NO.469 糖尿病と糖質の悪影響 その9 「糖尿病の治療 〜カロリー制限食の限界〜」

さて、今週も始まりましたね。
今日は、糖尿病の治療についてお話していきます^^。
糖尿病と診断されると、まずお医者さんに言われることは「糖尿病の治療の基本は一に食事療法、二に運動!」です。そしてこの食事療法とは大抵は、カロリー制限食になりますね。
たとえば、身長170cm体重80kgのデスクワーク中心のサラリーマンでは、1日の総摂取カロリーは1,600kcal程度に抑えられ、そのうち55〜60%を炭水化物で摂取し、脂質は20〜25%以内に抑えるように指導されます。しかし、この食事では圧倒的に物足りなさを感じる人が多く、食後の血糖値の上昇は十分に抑えられないのが現実です。
そして食事療法をしてもヘモグロビンA1cが目標のレベルまで下がらないと、血糖を下げる内服薬を使いましょうということになります。またそれでもダメなら、いよいよインスリン注射に移ることに。
実際は、食事制限と薬だけだと改善してこないのが現実です。
そういうことから、栄養療法では、良質なタンパク質とビタミン、ミネラルを摂ってもらうことで合併症を防ぐことになります。
糖尿病は「海の波」に良く似ています。
海辺で遊んでいる時は安全でも、波に流されて沖に出てしまうと、努力なしには岸に戻ることが出来ない、そして流されている時にはあまりその状況を認識出来ないなどの点が似ているのです。
このことは私もサーフィンをするので、良くわかります^^。
糖尿病の場合、食事と運動を改善する努力をすることで、ある程度は安全な状態を維持することが出来ます。ただし、それは沖に出る前のこと。糖尿病と診断されたその時には、すでに健康の岸から遠く離れています。出来るだけ早く行動することが、その後の明暗を分けることになるでしょう。
糖尿病の治療にかかる費用ですが、年間で合併症がないと約24万円、合併症を伴うと約35万円になるという研究があります。合併症があると医療費は1.5倍も高くなり、それだけでも大きな負担ですが、糖尿病腎症を発症するともっと大変です。透析が必要になると、それにかかる費用は年間500万円にもなります。
糖尿病が疑われた時、どう反応するかは人により異なります。
現実には、自覚症状があまりないため、人によってはあまり治療を受けない人もいます。
それもそう、糖尿病患者で、きちんと治療を受け、血糖値をうまくコントロール出来ている人は患者全体の18%にすぎません。
しかし、必ずしも理想とする数値を目指さなくても、そこそこ良い数値を保つことにも意味があります。
それは何より合併症が怖いものだからです。
ある程度良い数値を保つことで、合併症を予防出来れば、患者さん自身の生活の質をより良い状態に保てるだけでなく、医療費の抑制ににもつながります。
少し話しは戻って、お医者さんで指導されるカロリー制限食ですが、これが万事オッケーかというとそうでもありません。
日本人の2型糖尿病の6割は太っていないことが、厚生労働省の調査などで示されています。
2型糖尿病では、血糖値を下げるインスリンを作り出す能力が低下すること(インスリン分泌低下)と、インスリンに対する感受性が悪くなること(インスリン抵抗性)の2つが原因となり、インスリンの作用不足が引き起こされ発病します。
実は日本人の体質的に、「欧米人比べてインスリン分泌能力が低いため、太っていない人でも糖尿病になりやすい」と言われています。このことをあまり認識していない人も多いのですが、これは、太っていないから大丈夫と思っていても、過食や運動不足が原因で糖尿病を発症する可能性があるということです。
2型糖尿病は、遺伝的な素因が深く関わっていますが、加齢のほか日常の生活習慣が誘因となって発病するので「生活習慣病」とされています。現代生活では食べ過ぎ、運動不足、ストレス、アルコールの飲み過ぎなど、糖尿病を招きやすい条件がそろっています。ある調査では、自分が将来、糖尿病になる可能性があると思うと回答した人にその理由を尋ねたところ、「運動不足」がもっとも多く69.7%、次いで「体型が太っている」が37.6%、「ストレスがかなりたまっている」が26.0%、「食生活が乱れている」が25.2%、「近親者で糖尿病の人がいる」が24.6%という結果だったそうです。
「やせ糖尿病」では多くの場合インスリン分泌が低下しています。
インスリンは血糖を下げる以外に、余剰の炭水化物を中性脂肪に変え脂肪組織に蓄える働きをしているので、インスリンの分泌が少ない人はなかなか太れないわけです。
このような患者さんの食事指導をどうするかはとても難しい問題です。実際には「やせ糖尿病」の患者さんにもカロリー制限食が指導されることが多いようです。しかし、カロリー制限食を忠実に守ると患者さんはいっそう痩せてしまい、しかも食後高血糖は改善しないという結果になります。
そしてここ10年でかなり有名になってきた糖質制限食。
確かに、炭水化物の摂取量を減らし、その分脂質やタンパク質の摂取量を増やすことで、総摂取カロリーを減らすことなく、血糖値を下げることができます。また膵臓に対するインスリン分泌刺激を減らすことにより、限られたインスリン分泌機能を温存することが出来るというメリットもあります。
しかし、現実はそう簡単ではなく、糖質を制限すると食欲が低下するため、総摂取カロリーも減ってしまう場合が多いのです。またもともと脂の嫌いな方の場合は、炭水化物を減らした分を脂質で補うことが出来なかったり、胃腸が弱くてタンパク質の消化が辛かったりと、やはり総摂取カロリーが減ることになります。そうなると、カロリー制限食と同様痩せた患者さんがさらに痩せてしまい、死亡危険度が高まるという結果になりかねません。
もちろん何よりも、うまく食事のコントロールが出来れば糖尿病の状態はかなり変わってきます。
しかしそれには新しい食事の考え方が必要です。
その人の年齢、食物の好み、食に対する意識、本人もしくは配偶者の調理能力、家庭環境、そして代謝タイプを考慮したオーダーメイドの食事バランスを考える必要があるのですね^^。
またこれについては後半に詳しく説明していきますね。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地
by chiropratica
| 2014-06-17 15:58
| 糖尿病と糖質の悪影響

カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記
by chiropratica
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