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NO.281 低血糖症 その5 「低血糖症で起こる症状」

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いきなりの写真にビックリしたでしょうか?
低血糖症のときに分泌される攻撃ホルモン「アドレナリン」。
そんな様子を表してみました^^。


さて、今日も低血糖症についてドンドン行きますよ。


血糖値が上がりやすい食べ物を多く食べた結果、低血糖症になってしまうと、困ったことが起きてしまいます。
脳は基本的にグルコースしかエネルギーとして利用できないので、脳がエネルギー不足になってしまうのです。脳は基本的に約40秒でグルコースを使いきってしまうので、血糖値が短時間で急激に下がってしまうと、エネルギーが十分に供給されず、脳のエネルギー不足を招くというわけ。


なので、とくに低血糖症の人に共通するのは、「疲れやすい」「慢性的な疲労感」です。
また「だるさ」や「朝起きられない」などの症状を訴える人が本当に多くいます。


うつ症状
やる気がわかない
集中力低下
記憶力低下
頭の回転が鈍い
だるい
つねに眠い
ぼーっとする
Etc・・・


脳が栄養不足になると、このような精神的な症状の原因となってしまうわけです。
また、ひどくなると脳細胞がダメージを受けるため、高齢者の認知症の原因になることもあります。血糖値が低い状態は、とても不安定です。もし血糖値が極端に下がり過ぎてしまったら、意識がなくなり、こん睡状態に陥るときもあります。最悪の場合、死ぬ危険性もあるのです。




さて、その他の低血糖症の典型的な精神症状とは・・・


イライラする
キレやすい
ちょっとしたことにカッとなってしまう
落ち着きがない
自分を抑えられない
暴れる
攻撃的になる
不機嫌
憂鬱
気分が優れない
極端に落ち込む
何をしても楽しくない
死んでしまいたくなる
気が狂いそうになる感じ
かんしゃくをおこす
性衝動の欠如
お腹が空いてしょうがない
いつも食べ物のことばかり考えている
食間の飢えがある
甘いものが欲しくなる
食べ始めるととめどなく食べてしまう
不安になる
忘れやすい
焦燥感
神経過敏
音と光に過敏
かゆみと蟻走感
何も理由なく突然胸が痛くなったり、息苦しくなる
突然悲しくなり、泣いてしまう。
意識がなくなる
完璧主義である。
あることに異常にこだわる
細かいことが気になる
絶えず何かが気がかり



これらは全て低血糖症によって起こりやすい精神状態です。
いかがですか?
普段感じているものがけっこうある!と思った方もいるのではないでしょうか。また低血糖症が治った後に、あのときはこうだったなと振り返れるような症状もあります。
低血糖症では、私たちにとって「もっとも使いやすいエネルギー源」である血糖がつねに低いか、安定しない状態にあります。
低血糖症が主な原因ではない時でも、この血糖値の不安定な状態というのは、様々な精神状態を引き起こすと考えて良いでしょう。



では、なぜこのような精神状態になるのでしょう?


前のblogでお話しましたが、血糖値をコントロールしているホルモンはいくつかあります。
血糖調節の仕組みの中で、血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンはこれまでもたくさん登場してきましたが、逆に血糖値を上げるホルモンもたくさんあるのです。
この「低血糖症」では、インスリンによって急激に下がった血糖値を上げようとして、これらのホルモンが分泌されることになります。

<血糖値を上げるホルモン>
グルカゴン
成長ホルモン
甲状腺ホルモン
アドレナリン・ノルアドレナリン(副腎髄質ホルモン)
コルチゾール(副腎皮質ホルモン)


この中でとくに様々な精神症状を起こす原因となるホルモンが、アドレナリンとノルアドレナリンです。アドレナリンとノルアドレナリン、およびドーパミンを総称して、カテコールアミンと呼びます。

この中でもアドレナリンは「攻撃ホルモン」と呼ばれ、通常は強いストレスにさらされたときに、副腎髄質というところから多く分泌されます。
ストレス、いわゆる精神的・身体的侵襲にさらされた時に、身体はこれらのホルモンを分泌してその危機に対応するわけです。
たとえば、シマウマなどの野生動物が草原を歩いているときに、お腹をすかせたライオンにばったり出くわして、目があったとしましょう。
その瞬間、シマウマは生命の危険を察知し、アドレナリン・ノルアドレナリンが大量に分泌されます。その結果、瞳孔がひらき、全身の筋肉は緊張し、血管が収縮して心拍数と血圧が上昇します。シマウマはその瞬間、「戦闘モード」に入るというわけなのです。
そして一目散にダッシュして逃げるか、または全神経を集中して戦うのです。
このように、アドレナリン・ノルアドレナリンは本来、生命の危険にさらされたとき、とっさの瞬発力を発揮して、危険から身をまもるために分泌されるホルモンといえます。



