NO.563 腸管免疫 その30 セカンドブレイン「脳と腸の関係」

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今日は、「腸が独自の脳を持っている」というお話を・・・。


小腸には脳からの神経細胞がほとんどつながっていないので、脳の支配下になく、独自に働いています。
胃や肝臓、腎臓などは腸から分化した臓器なので、肝臓に「胆汁を出せ」と司令を出したりするのも、小腸が自己判断で行っています。
逆に脳に干渉する場合もあります。毒物や腐ったものが口に入ると、腸は瞬間的に、神経細胞を介して脳の嘔吐中枢を刺激します。
吐くことで体のダメージを最小限に食い止めようというわけです。
すごい仕組みですよね。
なので、私たちはたとえ脳死状態になったとしても、小腸の中に栄養が入ってくる限り、それを消化することができます。

そして、腸の中でも「大腸」は、進化の過程で小腸の働きをフォローするためにできた器官。大腸は脳と神経でつながり、自律神経の支配を受けています。
だからストレスにも敏感に反応するというわけなのですが・・・。




さて、排便に関わるもっとも重要な働きは、腸の「蠕動運動」です。これは、胃から直腸までの道のりを便がスムーズに移動するために欠かせないものであるだけでなく、便意を起こしたり、食べ物の分解や消化に欠かせない酵素やホルモンの分泌を促す働きを担っています。
この蠕動運動には、腸に約1億個あるとされる神経細胞が深くかかわっています。
そして、これこそが今「第2の脳(セカンド・ブレイン)」として注目されているものなのです。

1980年代、アメリカのコロンビア大学医学部の解剖細胞生物学教授マイケル・D・ガーション博士が発表した「腸は第2の脳である」という学説は、世界に一大センセーションを巻き起こしました。彼は、脳に存在し、精神を安定させる神経伝達物質、セロトニンの95%が腸で作られることを指摘しています。
また腸だけが、脳や脊髄からの司令がなくても反応をおこさせる神経系を持つことにも触れ、「あの醜い腸は心臓よりずっと賢く、豊かな感情を持っている。進化はうまい工夫をした。われわれの先祖はアメーバの原生的生物から進化して脊椎を獲得した時、頭蓋と腸の両方に、それぞれ別の感情をもつ脳を発達させたのだ」と言っています。
この発見によって、体のあらゆる器官をコントロールしてくれるのは「脳」であるというそれまでの常識が覆され、腸の中にも一部脳と同様の機能があることが証明されたのです。

つまり、腸はただ便が通過するための臓器ではなく、そこには脳に次ぐたくさんの神経細胞があることがわかってきたのです。
腸の神経細胞は、独立したネットワークで他の消化管と協調して働いているととともに、他の臓器にも直接司令を出す重要な器官で、脳と同様に自律神経回路によって、神経細胞と神経細胞の間に神経伝達物質を飛ばしながら情報を伝達しています。
脳には約150億個以上の神経細胞があり、ここから指令を出すことで全体をコントロールしています。その数には及ばないものの、小腸、大腸を合わせた腸内には、約1億個以上の神経細胞があるといわれているのですね^^。その数は他の体内臓器の中でもとくに多く、脳に次いで2番目に多いとされています。

脳とつながる腸の神経束は約2000本と比較的少なく、それは腸独自の神経ネットワークをもっていることを示しています。腸はいくつかの筋肉の層から構成されているため、腸管内部だけではなく、それぞれの筋層間にも神経叢(マイスナー神経叢、アウエルバッハ神経叢など)が存在し、腸管はこれらの神経叢とリンクしながら活動しているのです。
こうした腸独自の神経叢のネットワークが、「第2の脳」だと言われる所以でもあるわけです。




さて、腸管の働きは、交感神経によって抑制され、副交感神経によって活性化されるのですが、第2の脳を通したその働きを少し見てみましょう。

胃の中に食べ物が入ると、結腸が動きはじめることで(胃・結腸反射)大蠕動がおこり、胃から小腸、結腸、直腸へと便が移行し、直腸に便が貯留すると直腸壁に分布している骨盤神経経て興奮が脊髄、大脳へ伝えられて内臓感覚である便意が起こります。
そして、これら中枢神経とは別に、腸管の粘膜を何らかの形で刺激することでも消化管活動は活性化されます。先程出てきた腸管の粘膜下組織に存在する、マイスナー神経叢(消化管壁などに加わる刺激を感知)およびアウエルバッハ神経叢(腸管の筋肉の間にある)などが働いて、活性化するのですね。これらの神経叢は、互いに連携しつつ、平滑筋や消化管ホルモン分泌細胞をコントロールして、自律神経系から独立して腸管を支配しています。
これが第2の脳のはたらきです。




