NO.125 味覚って?

昨日、味わうということに少し触れたので、今日は味覚についての小話をしてみたいと思います。
そうそう、私の患者さんでもあり、このblogの読者でもある方から、咀嚼や唾液についての詳しい本を貸して頂いたので、blogの内容がますます充実しそうです^^。歯医者さんなのですが、勉強熱心な方で私も見習わなくてはなと思います。
さてさて・・・
いままで話してきたとおり、口は消化器系のはじまりで、食物を摂取し、噛み砕き、それを飲み込んで胃に送りこむ役目を持っています。
消化にとっての「咀嚼」は、食物を小さく噛み砕き唾液と混和し、嚥下しやすいようにすること、そして唾液と混和することで、ある程度の消化を行うとともに、味覚受容器を興奮させやすくすることなのです。
味覚は、その名の通り、味を感じる感覚ですが、その受容器は舌にあります。
味覚受容器は、「味蕾」という味細胞がつぼみ状に集まった集団に分化していて、その味蕾が一番存在する部分が舌なのですね。
舌は、自分で鏡で見てみてもわかりますが、細かい微絨毛があり、そこに受容器が点在しています。
また味蕾は全部でおよそ1万個存在し、特に乳頭と呼ばれる突起部分に多く分布します。これらの乳頭の種類ごとに味蕾の分布が違い、付け根付近(約2,200個:有郭乳頭による)、奥側の舌縁部(約1,300個:葉状乳頭による)、舌先側の舌上面(約1,100個:茸状乳頭による)に味蕾が存在するため、これらの部位が味覚の感知に大きく関わっているのです。
また味蕾は、舌以外の口腔内(軟口蓋、喉頭蓋、咽頭など)にも約2,300個存在しており、これも味覚に関与していると言われています。
ものすごい数の味を感じる器官が、口の中には存在するのですね。
前述したように、味蕾の中には味の受容体である味細胞があります。
また味蕾の先端には味孔という穴があり、水や唾液に溶けた食べ物の味成分はここから味蕾に入り込みます。すると味細胞は味を感じ取り、その刺激を大脳の味覚野に伝えるというわけですね。
もう少し詳しくいうと、味の情報を大脳に伝える感覚神経は2種類あって、舌の先端から3分の2は三叉神経の枝と顔面神経の枝が結合した鼓索神経が、後ろの3分の1は舌咽神経が支配しており、味の情報はそれらの神経から延髄に入り、視床を経由して大脳の味覚野に送られます。
ちょっと難しいですが、そこではじめて「おいしい」や「まずい」などを感じて、その味に対する判断がくだされます。
結果は瞬時に体性感覚野や運動野に伝えられます。
そして、「おいしい」ときは唾液や胃液の分泌が積極的に促されて消化が進み、さらに食欲がわいてきます。
まずかったり、腐っていたりしたときは、顔をしかめたり、吐き出したりするのです。
味を感じるには唾液も重要な役割をしています。
味蕾は常に唾液で覆われていますが、唾液は味物質を運ぶという役割があるため、唾液が不足するだけで、味覚の感受性が低下してしまいます。また唾液には殺菌作用を発揮するリゾチーム、ペルオキシダーゼ、分泌型IgAなどが含まれており、口腔粘膜や味蕾を保護しているため、唾液が欠乏する口腔乾燥症では味覚障害が併発することが多いと言われているのです。
唾液は味を感じる味蕾の健康や味覚にとってなくてはならないものなのです。
さて、味の種類は多様ですが、一番の基本は、「あまい(甘味)」、「にがい(苦味)」、「すっぱり(酸味)」、「しょっぱい(塩味)」の4つの味からなっています。
手の込んだ料理の複雑な味も、すべてこの4つの味が混合してできています。
4種の味は舌のどこでも感じますが、部位により量的な差があり、「苦味」は舌根(舌の奥)、「酸味」は舌縁(舌の奥の両サイド)、「甘味」と「塩味」は舌尖(舌の先)で主に感じられるといいます。
おもしろいですね。舌の場所によって味の感じ方が少し違ってくるのです。
だから苦い薬を飲むときは、舌先に乗せて素早く水で流し込めば、あまり苦味を感じなくてすむかもしれません。
この味の種類、もとは1916年にドイツのHenningが提唱した基本概念なのですが、近年は、これにグルタミン酸ナトリウムの味「うま味」を加え、5基本味としています。
またそれ以外にも、渋み、辛味、あくみというものもあります。
みなさんこんなにも味を考えて食事したことがあるでしょうか?
一度自分で食べ物の味をしっかりと感じてみることも何かの発見になるかもしれませんよ^^。
食べ物の美味しさは・・・
〈五感で感じるもの〉
甘味 (味覚)
酸味 (味覚)
苦味 (味覚)
塩味 (味覚)
うま味 (味覚)
渋み (味覚)
辛味 (味覚)
あくみ (味覚)
香り (嗅覚)
口当たり (味覚/触覚)
食感 (触感)
手触り (触感)
外観 (視覚)
音 (聴覚)
〈心理・脳で感じるもの〉
記憶
情報
感性
〈環境からくるもの〉
外部環境
食事状況
食習慣・食文化
こんなにも多くの情報から決められると言われています。
確かに、食べている状況でも美味しさは左右されるのかもしれません。
また唾液は実際に食べ物を口に入れたときだけではなく、料理を見たり、においをかいだり、あるいは食べ物のことを想像しただけでも分泌されます。
つまり美味しさは、味覚とともに、視覚や嗅覚が一体となって刺激されるものなのです。視覚や嗅覚は、味そのものにも大きく影響をおよぼします。風邪で鼻がつまったときや暗闇でものを食べたときなどは味をあまり感じられませんが、これは味覚が視覚や嗅覚と密接な関係を持っていることの証拠なのですね^^。
また味覚神経に異常があるときや、亜鉛の摂取量が不足したときにも、味がわからなくなることもあります。
その他、食べ物の温度によっても味は変わります。
食べ物の温度は、10~40度の範囲で最もよくわかるとされていますが、例えば甘味は、冷たいものよりも温かいほうがより強く感じます。同じ分量の砂糖を入れたアイスコーヒーとホットコーヒーでは、アイスコーヒーのほうが甘くないように感じられるのですね。逆に辛味は温度が低い方が良く感じるので、スープや味噌汁はあまり熱くするよりも、少しぬるいくらいのほうが、塩分が控えられたりするのです。
味わうということ・・・
意外にも奥が深そうです^^。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地
by chiropratica
| 2011-01-27 23:32
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カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記
by chiropratica
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