このような働きをするため、アドレナリンは「闘争か逃走か(Fight or Flight)」のホルモンと呼ばれています。

低血糖症では、血糖値を上げるために、これらの攻撃ホルモンが本人の意思とは関係なく突然大量に分泌されたり、または頻繁に分泌されてしまいます。
低血糖症で血糖値が下がったとき、身体は生命の危機なわけです。そうなるとこれらのホルモンを分泌して戦闘態勢に入る必要があるということなのですね。

低血糖症ではさまざまな症状が起こりますが、共通してみられることが多いものとして、イライラしやすい、怒りっぽい、攻撃的である、キレやすいなどの症状があげられます。
これはアドレナリンによって起こる感情変化と同じです。

アドレナリンにより起こる感情の変化
・イライラ
・怒り
・キレる
・憎しみ
・敵意
・暴力
・完璧主義
・異常なこだわり


たとえば、ついさっきまで普通だったのに、空腹になると人が変わったように怒り出し、暴れたり暴力をふるったりしたにもかかわらず、何かを食べると(とくにあまいお菓子やジュースなど)、けろっとおさまってしまうというのは、まさにそれですね。
月経の前にイライラして攻撃的になったり、攻撃的なったり、逆に憂鬱になってしまう月経前症候群(PMS)も、アドレナリンの影響が強いために起こると言われています。


また逆に、ノルアドレナリンが働くと不安な気持ちやネガティブな感情を引き起こしてしまします。
パニック障害の人などが、人混みなどに行くと緊張して動悸がしたり、不安な気持ちになったり、恐怖感に襲われたりしてしまう原因のひとつは、このようなホルモンが分泌されることであると言われています。
また、うつやパニック障害の人で、死にたいという気持ちが強くなり、リストカットなどして自分を傷つけてしまうのも、これらのホルモンの影響が強いためになります。

パニック障害とは、くりかえして起こるパニック発作と、発作が起こることへの不安、およびそれに伴う回避行動(パニック発作を起こした場所を避けるなどの行動)が特徴とされる不安障害の一種です。
パニック障害の原因はまだよくわかっていませんが、脳の青斑核という部分におけるノルアドレナリンなどの神経伝達物質の分泌の異常が指摘されていますが、原因の一つとして低血糖症があげられるのですね。

また現代では、うつ病の患者さんが増えているといわれていますが、これの原因にも低血糖症があげられます。それにはカテコールアミンの分泌が増えることによる脳内での神経伝達物質のアンバランスや低血糖症における栄養素の不足(たんぱく質、ビタミンB群、マグネシウム、鉄、亜鉛)によって起こると言われています。
もちろん、うつ症状の原因は多彩であり、低血糖症や栄養失調以外にも、甲状腺機能低下症や副腎疲労が原因となっている場合もあれば、食物アレルギーが関与している場合もあります。しかし、これらも全てに関わりがあるので、問題が重なっている場合もあり、低血糖症ではないかと疑ってみることも必要です。


カナダのエイブラム・ホッファー博士は、低血糖時に分泌されるアドレナリンが酸化されてできる、アドレノクロムという物質が、統合失調症の幻覚や幻聴などの症状を引き起こすことを発見しました。
また低血糖症では、精神疾患と類似した症状をあらわす場合があります。精神科病棟の入院患者にはあまいものを欲する人が多い傾向があるといわれています。
もちろん、多くの場合、低血糖症だけでなく複合的な原因が考えられますが、低血糖症を改善することで症状の改善が見られたりします。


最近、若者による衝動的・突発的な犯罪が増加しているとのことですが、おそらく低血糖症が多大な影響を与えていると考えられます。
このような攻撃ホルモンの存在は、人の感情や行動にとても大きな影響を与えます。
人格さえも変えてしまうことがあるのです。
そしてだからこそ、低血糖症が怖いのです。

学校や更生施設などで、砂糖や精製炭水化物をやめ、玄米や新鮮な食材を中心とした食事に変えたら、非行などの反社会的行動が激減した、という例は数多くあるのです。
(低血糖症という病気 矢崎智子引用)




その他の症状について・・・

〈痛み・頭痛〉
低血糖症では、体のどこかに痛みの症状があらわれることがあります。
これはアドレナリンが血管を収縮させるためといわれています。
多いのは頭痛ですが(以前のblog参照)、腰痛やひざの痛みなどとしてあらわれることもあり、人によってあらわれる場所がちがうようです。
頭痛が起きる原因は、低血糖から脳を守るために脳の血管が拡張するためとも言われています。


〈不眠〉
低血糖症ではアドレナリン・ノルアドレナリンが分泌されることにより、交感神経が優位な状態となります。
このためリラックスできない、不眠などの症状が起こります。
昼間活発に活動するためには交感神経が適度に緊張していることが必要ですが、夜リラックスして休息するためには、交感神経優位から副交感神経優位にモードが切り替わる必要があります。このバランスが乱れた状態がいわゆる「自律神経失調症」です。
質のよい睡眠を得る為には、夜は副交感神経優位になっている必要がありますが、低血糖症では、これがうまくいかないために、不眠の原因となります。

