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NO.434 副腎疲労症候群 その6 「日内リズム コルチゾール3」

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さて、いままで話してきたように、コルチゾールは副腎皮質(外部)の束状帯というところで分泌される大切なホルモンで、副腎皮質で分泌されるホルモンの中でも非常に重要なものです。

コルチゾールは、脂肪、タンパク質、炭水化物の代謝を制御したり、これに大きく影響を与えたりします。また血糖値を狭い最適範囲内に維持し、ストレスの多い状況でもそれを保とうとしてくれる働きをしています。その他、コルチゾールは本当にたくさんの重要な機能を持っているのですが・・・ストレスから身体を守ったり、抗炎症作用を持っていることも大きなポイントでしたね。



そして今日のお話するのがコルチゾールの日内変動について。
実は、コルチゾールは一日を通して均一に分泌されるのではなく、日内変動があるのです。



通常、午前6時頃から生産が増え、午前8時頃にその生産はピークを迎えます。
これはエネルギーを最も必要とするのが日中の活動期であるからです。
(ちなみに朝の目覚めを助けるのがコルチゾール濃度の上昇と言われています。コルチゾールの分泌が正常でないと、朝の目覚めが良くないのも頷けますね)

そして、その後午前11時頃から正午にかけて急速に生産は低下し、午後3時以降午前0時前後に最も生産が低くなります。そして低い状態が翌日の午前5時から6時まで継続します。午後11時以降、翌朝午前6時頃までは、日中のピーク時に生産されるコルチゾールの10%程度しか生産されませんが、これは日中に多くの精神的、肉体的ストレスを受け、エネルギー供給のために限界状態で働いている副腎がリラックスするための休息期だからです。
しかし、残念ながら現代人の仕事、食事、居住などの生活環境を考えると、副腎の働きを限界以上に酷使するような環境を背景としたコルチゾールの生産異常が多いのです。


さて、このように午前8時にピークを迎えたコルチゾール量は、その日の残りの時間はずっと下降を続け、午後3時〜5時の間に急激な下降をすることが多いのですが、実はこのコルチゾール分泌曲線は滑らかな曲線ではなく、スパイク状の急上昇が何度も起こります。
何かを食べれば、少量の軽食でさえ、コルチゾール濃度の突然の上昇が起こります。
規則的な食事と軽食を食べる人は、軽食を食べない人に比べ、一日のより長い時間コルチゾール濃度が下がりすぎないで保たれていると言われます。
このことは副腎疲労を患っている人が、規則正しい食事に加えて定期的な軽食を取ることが重要になってくる一つの理由なのですが、運動にもまた同じような作用がありますね。




通常、コルチゾールは、このように一日ごとの日周パターンを持っていますが、基本的の条件下では、一生を通して驚くほど一貫した濃度を保っています。
それがその人にかかる全体的なストレスレベルや、副腎の健康、食べ物や環境への過敏症、その他の要因によって24時間の間に不規則になってしまうことがあるわけです。

言わずもがな、規則正しい食事、少量の軽食、運動というのは、副腎を回復させるのには重要なポイントになってきます。



コルチゾールの日内変動を測定する検査としては、唾液による検査が最もわかりやすい検査と言えます。

血中コルチゾール分析では一般に午前・午後に2回の測定ポイントを設けますが、コルチゾールの日内変動を考慮し、副腎のストレス状態を把握するために少なくとも午前6—8時、午後11—午後1時、午後3−6時および午後9—11時のコルチゾール分泌の変動ポイントを捉えることが必要です。
しかし、血液や尿中に含まれているホルモンには、少なくとも血液または尿中に存在するタンパク質と結合した状態のホルモンと結合していない遊離(フリー)ホルモンの2種類があります。なので、血液や尿で検査されたホルモンの値はこの2つのホルモンを分析していることになります。
それに比べて、唾液に含まれるホルモンのほとんどはタンパク質と結合していない遊離(フリー)ホルモンなので、唾液の検査ではそれを分析します。

ちなみに、タンパク質と結合した状態のホルモンとタンパク質と結合していない遊離(フリー)ホルモンの違いを端的に言えば、「細胞の中でホルモンとして働くことのできる活性型」のホルモンが遊離(フリー)ホルモンであり、タンパク質と結合した状態のホルモンは、「細胞内では活性が低い型」となります。


ですので、フリーホルモンを計ることが出来る唾液検査が、副腎の状態をチェックするにはベストな方法ですね^^。
唾液検査でコルチゾール濃度を計ることによって、副腎のストレス度合いがどのくらいかをチェックしたり、日や時間帯によってのコルチゾール変動を計ることでその人の周期を知ることは、副腎の状態を検査する上で非常に有意義なものです。




小菅一憲

CHIROPRATICA|副腎疲労専門カイロプラクティック


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲の治療実績




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by chiropratica | 2014-04-09 14:25 | 副腎疲労 (New)


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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