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NO.314 副腎と生活 その11 「食物5 塩」

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また大分blog更新が滞っていました。もっと更新したいのですが、忙しい日々が続いているので、なかなか・・・。がんばっていきましょう^^。

さて、冬の寒さが一段と厳しくなっていますね。テレビでも豪雪のニュースがたくさん。
しかし、私は最近なぜか、あまり寒くないのです。しかも仕事中なんか、暑くて暑くて汗をかいてしまうほど。
なぜだろう?と考えてみたら、ここ2週間、毎日のセルフケアに体幹トレーニングを取り入れていました。やはり体幹を鍛えると代謝が上がるのでしょう。あまりの違いに自分でもビックリしてしまいます。
冬なのに、寒くないんです。笑。



さて、今日は副腎と塩についてのお話です。

副腎疲労の人は、決まって塩分を強く求める傾向があります。
これはなぜなのでしょう?
今回はそんなことをテーマにして話してみたいと思います。



副腎で生成されるアルドステロンというホルモンがあります。
アルドステロンの分泌は、コルチゾールと同様に日周パターンに従い、午前8時頃に最も高くなり、真夜中から午前4時にかけて最も低くなります。

このアルドステロンというホルモンは何をしているかというと、血液中や間質液(細胞間の空間)、そして細胞内において水分の維持と、特定のミネラル(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、塩化物)の調節をしています。
ちょっと難しいですが、アルドステロンは、脳下垂体からの抗利尿ホルモンや腎臓からのレニン、アンジオテンシンⅠとⅡなどのホルモンと連携し、水分のバランスと塩分濃度を海水とほぼ同じ濃度に保ってくれています。
その割合は、血液と間質液ではナトリウム(塩)が最も優勢で、細胞内では、カリウムの濃度が最も高くなっています。またこれらの4つのミネラルは微量の電荷を持つ電解質と呼ばれ、適切な細胞機能に維持するには、その比率や体液とのバランスを一定に保っていなければならないと言われています。
もしそのバランスが崩れれば、体液や細胞膜、細胞内の生化学反応が変わってきてしまうというわけなのです。


ストレスにさらされた場合、アルドステロンはナトリウムと水分濃度へ影響を及ぼすことで、これらのバランスを調節するのですが、副腎疲労の状態ではアルドステロンが不足するため、問題が起きてしまいます。
アルドステロンは、体内のナトリウム、カリウム、水分の量を調節しており、アルドステロンが高い場合は、体内を循環する体液中のナトリウムも高く維持されるのですが、循環アルドステロンの濃度が落ちてしまうと、ナトリウムが腎臓を通り尿へ排出されてしまうというわけ。またナトリウムが排出されるときには、尿として水分も一緒になくなってしまいます。
ナトリウム不足に加えて、脱水状態になるということですね。

ちなみにこのようなことが起こっても最初は体液量がいくらか失われるくらいで済みますが、循環ナトリウムの濃度が体液中の本来の濃度より約50%まで低下してしまうと、食生活におけるナトリウムの減少や塩分控え目の食事でさえ、深刻な問題を起こしてしまうこともあるのです。



ちょっと驚きの事実ではないでしょうか?

みなさんの常識的には塩分控えめ=健康といった認識があると思います。またテレビや雑誌などでも塩分は控えめにしましょう!というフレーズをよく聞きますよね。
しかし実は、副腎疲労を患っている方にとって塩分控えめは逆効果になってしまうことさえあるということです。


身体でのナトリウム不足が深刻になっていると、血液ナトリウム濃度のわずかな変動が血液量に影響してきます。
ナトリウムが塩を含む食べ物や飲み物によって補充されなければ、血液ナトリウム濃度と水分量が低下しすぎるのを防ぐため、ナトリウムと水が間質液から血液へと引き込まれます。そして塩分や水分が間質液から過剰に引き出されてしまうと、今度は細胞内のわずかなナトリウムが細胞から間質液へと移動し始めます。
細胞はカリウムとナトリウムの比率を15:1に保っているため、ナトリウムが細胞から引き出されると、水もナトリウムの後に続いて外に出るわけです。

こうやって細胞はナトリウム不足だけでなく、脱水状態になってしまいます。さらに細胞内のナトリウムとカリウムの比率を一定に保つため、少量のカリウムが次に細胞から流出し始めるのです。

細胞の中には、細胞が適切に機能するのに必要とされるナトリウム、カリウム、水分の必要最低限の量があります。細胞内からこれらのものが出てしまうと、細胞の機能はうまく果たせなくなってしまいます。