また、朝方目が覚めてしまうという症状を持っている人もいますが、朝の4時頃は血糖値が下がる時間帯なので、低血糖症の場合は、血糖値が下がってアドレナリンが出る為に、目が覚めてしまうということが考えられます。
この場合は、夜寝る前に、夜食としてゆっくりエネルギーに変わるものをとっておくと良いと言われます。


〈動悸〉
動悸も同様に、アドレナリン・ノルアドレナリンの影響によって起こります。


〈冷え性や肩こり〉
低血糖症の人で、冷え症や肩こりの症状を持っている人はたくさんいます。
甘いものが好きな女性に冷え症や肩こりが多いのもなんとなく納得できますね。
アドレナリンは血管を収縮させるため、末端の血行が悪くなり、冷え性や肩こりの原因となります。
低血糖症の人は同時に栄養失調でもあることがほとんどですが、エネルギーや熱を生み出すために必要なビタミンB群や鉄が不足していると冷え性になることはよく言われることです。
またたんぱく質が不足していると、血漿中の水分量が減ることにより血液循環が悪くなり、やはり冷え性や肩こりになります。


〈失神〉
低血糖症では、血糖値が急激に低下することにより、失神発作を起こす場合があります。このため、てんかんという診断がつくことがあります。
脳のエネルギーが急激に低下するために起こる症状と考えられています。


〈便秘〉
アドレナリン・ノルアドレナリンは、交感神経を緊張させるため、腸の蠕動運動が低下し、便秘の原因となります。またあまいものや精製炭水化物の大量摂取は、腸内環境を悪化させ、これも便秘やアレルギーの原因になることがあります。


〈アレルギー、炎症性疾患〉
低血糖症では、血糖値を上げるためにコルチゾール(副腎皮質ホルモン)が消費されるため、コルチゾールの抗炎症作用、抗アレルギー作用が不十分となり、アレルギーが起こりやすくなります。
アトピー性皮膚炎の患者さんには低血糖症の人が多いと言われています。

低血糖になる食事をあらため、アレルゲンを排除し、適切な栄養素を補給することで、多くのアレルギー性疾患は改善が期待できます。


〈副腎疲労〉
またこのコルチゾールの分泌が長期にわたると、コルチゾールの分泌が低下し、副腎機能の低下、すなわち副腎疲労と呼ばれる状態を招きます。
副腎疲労については、次回のテーマで取り上げたいと思っています。

コルチゾールには、心身のストレスに対する抵抗性を維持し、活力を高める、血圧を維持する、炎症を抑える、など多岐にわたる働きがあります。
コルチゾール不足の初期症状は、異常な疲労感です。うつ症状を伴う場合もあるため、うつ病と診断されることもあります。
ほかにも、精神的ストレスや食物アレルギーなどがコルチゾールを低下させる要素になります。
治療のためにはこれらの原因を排除し、副腎を保護する栄養素を補充する必要があるのですね。



いかがでしたか?
いままでこのテーマを読んでいて、私には関係ない話だと思っていたあなた。
けっこう自分に置き換えられるような症状もあったのではないでしょうか?
血糖値の変動は、普通の方でもある程度はあります。
ただ、精製された炭水化物が好きな方で、症状がいくつか当てはまる人は要注意ですよ。



小菅一憲

CHIROPRATICA|副腎疲労専門カイロプラクティック


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲の治療実績




Face book page|カイロプラティカ

# by chiropratica | 2011-10-29 14:45 | 低血糖症

NO.280 低血糖症 その4 「砂糖について」

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今日はお砂糖についての話を少しします。

英国海軍の外科医のCleaveによると、イギリスでの1人当たり砂糖消費量は、1815年から1900年までに6.8kgから38.3kgまでに上昇し、1954年には46.8kgにまで達したと言います
こうなると、一体今現在の砂糖消費量はどのくらいになっているのでしょう?

これは糖尿病が増加している日本でも同じことが言えますよね。
大昔、砂糖がまだ食べられていなかった時代から、古代インドや熱帯地域で砂糖黍が食されるようになり、そこから世界が砂糖黍を精製することに成功し、なんの栄養も含まない真白な砂糖を作り出してから現在まで、砂糖は様々な食べ物の中に必ずと言っていいほど混入しているものになりました。
そしてそんな砂糖の中毒性や脅威を知るのは、人間に「低血糖症」や「糖尿病」という病気が現れてからです。


今回のテーマである「低血糖症」が生まれ、現代に増えてきたのも、この砂糖消費量が増えてきた背景と密接に関わっていると言っても良いでしょう。



Snowという学者も過去100年間の砂糖消費量の増加について指摘しています。
また、彼は「世界の中で自然な、あるいは精製されていない糖類が発見される場合、賢明な創造主は常に身体が糖類の消費と代謝に必要なビタミンとミネラルを混在させている」と言っています

私もこの言葉には、心底うなずいてしまいます。

炭水化物、糖質を摂取するときに重要なのは、代謝に必要なビタミンとミネラルの存在です。自然の食物は、通常炭水化物(糖質)の代謝に必要なビタミンとミネラルを含んでいます。しかし、砂糖や小麦粉などの精製された物質は、代謝に必要なビタミンとミネラルを欠いているのです。
これこそが、問題なんですね。
精製された砂糖や小麦粉を摂取することで、身体の中のどれだけのビタミン、ミネラルが消費されることでしょう。



