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NO.386 代謝の話 その3 「エアロビック運動とアネロビック運動」

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今日は、スポーツの分野では有名なカイロプラクター「フィリップ・マフェトン」よる「マフェトン理論」を紹介していきます。



なぜ鍛えているアスリートに故障が起こるの?

健康と競技成績の向上とを両立させることは無理なのか。
このことは、何度となく議論されてきたことです。スポーツを本格的に続けている人なら、誰もが疑問に思うことでもあるでしょう。それはトレーニングによるケガや病気が原因で引退を余議なくされるアスリートも、決して少なくないからです。



フィリップ・マフェトンは、ある時、病気のために衰えた体力に自信を取り戻すべく、初めてマラソンに参加しました。しかし、このチャレンジは散々の結果でした。何とか完走したものの、トレーニング不足に加え、脱水症状まで引き起こし、マフェトンは救護テントに運ばれる羽目になってしまったのです。そしてこのとき驚くべき光景を目の当たりにすることになります。
それはテントの中には、倒れて運ばれた多くの選手達が介護されていたということです。トレーニングを積み、相当鍛えているはずの選手達が苦しそうに横たわるその姿を見て、マフェトンは疑問に思いました。



「競技成績が良く、鍛えられているはずの選手が、なぜ健康を損なってしまうのか」と。



この疑問に端を発し、マフェトンは多くのアスリートの協力を得て臨床実験を行い、たくさんのデータを元に、健康と競技の向上を両立させる方法を研究しました。それの集大成が「マフェトン理論」です。



マフェトン博士が、数々の臨床実験を行った結果、まず一つのキーワードが導き出されました。それは、エアロビックトレーニング(有酸素系トレーニング、心拍数が比較的低い運動)です。
多くの臨床実験のデータから、エアロビックトレーニングを続けていくと、循環器系、関節を含めた骨格全体、筋肉の状況、内分泌系など身体全体がしっかりとし、非常に健康な状態になることがわかったのです。エアロビックトレーニングを行うことで、身体のエアロビックシステム(脂肪燃焼のときに使われるカラダの機能)が発達することもわかり、それと同時に身体の全機能を正常に保つ働きをしていることも明らかになったのです。

エアロビックトレーニングが健康を増進するということなのですね^^。



さらに、エアロビックトレーニングを続けているとエアロビックシステムが発達し、通常なら体に強い負荷を与えるアネロビック(無酸素)な運動も、ストレスをさほど感じることなくできるようになるのです。
これはすごいことです。
つまりエアロビックシステムをしっかりと築きあげてしまえば、アネロビック運動が身体に与えるダメージをある程度、抑えることができるのです。またさらに発達してくると、同じ心拍数でトレーニングをした場合、走るスピードがどんどん上がるなど、競技成績もアップしてきます。
アスリートの中には、エアロビックトレーニングを疎かにして、アネロビックトレーニングを重点的に行う人も少なくありません。
しかし、マフェトン博士によると過剰なアネロビックトレーニングは、エアロビックシステムの発達を妨げてしまうと言います。またエアロビックトレーニングが十分にできていない段階でアネロビックトレーニングを行うと、身体はアネロビックの強い負荷に耐えられず、故障を引き起こす要因になるというのです。

多くのアスリートがこの状態に陥って、故障をしやすくなっているのも確かかもしれません。




マフェトン理論を実施すると「体脂肪を燃やせるカラダ」をつくることができます。

運動時のエネルギー源になるのは主に糖質と脂肪ですが、エアロビック運動にせよ、アネロビック運動にせよ、まず使われるのは糖質です。一般的に、体内の脂肪は糖質が枯渇した後で使われます。

このとき、脂肪が燃焼しにくいカラダだとどうでしょう。

最初のエネルギー源となる糖質はすでに使い切り、次に頼りになるはずの脂肪は燃やされないということは、車にするならガス欠です。マラソン選手がゴールするやいなや、その場に倒れ込むシーンはまさにそのガス欠状態なのです。
しかし、体脂肪を燃やせるカラダであれば、そうはなりません。糖質に比べ、体内の蓄積量がはるかに多い脂肪をうまく燃やせれば、運動のためのエネルギーは際限なく供給されます。結果、持久力は高まり、競技成績は向上し、体脂肪をどんどん燃やすことで、当然低い体脂肪率を保つことが可能。そしてさらには、生活習慣病の予防にすらなるのです!



