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NO.89 高血圧 hypertension その4 「ナトリウム VS カリウム」

NO.89 高血圧 hypertension その4 「ナトリウム VS カリウム」_b0195635_19405160.jpg


前回のblogでは塩分の話をしてきました。
塩分というといわゆるナトリウムですが、このナトリウムの過剰摂取が高血圧の発症リスクを高めることはよく知られています。

世界各地の52集団が参加したIntersalt Studyには、ナトリウムの排泄量と血圧との間に正相関が認められ、1,150mg/日(食塩相当量約3g/日)以下の集団では、血圧値は低いことが示され、食塩摂取量と血圧の関連が明らかにされました。

また、ナトリウム摂取量を100mmol(食塩相当量5.8g)の減量で3mmHgの血圧低下が期待できるとしています。


塩分を控えると血圧が下がることは、国際的な研究でも示されているというわけですね^^。


1896年、Riva-Rocciにより、信頼性の高い間接的な血圧測定法が発見されて以来、高血圧の低下を目的にナトリウムの摂取量減少が適用されてきました。しかし、薬理学的な治療法の確立により、ナトリウム摂取制限に体する関心は劇的に減少してしまったのです。

しかし、GrimmとPrineasが、抗高血圧剤のサイアザイド類の利尿剤が、低カリウム血症、血中脂肪や尿酸の増加などを起こすと述べているように、薬の副作用も知られてきました。

そして、今から10〜15年前から、ナトリウム摂取制限は再び重要な因子として研究が行われてきています。


また、ナトリウムに関しては、おそらく、かなりの生化学的個体差が存在すると考えられています。
ラットの研究では、同じラットの子孫の中でもナトリウムに対して感受性の高いラットと、感受性の低いラットが存在することが明らかになっています。

人によっても塩分の感受性の違いはあります。
ですが、基本的には高血圧症に体するナトリウム制限が血圧低下につながることは明らかのようです。


では、ここでカイロプラクティックのAK(アプライドキネシオロジー)の中で述べられているナトリウム制限の方法を紹介しましょう。


1.調理の際に塩を加えない。風味は、ガーリック、ワイン、香草(バジル、オレガノなど)、スパイス(シナモン、ナツメグ)により加える。

2.摂取するときに塩を加えない。

3.塩分の多い食品や、見た目に食塩を多く使用している食品、ポテトチップ、ナッツ、クラッカーなどを避ける。

4.ベーコン、コンビーフ、ピーナッツバターなど、ほとんどの加工食品を避ける。

5.塩分の素となる物の代用物を使う。調味料、薬味、グルタミン酸モノーナトリウム(MSG)、ピクルス、(酢を使ったもの)、レモン果汁、とうがらし、マスタードなど。多くのタイプの塩を含まないハーブやシーズニングが使用できる。

6.全ての食品のラベルを読む。多くのビタミン錠剤はナトリウムを含んでいるので注意。


約2ヶ月程で、味覚はこれらの低ナトリウム食品に順応するようになります。
またこのような食品摂取が習慣になると、通常の物を食べたときに味が濃く感じたり、口の渇きを感じることがあるかもしれません。
そして後々述べますが、副腎ストレス障害等ではナトリウム制限を乱用するべきではない場合もあります。
(David S Walther Appried Kinesiology Synopsis引用 )



さて、前々回のblogで、「細胞の中にはカリウムが多いのだが、細胞外にナトリウムが増えてくると浸透圧で細胞内のカリウムが追い出され、ナトリウムが入ってくる。その結果細胞が固くなり、動脈硬化の原因になる」とお話しました。

ナトリウムとカリウムのバランスはよく言われることですが、高血圧にはナトリウム制限の他にとくに「カリウム」を摂取してあげると良いと言われています。


カリウム摂取は血圧を低下させ、その効果は食塩感受性高血圧に顕著にみられます。またJNC-VIはカリウムの目標摂取量を90mmol/日としています。

日本の研究で、家森さんらが行った日本人と中国人を対象にした研究では、血圧とカリウム摂取量との相関はみられなかったのですが、ナトリウム/カリウムの摂取比が高くなると高血圧発症リスクが1.3倍になると報告しています。
(板倉弘重 機能性食品成分各論より引用)


やはり高血圧の人はナトリウムを控えて、カリウムを摂るということですね。


カリウムは、ナトリウムと同じく身体の水分調節を行っており、ナトリウムが増えすぎて高血圧になると、カリウムがその排泄を促して血圧を下げます。

カリウムは何に豊富に含まれているかというとやはり「野菜」や「果物」でしょう。
HIPOP-OHP studyでは、カリウムの効果ならびに、摂取源として果物や野菜の有用性を示しています。


高血圧の人は是非是非、野菜や果物を摂ってくださいね^^。
また後のblogでは、おすすめの野菜なども載せていきます。

ちなみに腎不全の方は、カリウム摂取による高カリウム血症が問題になることがあるため、その点は考慮する必要があります。


次回は「カルシウム VS マグネシウム」です。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2010-12-06 19:40 | 高血圧


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

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