NO.180 腸内細菌3 「お母さんから譲り受けた腸内細菌」

b0195635_1004255.jpg


これまで、腸内細菌のバランスが重要だというお話をしてきました。
このバランスは、実は、年齢とともに変化します。

母親のお腹にいる胎児は、体内にも体の表面にもまるで細菌はいません。新生児として生まれるまでの間、人間は全くの無菌状態に保たれているのです。
しかし、産道を通ってくる時にまず母親の細菌をもらい、この世に生まれ落ちた瞬間、ありとあらゆる細菌の侵入を受けます。母親の体の外に出ると、産道や空気、母乳、手、指などを通して、細菌が体の中に入ってくるわけです。

産道を通るときについた細菌は腸管で増殖します。また外界の細菌の先例を受け、すでに1〜2日目では大腸菌、腸球菌、ウェルシュ菌などが腸内に発生します。このように当初、大腸菌などの悪玉菌が優勢ですが、すぐにビフィズス菌などの善玉菌が多くなります。
赤ちゃん腸内に「善玉菌」が登場するのは、生後2〜3日目。
母親の母乳の助けで、まず乳酸桿菌、続いてビフィズス菌が現れ、腸内で乳酸と酢酸を作りながらぐんぐん勢力範囲を広げていきます。そして有害菌が減りはじめ、5日目には、ビフィズス菌が圧倒的に優勢になります。
大体生後約1週間ほどで、乳酸や酢酸に弱い「悪玉菌」をほぼ抑制し、腸内を乳酸菌、ビフィズス菌が占領するのですね。

母乳とミルクで栄養を摂っている乳児期には、腸内細菌の90%以上が善玉菌であるビフィズス菌で、悪玉菌はわずかなのです。また母乳で育った赤ちゃんのほうが、ビフィズス菌が多く、赤ちゃんの腸内細菌の95〜99%がビフィズス菌です。
ビフィズス菌は赤ちゃんにとって大変重要な菌ですが、母乳を飲んでいる赤ちゃんと、人工ミルクを飲んでいる赤ちゃんでは、腸内細菌の環境が明らかに違っている事が分かり、現在注目されています。
最近のお母さんは、母乳ではなく人工ミルクで育てるという人が増えている様ですが、母乳が切れる寸前まで是非母乳を飲ませてほしいと思います。
もちろん母乳を作るお母さんの栄養状態も非常に重要になりますが・・・。またこの話は別の機会で^^。


赤ちゃんの便が黄色っぽく、甘酸っぱいにおいがかすかにする程度でくさくないのは、腸内がほぼ善玉菌100%だから。乳飲み子にとっては、この状態が健康のためにはベストなのですが、離乳食口にするようになると、腸内細菌のバランスは一挙に崩れ、悪玉菌の方が優勢になります。この頃ビフィズス菌は10〜15%でしょうか。この割合は以後老年期まで続きます。

最近の研究では、妊娠中に母親が乳酸菌を毎日摂り、赤ちゃんも生後すぐから摂らせることで、アレルギーを抑えられることがわかっています。


そして、老年期に入るとビフィズス菌が顕著に激減し、逆にウェルシュ菌などの悪玉菌が急増します。
老年期の10人に3人は、ビフィズス菌がまるでいなくなってしまうというデータすらあるほどです。


腸内細菌は、種類や数が多いほど免疫力が高まります。

あなたの腸内細菌がおおよそどのくらいいるかは、便の量でもわかります。便の半分以上は、腸内細菌とその死骸だからです。
健康な大人の便には、1gあたり、1000億個もの細菌がふくまれています。死骸もあるし、生きている細菌もいます。
かつての日本人の腸内細菌は、1日300g程でしたが、今はなんと1/2の150gほどに減ってしまっているといいます。

太平洋戦争中にこんな話があります。
日本軍が占領していたある島にアメリカ人が上陸した際、日本兵の便の多さを見て、まだまだタ数の兵隊がいるものと誤解して退散したという実話です。
当時のアメリカ人の便量は平均1日200g程だったので、かつての日本人の腸内細菌がいかに豊富だったかが推測できますね。


腸内細菌の種類や数を多く保つとともに、腸内細菌叢を若い時期と同じバランスに保つこと、そして年をとってもビフィズス菌を減らさない人が病気に強い人であるとも言えるのですね^^。


高齢になってしまうとビフィズス菌がかなり少なくなってしまうのですが、世の中には、100歳になっても善玉菌たっぷりの人々もいます。
中央ヨーロッパのコーカサス地方に、有名な長寿国・グルジアがあります。
90歳、100歳の超高齢者が多いだけでなく、背筋がちゃんと伸びて、軽い足取りでダンスを楽しむ人が大勢いることが注目の的になっています。

その秘密はどこにあるのだろうと、世界中の長寿学の権威が調べたところ、「年をとっても、腸内に善玉菌が非常に多い」こと。
高齢になっても、乳酸菌やビフィズス菌の数が若い人と大差ない、というデータが多数報告されています。

実はその秘密は「ヨーグルト」で乳酸菌を毎日摂ることと「大笑い」にあったそう。

現地ではヨーグルトを「マツォニ」と呼び、近郊の村から、ヨーグルト売りたちが毎朝、大きな瓶にできたてを詰めて、売りにくるそうです。
ヨーグルトを自分の家で作っている家も多く、毎朝、どんぶり一杯ぐらいずつ食べるのが当たり前。
またもうひとつの長寿の秘境、パキスタンのフンザ地区でもヨーグルトがよく食べられているそうです。

日本人でも、かつての日本の長寿村と知られた山梨県の棡原村の老人の腸内細菌を調査した結果、老人には珍しく非常に若々しい状況で、つまりビフィズス菌(善玉)優勢、ウエルシュ菌(悪玉)劣勢だったそうです。
今は食生活が変わってしまったのですが、その当時の長寿者は、雑穀、野菜、海藻、魚の干物、そして味噌と味噌煮を非常に好んで食べていたようで、味噌のような発酵食品が腸内の乳酸菌を増やしていた可能性が考えられます。また今と違って食物繊維が豊富な食事をしていたことも重要ですね。


発酵食品おそるべし!



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

[PR]
by chiropratica | 2011-04-18 10:00 | 腸内細菌の話


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

最新の記事

NO.589 骨粗鬆症NEW..
at 2015-03-07 09:57
NO.588 骨粗鬆症NEW..
at 2015-03-05 09:44
NO.587 骨粗鬆症NEW..
at 2015-03-03 09:57
NO.586 骨粗鬆症NEW..
at 2015-02-21 10:28
NO.586 骨粗鬆症NEW..
at 2015-02-19 14:05

以前の記事

2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月

検索

カテゴリ

全体
骨のお話
生活習慣病
椎間板ヘルニア
逆流性食道炎
頭痛
骨粗鬆症
牛乳の話
高血圧
変形性膝関節症
炎症の話
消化と栄養吸収
腸の話
腸内細菌の話
回盲弁症候群
睡眠の話
妊娠&出産
栄養(基礎編)
低血糖症
砂糖の話
糖尿病と糖質の悪影響
副腎疲労
副腎疲労 (New)
食物アレルギー
アレルギー対策
大腸ガン
目の病気
老化
耳の病気
更年期障害
代謝の話
脳の健康
マグネシウムの話
花粉症
時間栄養学
生理前症候群PMS
腸管免疫
食べる日記
きまま日記
まじめ日記
未分類

ブログパーツ

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

健康・医療
メンタル

画像一覧