大量の糖質摂取は満足感を与えてくれます。
しかし、それは健康に必要なタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルを含む食べ物への欲求を制限してしまうと言えます。

Royal Leeは、一般的な栄養欠乏について・・・「一番の問題は、ほとんどの者は、無意識に精製された糖類(ジュース、アイスクリーム、小麦粉、砂糖、パン、ドーナッツ、パイ、キャンディーなど)により満足感を得ている。彼らは、何もないものから何かを得ようとしている。小麦粉、砂糖、グルコース、コーンシロップから身体を作り、修理することは不可能である」と述べています。

この言葉はなんとも深いです!^^。

確かに精製された糖類は、ビタミン・ミネラルなどの身体の代謝に必要な栄養素や身体を作ったり修復するタンパク質がほとんど含まれていません。砂糖なんてまさにその代表でしょう。これこそが、砂糖が「空のカロリー」と呼ばれる所以なのです。




みなさんの子供のこと思ってみてください。
現代っ子の周りにはどんなに砂糖に関わるものが溢れていることでしょう。
そんな状態で健康なカラダが作れるのでしょうか。


多くの人は、家族の中にアルコール中毒者がいたら、かなり気を使いますが、子供がキャンディー、ガム、ジュース、アイスクリーム、パイ、ケーキ、ジャム、ゼリーなどを食べることが習慣になっていることに無関心です。
ファミリーレストランに行くと、ドリンクバーで甘いジュースを大量に飲む子供たち。それに無関心な親御さん。
頻繁に摂取する砂糖による中毒は、アルコール中毒となんら変わりはありません。
しかも、子供は砂糖から何も恩恵を受けることはないのです。


たいてい大人は、子供は砂糖を含むものを好きだと誤解しています。
「いい子にしていれば、アイスを買ってあげるから」と子供をなだめているシーンを良く見かけませんか?
しかし、こういう習慣、甘いものを報酬としてあげるようなことは、自然と甘いものを好む趣向を発達させることになります。
そしていつのまにか、甘いものによる中毒から抜け出せなくなり、大人になってからメタボリックシンドロームに突き進むことも少なくないのです。
その基盤は、子供の頃に出来上がっていると言っても過言ではありません。甘いものが好きな親の元で育った子供が、それから抱えるカラダの不調や精神状態はなんとなく予想がついてしまうものです。


MorganとZabikは、5~12歳までの子供に全砂糖摂取量を記録する研究を行っています。
結果は、1日に44gから280gまでとあり、平均で1日に約134gでした。一年にすると49kgになります。一番摂っている子で102kgにもなってしまうのです。なんて量でしょう。
そして糖分の多くは、ミルク(20.4%)、ジュース(17.9%)、フルーツ(17.1%)から摂取されており、とくに全砂糖摂取量の多い子供は、コーラ、クッキー、パイ、他のデザートを多く摂取しているそう。
逆に砂糖の摂取量の少ない子供は、デザートを摂ることが少ないようですね。

どちらが良いかは一目瞭然でしょう。



精製された糖類の過剰摂取によるカラダへの害を立証している文献の数は本当に多いです。

たとえば、Cleaveは、大腸の問題、脈管系の問題、歯周病、肥満、糖尿病、潰瘍、その他の健康障害に関する文献を再検討したところ、彼は昔の原始的な文化が砂糖を食生活に取り入れたことにより、病気が始まったことに気づきました。

精製された糖類は、即座に神経システムに影響を及ぼすと言われています。
マサチューセッツ工科大学で行われた研究では、普通の子供に対してある朝、検査を行いました
ある朝、子供にスクロース(砂糖の主成分)を加えたオレンジジュースを与え、また別の日の朝には、アスパルテーム(人工甘味料)を加えたオレンジジュースを与えました。その後、子供たちの予定された作業を果たす能力と自由時間の能力をブラインドテスト(盲検)により評価しました。
そうするとなんと、スクロースを添加したオレンジジュースを飲んだ子供は、作業を果たすときに明らかに他の子供よりも多くの間違いを犯したのです。また最も間違いを犯した時間帯は、ジュースを飲んだ60分後であったといいます。
一方、自由時間における評価は、10秒間隔で適切な行動と不適切な行動について評価を行っています。15分間の自由時間、45~55分間の授業時間、スクロースの入ったジュースを飲んだ子供は、29%の不適切な行動を起こしました。これに対し、スクロースの入った飲み物を飲んでいない子供の不適切な行動は、わずか10%にとどまりました。
スクロースよりは反応は緩やかですが、アスパルテーム添加のジュースを飲んだ子供にも反応はありました。

