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NO.458 副腎回復のための栄養素

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副腎疲労を治していくのに、栄養の補給はかなり重要なことです。
もちろん生活習慣を治していくこと、食生活の改善が最重要次項ですが、副腎疲労に陥る時は、身体の中の栄養素の貯蓄が底をついていることが多く、そういった場合は生活習慣を変えてもなかなか体調がするに上がってきません。そういった時の栄養素の補給は何より回復の助けになります。


私の治療院でも副腎疲労の回復についてサプリメントでサポートすることは多いです。
今日は重要な栄養素についてお話をしていきますね^^。



【ビタミンC】

先日、アメリカの臨床栄養学のジャーナルに、ホルモンによってコントロールされるビタミンCの内容が発表されていました。そこにはストレスによってアドレナリンというホルモンが分泌され、副腎からホルモン(コルチゾール)が出されることによって、ビタミンCが副腎の静脈に分泌されるとあります。
副腎がストレスにより、コルチゾールを過剰に分泌していると、体内のビタミンCも多く消費されています。実は強力な抗酸化ビタミンであるビタミンCが、コルチゾールの過剰分泌で身体が酸化するのを防いでくれるのです。
たしかに、ビタミンCは副腎の代謝機能には不可欠のビタミンです。実際、副腎疲労の状態になってコルチゾールの生産と分泌能力が低下している人にはビタミンCの欠乏状態に陥っている人が少なくありません。
欧米の栄養療法ドクターの中には血液中のビタミンCを検査することによってコルチゾールの生産能力と副腎の働きを間接的に分析するドクターもいるそうですね。


さて、この研究について、カイロプラクターのマフェトンは、非常に有意義なものでこれからの臨床においてもおおいに役に立つものだろうと言っていました。
それだけ副腎とビタミンCの関係は大事なわけです。
しかしマフェトンは、同時にあることについても危惧していました。それは、製薬会社やサプリメント会社がこの研究を商用のために使うようになると、それによって人工的なビタミンCがたくさん販売されるようになるのではないかということです。

ビタミンCを摂取する方法で一番良いのは、やはり口から食べ物を食べて摂取すること。
ビタミンCはいくら食べ物から摂取しても、通常は80micro mol/L(濃度の単位)を超すことはありません。しかし、もし不自然に(人工的なもの)摂取すると、血液中のプラズマ(原形質、乳漿)にある白血球や赤血球におけるビタミンC量が80micro mol/L以上になってしまいます(200くらい)。
ここまで増えても臨床的な価値はなく、治療効果も薄いようです。


ストレス社会に生きる私たちにとって、ビタミンCはまさに必須の栄養素であるとも言えます。またビタミンCには、抗酸化作用もあるので、なるべくこまめに摂ってあげたい栄養素でもあります。
もちろん一番良いのは自然の食べものから摂ること。しかし今の社会だとそれだけでは足りないのも事実。マフェトンが言うように、サプリメントを選ぶときもなるべく天然のものを選んであげるようにした方が良いですね^^。

ちなみにビタミンCの1日摂取量の目安は、200~300mgを5~6回に分けて。
ビタミンCは一度にたくさん摂ってもいらない分は流されてしまうのと、副腎の働きを考えると1日を通して万遍なく補給してあげるのが一番良いのです^^。
また副腎疲労の状態によってもビタミンCの補給量は変えていきます。ビタミンCはコルチゾールの分泌量を抑えるような働きもあるため、副腎機能がかなり低下している場合は、朝一番で1,000mg〜2,000mgを摂ってしまうと、コルチゾールの分泌が抑えられてしまうため、お勧め出来ません。そういった場合は、夕方以降にしっかりビタミンCを補給してあげると良いでしょう。また逆に副腎機能亢進している時は、多めにビタミンCを摂っても大丈夫です^^。



