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NO.465 糖尿病と糖質の悪影響 その5 「インスリンの働き」

NO.465 糖尿病と糖質の悪影響 その5 「インスリンの働き」_b0195635_14124698.jpg


血糖値をコントロールする上で大切なホルモン「インスリン」。
今日はこのインスリンについてお話していきましょう。
インスリンは、みなさんご存知のように膵臓から分泌されます。

膵臓や脾臓は本来は胃の後ろにあります。
体の背中側から見ると、五つある腰椎の上から1〜2番目辺りに横たわっています。手を後ろに回して肋骨の下の端を探れば、そのあたりが膵臓の位置です。正面から見れば胃の後ろにあります。
膵頭部(十二指腸に接する部分です)は体の中央付近に、膵尾部(脾臓に接しています)は左の方に位置しています。したがって膵臓に炎症が起こると腹部左上のあたりに痛みを感じ、胃や心臓の痛みと錯覚することもあります。


さて、肝細胞と筋肉細胞の「糖の取り込み」を調節しているのはインスリンです。

インスリンは膵臓から血液中に分泌されるホルモンです。
本来、膵臓は消化液と消化酵素を生産している臓器だと思われていましたが、19世紀後半にドイツの医学者ランゲルハンスが膵臓の組織を顕微鏡で観察していると、通常の膵臓組織の中に細胞が島状に集合している像を見つけました。膵臓内部に観察されたこの島状の細胞集団は彼の名前を取って「ランゲルハンス島」と呼ばれています。そして、その後の研究でランゲルハンス島の細胞は消化酵素ではなく、ホルモンを生産している特殊な細胞であることが分かりました。
インスリンはこのランゲルハンス島のβ(ベータ)細胞と呼ばれる細胞で生産されています。

ランゲルハンス島は、膵臓内に分布する島様の構造体で、インスリン、グルカゴンなどを分泌する内分泌作用を営む部分です。膵島とも言います。一般に数十個から数百個の細胞からなり、直径50〜200μmの多角体を成しています。膵臓全体広く分布していますが、特に尾部に多いと言われています。ランゲルハンス島には、毛細血管が発達していて、分泌されたホルモンはこの血管を経由して体内に運ばれます。




ちなみに前回もお話しましたが・・・
成人の血液量は、約5リットルです。血糖が100mg/dlとは、血液100ml中にブドウ糖が100mg溶けていることを意味しますから、血液1リットル当たりではブドウ糖が1g溶けている計算になり、血液5リットル当たりならブドウ糖5gになります。従って、血糖が100mg/dlとは、5リットルの血液中に5gのブドウ糖が溶けているということです。

食事をすると、三大栄養素のうち炭水化物(ご飯、パン、麺類、イモ類などのデンプン質と糖分)は小腸でブドウ糖に分解されて吸収され、血液中に入ります。この結果、血糖値が上がります。食前の健康な血糖値は70〜100mg/dlですが、仮に75gのブドウ糖を食事の代わりに食べるとしたら、これを血糖値に換算すると1,500mg/dlになります。しかし、食後の血糖値はせいぜい140 mg/dl程度にまでしか上昇しません。また食後2~3時間には元の食前血糖のレベルである70~100mg/dlにまで戻ります。瞬間的には1,500mg/dlになってもおかしくないのに、これはなぜなのでしょう。安静時のブドウ糖使用量は1時間当たり約8g程度です。従って、2〜3時間で75g以上ものブドウ糖を素早く消費するのは不可能なのです。

 実は細胞にブドウ糖を取り込んで貯蔵することが出来る細胞があり、貯蔵をしているのです。それが肝臓と筋肉の細胞です。肝臓と筋肉の細胞がブドウ糖を細胞内部に入れることを、「糖取り込み」と呼びますが、食後に肝細胞と筋肉細胞が猛烈な勢いで「糖取り込み」を行ってくれるおかげで、食後血糖は最高でも140mg/dl程度までにしか上昇せず、早ければ2時間後には元の食前レベルまで戻るというわけです。そして肝細胞と筋肉細胞の「糖取り込み」を行っているのがインスリンというホルモンです。
 インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンです。このインスリンが少なくなったり、働きが悪くなると血糖値が上がってしまいます。そしてその状態が慢性的に続くのが糖尿病です。具体的に言うと、空腹時血糖値が126mg/dl以上、食後血糖値が200mg/dl以上あれば、糖尿病と診断されます。





膵臓のβ細胞はインスリンを毎日生産、分泌していますが、1日のインスリン分泌パターンは一定ではありません。
1日を通して持続的に少しづつ分泌されている分があり、これを基礎分泌と呼んでいます。
そして3度の食事の際に食後の血糖上昇とタイミングを合わせて大量に分泌される分があります。これを追加分泌と呼んでいます。
夜間にも僅かながら基礎分泌されている少量のインスリンは「肝糖産生(1日を通して絶えずブドウ糖を産生する仕組み)」にブレーキをかける役割を果たしています。
一方、食後の追加分泌は肝細胞と筋肉細胞の「糖取り込み」を促進します。食後に膵臓から大量のインスリンが追加分泌され、このインスリンが肝臓と筋肉に働いて、「糖取り込み」を行うわけです。


では、食事を摂っていない時間帯はどうなっているのでしょう?
それは、肝臓が全身のブドウ糖消費量と同じ量のブドウ糖を産生しているのでしたよね^^。
これは「肝糖産生(糖新生)」の役割です。
ということは、「糖新生」はインスリンが追加分泌されている間は停止しています。「糖新生」は肝臓から全身にブドウ糖が供給する、すなわち血糖を上昇させる方向の働きですから、これが一時的に止まることは、食後の血糖上昇を抑え、かつ早く血糖を下降させることにつながります。また、インスリンが膵臓から追加分泌されると、「糖新生」は一時的に停止するわけですから、肝細胞と筋肉細胞は猛烈な勢いで「糖取り込み」を開始します。「糖新生」の停止と「糖取り込み」の開始により、食後でも血糖はたかだか140 mg/dl程度にまでしか上昇せず、2~3時間後には食前のレベルまで戻るのです!

そして、血糖が食前のレベルに戻るとそれまで停止していた「糖新生」がまた再開されます。
肝臓と筋肉で取り込まれたブドウ糖はグリコーゲンとして貯蔵されていますが、筋肉のグリコーゲンは運動時のエネルギー源として利用され、肝臓のグリコーゲンは再びブドウ糖に分解されて、「肝糖産生」に利用されるという繰り返しになるわけなのです。



3食の食事とインスリンの働き、そして食事を摂っていない時の肝臓の糖新生の働き、こういった仕組みで人間は血糖値を調節し、エネルギーを全身に運んだり、貯蔵し、必要な時に分解したりしているわけなのです^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2014-06-10 14:15 | 糖尿病と糖質の悪影響


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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