬆症に対してカルシウムを使うべきではないと主張する専門家は一人もいません。カルシウムが必要だということについては、見解が一致しています。
しかし、私たちの身体の中にある栄養素はどれをとっても、他の栄養素と協力しあうことで、なんらかの生理作用を発揮できるものばかりです。カルシウムだけをサプリメントで与えればいいという発想は、骨の代謝にカルシウム以外の複数の栄養素がかかわっているという可能性を無視しているのではないでしょうか。
骨作りにはカルシウムだけではないのです。
それ以上に、たんぱく質やビタミン・ミネラルも重要なのです。
みなさんの常識、変わりましたか?
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
NO.579 骨粗鬆症NEW その12 「女性ホルモンと骨粗鬆症」
http://chirotic.exblog.jp/24082261/
2015-01-31T22:42:00+09:00
2015-02-03T13:46:19+09:00
2015-02-01T22:41:38+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
骨粗鬆症はサイレント・ディジーズ(静かな病気)ともいわれ、深く静かに進行していき、女性は男性よりも早く、30歳前後から始まるとされています。
そして、中年になるとさらに進行し、骨粗鬆症を患う老人の80%が女性であると言われています。
とくに日本では、約1000万人が骨粗鬆症であり、その9割が女性とされています。
【男性】
70歳以上総人数(2010年)
8,396,000人
骨粗鬆症人数
約2,000,000人
割合:23.8%(約1/4人)
【女性】
70歳以上総人数(2010年)
12,226,000人
骨粗鬆症人数
約8,000,000人
割合:65.4%(約2/3人)
では、なぜ女性の方が男性より骨粗鬆症になりやすいのでしょう?
「骨粗鬆症」のテーマの最初に少し触れましたが・・・
それには2つの理由が考えられます。
一つは、女性の骨は、男性の骨に比べて、「骨量が少ない」ということです。
これは単に、骨の在庫量が少ないということですね。
同じ理由で身長が低い人や細い人は、骨粗鬆症になりやすいと言えます。
そしてもう一つは、女性では、骨からカルシウムが溶け出すのを防止する役割を負っていた女性ホルモン「エストロゲン」が閉経後に急激に減少することが関わっています。
一方、年をとった男性でのホルモン「テストステロン」の産生は次第には減少するものの、女性に比べるとわずかです。
女性ホルモン「エストロゲン」はカルシウムの吸収に関わっていて、カルシウムの吸収率を上げると言われています。閉経後「エストロゲン」の分泌がなくなるとカルシウムの吸収率が急に下がってきます。
カルシウムは骨や歯の形成以外に、「血液凝固」「神経伝達」「筋肉収縮」という人間のカラダにとっては不可欠な大事な役割を担っています。そのため、血中のカルシウム濃度は厳しく一定に保たれているのです。
閉経後、カルシウムの吸収が減ると血中のカルシウム濃度が減ります。そうするとカルシウム濃度を一定に保つために、PTH(副甲状腺ホルモン)が分泌され、骨からカルシウムを溶出することになるのです。
このことにより、閉経後、骨からカルシウムが抜けやすくなり骨量が減少することになります。
副甲状腺ホルモンが、骨からカルシウムを取り出す作用をするのは男性も一緒ですが、男性では血液中にカルシウムが増えると甲状腺ホルモンが余ったカルシウムを骨に戻す役割をしてくれます。
一方、女性ではこのカルシウムを骨に戻す役割を先程の女性ホルモン「エストロゲン」が担っているので、閉経後にはこのルートがSTOPしてしまうのですね。
これが男性よりも女性に骨粗鬆症が多い理由なのです。
また女性では、閉経後にカルシウムの吸収力、骨の再生力が弱まっているのに、カルシウム剤をたくさん摂り過ぎることで、血液中のカルシウムが過剰になり血管にカルシウムが沈着して、動脈硬化を起こしやすくなります。またさらにカルシウムが細胞の中に入ってくると、脳障害(認知症)などが起こりやすくもなるので、注意が必要です。
女性では男性の2倍も認知症が多いと言われるのは、このことが背景にあるのかもしれません。
さて、このような性ホルモンによる影響以外に
骨粗鬆症を引き起こす危険因子をあげておくと・・・
家族の病歴
人種
細い体型ないし小さな体型
長期間の安静・寝たきりや運動不足
早期の閉経(手術による卵巣摘出、卵巣機能低下など)
甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症
糖尿病
喫煙
多量の飲酒
カフェイン摂取
ある種の投薬(ステロイド剤や甲状腺ホルモン剤、抗がん剤、抗痙攣剤)
食生活
・ ダイエットの経験
・ カルシウムとビタミンDが不足した食事
・ ビタミンC欠乏症
・ 加工食品・インスタントの摂り過ぎ
