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NO.415 花粉症 その1 「アレルギーがなぜ増えてきたのか?」

NO.415 花粉症 その1 「アレルギーがなぜ増えてきたのか?」_b0195635_1421829.jpg


季節柄、そろそろ花粉が出始める時期になりました。
ということで今日から、「花粉症」をテーマにお話したいと思います^^。
私のクリニックにいらっしゃる方の中でも敏感な方は、先週ぐらいから「少し花粉に反応し始めた!」とおっしゃっていました。

そういう私も実は花粉症です。
高校時代にイギリスにいる間に、花粉症になってしまいました。
向こうでは「hay fever」といって、当時からまさにメジャーなアレルギ−でした。
その頃、日本ではまだそこまで多くなかったかもしれませんが、最近では多くの人が花粉症に悩まされています。



私は昔、本当にひどい花粉症だったのですが、ここ数年は症状もほとんど出なくなりました。
もちろん花粉が多い日には少し反応しますが、それでも以前に比べると格段の差です。
その一番の理由は、やはり食事を変えたからでしょう。
このテーマの後半には、私の実体験もふまえた花粉症の対策もお伝えしていきますので、お楽しみに^^。


では今日は、アレルギー全般の話をしていきましょう!




今から50年程前には、日本には「アレルギー」という病気はほとんどありませんでした。
しかし、現在ではなんと国民の3人に1人が何かしらのアレルギーを持っているというのだから、本当に大変なことです。
みなさんの周りにもアレルギーの人が増えたと思いませんか?

この事態、そんなに気にしていないかもしれないですが、私達の身体がかなり変化してきたということなのです。
実は相当、「や・ば・い」!ことなんです。



過去の日本人の病気を見てみると、戦後はあまり食事も満足に食べれず、栄養状態が悪いということから、結核などが流行った時期がありました。その後昭和40年頃からは食事が豊かになり、以前と比べると美味しいものも多くなってきました。そうなってくると今度は食べ過ぎや栄養過多による生活習慣病が見られるようになったのです。もちろん今でも生活習慣病は減ることがなく、右肩上がりの状態ですが、現代は、新たにガンやアレルギーなど、ただ単純に栄養素の過不足、食べ物を食べなさい、減らしなさいだけでは簡単に理解できないような、免疫に関わる病気が増えてきたのです。
このように発症する疾病の傾向が変わってきた背景に、私たちが育った環境、食生活、生活環境の変化が関わっていることも否めません。

うちの家族の中でも、母は以前全く大丈夫だった花粉症にここ数年悩まされていて、毎年お医者さんに行っては点鼻薬をもらっています。最近は私の勧めで月見草オイルを摂っていますが^^。
うちの妹も猫の毛やハウスダストにアレルギーがあったり、シャンプーや化粧品にも合わないものがあるくらいです。
また私のクリニックにいらっしゃる方の最初に書いて頂く問診票でも、アレルギーの欄に○を付ける方が本当に多くなったと感じています。
 


私たちの体には、細菌やウイルスなどの病原体が入ってきたとき、それらを除いて体を守る「免疫」という働きがあります。ところが、この免疫が食べ物や花粉などに過剰に反応してしまうことがあります。これを「アレルギー反応」と呼んでいます 。「アレルギー反応」は、「免疫」と反応の仕組みは同じですが、体にとっては病気をひき起こす、誤った「免疫の過剰反応」です。本来は、ウイルスや細菌といった人体に有害な働きをするものに攻撃をしかけ、無害化したり、排除する防衛の機能で、人体に対して無害なもの有益なものに対しては働かないようになっています。しかし、アレルギーというのは、本来無害である物に対しても「異物」と誤認し、免疫反応を起こしてしまうものです。

アレルギーとは、元々、外から身体に入ってくる異物に対して働く大切な身体の生理機能である「免疫反応」が、特定の抗原に対して過剰に起こることを言うのですね。

私はこのアレルギーが様々な体調不良、また病気の背景に本当に深く関わっていると思っています。アレルギーになるということは、身体の中で大事な機能を果たしている副腎が弱っているということです。
それこそ現代でみなさんがよく感じている不定愁訴のほとんどにこういった問題が実は深く関わっているのではないかと思っているのです。
アレルギー体質の親から生まれるお子さんは、アレルギーになりやすく、副腎が弱い傾向もあるので、現代の食事変化も含め、今後さらにアレルギーが増えていくことも目に見えています。

では、アレルギーを起こしやすくなった原因とはなんなのでしょう?





アレルギーが増えてきた原因には・・・

★まず食事が変わってきたことがあげられます。

○欧米食が入ってきたこと

欧米食が入ってくることによって、高タンパク、高脂肪のお肉、菓子類など悪玉脂肪の摂る量が格段に増えました。乳製品やお肉の脂肪(アラキドン酸)を摂りすぎるとアレルギーの炎症を促進しやすくなります。

○偏食、外食、インスタント食が増えたこと

野菜を食べずに、偏食、外食、インスタント食が多くなってきました。それによる腸内環境の悪化はアレルギーの原因にもなります。

○脂肪酸のバランスが変わってきたこと

身体に取り入れる脂肪酸(油)のバランスが変わってきました。調理に使う油(ひまわり油、サフラワー油、コーン油、紅花油、大豆油)は保存をしやすくするために油の構成成分を変更され、炎症を促進しやすいリノール酸が多くなりました。またそれに伴い、炎症を抑えてくれるω3系のαリノレン酸という油を摂る機会が減りました。これは炎症、アレルギーを起こしやすい身体になったということです。

