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NO.52 頭痛 headache 「頭痛を引き起こしてしまう物質」

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今日は頭痛を誘発する可能性のある物質についての話をしていきます。

ある物質を摂取した後、一定時間内に頭痛が出現し、その物質が代謝・排泄されることにより頭痛が消えていくという過程が明らかな場合に、その物質が頭痛をおこす可能性が考えられます。


摂取することにより頭痛をきたす物質として、従来より知られているものには、硝酸-亜硝酸化合物・グルタミン酸ナトリウム・一酸化炭素・アルコールなどがあります。


硝酸-亜硝酸化合物による頭痛(食品添加物・汚染水)

硝酸といえば、火薬を作るときに使われますが、最近は地下水などの汚染で問題になっています。また亜硝酸化合物は、食品添加物に使われていることがあり、注意が必要です。
これらの頭痛は、硝酸-亜硝酸化合物を摂取して1時間以内に両側の前側頭部に生じる拍動性の頭痛で、ニトログリセリン頭痛・ダイナマイト頭痛・ホットドック頭痛などとよばれることもあります。硝酸-亜硝酸化合物による血管拡張作用による頭痛として考えられており、片頭痛や群発性頭痛の患者では、健康人よりこの頭痛を起こしやすいといわれています。
硝酸-亜硝酸化合物は、最終的には一酸化窒素(NO)として作用することがわかっています。


グルタミン酸ナトリウムによる頭痛(中華料理店症候群)

グルタミン酸ナトリウムは、有名なところで、味の素やほんだし、だしの素などに使われる化学調味料で、加熱により発ガン物質になると言われ、大分前に問題になっています。ただ現在でも味の素食品では使われており、また中華料理店では調味料として多く使われ、これにより、めまい、頭痛、自暴自棄などの症状が出るものを「チャイニーズレストラン症候群」と呼んでいます。

国際頭痛学会の分類では、診断基準としてグルタミン酸ナトリウム服用後、1時間以内におこり、以下の6つの症状(①胸部圧迫感 ②顔面の圧迫感・疼痛 ③胸・頸・肩の灼熱感 ④顔面紅潮 ⑤めまい・腹部不快感)のうち少なくとも2つ以上を伴うものをいいます。

中華料理を摂取した後、20~25分後に、①~⑥の症状と拍動性の頭痛を生じるものをチャイニーズレストラン頭痛 chinese restaurant headache と呼んでおり、中華料理に含まれるグルタミン酸ナトリウムが原因になっていると考えられ、一般に3gのグルタミン酸塩を摂取すると約20分後にこれらの症状がおこるとされています。


一酸化炭素による頭痛(タバコ)

一酸化炭素の中毒の際の頭痛は、頭部全体および後頭下に持続性の、次第に強くなるような頭痛で、COレベルにより症状が変化していきます。ヘビースモーカーでみられる軽い頭痛およびめまいは、一酸化炭素の中毒によるものと考えられます。


アルコールによる頭痛(アルコール)

国際頭痛学会の分類による診断基準では、アルコール摂取後3時間以内におこるものとされています。アルコール自身は脳血管に直接作用するとは考えられておらず、脳内セロトニンレベルを変化させるため、あるいは脳循環の自動調節能を変化させるため、頭痛が生じるのではないかと言われています。またアルコールに関しては、アルコール摂取をやめて数時間後から始まるズキンズキンとした頭痛があります。身体を動かしたり、咳や頭部を動かした際に増悪し、頭痛以外に悪心・顔面蒼白などの症状を伴います。いわゆる2日酔いですね。


アステルパーム(清涼飲料水に使われる人工甘味料)

アスパルテームはL-phenylalanineとL-aspartic acidの2つのアミノ酸から合成させる人工甘味料で、ショ糖の180倍~200倍の甘みがある物質です。この物質は清涼飲料水などに広く使われていますが、アメリカのDisease Control Centerがこの物質を含むものを摂取した後に、様々な訴えを呈した517例の分析を行い、神経系の症状、特に頭痛が多いと報告しています。ただ、その後のSchiffmanらの検討では、アスパルテームを含むものを摂取した後に頭痛を訴えた40人で、プラセボ(偽薬を摂取した群)と比較して、頭痛を生じる率は有為ではなかったため、この物質が本当に頭痛の原因になるかはまだはっきりとはしていません。しかし可能性は軽視できないでしょう。


フェニルエチルアミン(チョコレート)

フェニルエチルアミンはチョコレートやカカオなどに含まれており、神経終末からセロトニンやカテコールアミンを放出させる作用を持っています。そのため、前回のblogでも少し触れましたが、monoamine oxidase B(MAO-B)の活性が低い片頭痛患者では、このフェニルエチルアミンの代謝が遅く、この物質を多く含むチョコレートの摂取により、高頻度に頭痛をきたすと考えられています。



こんなにも多くの物質が頭痛を引き起こす引き金になることに驚いたでしょうか。

みていくと、タバコ、アルコール、人工甘味料、食品添加物、科学調味料と、人間が現代になって人工的に作ったものが多いことには、非常に興味が湧きます。
自然界にない人工的なものがどれだけ、身体に悪影響を及ぼすかわかりますね。


さてそれ以外にも、薬による頭痛というものもあります。


エルゴタミンによる頭痛

片頭痛患者でエルゴタミン製剤を過度に服用した場合に、この頭痛を生じることがあります。エルゴタミンを経口で毎日2mg以上、坐薬で毎日1mg以上を摂取し続けた場合、片頭痛の前兆や随伴症状を欠き、びまん性に拍動性の頭痛を起こします。


鎮痛薬の乱用による頭痛

1ヵ月に50g以上のアスピリンかほぼ同等の他の鎮痛薬を摂取した場合、あるいはバルビタール製剤か他の非麻薬製剤と鎮痛薬との合剤を1ヵ月間で100錠以上服用した場合に生じる頭痛です。


コカインやマリファナなどの麻薬による頭痛

コカイン常用者の60~70%に頭痛がみられ、一般に片頭痛に類似した血管性頭痛を呈します。またマリファナによっては前頭部に軽度の頭痛が生じると考えられています。



薬はもともと身体にはない化学物質です。その物質を身体に入れることは身体にとってはストレスになってしまうのです。もちろん薬は症状を緩和してくれる便利なものですが、同時に身体になにかしらの副作用・悪影響を及ぼすことは、覚えておいてください。


これらの頭痛は、純粋に自然の物を食べ、自然に生活していれば起こり得ない頭痛とも言えますね。現代病と言ってもいいのではないのでしょうか。

加工品や嗜好品が溢れている現代ではなかなか難しいのかもしれませんが、
ナチュラルな生活がやっぱり何よりなんです^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2010-10-18 12:00 | 頭痛


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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