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NO.382 更年期障害 その12 「天然プロゲステロン」

NO.382 更年期障害 その12 「天然プロゲステロン」_b0195635_1346577.jpg


今日は、天然プロゲステロンについてお話していきましょう。
まず、この天然のホルモンとは何かということからお話していかなければならないと思います。
天然というとみなさんは、自然に存在するような原料を使ったものと思うと思いますが、基本的に天然ホルモンは、人間の身体の中のものと何ら変わらない、化学式なども全く同じのホルモンということになります。



私のAKの中でも参考にすることが多い、Dr.ライトもこの天然ホルモンを使って効果をあげている一人でもあります。

これに対して、人工で作られたものというと、自然界に全く存在しないものを指します。プロゲステロンで言うと、ワイルドヤムや大豆から抽出したジオスゲニンを原料にして人間が作っているものも、言ってみれば人工物ですが、こちらは人体内でつくられるプロゲステロンとまったく同じ分子構造になっているので、「天然」としています。
逆に、人工のプロゲステロン薬は「プロゲスチン」と言いますが、大部分のプロゲスチン薬は、プロゲステロンやノルテストステロンというホルモンを利用して人工合成されているものですが、それは自然界のどんな物の中にも存在しないものなんですね。
プロゲステロンとして保険診療で使われている薬がこの「プロゲスチン」です。多くの保険診療のクリニックではこのプロゲスチンが使われます。



たしかに分子的には天然プロゲステロンといくつかの原子が違うだけですが、プロゲスチンには副作用があり、天然のプロゲステロンには副作用はほとんどありません。
これは、プロゲスチン薬に添付されるよう副作用や注意のリストを見てみるとわかります。
人工合成したプロゲスチンは、細胞がプロゲステロンと勘違いしてしまい、受容体でしっかりと結びつきます。その結果天然ホルモンの作用は遮断され、副作用も起こります。また通常のプロゲステロンは人体が作るものなので、排出もスムーズですが、人工のプロゲスチンはうまく排出出来ないので、身体への影響が長期にわたり、天然では起こりえない問題も引き起こすのです。
要は、こういった合成のホルモンは人間の中にもともとない科学合成なので、似ている分、ホルモンに似た作用は起こしますが、代謝することが難しく、有害物質も作り出してしまうというわけです。

こういった副作用では、身体の不調からガンや心臓病などのリスクが高まるといったものまであります。

これはエストロゲンでも同じです。
通常のクリニックで使われるエストロゲン剤は「プレマリン」というお薬です。
これは馬の尿を原料に作られているものですが、これも合成ホルモンで副作用が起こることがあります。



1989年にJ.ハーグローブらで行われた研究では、プロゲステロンとプロゲスチンの比較実験が行われています。両者を更年期女性に対していくつか違う形のエストロゲンと一緒に与えました。
そうするとプロゲステロン群では、更年期症状が改善し、コレステロール値も良くなり、無月経でも子宮組織の異常な増殖などプロゲスチンとエストロゲンで起こるような典型的なトラブルがなく、副作用もなかったそうです。
逆にプロゲスチンとエストロン(エストロゲンの1つ)を使った群の中では副作用のために使用を中止する人もいたそう。
また、合成のプロゲスチンとエストロゲンのセットは、エストロゲンのみで補充した時と比べて、乳がんのリスクが2倍近くに増加したと報告している研究もあります。


天然と人工合成の薬との違いは、アスピリンでも良く似ているのではないでしょうか。
アスピリンは、柳やポプラなどのヤナギ属と呼ばれる植物の中の成分サリチル酸が原料となっていますが、ヤナギ植物のお茶や煎じた薬などは、副作用もなく頭痛や関節炎などの痛みに効果をあげており、合成薬であるアスピリンにある副作用はありません。

こう考えていくと、自然にはない新しい物質を作るとたいていの場合に、副作用が出やすいということでしょう。



みなさんの中にもホルモン療法はガンや心臓病などのリスクもあるという話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
これらの話は大抵は、天然でなく人工合成されたホルモンであることがほとんどです。



さて、話を戻して天然のプロゲステロンですが、プロゲステロンの製品には様々なタイプがあります。
肌に塗るクリームやオイルのもの、そして舌下から吸収させる舌下液タイプ、そしてカプセルがあります。この中でも栄養療法や欧米のカイロプラクティックでよく使用されているものは、天然のプロゲステロンクリームですね。

いままでもお話してきましたが、身体の中のホルモンバランスは微妙な感覚でバランスをとっています。なので、不足するホルモンを補うことは様々な効果をもたらしてくれますが、その量は常々注意しなくてはなりません。
そういった意味でもプロゲステロンクリームは使い勝手の良いもので、プロゲステロンが不足する方は、卵巣が作るのと同じくらいの量までプロゲステロンを補給していきます。
皮膚から吸収されたプロゲステロンは、皮下の脂肪層に入り、その脂肪中にある毛細血管に浸透し、必要に応じて血液中入っていきます。



さて、ここまで話すと興味を持ってくる方もいると思いますが、1つ注意したいのが、必ず専門家の指導のもとで行うということです。特にこういったホルモンが身体でどんな働きをしているかそしてどういう関係を持っているを熟知した専門家のもとで行いましょう。
人間のホルモンはとても複雑でお互いに関係し、影響し合っています。
適切に行えば、安全で非常に効果がありますが、とくに自分自身だけで行った場合思ってもみない作用が起こる場合もあります。

まず、更年期障害やPMS、そして無月経などの女性の問題でお悩みの方は、自分のホルモンの量を計ってみることをお勧めします。
ホルモンの量をチェックする方法は、血液検査と唾液検査があります。
場合によっては血液検査では把握できないものもあるので、ケースによって使い分けていくと良いでしょう。

では、今日はここまでにして、また次回に^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2013-04-08 14:00 | 更年期障害


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

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