これはまさに砂糖が血糖値のコントロールを狂わせ、ホルモンの過剰分泌により、脳内の神経伝達に問題を起こした典型的な例ですよね。


このように、精製された砂糖の摂取による健康への影響は数知れず、またその影響は即座に起こると言えます。

CheraskinとRingsdorfによると、砂糖摂取量が関連する障害は、「歯垢の増加、血中コレステロールの増加、血中グリセリセリド(血中の中性脂肪)増加、血糖値の上昇、血中インスリンの増加、血中尿酸値の上昇、血小板の粘着性上昇、体脂肪の増加、尿中カルシウム排出量増加、尿pHの増加、胃の酸性度上昇、血圧上昇、栄養学的に不適切な食物摂取の増加」などの代謝系の問題に広範囲に関連すると言います。
砂糖摂取量を4日間増加させただけでも、歯槽膿漏、充血、浮腫、歯肉のスティップリングの減少、出血症状など歯肉の健康状態は非常に悪くなると言われています。



精製された食品を摂ることの害。
その中でも特に「砂糖」の怖さ。
テーマから脱線しましたが、低血糖症を語る上でみなさんにも知っておいてもらいたいことだったので、ここで少しお話しました。

また後に砂糖の害についてはくわしくお話しますね。



小菅一憲

CHIROPRATICA|副腎疲労専門カイロプラクティック


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# by chiropratica | 2011-10-28 16:35 | 低血糖症

NO.279 低血糖症 その3 「低血糖症になりやすい食べ物」

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ここまで、「低血糖症」のことをお話してきましたが、疑問をお持ちになられた方もいるのではないでしょうか?
低血糖症とは、血糖値が下がることによって起きてしまう病気です。糖分が足りないから、血糖値が下がってしまう、それなら糖分を増やせば良いのでは?と思ったりしていませんか?


でも、人間の身体はそんなに単純なものではないのですね。


血糖値を一定のレベルに保つために、多くの臓器がホルモンや神経などのネットワークを駆使して働いています。それらの中で一番直接的なはたらきをするのが、普段はあまり目立ちませんが、じつはとても重要な多くのホルモンたちです。
血糖値が下がったときには上げるホルモンが分泌され、上がったときには下げるホルモン(インスリン)が分泌されます。シーソーのようなものだと思えばわかりやすいでしょう。
その中でも特に重要な役目を担っているのは、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンです。

インスリンが出ない、または効きが悪くなってしまうのが、糖尿病でした。糖尿病とは、血糖値が高くなることにより、全身の毛細血管が障害をうけ、網膜症や腎障害、神経障害などを起こす病気であり、予備軍まで含めると日本全国に1600万人もの患者さんがいるといわれています。
この糖尿病の患者数の増加が、日本でも大きな問題になっています。

低血糖症の場合、この逆で、インスリンが出過ぎるまたは効きが良すぎるために、血糖値が急激に低下したり、低い状態でとどまってしまうという状態。
低血糖症と糖尿病は、一見まったく正反対の病気にみえますが、「血糖値のコントロールがうまくいかなくなる」という意味では、実は同じカテゴリーの中に入る病気でもあります。


冒頭で、「糖分が足りないのなら、また糖分を摂れば良いのでは?」と思った方。

実は、大量にインスリンを分泌するような食べ物(糖質)を摂る生活習慣を続けていると、だんだんとインスリンの感受性が落ちたり、身体にとってインスリン大量分泌が癖になってしまいます。そうすると血糖値の乱高下
が激しくなってくるのです。この時に起こる様々な精神症状や自律神経失調症状が「低血糖症」と言うわけですが、この状態は明らかに血糖値のコントロールがうまくいかなくなった状態ですよね。
糖分が足りないからといって、吸収が良い「甘いもの」を摂ればまた悪循環を招きます。
一番良い解決策は、血糖値を緩やかに上昇させる食べ物を選び、血糖値を安定させることなのです。その場合、大抵「甘いもの」より、「甘くないもの」を摂るというのが正解になります^^。


低血糖症は、一般的な医師にはほとんど知られていないという理由がここにあります。なぜかと言うと、低血糖は糖分が足りないという単純な考え方では理解できない、逆説的な原因で起こっているからなのですね。


低血糖症の怖いのが、ずっとその生活(インスリン大量分泌の食生活)を続けるとそのうちに膵臓が疲弊しきってしまう時が訪れるということです。その場合、膵臓は、ついにインスリンを出すことすらできなくなってしまうのです。これが、まさに「糖尿病」ですよね。




さて、今日は、インスリンをたくさん出す原因となっている食べ物(低血糖症を引き起こす食べ物)について、じっくり話していきましょう。



みなさん、こんなものが好きだったりしませんか?

ケーキ
チョコレート
クッキー
ジュース
スポーツドリンク
プリン
ゼリー
アイスクリーム
缶コーヒー(無糖のもの以外)
菓子パン
ドーナツなど
ふわふわした白いパン
カップ麺
ポテトチップス
スナック菓子
砂糖やブドウ糖果糖液糖が入った加工食品
白米大盛りの丼
おにぎりのみ
サンドイッチのみ


これらはすべて低血糖症を起こしやすい食品であり、食事の内容です。
思い当たる人は多いのではないでしょうか?


