NO.85 牛乳 milk 「まとめ」

さて、長く続いてきた「牛乳」シリーズですが、いかがでしたか?
ここまで話してきたように・・・
ミルクには、それが人間のもの(母乳)であれウシのもの(牛乳)であれ、親から新生児に伝えるべき数百種類もの科学物質が含まれているのです。
ミルクの構成成分は、動物の種類によって大きく異なること以外に、親ごとにも違いがあったり、親が食べているものによっても、哺乳の時間的経過によっても、乳房ごとにも違います。
多胎動物の分泌するミルクが乳房によって異なるのは、子供の発育に合わせて成分の調節を行っているからかもしれません。要するにミルクは、同種の動物の子供の成長・発育に適うように精密に造られた非常に複雑な生化学的液体なのです。
牛乳が悪い飲み物というわけではありません。
それはすばらしい飲み物です。
しかし、子ウシにとって・・・。
それが牛乳問題の本質なのです。
これまで話してきた「人間が子ウシの飲み物を飲むことによる数ある弊害」以外にも、牛乳によって起こる問題が様々指摘されています。
子供のネフローゼ(腎不全のために大量のたんぱく質が尿中に出て行く病気)
牛乳の多飲による虫垂炎
中耳炎と気管支炎
白血病
多発性硬化症
未成年のリューマチ性関節炎
虫歯の原因となる恐れ
・・・
これらはまだ明らかにはなっていないこともありますが、牛乳の平均的消費量と密接な関係があるそうです。
私も臨床で食物アレルギーをチェックする時に、ほとんどの人が「牛乳」にヒットするのには驚きます。
カイロプラクティックでは、口の中に食べ物を含み、筋力検査をするやり方で、アレルギーをチェックする方法があります。
私は、食物アレルギーの恐れがある人には、よくアレルギーがみられる「乳成分」「小麦」「大豆」などをチェックしますが、かなり多くのケースで「乳成分」にアレルギーを起こしている人が多いのです。
そしてそのアレルギーから、慢性疲労や不眠、感染にかかりやすい、不安感、抑うつなどのような不定愁訴系、また肩こりや頭痛、背部痛まで起きることがあります。
患者さんの中でも、慢性肩こりでいらっしゃった方で、筋肉骨格系を治療しても変化がみられず、実は食物アレルギーが原因になっていたケースもあります。
私が行う、カイロプラクティックのアプライド・キネシオロジーの中でも、牛乳はあまり良くないものと述べられています。これはやはり別種の動物の乳であるという観点からです。また加工や殺菌された牛乳を摂ることは、内臓機能の低下を促すとも言われ、ヨーグルトや加工チーズなどの摂取はなるべく控えるように言われています。
私は、「牛乳」自体を責めるつもりはないですが、ここまでさまざまな報告や話があるので、乳製品をとっている人にその現状だけでも理解してもらえればと思います。
では牛乳やチーズ、ヨーグルト好きでやめられないという方はどうすれば良いのでしょう?