また腸は独自の脳として存在する一方、大腸などは脳とかなり密接的なつながりを持っているとも言われます。
「腸脳相関」といわれるように、近年、大腸と脳の密接な関係に注目が集まっています。
大腸には脳と同じ神経が多く分布していることは話してきましたが、それらは密接なネットワークで結ばれています。
そして自律神経によって脳とつながり、いつも情報をやりとりしているのですね。
脳が、不安、あせり、プレッシャーなどのストレスを感じると、自律神経を介してそれが瞬時に大腸に伝わり、便秘や腹痛や下痢を引き起こします。
これは逆のことも言えます。
下痢や便秘などの大腸の不調は、自律神経を介して脳のストレスになります。つまり、ストレスの悪循環がおきやすいんです。




うつ病が、脳だけでなく、大腸と自律神経およびセカンド・ブレインが大きく関与することもわかっています。
うつ病の患者さんが治療薬として抗うつ剤を服用すると、その副作用として便秘になりやすいのはそのためなのです。
便秘は精神的悪循環と身体的悪循環の2つが重なりあい、交互に悪影響を及ぼしています。
うつ症状は、自律神経に影響して腸管の運動を低下させます。そして排便がスムーズにいかなくなると、便が滞留し腹痛や腹部膨満感などの精神的苦痛も出てくるというわけです。



そして、ここでカギをにぎるのがセカンドブレイン、いわゆる腸神経において重要なはたらきをするセロトニンという物質。
うつ病にいたらずとも、誰にでもイライラしたり、どうにもやる気がおきなかったりと、情緒不安定になることがありますが、こうした人間の精神活動に大きく影響しているのがセロトニンという伝達物質。
セロトニンは、喜びや快楽を感じたときに分泌されるノルアドレナリンなどの神経伝達物質などの情報をコントロールし、興奮をおさえ、感情を安定させるはたらきがあります。常に心穏やかな生活が送れるのは実はセロトニンのおかげでもあります。
うつ病は脳内のセロトニンの減少が影響すると言われています。
セロトニンが何らかの理由で不足してしまうと、感情にブレーキがかかりにくくなるため、イライラしやすくなり、ストレスを強く感じたり、うつ病の引き金になるともいわれています。
これはまだわかっていませんが、セロトニンの大半は腸で作られるので、これが、脳内のセロトニンとも何らかのつながりがあるのかもしれません。


脳と腸のつながり。
遠いようで、実は密接なつながりともいえます。^^。
現代によくみられる過敏性大腸炎もまさにそのことが関わっていると言えるでしょう。

腸は独自の脳を持っているとともに、大脳とも密接に関わっている。
知れば知るほど、深い臓器です。



小菅一憲

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# by chiropratica | 2014-12-26 10:37 | 腸管免疫

NO.562 腸管免疫 その29 腸内細菌が免疫力を強くする!

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腸管は、呼吸や食事のたびに大量の異物が入ってくる危険ゾーンなので、体内の約60%の白血球が集中していると言われています。常に多量の白血球が常駐していて、異物が入って来ると侵入に備えて臨戦態勢を取りますが、腸管免疫に働く白血球のうち、常に活性化しているのは5%程度しかありません。残りの95%は眠っているみたいなものです。
その『眠れる白血球』を乳酸菌で刺激できれば、免疫力を高めて病原菌の侵入やガンの発生を抑制することにつながるというわけです。乳酸菌には、白血球を元気にして免疫バランスを立て直し病気に負けない身体づくりをする力があります。




風邪をひいた人の腸内細菌を調べると、善玉菌の数が極端に減り、悪玉菌の数が優勢になっています。便秘や下痢の時も同じです。
また最近の調査で、胃がんの人の腸では、大腸菌よりももっと悪質なウェルシュ菌が異常に増加していることが確かめられています。
一見、腸とは関係なさそうな認知症の人にも、胃がんの人に似た悪玉菌の異常増殖が見られるのです。その他、心臓疾患や脳梗塞との関連もわかっているそう。

