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NO.370 更年期障害 その4 「更年期障害の症状」

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前回までのシリーズで、女性の月経周期や脳との関わりがよく理解頂けたのではないかと思います。
また脳(視床下部と脳下垂体)の刺激ホルモンを通した命令によって、卵胞や黄体から女性ホルモンが分泌されることもお話してきました。


さて、この卵子が作られる卵胞なのですが、実は年齢とともに減少していきます。
生まれた時、卵胞は100万個以上あるのですが、そこからどんどん減ってきます。18歳くらいの時に10万〜15万、20万くらい、20歳くらいで平均15万個の量と言われています。そしてさらに閉経近くになると、5,000個以下にもなってしまうのです。年齢があがるごとに妊娠率も低くなるというのは納得ですね。


卵胞が少なくなると、脳がいくら命令してもエストロゲンがなかなか作られません。そして、それがホルモンバランスの乱れにもつながると言えます。
またみなさんももうお気づきかもしれませんが、卵胞が少なくなるということは黄体も少なくなるということですよね。そうなると、そこから分泌されるプロゲステロンも同じように少なくなってきます。


通常、卵胞減少に伴い、エストロゲンの血中濃度が少なくなってくると脳ではエストロゲンの減少を察知し、卵胞刺激ホルモンが増えてきます。また閉経近くになってくるとこの動きがさらに強まり、刺激ホルモンはパワフルに多くなってきます。刺激ホルモンを送ってもなかなかエストロゲンが増えないので、視床下部からのゴナドトロピン放出ホルモンも多くなってきますよね。
実はこれらのホルモンが一様に脳に増えてくることがホルモンのアンバランスにつながってきます。
ホルモンの中枢である視床下部と同じところに自律神経の中枢もあるので、こういったホルモンのアンバランスは、自律神経の乱れにも影響を与えることになるのです。


こういうことが更年期障害の発端になってくると言われています。


更年期では、こういったホルモンのアンバランスや、その他に感情やストレスに関わる部分、また鬱などの症状から様々な症状が起こってきます。
特にこの時期というのは、旦那さんのお仕事が忙しい時期と重なったり、子供も大きくなって転機を迎える時だったり、両親の介護のことで悩んでいたりといろんなストレスがかかってくる時期とも重なるものなのです。
また閉経は女性でなくなったというショックが大きい方もいらっしゃいますよね。

こういった様々な影響から更年期障害は起こってきます。



もちろんホルモンのアンバランスは、一番大きな問題ではあるのですが、ホルモン補充療法が全ての解決になるかというと決してそうではありません。
場合によっては補充しても全く症状が変わらなかったり、逆に調子悪くなったりすることも多いのです。
更年期障害の原因がその人の何にあるのかが一番重要になってきます。

ストレスによる副腎疲労なのか、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが悪くて起きているのか、またはそれ以外の問題なのか。

こういった問題は、やはりその人の背景や問診でお話を聞くこと、そしてホルモンの量を調べたりすることで、的確な判断が出来ると思います^^。





さて、更年期障害の症状についてですが・・・


○血管運動・神経系

のぼせ、ほてり、冷え、動悸、頻脈

○精神神経系

頭痛、めまい、不眠、耳鳴り、憂鬱感

○消化器系

食欲不振、便秘、腹部膨満感

○運動器官系

肩こり、腰痛、関節痛、背部痛

○泌尿器・生殖器系

頻尿、残尿感、血尿、性器下垂感、月経異常、性欲低下、性交痛、外陰掻痒感

○知覚神経系

しびれ感、知覚過敏、蟻走感、掻痒感

○皮膚・分泌系

しみ、しわ、湿疹、発汗、口内乾燥、眼球乾燥、唾液分泌異常、舌痛症


・・・とこんなにたくさんあります。
これは、ホルモン系だけでなく、自律神経も揺さぶられることで起こっています。自律神経は全身支配ですので、全ての系統に影響を及ぼしてきます。それこそ、種々雑多というか、不定愁訴といわれるものも本当に多く、いろいろな症状が出てくるのですね。
人によっては、全ての症状が出現したり、かなり辛い思いをしている方もいるのが現実です。


次に男性と女性の症状のベスト5もお話しましょう。


男性
1.疲れやすい
2.肩こり、腰痛、手足の節々に痛みがある
3.夜眠ってもすぐに目を覚ましやすい
4.夜なかなか寝付けない
5.腰や手足が冷える


女性
1.顔がほてる
2.腰や手足が冷える
3.肩こり、腰痛、手足の節々に痛みがある
4.汗をかきやすい
5.疲れやすい


男性なんかの症状は、疲れでも出てきそうなもので、気付きづらいのですが、症状が重なってくると何かおかしいなと気付きます。
女性は特に多くの症状を抱える方もいるので、比較的すぐに気付かれる方が多いかもしれませんね。

どちらにしても閉経を迎えるのも、ホルモンが少なくなるのも自然な流れなので、怖がることではないのですが、近年の方はこれらの症状で悩んでいる方も多くいるのが現実です。


次回は、症状が強く出やすいのはどんなタイプの人が多いかを話していきます。
お楽しみに。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2013-01-31 18:59 | 更年期障害


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

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