ご存じのように、これらの甘い食べ物や飲み物、スナック菓子やサンドイッチや菓子パン、白米、白パンなどは、おもに糖質(炭水化物)でできています。
これらの食品に共通しているのは精製されていること、つまり口に入る前からすでにかなり分解された細かい状態になっているということです。
ということは消化に時間がかからないので、糖分が吸収されるのがとても速いのです。このような単純な糖質でできている食べ物を多く食べることが、低血糖症になる大きな原因のひとつになっています
米や小麦など糖分は複合糖質(でんぷん)であり、単糖類(ブドウ糖など)や二糖類(ショ糖など)にくらべれば分子が大きいので、吸収がゆっくりなのですが、白米や精製小麦粉のように精製した場合、低血糖症の原因となります。



様々な糖類と炭水化物は、身体の中で異なる反応を起こすと言われています。
摂取した糖質が血流に達する時間は、摂取した炭水化物の種類、摂取の速さと頻度により異なるのです。
以前炭水化物のテーマのところでお話しましたが、一種類の食べ物の摂取後に起こる血糖値上昇の速さを、血中グルコース指数(Glycemic Index)と呼んでいました(こちらを参照)。
グルコースやスクロース、フルクトースなどの単糖類は、腸壁から素早く吸収され、血中のインスリン値を上昇させ、逆にでんぷん、米、イモなどの多糖類は吸収が遅く、血糖値と血中インスリンの上昇が比較的遅いと言われていますが、それは食べ物の種類によっても違い、また精製度合い、その他どんな食べ物と組み合わせて取るかなどでも変わってきます。
特に糖類を一種類の食物として摂取した場合などでは、そのことが常に正しいとは限らないのです。お米は比較的この中でも血糖値の緩やかな反応を示しますが、白米になると急上昇しますし、ジャガイモなどは純粋なグルコース摂取時と同様の血糖値の上昇を示します。

また一般的にはリンゴに対して、すりつぶしたリンゴ、穀物に対して白米などのように、咀嚼をあまり必要としない食べ物ほどグルコース反応が早くみられます。

逆に豆類だけを摂取する場合は、類似する穀類の半分くらいの上昇です。
そしてもちろん精製されてない穀物は、精製されたものに対して血糖値の上昇が緩やかで、さらには精製されたものに欠けているビタミン、ミネラル、食物繊維を含んでいることも忘れてはいけない点ですよね。



こう見ていくと、おもしろいものではないですか?
食べ物の形、調理法、精製具合で血糖値の上昇が全く違うのです。



O’Deaという臨床家は、食べ物による血糖値への効果を評価する場合、GI値以外に考慮しなければならない点を指摘しています。要するにGI値とは、被検者がジャガイモなどの特定の食物を摂取した状態を測定して出している数値です。しかし、通常私たちが食べ物を摂取する場合、一種類の食べ物だけを摂取することは稀で、多種類の食べ物を同時に摂取することが多いですよね。
たしかにこの場合の血糖値の上昇は変わってきます。

炭水化物と脂質を同時に摂ることで、胃内容物の排出が遅れ、血中グルコース反応も緩やかになります。また先に食物繊維を摂ったあとに、炭水化物を摂った場合も同じく消化がゆっくりになり反応も穏やか。ただ、炭水化物と脂質を同時の場合は、インスリン反応の減少が起こらないこともありますが・・・。

これらのことは、血糖値のコントロールに関わる食べ方として後のblogでも紹介していきますが、みなさんに覚えておいてもらいたいのは、血糖値を上げやすい(インスリンをたくさん分泌しやすい)食べ物以外に、食べ方によっても血糖値の上昇具合、インスリンの出具合が変わってくるということです。

次回は、少し脱線しますが、「砂糖」についてお話します。



小菅一憲

CHIROPRATICA|副腎疲労専門カイロプラクティック


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# by chiropratica | 2011-10-27 14:21 | 低血糖症

NO.278 低血糖症 その2 「低血糖症とは!?」

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多くの医療分野の中で、この「低血糖症」については議論があります。
一部の臨床家は、膵臓腫瘍やインスリンの過剰投与がない限り、低血糖症は起こり得ないという極端な意見を述べていますが、一部では精製された砂糖は全ての人に対して毒性を持ち、多くの人は低血糖症を持つと主張しています。

さて。果たしてどちらが正しいのでしょう?