最近の研究によれば、腸内細菌は腸内環境を保つだけでなく、腸内免疫系にも作用することがわかってきました。
腸内細菌のうち、悪玉菌は結果的に蠕動運動を遅らせたり、消化管の反応を鈍くしたりするのに対し、善玉菌は蠕動運動を促進し、ビタミンを合成、免疫を高める働きをもつとされています。
これら善玉菌と悪玉菌のバランスを整えることで腸内細菌は活性化され、実は免疫力をも高めてくれるのです。


免疫とは、人体にダメージを与える物質から成体を守る仕組みのことです。人間の身体に備わる免疫機能は、病気の原因となるような細菌やウイルスなど、つまり抗原が体内に入ると、自己防衛のために抗体をつくります。
その重要な役割を担うのがリンパ球なのですが、そのうち60%以上が腸管に集中しており、抗体の60%が腸管でつくられているといわれています。それゆえに腸管が人体最大の免疫器官だとされているのです。リンパ球は腸内細菌と連動して免疫力を高めていると考えられているので、排便力が低下し、悪玉菌が増加するなど腸内細菌のバランスが崩れると免疫力が低下する恐れもあるのです。腸内環境の悪化は、確実に免疫力の低下を招き、病気の原因にもなりかねません。
腸内の約100兆個もの腸内細菌とそこから作り出される腸内細菌バランスはは、まさに免疫システムの重要なカギを握っているといえるのですね^^。



私たちの体を守るためには、リンパ球であるB細胞、ヘルパーT細胞、NK細胞といった免疫細胞やマクロファージが活躍していますが、これらの免疫細胞を活性化しているのが「腸内細菌」です。
腸内には乳酸菌やビフィズス菌などの「善玉菌」、大腸菌やウェルシュ菌などの「悪玉菌」などがすんでいます。これらの「腸内細菌」が免疫細胞を刺激する物質を出しているのです。
実際に免疫反応が起こっているのは血液中ですが、それを大もとで左右しているのはまさに腸といえます。免疫細胞を活性化する力の約70%は体内の微生物、残り約30%は内分泌系の刺激によるものがほとんどだと考えられています。
約70%に関与するという「体内の微生物」とは、その大部分が「腸内細菌」なのです。
つまり免疫力の大半は「腸内細菌」が働かせているといっても過言ではありません。

健康を維持している人は腸が元気な人とも言えるわけです^^。



風邪やインフルエンザが、季節を問わずはやること。花粉症やアトピーが増え続けていること。頭痛、不眠、うつ、更年期障害などの自律神経の乱れからくる不調、生活習慣病、感染しやすく治りずらい状態などなど・・・
不調のすべては、腸を健康にして免疫力を高めれば、一掃できるといえます。
そしてそのカギを握るのは、腸内細菌なのですね。



アレルギー性疾患と並んで腸内の病気が多いこともまた、現代の日本人の特徴です。
象徴的なのが、1995年に起こったバリ島のコレラ騒ぎです。
インドネシアのバリ島から帰国した200人以上の日本人がコレラを発症しましたが、おかしなことに発症者は日本人だけだったのです。
バリ島には現地の人はもちろんのこと、世界各国の観光客がいましたが、日本人以外の誰一人としてコレラを発症しなかったのです。
このバリ島でのコレラ菌の大部分を占めたのは、「エルトール小川型」という弱いタイプのコレラ菌でした。免疫力がちゃんと働いていれば、たとえ飲み込んでも、ほとんど発症しない弱い菌です。日本人だけが発症したのは、身体を守ってくれる腸内細菌が少なく、免疫力が弱かったからに他なりません。

これは、のちに大流行した病原性大腸菌O-157にしてもそうです。
この菌は、毒素を生み出すことにエネルギーを使っているので、生命力は案外弱いものです。ですからO-157は、他の菌がいるところでは、生き延びることができません。
他に敵となる菌がいないから、人間の体内にもぐり込んで大きな顔をしていたのです。
腸にさまざまな細菌がしっかりすみついていれば、O-157にたとえ感染しても、軽い下痢程度ですんでしまいます。O-157の被害があれほど大きかったことも、日本人の腸の弱さを示しているのかもしれません・・・。