・ 食塩・タンパク質の摂り過ぎ
・・・
などですね。
また長期間の安静や運動不足、低身長、細い骨格、身内に骨粗鬆症がいる人などは、自分の不注意ではなく、どうしても骨塩量が少なくなりやすい身体の状況を持っています。このテーマでも骨の在庫と最初お話したと思いますが、身長が少なければやはり在庫は少ないということなんです。逆に身長が高ければ在庫量が多いということになるので、身長が低い人や身体が小さい人は、骨格的に骨粗鬆症になりやすいと言われます。女性で細い人もやはり在庫量は違いますよね。そういうことから考えていくと男性の方が在庫量が多いということはあるかもしれません。もちろん、倉庫がいくら大きくっても若い時に詰めなければそれは在庫量はもともと少ないのですが・・・。
それ以外にもお薬を長期で飲んでいる方や、ホルモンの病気を持っている方、女性の場合は閉経前に卵巣を両方取っていたりすると、リスクが高くなります。
骨粗鬆症の治療としては、ホルモンを投与するような治療法や薬などがあり、閉経後の女性に対するエストロゲンの補給が、骨粗鬆症の予防や治療に役立つことは多くの研究から指摘されています。しかし、エストロゲンによる治療は、ガンのリスクを高めることも懸念されます。
多くの女性にとって、早い時期から十分な量のカルシウムやミネラルを摂り、運動することが、歳をとってから治療や薬、カルシウムの補助食品を摂るよりも、はるかに効果的でしょう。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
NO.578 骨粗鬆症NEW その11 骨粗鬆症とは?
http://chirotic.exblog.jp/24069879/
2015-01-29T21:22:00+09:00
2015-01-29T21:24:35+09:00
2015-01-29T21:22:27+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
寝たきりになる原因の1位が脳卒中、2位が老衰、3位が骨粗鬆症による大腿部骨折であるため、「骨粗鬆症」は高齢社会が抱える問題として注目されるようになりました。
骨粗鬆症 osteoporosis(por=狭い通路、-osis=狭い)は文字通り、小さな孔がたくさんある状態の骨です。
骨粗鬆症とは、骨に小さな穴がたくさんあいて、鬆(す)が入ったように軽くスカスカになり、もろく折れやすくなった病態をいいます。
骨はカルシウムとリンが結合したリン酸カルシウムや、接着剤の役割を果たすコンドロイチンや、骨組みのコラーゲンなどからできていますが、主成分であり、骨密度を保つのにも欠かせないカルシウムは、前回のblogでも述べたように加齢とともに減少していきます。
その他にも加齢とともに・・・
カルシウム吸収率 ↓
骨を作る能力 ↓
運動量 ↓
食事量・消化吸収能力 ↓
ビタミンD3の生産能力 ↓
こうして骨密度が2〜3割も減ると、骨はスカスカで軽石のような状態になり、重いものを持つと腰が痛んだり、転倒したり、場合によっては日常生活のなんでもない動作でも骨折を招きます。ひどくなると骨量があまりにも減少するので、骨格はもはや、日常生活で生じる機械的な負荷にさえ、耐えられなくなってしまうのです。
例えば、単にちょっと急いで座ったために、骨盤の骨が骨折することも起こり得ます。アメリカでは1年間に100万例以上の、主に腰、手首、背骨の骨折が骨粗鬆症によって引き起こされているといいます。
骨粗鬆症で骨折しやすい部位としては、
上腕骨外科頚部(腕の骨、肩関節に近い部分)
脊椎(背骨)
大腿骨頚部(足の骨、股関節に近い部分)
撓骨遠位端(手首の辺りの骨)
これらの部分は、通常の骨折しやすい部位とは違い、カルシウムを取り出しやすい部位とも言えるでしょう。
ちなみに頭蓋骨は骨粗鬆症にはなりません。それだけ脳は大事ということです。
その他、歯も骨の一部であるため、歯周病にかかりやすくなり、咀嚼がうまくできなくなることから栄養不良や、脳への刺激が弱まるため認知症の引き金になるといった、さまざまな疾患を引き起こしています。
骨粗鬆症の怖いのは骨格系全体を冒すことです。骨折に加えて、椎骨(背骨の一つ一つの骨)の萎縮を招き、その結果、背が低くなったり、背中が大きく丸まったり、骨性の痛みを生じたりしてしまうのですね。
気になる人は骨密度を計ってみることをおすすめします。
1平方cmあたり1gが正常値であり、その7〜8割以下なら骨粗鬆症予備軍であり、注意が必要です。
ちなみにわが国の骨粗鬆症の患者さんは、女性が約800万人、男性が約200万人、合計1000万人と推定されています。これは、高齢化社会に伴ないさらに増加していく傾向にあります。
そのうち男性が8,366.000人、女性が12,226,000人です。
やはり女性が多いんですね〜。
2010年の70歳以上の人口は20,622,000人と発表されています。
次回は、女性ホルモンと骨粗鬆症との関係についてお話していきましょう!