前回のblogでも述べたように、多くのお医者さんは「低血糖症」というのは、膵臓腫瘍やインスリンや糖尿病に対する薬剤などの過剰投与によって起こると認識しています。
しかし、実際「低血糖症」とは、必要量よりも多くのインスリン放出(血糖値を下げるホルモン)やインスリン放出の遅延による高インスリン血症に関与しています。これは少し難しいのでまた後ほど説明しますが、要は食べ物によってインスリンが大量に分泌されることによって起こるのが低血糖症というものなのです。
飢餓状態などでほんとうに長い間飲んだり食べたりできないときには、身体に糖分が補給されないことによって、血糖値が下がります。
しかし、実は、現代人を苦しめている低血糖症は、むしろその逆の理由で起きているということですね。


たとえば、砂糖やお菓子や清涼飲料水などの精製された糖分は、すでに分解されてかなり細かくなった状態のため、とてもすばやく吸収されてしまい、血糖値が急速に上昇してしまいます。血糖値が高い状態が長く続くと糖尿病になるくらいですから、血糖値が上がりすぎるのは人体にとって当然よくありません。

血糖値が上がると、今度は当然、血糖値を下げようとする反応が起こります。つまり、インスリンが分泌されるのです。血糖値を上げるホルモンは多数ありますが、血糖値を下げるために働くものは身体の中でインスリンしかありません。

「インスリン」は血糖値を下げる唯一のホルモンなのです。



インスリンが出ない、または非常に効きが悪いため血糖値を下げることができない状態、これが「糖尿病」です。
「低血糖症」の場合はこの逆で、インスリンが出過ぎる、または効きすぎるために、血糖値の急降下が起こったり、低い状態で留まってしまうことにより起こる問題と言えるでしょう。




さて、ではなぜこのインスリンが大量に出てしまうのでしょう?

みなさんもう気付いていると思いますが、問題は、砂糖やお菓子や清涼飲料水、また精製された穀類などを多く摂ることなのです。

これらの糖分はすばやく吸収されるために、血糖値が急上昇します。
そして血糖値の急上昇にビックリしたカラダは、危機感を覚え、当然血糖値を下げようと大量のインスリンを分泌するというわけ。
ちなみにこのインスリンの出る量ですが、血糖値の上昇の度合いによって、その分泌のされ方が変わります。つまり、血糖値の上昇が速ければ速いほど、または血糖値が高くなればなるほど、それを下げようとするために、インスリンが大量に動員されることになるのです。


過剰に分泌されたインスリンは、血糖値を急降下させ、今度は逆に血糖値が下がり過ぎてしまうという状態を引き起こします。
つまり、精製された糖分を飲んだり、食べたりすることが、血糖値の急上昇をまねき、インスリンが出過ぎてしまうために、結果的に低血糖になってしまうのですね。



精製された糖質の大量または頻繁な摂取 
    ↓
血糖値の急激な上昇
    ↓
インスリンの大量分泌
    ↓
血糖値の急激な低下
    ↓
低血糖


もちろん血糖値が下がれば、すぐに低血糖症になるわけではありません。
血糖値が下がること自体は健康な人でも起こりうることです。
しかし、このような状態が頻繁に起こることにより、
血糖のコントロールがだんだん上手く行われなくなってしまうのです。

そしてこのような「血糖値のコントロールの乱れ」が原因でいろいろな症状が起きている状態を「機能性低血糖症」というのですね^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|副腎疲労専門カイロプラクティック


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# by chiropratica | 2011-10-26 23:58 | 低血糖症

NO.277 低血糖症 その1 「血糖値」

NO.277 低血糖症 その1 「血糖値」_b0195635_22523794.jpg


今日からのテーマは低血糖症。

低血糖症と聞くと、普通の方は血糖値が低いのだから糖分が不足している、甘いものをとれば治るのでは?と考えますよね。
しかし、その裏にはそんなに安易ではない問題があるのです。


低血糖と言うのは、文字通り、血糖値が低くなってしまう状態です。
お医者さんで低血糖と言うと、糖尿病の患者さんがインスリンを多く打ちすぎたり、その他の病気でしか起こらないという認識ですが、実は・・・そうではない理由でも低血糖状態と言うのは頻繁に起きるのです。
この場合の低血糖症というのは、糖からエネルギーを作るという重要な機能がうまく働かなくなってしまったという状態のことをいいます。
そしてこの状態を「機能性低血糖症」と呼んでいます。


現代では、知らず知らずにこの機能性低血糖症になっている人がたくさんいます。しかも自分の日々のダルさや頭痛が血糖の問題からくるなんて誰も想像しませんよね。
そして鬱などの精神的なことにもかなり深く関わっています。

そんな現代社会に多い「低血糖症」。
解明していきましょう!



血糖値とは!?
みなさんもうご存知ですよね。
私たちの血液の中に含まれている「グルコース(ブドウ糖)」という糖分の濃度のことです。



さてこれらの症状・・・

いつも疲労感がある
だるい
うつ症状がある
不眠
不安感
いらいらする
怒りっぽい
頭痛
めまい
発汗
震え
動悸がする
筋肉痛と腰痛
拒食症
食欲不振
発作的に泣く
恐怖症
集中力の低下
感覚麻痺
慢性消化不良
精神錯乱
手や足が冷たい
目のかすみ
筋肉の引きつりまたはけいれん
筋肉痛
非社会的あるいは反社会的行動
落ち着けない
肥満
ふらふらする
腹部のけいれん
失神あるいは意識消失
ひきつけ
自殺傾向 やる気が起きない
ふわふわした感じがある