では、今あなたは体脂肪を燃やせるカラダでしょうか?
長年運動しているから体脂肪を燃やせている・・・果たしてそうでしょうか?
運動しても疲れやすく、すぐに休んでしまうことはないでしょうか?


もし、そう言う場合は、あなたは「体脂肪を燃やせないカラダ」かもしれません。
運動中のエネルギー源を糖質に頼ることになり、結果的に血糖値が下がって運動を続けられなくなってしまうのです。
体脂肪を燃やせないカラダの特徴は他にもあります。エネルギーが使われるのは、何も運動中に限ったことではありません。日常的な活動も然りなのですが、このときも脂肪が燃えずに糖質が使われるため、血糖値が安定せず、カラダに血糖値が低い状態が続くので空腹感を覚えやすくなります。
そして甘いものを欲するようになります。血糖値をあげるのに手っ取り早いのは、砂糖などの単糖が一番ということをカラダは知っているからですね。
こうして食べ物を口にすることで下がった血糖値が急激にあがると、今度は血糖値を下げるために大量のインスリンが分泌されます。
インスリンは、血糖値を下げると同時に、余った糖を体脂肪として蓄える働きもあるので、大量のインスリンが分泌されればされるほど、太りやすいと言えます。これでは体脂肪を燃やすカラダには程遠くなってしまいますよね。


またそれ以上に、運動や日常的な活動で体脂肪が使われず、しかも空腹を感じやすいために、食べ物から余分なエネルギーを摂ってしまいがちになります。


こういったことでマフェトンは、食事も大事な要素としてとして掲げています。
マフェトン理論では、炭水化物を控え目にし、脂肪とタンパク質を十分摂取していきます。
日常のエネルギーの90パーセントまでは脂肪から得ることができると言われています。それもそうでしょう。炭水化物やタンパク質の倍以上のエネルギーを脂肪から得ることができるのですから。



もしこうやって「体脂肪を燃やせるカラダ」になると、さまざまなメリットを得ることができます。



まず、持久力。

貯蔵量の多い脂肪が主なエネルギー源となるため、運動のためのエネルギーはほぼ際限なく供給されることになり、疲れずに長時間運動を続けることができるようになります。ちなみにこの場合の持久力とは、長時間に渡って、ほとんどエアロビックな状態でありながら、比較的早いスピードを安定して維持できる能力のことを言っています。
持久力がつけば、普段の生活にも余裕ができ、些細なトラブルにも惑わされることもありません。これは血糖値の安定と関わりがあります。血糖値が安定するとストレスを感じにくくなるので、その分いろんなことが計画どおりにこなすことができるようになります。


もちろん、運動や日常の活動エネルギー源が糖質ではなく、脂肪に依存することになれば、体脂肪が減るという効果も期待できます。さらに体内の糖質を節約できるため、血糖値の急激な上下動が少なくなりますよね。その結果、疲れにくくなり、精神的にも安定。細かいことも気にならなくなりストレスが減るばかりか、集中力が増して、積極的に行動できるようになるというわけです^^。




糖質はもちろん重要なエネルギー源ですが、うまく脂肪を使えるようになると、効率の良いエネルギー消費が出来そうですね!
マフェトンは1つの考え方ですが、現代人ではけっこうこの理論を当てはめると調子が良くなる人が多いと思いますよ。
人それぞれで、エネルギーの使い方や代謝のタイプは違うわけですが、自分に合ったエネルギー代謝の方法が身に付けば、何よりも健康で元気な毎日を送れることは間違いありません。

ちょっと難しかったかもしれませんが、エアロビック運動とアネロビック運動というものがあるということ、覚えておいてくださいね^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2013-05-19 12:36 | 代謝の話


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

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