【ビタミンB群】

副腎がストレスで疲弊している時は、特にビタミンB群が枯渇状態にあります。
というのも、副腎がストレスに対処するホルモンを生産するときには、ビタミンBがその生産手順の様々な場所で必要になってくるからなのです。
ビタミンB群には、ビタミンB1(チアミン)、B2、B3(ナイアシン)、B5(パントテン酸)、B6(ピリドキシン)、B12(コバラミン)、葉酸、ビオチンという8種類のビタミンがあります。これらビタミンB群はお互い協力関係を保ちながら働くので、ビタミンB群とひとまとめにされていますよね。
サプリメントで摂るときも、よくビタミンB群の形で摂取することが多いと思います。

人という車が走るためには、ガソリンであるエネルギーが必要です。そのエネルギーの生産工場で働いているのは、細胞の中のミトコンドリアという器官ですが、ここでは、私たちが食べた食べ物からの栄養素などを肺から取り入れた酸素を使って8種類の酸に分解します。この分解する過程で、ガソリンいわゆるエネルギーが生産されるのです。この回路をクエン酸回路と言いますね。そして、この働きには甲状腺ホルモンの働きはもちろんのこと、局所局所で、ビタミンB群が非常に重要な役割を果たしているわけなんです。
なので、慢性疲労状態にある副腎機能低下の方は、B群は必須のビタミンと言えそうです。



【マグネシウム】
マグネシウムは、体内で300種類以上の酵素反応に関わっており、細胞内でエネルギーを産生するのにも重要な役割があります。その他にも神経の興奮を押さえたり、体温や血圧を調整するなどの働きがありますが、副腎にとって、ホルモンの代謝経路に必要な酵素とエネルギー産生に必要不可欠な栄養素なのです。
マグネシウムもまた、副腎を回復していくのに、何よりも大切になる栄養素の1つとも言えるでしょう。

マグネシウムは先程お話した身体を動かすエネルギーであるATP(アデノシン3リン酸)を作り出すのにも必要です。マグネシウムが不足してくると、身体のエネルギーレベルが低下していきます。それは身体の維持に必要なエネルギーが作り出されないからです。逆にマグネシウムをしっかり摂取すれば、エネルギーレベルが上昇します。
ある動物を使った研究では、マグネシウムが欠乏すると、運動能力が低下し、水に溶かしたマグネシウムを与えると、持続力の回復を見せたそうです。
また人で行われた研究でも、短時間の運動でも長時間の運動でも、マグネシウムを消費させることがわかっています。

マグネシウムは、本当にいろんなことに使われているのです^^。



【その他に】

副腎皮質ホルモンの生産には、ビタミンB群、特にパントテン酸、ビタミンB2、ビタミンB6、コリン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、必須脂肪酸が必要で、食品ではレバー、緑葉色野菜に多く含まれています。みなさん是非、意識してあげましょう^^。



【副腎疲労に効果的なハーブ】

1.グリチルリジン (甘草に入っているコルチゾールに似ている物質)
2.ポリフェノール (チョウセンニンジン、ショウガの中に含まれるもの)
3.アシュワガンダ (インドに多いナス科の常緑樹)

リコリス(甘草)のことは良く言われると思います。
リコリスは甘草という抗ストレス作用のあるハーブのことで、副腎機能を活性化させることで知られていますが、摂りすぎると血圧上昇や副腎に負担がかかる場合もあるので、多用はせず、専門家の指導のもとで使用するようにしましょう。



いかがでしたか?
私の治療院では、この他に「副腎エキス」という副腎のホルモンをサポートしてくれるものを摂ってもらう場合もあります。
ちなみに全てに共通しますが、サプリメントを考える時、症状の状況を考慮しながら、量や種類を決めていきます。症状によっては、他の臓器に与える影響を考えるのであれば、量は少なくしていく方が良いでしょう。


さて、2ヶ月に渡り、副腎疲労症候群についてお話してきましたが、次回で最後になります。
お楽しみに^^。




小菅一憲

CHIROPRATICA|副腎疲労専門カイロプラクティック


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲の治療実績




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by chiropratica | 2014-05-28 13:33 | 副腎疲労 (New)


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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