NO.148 胃 stomach その10 「胃酸分泌低下に対するカイロプラクティック治療」

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今日は、私が行っているカイロプラクティックの中でもアプライドキネシオロジーによる胃の治療についてお話をします。
アプライドキネシオロジーでは、両側の大胸筋(胸の筋肉)の筋力低下が塩酸産生障害と関連していると述べています。

私もよく臨床でこの胸の筋肉(大胸筋鎖骨部)はチェックするのですが、これが胃の塩酸産生低下または全身性の塩酸欠乏などによる低酸症・無酸症と関わっているのですね。


いままではずっと、胃酸不足の方は塩酸サプリメントが有効だという話をしてきました。もちろん効果は大ですが、忘れてはいけないのは、それは症状に対するアプローチであるということなのです。
決して栄養学的なサポートではなく、対処療法的なアプローチなのですね。

本当の治療の目的は、その患者さんの胃で適切な塩酸の産生ができるようになることです。またそれによって適切なたんぱく質やカルシウムなどの代謝を可能にする身体機能の改善ができることが本当の回復と言えるでしょう。


カイロプラクティックで検査していくと、両側の大胸筋の弱化(塩酸産生障害)がみられる時、多くの場合で特有の頭蓋障害が検出されます。
これは側頭骨という頭のサイドの骨の動きに関わる問題です。
頭蓋障害については、また後のblogで機会があれば話しますが、静脈孔において迷走神経機能に障害を起こすと考えられており、内臓系の問題、とくに内分泌系の問題には大きく関わっています。

私も塩酸産生障害がある患者さんには、必ず頭蓋骨の状態をチェックし、側頭骨の治療をしっかりするようにしています。


カイロプラクティックで行った治療報告では、胃酸の分泌低下がよくみられるアレルギー・喘息の子供に、塩酸ベタインの投与と頭蓋障害、更に骨盤や顎関節などの治療を行ったところ、アドレナリン投与の必要がなくなるほど急激な改善を示したといいます。
その後、塩酸ベタインは続けていましたが、頭蓋障害は治療による修正が保たれていたので、1ヶ月に1回のメンテナンス治療のスケジュールに移行しました。しかし、比較的軽い喘息発作は続き、改善が平衡状態になったので、何の問題が残っているのか疑問に思っていたところ、ある日治療で修正できたはずの頭蓋障害がまた検出されました。
母親に聞いたところ、子供はとくに頭部の外傷があったわけではなく、塩酸ベタインを2週間前からきらして摂っていなかったということだったのです。

このことで、そのカイロドクターは塩酸ベタインが頭蓋障害を示す大胸筋の弱化を覆い隠していたことに気が付き、塩酸の投与を中止して治療回数を増やし、頻繁に検査と治療を行うようにしたそうです。
頭蓋障害の調整が維持できるまで多くの治療が必要だったそうですが、頭蓋障害の調整が維持されて以来、子供の喘息やアレルギー反応は完全回復を示しました。


この治療報告をみると、塩酸の投与は対処的なものであり、患者さんの症状を改善してくれますが、完全回復には至らないということなのです。またアプライドキネシオロジーのその他の報告でも、側頭骨の頭蓋障害の調整がしっかりできると塩酸ベタインの投与なしでも、高レベルの改善ができるとしています。
実は、私の臨床でも同じようなことがありました。塩酸ベタインではなく、レモンを使った胃酸の補助をしてもらっていたのですが、症状が大分良くなってきたところで、たまに胃酸分泌の状態が悪くなることがありました。それで患者さんに今回は胃酸の分泌が低下しているようだからと伝えると、なんと「先生に胃酸が少なくなっていると言われる時は、大抵、外食続きでレモン水を飲んでない時ですね」と言うのです。
これはまさに、レモンの酸で補うことによって、頭蓋骨や胃の機能低下の問題が隠されていたということなのです。この方も、まだ自分でしっかり酸を酸性することが出来ていないと言うことでした。


要は、胃酸分泌低下が問題の患者さんに対して、その人の治療となりえるのは自分自身で胃酸をしっかり分泌できるような身体の状態に引き上げてあげることなのです。
もちろん胃酸低下による症状が重篤な場合、重度の吸収不良症候群や自分自身で胃酸を産生できないような場合(とくに高齢者)には、塩酸サプリメントは必要になってきます。
しかし、カイロプラクティックでは、胃酸産生に関わる頭蓋障害の調整、また顎口腔システム、骨盤などの関連部位を治療することで根本的な治療をすることが可能でもあります。
また私は、これらの治療の他に、食事を十分にイメージすること(胃酸をつくるために必要な脳内のアセチルコリンの分泌増加)、時間をかけてゆっくりと咀嚼して食べること(胃酸の分泌を刺激するガストリンとヒスタミンの分泌を刺激)などをしっかり指導することにしています。

やはり自分自身で胃酸を産生できなくては、しっかり治ったとは言えないのですから。


栄養療法の中では、胃酸のサプリメントはよく使われますが、胃酸の分泌を回復させる確実な方法はないとしています。
また小児や青年層では、胃液が正常に分泌されるようになるケースもありますが、たいていの場合(とくに高齢者)、胃液不足の人は塩酸サプリメントを継続してとる必要があるそうです。サプリメントをずっと使うのは面倒ですが、消化不良のために栄養状態が悪化して、さまざまな疾患にかかるリスクが高まるよりはマシということでしょう。

もし、カイロプラクティックの頭蓋骨の治療で、胃酸分泌の状態が改善できると考えたら、すごいことだと思いませんか?
もちろんそれには、良く噛むこと、アレルギー物質を摂らない、ストレスを溜めない、食事内容など最低限のことはありますが、こんなに大事な胃酸分泌改善にカイロプラクティックが効果を出すことが出来るとしたら、私はわくわくしてしまいます。

さて、次回は私の臨床で、胃の痛みでいらした患者さんのケースをご紹介しますね。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2011-02-26 07:23 | 消化と栄養吸収


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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