NO.50 頭痛 headache 「頭痛とストレス/自律神経の関わり」

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いままでお話してきたように、頭痛にはいろいろな種類がありますが、いずれもストレスと深い関連があると考えられています。


とくに慢性頭痛の中の片頭痛と緊張性頭痛に関してはともに病因にストレスがあげられています。
これは、頭痛時における自発痛が、交感神経(自律神経系)ブロックによって抑えられることが知られているからで、自律神経系、特に交感神経と痛覚の間には密接な関係があると考えられています。
またストレスにより起こされる頭痛と自律神経とは、相互に密接な関係があります。


今日はストレスや自律神経がどのように頭痛につながるのか、少しお話していきましょう。

筋収縮性頭痛は、その要因のひとつにストレスがあげられますが、神経質・几帳面・完全主義などの性格的素因に、日常生活における種々のストレスが加わることによって起こるとされています。緊張性頭痛の患者さんには、緊張しやすくリラックスしにくい人が多く、また不安や抑うつを持つ方もいます。この場合、ストレスの影響も少なくはないでしょう。


筋肉は2分間以上筋収縮を持続させると、筋に痛みと圧痛が生じ、さらに筋収縮が数時間から数日持続することにより生じた痛みが、筋緊張の異常を蔓延させていきます。
筋収縮性頭痛は、主に2つの原因によって起こるといわれていますが、それはこのような筋肉の緊張状態とそれに伴う血管収縮などの血管性因子によります。

筋緊張に伴う痛みの発生については、それに伴う神経の圧迫や、血管の圧迫に伴う筋の虚血、なんらかの痛み物質の遊離などの要因があげられますが、性格的にあまりリラックスできない人や、継続的なストレスなどで筋肉が収縮状態を持続させられることによって頭痛が起こることは容易に想像できますね。

ある研究では、筋電図と脳波の連続記録により、頭痛時には頭痛のある側頭筋(頭のサイドの筋肉)で筋放電が著名に増加し、同じ側の側頭動脈の脈が減弱していたという報告があります。また前頭部の痛みを訴える患者さんの多くに眼球結膜の小血管の収縮がみられ、血管拡張薬の投与により、頭痛の軽減と結膜虚血の改善がみられたということです。

このように筋肉の収縮とそれに伴う血管収縮がかなり頭痛と関わっているのです。
そしてこのことを引き起こしやすいストレスが、頭痛と大きく関わっていることはもうわかって頂けたと思います。


少し難しい話になりますが、頭痛患者さんでの痛みの感覚の伝達、特に一次知覚ニューロンには、神経ペプチドというアミノ酸で作られる神経伝達物質が関わっていると言われており、現在報告されている神経ペプチドの中で、SP、SOM、CGRPというペプチドが侵害刺激情報伝達に強く関与しているといいます。

そしてとくにcalcitonin-gene related peptide(CGRP)とサブスタンスP(SP)はともに脳血管拡張作用があり、また脊髄神経(背骨の中を通る神経)の侵害刺激に応じてSPなどの神経ペプチドは増加します。
これらのペプチドは、それぞれ異なる侵害情報に関わっていますが、侵害刺激が加わると痛覚伝動に関わるこのペプチドが放出されるのです。

たとえばSPについて言うと、緊張性頭痛の人は健康な人より、このSPの数値が高く、SPの値が下がると症状も改善することが言われています。
また片頭痛に関しても、発作時に浅側頭動脈の拡張反応が起こることは、前のblogでも述べましたが、発作時にSPが増加するとより強い血管拡張が生じるのではないかと考えられています。

これらの神経ペプチドは自律神経の中に存在しているので、自律神経が頭痛と大きくかかわっていると言えるでしょう。

ひとつ例をあげてみましょう。

慢性頭痛の人は、よくめまい感・立ちくらみ・動悸などの自律神経症状が合併することが多いのですが、最近では頭痛の自律神経機能と鍼治療の関係についての研究が多くされています。
この中で、緊張性頭痛の患者さんが、鍼治療により症状が緩和し、循環機能が正常化することが報告されており、これには自律神経の中でもリラックスする側の副交感神経の反応を促進したことによるものと言われています。緊張性頭痛の患者さんにはSP(神経伝達物質)が多いという話をしましたが、鍼治療で、副交感神経痙の反応を促進することで、脊髄の灰白質(神経体のかたまり)のβ-endorphinの増加を促し、SPの分泌を抑制したことによるものではないかと考えられています。


カイロプラクティックの治療の後も、副交感神経が優位になるので、こういったストレスに関わる慢性頭痛の方に効果が期待できそうです^^。



今日は大分難しい話だったと思いますが、
このように考えると、ストレスや自律神経は、大きく頭痛の背景に関わっていることがわかります。

ストレスはすべての病に関わっていると言われますが、また新たにストレスの怖さを実感できたのではないでしょうか。日頃からなるべく、ストレスを溜めず、リラックスできる時間を作ったり、自分にとってのストレス解消法を見つけておくことが、あなたの頭痛の改善に役立つかもしれません。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2010-10-15 14:41 | 頭痛


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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