NO.64 骨粗鬆症 その5 「カルシウムの役割」

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台風の影響が過ぎて、今日はいいお天気ですね!まさに洗濯日和^^。
ついこないだしまったと思ったホットカーペットを、今日は朝から干しています。
季節が過ぎるのは本当早いものです。


さて今日は「カルシウム」のお話です。

年齢によって「骨芽細胞」と「破骨細胞」のバランスが崩れることのほか、性ホルモンやその他の因子で、骨中のカルシウムが減ることが「骨粗鬆症」の一原因となっているとお話してきました。

たしかにカルシウムが、骨粗鬆症の予防や治療に中心的な役割を演じるミネラルであることは疑う余地がありません。

しかし、カルシウムだけを使った研究では、骨粗鬆症患者に対して良好な結果が得られたものも、得られなかったものもあり、十分な一貫性が見られていないのが現状です。



さてこの中心的存在のカルシウム。
今日はまず、カルシウムが人の身体で、どんな働きをしているのかみていきましょう。


カルシウムは骨だけでなく、血液や筋肉、神経組織にも存在していて、男性なら1.2kg、女性ならおよそ1kgあります。これは体重のおよそ1〜2%です。

そしてその中の99%が「ハイドロオキシアパタイト」という結晶の形で、骨に蓄えられていて、残り1%がタンパク質と結合、あるいはイオンの形で、血液や体液中を移動して人の生命維持に必要な活動を行っています。

ものを見る、手足を動かす、心臓の筋肉を収縮させて呼吸をするといった生命活動のすべてが、カルシウムイオンの出入りによって行われ、そのためカルシウムイオンが不足すると、副甲状腺ホルモンの働きによって骨のカルシウムが血液に溶け出して生命を維持しようとします。またカルシウムを十分に摂っていれば、血中濃度を一定に保つため、血液から骨へとカルシウムが送られていき、骨に貯蔵されます。
これら全ては、厳しく脳で管理されています。

それだけカルシウムは身体にとって大事な役割をしているということなのですね。


カルシウムは言うまでもなく、ミネラルという栄養素です。
ミネラルにはかなりの数がありますが、人間に必要なミネラルは現在わかっているだけで29種類と言われています。そしてその中でも必ず摂らなければ行けない、または欠乏すると人体に悪影響を及ぼすと考えられているミネラルは9種類あります。

〈主要ミネラル〉
カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム

〈微量ミネラル〉
亜鉛マンガン、ヨウ素、セレンモリブデンクロム・・・など

色をつけたミネラルが必ず摂らなければならない、ミネラル9種ですが、その中でも一番多量に必要とされているのが「カルシウム」なのです。

カルシウムを多く含む食品には、牛乳やチーズなどの乳製品、ジャコなどの小魚、海藻、種実類、野菜があります。
カルシウムをどの食品から摂った方が良いのかは、後のblogでお話していきますが、ある程度十分にカルシウムを摂取していくことが望まれます。


現在、日本のカルシウム摂取基準として決められているのは600mg〜900mgです。

推定平均必要量:男性600mg/day、 女性500mg/day
推奨量    :男性700mg/day、 女性650mg/day
耐容上限量  :男性2300mg/day、女性2300mg/day

しかし、実は、戦後一度も600mg/dayを超えていないのです。
2008年の国民健康・栄養調査での平均摂取量は550mg/dayだったといいます。

カルシウム摂取量(平成20年国民健康・栄養調査)
50〜59歳 :男性514mg/day、 女性528mg/day
60〜69歳 :男性584mg/day、 女性564mg/day

そして、日本は世界的に見てもカルシウム摂取量が低いようです。
これには実は理由があります。

ミネラルというのは土壌や海にありますが、日本は火山国なので、土壌が酸性よりになってしまい、ミネラルの含有量が少ないのです。そのことは、日本は軟水で、ヨーロッパは硬水であるということにもよくあらわれています。日本の水は、お酒を作るのには適していますが、ミネラル分といった意味では不足しているのですね。
そしてその土壌で育った野菜にも、ミネラルが不足しているのは当然でしょう。


ただカルシウム摂取推奨量に関しては、国でそれぞれ違います。アメリカでは800mgを推奨していますが、イギリスやカナダでは一日のカルシウム所要量は500mg、そして世界保健機構(WHO)の食品農業部門に至っては、わずか400〜500mgにすぎません。
これだけ意見が一致しないのはなぜでしょう。
それはカルシウム所要量を決定するのは、きわめて複雑な作業だからです。食品中のカルシウムの量は、身体がどれだけの量のカルシウムを吸収するかを決定する要素の一つにすぎません。
たとえば、食品中に含まれるリン、野菜などに含まれる「シュウ酸」、穀類に含まれる「フィチン酸」、過剰の脂肪またはたんぱく質などは、カルシウムの吸収を阻害することがあります。逆にビタミンDやたんぱく質(あるいはリジン、アルギニンなどのアミノ酸)、乳糖、食物繊維(イヌリンなど)、カゼインホスホペプチドなどは、体内でのカルシウム吸収を促進することが知られています。

このようにカルシウム吸収には、さまざまな要素が関わってくるので、一概に摂取量を決められないのですね。

しかし、いままで話してきたようにカルシウムは大事なミネラルです。カルシウムが不足すると、イライラして集中力が落ち、いろいろな病気にかかりやすくなります。現代人は、カルシウムやその他ミネラルをバランスよく摂ることや、それらを吸収するための工夫を心がけるべきでしょう。



さて、これまでのお話で、カルシウムは人体に不可欠なミネラルということは十分理解して頂けたと思います。
たしかにカルシウムは身体に必須なミネラルです。

では今のテーマである「骨粗鬆症」にならないためには、カルシウムだけを摂取していれば事足りるのでしょうか。

答えはNOです。

冒頭でも述べましたが、いままでの常識では、「骨粗鬆症」はカルシウム不足が原因で、改善にはカルシウムの補充が不可欠だと言われてきました。

しかし、実は、骨のカルシウムが不足して起こる病気は実は「骨軟化症」で、「骨粗鬆症」というのはカルシウムの不足だけでは起こりません。


骨粗鬆症とは、骨がもろくスカスカになる状態、骨の基質(骨組み)が崩壊している状態です。
骨の仕組みはビル建設と似ています。ビルを建てるとき、必ず鉄筋で基礎をつくり、そこにコンクリートを流し込みますね。
カルシウムはコンクリートにあたりますが、鉄筋の骨組みがあるからこそ、コンクリートはこれに張りついて強靭になります。

骨粗鬆症は、骨組みのほうが崩壊している状態ですから、カルシウムだけを摂っていても、それこそむだ骨なのです。

逆に大量のカルシウム剤を補うことによる「カルシウム過剰症」を心配しなければなりません。

では次回からそこらへんを詳しくお話していきましょう。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2010-11-02 10:38 | 骨粗鬆症


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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