そしてこんな話も・・・
O-157の集団感染が発生したという大阪の堺市の小学校で、検便をしたところO-157の菌が多量に見つかったのに、1回も下痢しなかった子供が30%いました。
同時に下痢を繰り返して重症になり入院した児童も10%いたのです。同じO-157菌をお腹に入れても1回も下痢をしない子と、下痢を繰り返して重症になった子がいたのは何故なのでしょう。確かに同じ菌に対しても、強い人間、弱い人間がいます。
しかし、その差はいったいどこからきたのでしょうか。

調べてみると、重症の児童はいずれも、とても神経質な子供たちでした。ほとんどが一戸建てに住んでいて、泥んこ遊びなどをしたことのない「清潔好き」の子供たちでした。O-157菌を飲み込んでも1回も下痢をしなかった児童は、みな泥んこ遊びなどを得意とする「清潔に無頓着」な子供たちでした。
彼らのお腹のなかには、大腸菌などのいろんな菌が大量にすんでいて、「ヤワな菌」であるO-157菌を追い出していたのです。
もしかすると日本人の清潔志向も、免疫力を弱くしてしまう一つの原因になるのかもしれませんね。



みなさんも是非お腹の乳酸菌で、あなたの中の「眠れる白血球」を活性化してみてくださいね^^。



小菅一憲

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# by chiropratica | 2014-12-25 14:00 | 腸管免疫

Merry Christmas!

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blogの更新が大分滞ってしまっております。
年末は大忙しですね・・・^^;
また明日より、年末まで再開しますので、お待ちくださいませ。

みなさんが温かい幸せなクリスマスを過ごせますように・・・。
Merry Christmas!



小菅一憲

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# by chiropratica | 2014-12-24 20:53 | きまま日記

NO.561 腸管免疫 その28 加齢による腸内細菌の変化

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これまで、腸内細菌のバランスが重要だというお話をしてきました。
このバランスは、実は、年齢とともに変化します。



母親のお腹にいる胎児は、体内にも体の表面にもまるで細菌はいません。新生児として生まれるまでの間、人間は全くの無菌状態に保たれているのです。
しかし、産道を通ってくる時にまず母親の細菌をもらい、この世に生まれ落ちた瞬間、ありとあらゆる細菌の侵入を受けます。母親の体の外に出ると、産道や空気、母乳、手、指などを通して、細菌が体の中に入ってくるわけです。

産道を通るときについた細菌は腸管で増殖します。また外界の細菌の先例を受け、すでに1〜2日目では大腸菌、腸球菌、ウェルシュ菌などが腸内に発生します。このように当初、大腸菌などの悪玉菌が優勢ですが、すぐにビフィズス菌などの善玉菌が多くなります。
赤ちゃん腸内に「善玉菌」が登場するのは、生後2〜3日目。
母親の母乳の助けで、まず乳酸桿菌、続いてビフィズス菌が現れ、腸内で乳酸と酢酸を作りながらぐんぐん勢力範囲を広げていきます。そして有害菌が減りはじめ、5日目には、ビフィズス菌が圧倒的に優勢になります。
大体生後約1週間ほどで、乳酸や酢酸に弱い「悪玉菌」をほぼ抑制し、腸内を乳酸菌、ビフィズス菌が占領するのですね。

母乳とミルクで栄養を摂っている乳児期には、腸内細菌の90%以上が善玉菌であるビフィズス菌で、悪玉菌はわずかなのです。また母乳で育った赤ちゃんのほうが、ビフィズス菌が多く、赤ちゃんの腸内細菌の95〜99%がビフィズス菌です。
ビフィズス菌は赤ちゃんにとって大変重要な菌ですが、母乳を飲んでいる赤ちゃんと、人工ミルクを飲んでいる赤ちゃんでは、腸内細菌の環境が明らかに違っている事が分かり、現在注目されています。
最近のお母さんは、母乳ではなく人工ミルクで育てるという人が増えている様ですが、母乳が切れる寸前まで是非母乳を飲ませてほしいと思います。
もちろん母乳を作るお母さんの栄養状態も非常に重要になりますが・・・。またこの話は別の機会で^^。




赤ちゃんの便が黄色っぽく、甘酸っぱいにおいがかすかにする程度でくさくないのは、腸内がほぼ善玉菌100%だから。乳飲み子にとっては、この状態が健康のためにはベストなのですが、離乳食口にするようになると、腸内細菌のバランスは一挙に崩れ、悪玉菌の方が優勢になります。この頃ビフィズス菌は10〜15%でしょうか。この割合は以後老年期まで続きます。