さて、ここから副腎疲労を患っている人が注意しなければならないことについて話していきましょう。

まず、水分の摂り方には注意が必要です。
十分なナトリウムの補充をせずに水や液体を多く飲み過ぎれば、血液のナトリウム量がさらに薄くなるので、気分が悪くなります。また細胞にナトリウムがないと水分をしっかり取り込むことができないのです。
清涼飲料水やスポーツドリンクなどの電解質が豊富な飲み物には、カリウムが多く、ナトリウムが少ない場合が多いので副腎疲労の方には合わない飲み物ですね。
このような市販の飲み物は、コルチゾールが過剰に生産されている人のために作られているので、コルチゾールやアルドステロンが少なくなっている方には、適していないと言えます。
むしろコップ一杯のお水に塩を小さじ4分の1〜1杯入れたものを飲むか、水と一緒に塩気の強いものを食べて、ナトリウムと水分の両方を補充するほうが、体調が良くなってきます。

また前述したようにナトリウム、水分の不足状態が続くとカリウムも足りなくなってくるので、カリウムに対する欲求が出てくる人がいますが、カリウムを含むような飲食物(果物、果汁、炭酸飲料、スポーツドリンクなど)を摂取すると、カリウムとナトリウムのバランスがさらに崩れ、気分が悪くなることがあります。

こう考えていくと、一番良いのは、水、塩、カリウムの3つを正しいバランスで組み合わせたものになりますね。
難しいかもしれませんが、水を少量飲みながら、ナトリウムとカリウムが含まれている昆布の粉末などを食べ物にかけて食べたり、塩の代わりにさまざまなミネラルが含まれている海塩や岩塩を使うことも工夫の一つです。
これらの塩は、普通の食卓塩と比べて微量のミネラルを含んでいるので有効です。
昆布とごま塩などのふりかけなども良いかもしれませんね^^。


その他の注意としては、副腎疲労の方は、コルチゾール、アルドステロンの濃度が低くなる朝には、カリウムを含む食品を避けた方が良いです。
とくに果物でしょうか・・・。
朝にバナナを一本食べると言う方も多いかもしれませんが、バナナはカリウムが多い食べ物なので、副腎疲労をさらに悪化させてしまいます。また果物とヨーグルトを合わせたような、いわゆるみなさんが健康に良いと思っているような朝食を摂ると、副腎機能低下を患う人は体調が悪くなります。
実際に、果物を午前中に食べた後に疲労感が増えたり、震えたりすることがあると言われています。


このように、果物は果糖も多く含むということもありますが、カリウムが多いので、副腎疲労の方は特にオススメできません。
また野菜もカリウムを多く含みます。もしこれらを食べる場合は塩をかけて食べましょうね^^。


その他、アルコールやコーヒーなど、電解質を枯渇させたり、利尿作用のある飲み物は避けるべきでしょう。



副腎と塩の話いかがだったでしょうか?

みなさんの認識は、「高血圧になるから塩を避ける」だと思います。
しかし、副腎疲労の方は大抵、高血圧ではなく低血圧であることが多いです。ずっと昔からアジソン病(慢性副腎皮質機能低下)患者さんには食生活に塩を取り入れることが有効であるとも知られています。
「塩が欲しい」と思ったら、身体が必要なものを強く求めているということなので、あまり気にしたりせずに塩を摂りましょう。

もし血圧が気になるのであれば、血圧測定器を購入して、血圧の経過を観察しても良いでしょう。
ある敏感な人にとっては、塩分摂取により血圧が高くなるのは事実ですが、血圧の正常な大多数の人が適量の塩を摂取しても高血圧にはなりません。
副腎疲労であって、高血圧でもあるという稀なケース以外は、食べ物に適切な塩分を加えてあげましょう。


もちろん過剰に塩分を摂取しても良いというわけではありません。
大抵、副腎が回復してくるにつれ、塩への欲求が少なくなってくるので、それに連れて量を減らしていけば良いでしょう。




まとめ・・・
副腎疲労の方が、いつも気に留めていなければならないのは、軽度の脱水状態とナトリウム不足があるということ。
塩分控え目や朝に果物といったような健康的な食事が通説だと思いますが、実は副腎疲労の方にとってそれは具合が悪くなる原因となっている場合が多く、症状回復のスピードを遅らせてしまうかもしれません。


さて、次回は「野菜と果物」について話していきましょう。



小菅一憲

CHIROPRATICA|副腎疲労専門カイロプラクティック


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲の治療実績




Face book page|カイロプラティカ

by chiropratica | 2012-02-11 22:00 | 副腎疲労


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

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