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
NO.577 骨粗鬆症NEW その10 日本ではカルシウムが不足している!?
http://chirotic.exblog.jp/24065259/
2015-01-27T17:59:00+09:00
2015-01-28T18:00:34+09:00
2015-01-28T18:00:01+09:00
chiropratica
骨粗鬆症
さて、前回はカルシウムとは何か、人間が必要とする必須ミネラルの中でも重要度が高いミネラルということをお話してきました。
しかし、実はこの一番多く、そして必須であると言われているカルシウムが、日本人にとってはとても不足がちなんです。カルシウムというのは、身体で作ることができないので、どうしても食べ物から摂らなければならないのですが、これがなかなか食べ物から摂れていないのが現状です。
国民栄養調査で、今カルシウム何mgぐらい摂れているなどと言われているか、みなさんはご存知でしょうか?また今は食事摂取基準と言われていますが、1日どれだけ必要だと言われているかご存知でしょうか?
この食事摂取基準では、カルシウムは1日最低600mg摂りましょうと言われています。もちろん男性か女性、もしくは年齢でも基準量は違ってきますが、大体600〜900mgぐらいだと思ってくださいね。そう、これだけの量が食事摂取基準では言われ続けているんですが、実は戦後一度も600mgに達したことはありません。
最近、2008年の国民健康栄養調査では、悲しいかなカルシウムの1日摂取量は平均550mg前後しか摂れてないんです。
しかもこんなに摂取量が少ないのは日本だけなんです。
それは一体なぜでしょう・・・?
みなさん、まずミネラルはどこにあるか、そしてどういうところに含まれているかと考えていくとやはり土壌ですよね。そしてまさに大きな海なんです。
なのでそういった土壌や海からミネラルを取り込んだ野菜や穀類、または土壌の中を流れている水、海の中を泳いでいる魚、または海の中に生えているもの、こういうものが私たちのカルシウム源になっているのです。
しかし、日本は残念ながら、火山国です。
火山国ということは、土壌が酸性の土壌と言えます。酸性の土壌の中ではアルカリのミネラルは極端に不足しています。こういった背景から、私たちが食べている野菜や穀類にもミネラルが少ないという火山国特有、日本特有の事情があるわけなんです。土壌にミネラルが少ないので、 必然的にそれらの草を食べている牧畜にも少なくなります。日本は悲しいかな、ヨーロッパなどの鉱山がある場所とは違うということになりますね。
日本は軟水と言われていると思います。これはまさに土壌を流れている水もカルシウムはもちろん、ミネラルが少ないことを示しています。お酒を作るにはとても良いお水なんですが、こういった欠点もあるということです。
逆にヨーロッパなどは硬水ですね。硬水で洗濯するとあまり泡が立たないと言いますが、日本では軟水ななので、泡立つと。面白いですが、こういった違いも土壌や水の違いから起こるんです。
いずれにしても、こういった土壌に含むミネラルが少ないことで、野菜や水から取り入れようとしても、いずれにしても摂取量が少なくなってしまうというわけです。
でも悲しんでばかりはいられません。
確かに骨にとってカルシウムは一番大事です!
でもカルシウム摂取量は骨の強度を決める一要素に過ぎません。
私は、このblogでも何度も勉強してきたように、カルシウムを胃腸で吸収するための消化吸収力をしっかり養うことが大切だと思います。
また「骨粗鬆症」はカルシウム不足が原因で、改善にはカルシウムの補充が不可欠だと言われてきました。
しかし、実は、骨のカルシウムが不足して起こる病気は実は「骨軟化症」で、「骨粗鬆症」というのはカルシウムの不足だけでは起こりません。
骨粗鬆症とは、骨がもろくスカスカになる状態、骨の基質(骨組み)が崩壊している状態です。
骨の仕組みはビル建設と似ています。ビルを建てるとき、必ず鉄筋で基礎をつくり、そこにコンクリートを流し込みますね。カルシウムはコンクリートにあたりますが、鉄筋の骨組みがあるからこそ、コンクリートはこれに張りついて強靭になります。
骨粗鬆症は、骨組みのほうが崩壊している状態ですから、カルシウムだけを摂っていても、それこそむだ骨なのです。
骨のことを考えれば、実はカルシウムだけでなくいろんな栄養素を考えなければならないのも事実なんですね^^。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地]]>
https://www.excite.co.jp/
https://www.exblog.jp/
https://ssl2.excite.co.jp/