○遺伝子組み換え食品の増加

遺伝子組み換え食品が増えました。遺伝子組み換えの食品はアレルギーの原因とも言われます。普段注意して避けていても、調理に使う油やお菓子なども遺伝子組み換えの植物から出来ているので、知らぬ間に身体に入り込んでいます。

○農薬、ホルモン剤、抗生剤などの使用

大量生産をするために農薬やホルモン剤、抗生剤などが農産業や畜産業で多く使われるようになりました。こういった食品を摂ることは、身体の代謝バランスを大きく崩していきます。

○加工食品、食品添加物、砂糖、精製食品の増加

そして加工食品や食品添加物、砂糖、精製食品が増えました。加工食品の食品添加物や保存料などは身体が酸化する原因となり、アレルギーやアトピーの原因とも言われます。また精製することで食品からの栄養が少なくなり、砂糖や精製された炭水化物を摂りすぎることで、血糖値が不安定になり、アレルギーや炎症疾患は起きやすくなります。ちなみに驚くべきことは、日本の食品添加物の種類と量です。日本の食品添加物の消費量は年間一人当たり4.5kg(1日およそ11g)。1日の塩分摂取量が10gほどなので、それと同じか多い場合もあるということですね。
なんと許可使用されている食品添加物は、日本363種類、米国180種類、英仏各15種類と、日本は一番多いのです。




アレルギーが増えてきたその他の原因には・・・

★幼児期の過保護

生活環境から土が消え、現代っ子は自然から免疫が試され学習する機会が減り、また、過保護のためか、外で遊ばなくなり、肉体的・精神的に過度なリラックスモードで、これがまた、免疫が、試され学習する機会が少なくなり、アレルギ−などの予備軍となっています。

★環境汚染

海洋汚染により、大型魚には有害金属が含まれるようになりました。
大気汚染の身近な問題としては車の排気ガス中の微粒子や二酸化炭素があります。これらはアレルギ−の原因にもなります。また近年はPM2.5や放射能の問題もあります。これらの問題は目に見えなくても、確実に私たちの身体を蝕んでいます。ここ数年でこの問題による体調不良も出てくることでしょう。
そして、このような環境汚染はそのまま土地、農作物の栄養状態、家畜の健康状態にもつながります。
場合によってはみなさんが毎日飲んでいる水にも問題がある場合があります。水道管の除菌剤や鉛の問題もありますね。

★ストレス社会

そして言うまでもなくストレスが多くかかる社会になりました。
同じ姿勢を長く強いられるデスクワークが多くなり、身体を動かす時間が減りました。また労働時間が増え、以前よりうつ病の方も本当に増えてきています。
ストレスによって自律神経の調節が乱れることはもちろん、炎症をコントロールしている副腎を疲弊させ、アレルギーを抑える働きがしっかり出来なくなります。

★住宅環境の変化

住宅環境の変化もあげられます。住宅やオフィスの近代化、サッシの普及などで通気性の少ない環境が多くなり、気密性が高まった結果、カビやダニの温床をつくるようになりました。
それに伴いシックハウス症候群(新築の住宅などで起こる、倦怠感・めまい・頭痛・湿疹・のどの痛み・呼吸器疾患などの症状があらわれる体調不良の呼び名)やアレルギ−体質の人が増えています。

★低体温の増加

低体温も関わっています。低体温だと免疫が下がります。免疫が低下すると体温も下がります。この悪循環がアレルギ−を引き起こしやすくします。


アレルギーは、原因物質を鼻や口から体内に取り込んだからといって、すぐに発症するわけではありません。何らかのアレルギーが発症すると、どうしてもその近時に発症の原因があると思ってしまうのですが、そうではありません。
原因物質に接触するたびに体内に「IgE抗体」が蓄積され、それが、ある水準に達して始めてアレルギー発症の準備がととのった状態になることが分かっています。ということは長い期間にわたる免疫がバランスを崩すような体内環境の積み重ねがあることが原因となっていると言えますね。
アレルギー発症の根本原因としてこうした私たちを取り巻く様々な環境変化が関わっていることはもはや無視できなくなっています。



いかがですか?

アレルギーが増えてきた原因を思いつくままに挙げてみましたが、こういった環境変化が起こってきたことで、私達の身体の中にIgEの抗体が増えてきて、アレルギーが起きやすい体質に変化してきたと思います。
たくさんの環境変化が関わっているのですが、私は、アレルギーが増えてきた一番の原因の一番にはやはり「食事」があると考えています!


「We are what we eat.」
私たちの身体は食べたものから出来ている!


これは有名なアメリカのことわざですが、私たちのカラダの60兆個ある細胞は、すべて「食事からとる栄養」から出来ていて、その細胞機能の活動源も同じく「食事からとる栄養」です。
私たちのカラダを構成する細胞が活動するのに必要なのが「毎日の食事」であり、言い換えると、毎日食べるものが私たちのカラダをつくっていると言えます。

私たちの身体が、アレルギー体質に変化したということは、やはり食事自体が昔とは変わってしまったのではないでしょうか。
野菜や穀類が生まれる種が遺伝子組み換えや品種改良で、昔の種とは全くの別ものになってきてしまいました。土壌の汚染や栄養不足も著しい問題です。そして魚の養殖や重金属問題、肉や卵類の抗生剤、ホルモン剤の使用など、本当に純粋に良い食材が少なくなってきている事実があります。
さらにそこに加工の手が加わるので、食べる時にはどれだけ栄養素が不足しまっているのでしょう。



これこそが、私が冒頭にお話した単にアレルギーが増えてきただけでは終わらない、「や・ば・い」ことでもあるのです。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2014-02-10 15:46 | 花粉症


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

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