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NO.481 糖尿病と糖質の悪影響 その21 「カロリー制限食と糖質制限食」

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さて、このテーマもいよいよ大詰めになってきました。
これからは、糖質に対してどのように食事を考えていけば良いのかお話していきましょう!


先日お話したように、糖尿病と診断されると、まずお医者さんに言われることは「糖尿病の治療の基本は一に食事療法、二に運動」です。
そしてこの食事療法とは通常はカロリー制限食になりますね。
たとえば、身長170cm体重80kgのデスクワーク中心のサラリーマンでは、1日の総摂取カロリーは1,600kcal程度に抑えられ、そのうち55〜60%を炭水化物で摂取し、脂質は20〜25%以内に抑えるように指導されます。
しかし、この食事では物足りなさを感じる人が圧倒的に多く、食後の血糖値の上昇は十分に抑えられないのが現実です。そして食事療法をしてもヘモグロビンA1cが目標のレベルまで下がらないと、血糖を下げる内服薬を使いましょうということになります。
またそれでもダメなら、いよいよインスリン注射です。


そして、これに対して、近年こういった状況の対処法の1つとして登場し、世の中を席巻する勢いのある「糖質制限食」。

この食事療法は炭水化物の摂取を制限するもので、低炭水化物・高脂肪食となります。
糖質制限食では、食後に血糖値が上昇せずインスリンも分泌されないので、一見糖尿病には好都合だと見えるでしょう。確かにヘモグロビンA1cは下がり、薬は減って、体重も減る、それにHDLコレステロールは上がり、中性脂肪が下がるので、糖尿病、メタボリックシンドロームを背景に脳血管障害や心筋梗塞、狭心症などの病気にかかっている患者さんにとっては夢のような治療法に思えるかもしれません。
しかし、近年ようやくハーバード大学をはじめとして、世界の多くの研究グループが糖質制限食に対する大規模研究の成果を発表しており、厳しい糖質制限食は総死亡率を増やすので危険ということを明らかにしています。また糖質制限食では、細胞は血糖だけでエネルギーをまかなえず、脂質を分解して得られるケトン体と脂肪酸をエネルギーとして利用します。しかし、ケトン体はれっきとした有機酸なので、高濃度による血液の酸性化傾向が続くことの安全性に保証はないとしています。



【カロリー制限食】

総摂取カロリーを抑える
炭水化物60%脂質20%程
大切な栄養素が減ってしまう
血糖値上昇は抑えられない
日本人の6割はやせ糖尿病
糖尿病が悪化したケースもある

【糖質制限食】

炭水化物を制限する
低炭水化物・高脂肪食
食後血糖値の上昇が抑えられる
体重は減る
ヘモグロビンA1cが下がる
コレステロール値改善
中性脂肪が下がる



少しその研究についても触れておきましょう。

2010年10月にローカーボ食の将来を決定する研究成果がハーバード大学のHuら(Fung TT et al.: Ann Intern Med 153、2010)によって発表されました。
この研究はローカーボ食とハイカーボ食を合わせて13万人、20-26年間もの長期間追跡した大規模研究です。観察期間中に12,555人もの死亡が発生し、死亡原因を解析するのに十分なパワーがあります。食事内容と疾患、死亡の関係を目的とした研究ではおそらく歴史上最大規模です。この研究の特徴は脳心血管死亡数だけではなく癌死も目的としていること、4年に一回詳細な食事調査を行っていることです。

この研究では炭水化物・糖質制限をローカーボ指数という新しいマーカーによって1-10群に分類しました。スコアはハイカーボ食で1、段階的にスコアは増して、最も厳しい炭水化物制限で10となります。
まず総死亡についてハザード比をみると、男性ではローカーボ指数が高くなるほどつまりローカーボ食を厳しく行うほど有意にハザード比は増加していました。女性では有意ではありませんでした。死因別に解析すると、男性では癌死のハザード比はローカーボ指数が高くなるほど高くなりましたが、女性では高くなりませんでした。
ここでハザード比とはローカーボスコア1(つまりハイカーボ食)に比べてどのくらい死亡数が増えるかの比です。たとえば喫煙者は非喫煙者に比べて癌死のハザード比は1.5くらいです。
また、ここでは詳しく触れませんが、ローカーボ指数が高いほど、つまり厳しい炭水化物制限をすればするほど、意外にも脳心血管死も増えていたそうなのです。



上記のような大規模研究の結果、つまりローカーボ食群はハイカーボ食群より死亡率が高いという研究は、ギリシャやスウェーデンからもすでに論文があります。しかし、それらは食事内容の詳細な解析はありません。ハーバード大学の研究が優れているのは食事解析の緻密さにあります。

食事内容を動物性脂肪・蛋白質中心摂取群と植物性脂肪・蛋白中心摂取群別に解析すると、男女とも前者でのみ癌死が増加しますが、後者では増加しないこともわかりました。男性の動物性脂肪・蛋白質摂取群で35%炭水化物制限群(1.5食制限レベル)では癌死のハザード比は1.45です。これは喫煙のハザード比に相当します。
(ローカーボ食研究会より引用)



ちなみに3食のうち1食のみ炭水化物を除去する程度の緩やかな糖質制限食は、死亡率を上げず、安全なことがわかっています。

いかがでしたか?
ではどうやって糖質を摂っていけば良いのか。
迷うところですね。
次回は正しい糖質の摂り方についてお話していきましょう^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2014-07-08 16:46 | 糖尿病と糖質の悪影響


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

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