最近の研究では、妊娠中に母親が乳酸菌を毎日摂り、赤ちゃんも生後すぐから摂らせることで、アレルギーを抑えられることがわかっています。


そして、老年期に入るとビフィズス菌が顕著に激減し、逆にウェルシュ菌などの悪玉菌が急増します。
老年期の10人に3人は、ビフィズス菌がまるでいなくなってしまうというデータすらあるほどです。

腸内細菌は、種類や数が多いほど免疫力が高まります。
あなたの腸内細菌がおおよそどのくらいいるかは、便の量でもわかります。便の半分以上は、腸内細菌とその死骸だからです。
健康な大人の便には、1gあたり、1000億個もの細菌がふくまれています。死骸もあるし、生きている細菌もいます。
かつての日本人の腸内細菌は、1日300g程でしたが、今はなんと1/2の150gほどに減ってしまっているといいます。

太平洋戦争中にこんな話があります。
日本軍が占領していたある島にアメリカ人が上陸した際、日本兵の便の多さを見て、まだまだタ数の兵隊がいるものと誤解して退散したという実話です。
当時のアメリカ人の便量は平均1日200g程だったので、かつての日本人の腸内細菌がいかに豊富だったかが推測できますね。

腸内細菌の種類や数を多く保つとともに、腸内細菌叢を若い時期と同じバランスに保つこと、そして年をとってもビフィズス菌を減らさない人が病気に強い人であるとも言えるのですね^^。




高齢になってしまうとビフィズス菌がかなり少なくなってしまうのですが、世の中には、100歳になっても善玉菌たっぷりの人々もいます。
中央ヨーロッパのコーカサス地方に、有名な長寿国・グルジアがあります。
90歳、100歳の超高齢者が多いだけでなく、背筋がちゃんと伸びて、軽い足取りでダンスを楽しむ人が大勢いることが注目の的になっています。

その秘密はどこにあるのだろうと、世界中の長寿学の権威が調べたところ、「年をとっても、腸内に善玉菌が非常に多い」こと。
高齢になっても、乳酸菌やビフィズス菌の数が若い人と大差ない、というデータが多数報告されています。
実はその秘密は「ヨーグルト」で乳酸菌を毎日摂ることと「大笑い」にあったそう。

現地ではヨーグルトを「マツォニ」と呼び、近郊の村から、ヨーグルト売りたちが毎朝、大きな瓶にできたてを詰めて、売りにくるそうです。
ヨーグルトを自分の家で作っている家も多く、毎朝、どんぶり一杯ぐらいずつ食べるのが当たり前。
またもうひとつの長寿の秘境、パキスタンのフンザ地区でもヨーグルトがよく食べられているそうです。

日本人でも、かつての日本の長寿村と知られた山梨県の棡原村の老人の腸内細菌を調査した結果、老人には珍しく非常に若々しい状況で、つまりビフィズス菌(善玉)優勢、ウエルシュ菌(悪玉)劣勢だったそうです。
今は食生活が変わってしまったのですが、その当時の長寿者は、雑穀、野菜、海藻、魚の干物、そして味噌と味噌煮を非常に好んで食べていたようで、味噌のような発酵食品が腸内の乳酸菌を増やしていた可能性が考えられます。また今と違って食物繊維が豊富な食事をしていたことも重要ですね。


発酵食品おそるべし!



小菅一憲

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# by chiropratica | 2014-12-09 10:39 | 腸管免疫

NO.560 腸管免疫 その27 腸内細菌が免疫力を強くする!

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風邪をひいた人の腸内細菌を調べると、善玉菌の数が極端に減り、悪玉菌の数が優勢になっています。便秘や下痢の時も同じです。
また最近の調査で、胃がんの人の腸では、大腸菌よりももっと悪質なウェルシュ菌が異常に増加していることが確かめられています。
一見、腸とは関係なさそうな認知症の人にも、胃がんの人に似た悪玉菌の異常増殖が見られるのです。その他、心臓疾患や脳梗塞との関連もわかっているそう。

最近の研究によれば、腸内細菌は腸内環境を保つだけでなく、腸内免疫系にも作用することがわかってきました。
腸内細菌のうち、悪玉菌は結果的に蠕動運動を遅らせたり、消化管の反応を鈍くしたりするのに対し、善玉菌は蠕動運動を促進し、ビタミンを合成、免疫を高める働きをもつとされています。
これら善玉菌と悪玉菌のバランスを整えることで腸内細菌は活性化され、実は免疫力をも高めてくれるのです。