Etc・・・


何から起こると思いますか?
実は、これらは「血糖値のコントロールがうまくいかない」ことによって起こりうる症状なのです。
そして低血糖症の症状がまさにコレ!です。

もちろん、これらの症状全てが低血糖症によって起こると言うわけではありません。
しかし、病院では原因不明や精神疾患と診断されがちなこれらの症状、実は低血糖症だったというケースがかなり多いのです。



さて、ではまず、血糖とはなんのためにあるのか、血糖値が身体の中でどのようにコントロールされているのか見ていきましょう。
血糖(血液中のグルコース)は、私たち人間が生きていくためにもっとも利用しやすいエネルギー源です。
私たちが生きていくには、エネルギーが必要です。呼吸をするにも、心臓が鼓動を打つためにも、眠っているときでさえも、私たちはエネルギーを消費しています。細胞ひとつひとつがただ存在するというためだけにも、エネルギーは必要です。
私たちの生命を維持するためには、エネルギーはなくてはならないものなのです。

たとえ身体を動かさなくても、私たちの「頭の中」での活動にも、エネルギーは使われます。とくに脳はエネルギーを多くつかう臓器として知られています。
なにかを感じたり、考えたり、しゃべったり、笑ったりするにも、脳はエネルギーを消費しているのです。



さてではこのエネルギーはどこからくるのでしょうか?

前のblogでお話したように、私たちの人間にとってのエネルギー源は、食べものに含まれるいわゆる「三大栄養素」、つまり炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質です。
私たちは、これら三大栄養素を分解したものを、細胞内の「ミトコンドリア」というエネルギー産生工場にほうりこんで、酸素と混ぜ合わせて燃やすことでエネルギーを得ています。
私たちの身体は、食べ物を食べると、吸収しやすいようにさらに細かい物質に分解していきます。これが消化ですが、これら栄養素が消化、分解、吸収されると、グルコース、遊離脂肪酸、アミノ酸などの物質になります。
これらが全身のひとつひとつの細胞の中にとりこまれ、エネルギーとして利用されます。


人間は必要に応じてこれらのエネルギー源を使い分けて、エネルギーを得ています。

このように人間はグルコース以外にも脂肪酸、アミノ酸、ケトン体などのエネルギーを使うことができますが、血液中で最初の使われるのはグルコースなのです。
特に脳が普段使うエネルギーのメインは「グルコース」!(たまに脂肪から作られるケトン体も使っています)。
脳以外の身体の組織でも、「グルコース」は1番手っとりばやく使えるエネルギー源と言えますね。


こういったことから、私たちの身体は、つねに血糖値が安定していることを望んでいるのです。血糖値が安定していると、エネルギーがスムーズに作られ、頭もよく働き、体調も良いと言えます^^。
特に脳はグルコースを蓄えることが出来ず、40秒で消費してしまうので、脳のためには血糖値を安定した状態で保っておく必要があるわけです。
このため血糖値はつねに一定の範囲内(80~100mg/dl)になるように、綿密な調節が行われています。




ちょっと話は変わりますが、私たちの身体は、体の中のいろいろな条件を常に同じ状態に保とうとしています。
たとえば、夏の暑いときは汗をかいて熱を発散し、体温が上がりすぎないようにしていますし、冬の寒い時はブルブル震えて熱を産生し、体温が下がりすぎないようにして、1年中ほぼ同じ体温を保っているのです。
体温が高すぎても低すぎても人間は死んでしまいますから、生きていくためにちょうどいい温度をつねに維持しようとしているわけです。

このような体のはたらきのことを「生体恒常性(ホメオスターシス)」といいます。

この働きは、体温だけでなく、血圧や心拍数、発汗量や尿量、血液中のいろんな物質の濃度など、ありあらゆるものごとの調節が、ホメオスターシスによって行われています。
ホメオスターシスのおかげで、私たちは生きていくことができるのです。
つまり、ホメオスターシスとは、とても大切な「生命維持装置」なのです。そして「健康である」ということは、「ホメオスターシスが滞りなく正常に働いていること」でもあります。


このように、私たちの身体には数えきれないほど多くのホメオスターシスが働いていますが、中でももっとも厳重にコントロールされているものが、血糖値なのです!
血液中のグルコースは、私たちが生きていく上でとても大切なエネルギー源であるため、空腹時で80~100mg/dlというとてもせまい範囲の中に保たれています。
食後では30~60分で120~140mg/dlくらいまで上昇しますが、1~3時間後にはまた空腹時のレベルにもどります。


またこのように大切な血糖値をいつも安定した状態にしておくために、身体の中では多くの臓器が関係して、綿密な血糖のコントロールが行われているのです。


しかし、さまざまな理由から、この大切な血糖値が安定しない、不安定になってしまう、という状況が引き起こされる場合があります。
この血糖値の変動、またはそれによるホルモンの失調などが原因でいろんな症状が起きますが、その一つが「機能性低血糖」というものなのです。



小菅一憲

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# by chiropratica | 2011-10-23 22:52 | 低血糖症


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