もちろんアレルギーの方は一切とらない方ことをオススメしますが、それ以外の方は、できるだけホルモン剤や抗生剤を使っていないものを選ぶと良いでしょう。
私の知っている中では、日本ではここの「思いやり生乳」がまだ良いかもしれません。
ただものすごく高価ですが・・・。
ケーキやお菓子作りでどうしても使うといった場合は、こういうものを使うのも良いでしょう。
最近では、この「思いやり生乳」のように、農薬を使わない牧草・穀物で乳牛を飼育するという「有機酪農」で実績を挙げている酪農家もいます。また放牧酪農を売りにしているところもあります。
しかし、妊娠後半のウシから搾った牛乳は、どのように工夫しようとも、安心できる飲み物ではありません(ホルモンの影響 以前のblog参照)。
牛乳は子ウシの飲み物であるから、本来、日本人には無用ですが、それでも敢えて飲むなら「非妊娠牛からの牛乳」の生産を、期待するしかないのかもしれません。
また乳製品を全て大豆製品に置き換えるというのも、健康のためにはかなり良いことです。
牛乳を豆乳にすることで、さまざまな効果が期待できます。
乳がんの再発で苦しんだJane Plant教授も大豆製品をとることで、克服したようですね。
最近では豆乳アイスや、バター・牛乳を使わない豆乳ケーキを扱っているところもあります。
大豆には,女性ホルモン様作用を有する植物エストロゲン・大豆イソフラボン類が存在し,乳がんの予防やリスク低減における臨床的意義が注目されています。
大豆のイソフラボンについては、以前のblogでもお話しました。
疫学調査や基礎研究、予備的臨床試験で、大豆製品あるいは大豆イソフラボン類の摂取が乳がんや肺がん、前立腺がんの抑制効果をもつことが示されてきています。
また、糖尿病および糖尿病神経障害に対する予防作用や、その他、大豆イソフラボンによる更年期障害症状の改善作用、骨粗鬆症の予防作用、認知機能の改善作用等が示唆されているのです。
乳がんについての効果は、まだ様々な議論がかわされていますが・・・
最新の臨床栄養学の専門ジャーナルに大豆摂取による乳がんリスク低減効果を示した調査研究が、韓国のグループから報告されていました。(Eur J Clin Nutr. 2010 Sep;64(9):924-32.)
この研究では,大豆の摂取と,乳がんリスクとの関連について,韓国人の女性を対象に検証しています。
具体的には,乳がん患者358名と、年齢を一致させた悪性腫瘍の既往歴のない対照群360名の2群を対象に、食事由来の大豆製品の摂取が103項目の食事調査票によって調べられ、これによると大豆の摂取量が多い群が少ない群に比べて、乳がんのリスクが64%少ないことが認められたようです。
また、アメリカ医師会ジャーナルに乳がんサバイバー(生存者)の予後(死亡率・再発)と、大豆食品の摂取との関連を調べた研究が、米国のグループ(Vanderbilt Epidemiology Center)から報告されていました。
(JAMA. 2009 Dec 9;302(22):2437-43.)
この研究では,乳がんの予後としての全死亡率および乳がん再発率と,大豆食品摂取との関連が検証されました。具体的には、中国での乳がんサバイバー5042名を対象に、癌と診断後のライフスタイル、治療、疾病の進展といった情報が、診断後の6ヵ月の時点で調査され、さらにフォローアップ期間の3点(診断後18ヵ月,36ヵ月,60ヵ月)で再評価されています。
その結果は大豆タンパク質の摂取量が多いほど乳がんリスクが少なく、摂取量が一番少ない群と一番多い群では,4年間の全死亡率が10.3%と7.4%,再発率が11.2%と8.0%でした。
大豆のイソフラボンがなぜ、乳がんのリスクを減らしてくれるのでしょう?
これは大豆のイソフラボンが女性ホルモンと似ている物質であるということに理由があるようですね。
まず1つ目は、イソフラボンが、女性ホルモンがつくる「チロシンキナーゼ(がん細胞を助長する)」を破壊してくれるということです。
そして2つ目としてはイソフラボンの方が、女性ホルモンより分子が小さいので先に女性ホルモン受容体にくっつき、女性ホルモンの影響を抑える効果があるからなのです。
さてその他では、ヨーグルトを乳酸菌のためにとっている人は、ヨーグルトでとらずに乳酸菌のサプリメントでとるようにすると良いでしょう。乳酸菌のサプリメントは様々出ています。
ただ、牛乳アレルギーの方は、牛乳で培養した乳酸菌サプリメントにも、微量の乳成分が含まれているため、アレルギー症状を呈する場合があります。ご注意を・・・。
さてこれで「牛乳」シリーズは終了です。
こういう栄養の話や食べ物の話は、たくさんあるので、また年明けくらいからblogでどんどんUPしていきたいと思っています^^。楽しみにしていてくださいね。
残りの年内は「高血圧」そして「変形性膝関節症」の話題にしようと思っています。
なにかご質問があれば、
こちらから気軽に聞いてくださいね。
小菅一憲
CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院
C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地
by chiropratica
| 2010-11-30 08:39
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カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記
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