NO.152 番外編3 胃・十二指腸潰瘍とピロリ菌

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ピロリ菌というのを聞いたことがあるでしょうか?
よく胃潰瘍などで、ピロリ菌除菌をしたと聞くこともあるかと思います。

今日はこのピロリ菌についての話題です。

ピロリ菌とは胃の粘膜にすみつく細菌で、正式には「ヘリコバクター・ピロリ」といいます。

名前の由来は・・・
「ヘリコ」 = らせん  ・・・ ヘリコプターのヘリコです。
「バクター」= バクテリア・・・ 細菌ですね。
「ピロリ」 = 胃の幽門 ・・・ 胃の出口周辺に多くいるため

つまり「胃の幽門によく住んでいるらせん状の細菌」のことです。
ピロリ菌は先端に数本の鞭毛を持っており、それをドリルのように回転させ、胃に穴をあけてしまいます。それがヘリコの由来なのですね。

このピロリ菌、ほかの動物の胃には見られず、ヒトの胃の粘膜にしか感染しないのが特徴。
通常、細菌は胃の中では強い胃酸の影響で死んでしまいますが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を出してアルカリ性のアンモニアを作りだし、それで身体をコーティングすることで胃の中で生存しています。

日本人のピロリ菌感染率は、世界的には中間レベルですが、先進国の中では際立って高率です。世代別では上下水道などの衛生環境が十分に整っていない時代に生まれ育った人ほど感染率が高く、50代以上では80%程度なのに対し、10~20代では20%前後と著しく低くなっていますね。


ピロリ菌が知られるようになったのは1980年代初めのこと。その後、様々な研究から、ピロリ菌が胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの病気に深くかかわっていることが明らかになり、大きな注目を集めるようになりました。現在、日本人全体では約50%、6000万人ほどがピロリ菌に感染しているといわれています。


ピロリ菌に感染するのは免疫力が弱い5歳くらいまでの乳幼児期で、ほとんどは家庭内での経口感染(口を介した感染)によると考えられています。
成人後に感染することはまれで、感染しても自然に排出されてしまうことが多いようです。

一度ピロリ菌に感染すると菌はそのまま胃の中に定着し、ほぼ一生感染が持続します。


さて、ピロリ菌が胃にいるとするとどんな病気になりやすいのでしょう。


ピロリ菌は胃潰瘍や胃がんの発症リスクを高めると言われています。
怖いですね。


ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌が発するアンモニアや毒素などによって、胃の粘膜が炎症を起こします。この状態が長く続くことで、胃を中心に様々な障害が引き起こされると考えられているのですね。

ピロリ菌が引き起こす主な疾患は・・・

<胃潰瘍・十二指腸潰瘍>
胃や十二指腸の粘膜がただれて傷ついた状態。

<萎縮性胃炎>
慢性胃炎が進行した結果、胃粘膜が委縮してしまい、薄くもろくなった状態。
粘膜の抵抗力が落ち、消化能力も低下します。

<胃がん>
胃壁にできる悪性腫瘍。ピロリ菌感染者は非感染者に比べ約5倍、胃がんにかかりやすいことが分かっています。

その他、リンパ腫やポリープにも関わっていると言われています。


なぜ胃がんになりやすいか、わかりますか?

日本人の胃がんの原因には・・・

アミン(肉や魚が焦げると生まれる)
      +
亜硝酸(古くなった野菜・漬け物に含まれる)

によってできるニトロソアミンという物質が、胃がんの犯人とも言われています。

このニトロソアミンの合成過程を阻害するものがビタミンCなのですが、ピロリ菌はビタミンCをエサにしているので、容易にニトロソアミンが出来てしまうのです。
これが、ピロリ菌が胃がんに関わる理由ですね。

どちらにしろ、焦げや古い加工食品を食べた後は、ビタミンCを摂ることをオススメします。


また、ピロリ菌が胃の粘膜を障害する理由としては・・・

1.ピロリ菌が出す空胞化毒素が胃の粘膜にすき間を作る
2.ピロリ菌が出すアンモニアが胃の細胞を壊す
3.ピロリ菌がいることであつまってくる白血球が出す活性酸素が胃ガンに?

の3つが仮説として考えられています。

やはり、ピロリ菌が胃にいるのはよくないようですね。


ピロリ菌に感染しているかどうかは、病院で検査を受けるとわかります。ピロリ菌の検査には、内視鏡(胃カメラ)を使うものと内視鏡を使わないもの(呼気検査など)をがあり、基本的にはこれらの検査のうちどれかを受けます。

ピロリ菌に感染したからといって、全ての人が胃・十二指腸潰瘍や胃がんになるわけではありません。感染した人には必ず胃に炎症が認められますが、ほとんどの人はこれといった自覚症状もなく、元気に暮らしています。


しかし、ピロリ菌が胃の中に長く住み続けるほどに胃粘膜への障害は蓄積されるので、病気のリスクが高まることは避けられません。

胃炎が強く起こっている人
胃潰瘍・十二指腸潰瘍になったことがある人
親や兄弟が胃がんにかかったことがある人

などは、ピロリ菌検査を受けて、必要であれば除菌をすることが胃の病気の予防に有効です。



食品では、これまでにヨーグルト(LG21乳酸菌を含むもの)、緑茶カテキン、ブロッコリースプラウト、はちみつ(マヌカハニー)、海藻類などにピロリ菌を抑制する作用が確認されています。

ただどの食品もピロリ菌を完全除去するまでには至っていないようです。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2011-03-04 07:33 | 消化と栄養吸収


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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