免疫とは、人体にダメージを与える物質から成体を守る仕組みのことです。人間の身体に備わる免疫機能は、病気の原因となるような細菌やウイルスなど、つまり抗原が体内に入ると、自己防衛のために抗体をつくります。
その重要な役割を担うのがリンパ球なのですが、そのうち60%以上が腸管に集中しており、抗体の60%が腸管でつくられているといわれています。それゆえに腸管が人体最大の免疫器官だとされているのです。リンパ球は腸内細菌と連動して免疫力を高めていると考えられているので、排便力が低下し、悪玉菌が増加するなど腸内細菌のバランスが崩れると免疫力が低下する恐れもあるのです。腸内環境の悪化は、確実に免疫力の低下を招き、病気の原因にもなりかねません。
腸内の約100兆個もの腸内細菌とそこから作り出される腸内細菌バランスはは、まさに免疫システムの重要なカギを握っているといえるのですね^^。



私たちの体を守るためには、リンパ球であるB細胞、ヘルパーT細胞、NK細胞といった免疫細胞やマクロファージが活躍していますが、これらの免疫細胞を活性化しているのが「腸内細菌」です。
腸内には乳酸菌やビフィズス菌などの「善玉菌」、大腸菌やウェルシュ菌などの「悪玉菌」などがすんでいます。これらの「腸内細菌」が免疫細胞を刺激する物質を出しているのです。

実際に免疫反応が起こっているのは血液中ですが、それを大もとで左右しているのはまさに腸といえます。免疫細胞を活性化する力の約70%は体内の微生物、残り約30%は内分泌系の刺激によるものがほとんどだと考えられています。
約70%に関与するという「体内の微生物」とは、その大部分が「腸内細菌」なのです。
つまり免疫力の大半は「腸内細菌」が働かせているといっても過言ではありません。

健康を維持している人は腸が元気な人とも言えるわけです^^。


風邪やインフルエンザが、季節を問わずはやること。花粉症やアトピーが増え続けていること。頭痛、不眠、うつ、更年期障害などの自律神経の乱れからくる不調、生活習慣病、感染しやすく治りずらい状態などなど・・・
不調のすべては、腸を健康にして免疫力を高めれば、一掃できるといえます。
そしてそのカギを握るのは、腸内細菌なのですね。




アレルギー性疾患と並んで腸内の病気が多いこともまた、現代の日本人の特徴です。
象徴的なのが、1995年に起こったバリ島のコレラ騒ぎです。
インドネシアのバリ島から帰国した200人以上の日本人がコレラを発症しましたが、おかしなことに発症者は日本人だけだったのです。
バリ島には現地の人はもちろんのこと、世界各国の観光客がいましたが、日本人以外の誰一人としてコレラを発症しなかったのです。

このバリ島でのコレラ菌の大部分を占めたのは、「エルトール小川型」という弱いタイプのコレラ菌でした。
免疫力がちゃんと働いていれば、たとえ飲み込んでも、ほとんど発症しない弱い菌です。日本人だけが発症したのは、身体を守ってくれる腸内細菌が少なく、免疫力が弱かったからに他なりません。

これは、のちに大流行した病原性大腸菌O-157にしてもそうです。
この菌は、毒素を生み出すことにエネルギーを使っているので、生命力は案外弱いものです。ですからO-157は、他の菌がいるところでは、生き延びることができません。
他に敵となる菌がいないから、人間の体内にもぐり込んで大きな顔をしていたのです。

腸にさまざまな細菌がしっかりすみついていれば、O-157にたとえ感染しても、軽い下痢程度ですんでしまいます。O-157の被害があれほど大きかったことも、日本人の腸の弱さを示しているのかもしれません・・・。




そしてこんな話も・・・
O-157の集団感染が発生したという大阪の堺市の小学校で、検便をしたところO-157の菌が多量に見つかったのに、1回も下痢しなかった子供が30%いました。
同時に下痢を繰り返して重症になり入院した児童も10%いたのです。

同じO-157菌をお腹に入れても1回も下痢をしない子と、下痢を繰り返して重症になった子がいたのは何故なのでしょう。確かに同じ菌に対しても、強い人間、弱い人間がいます。
しかし、その差はいったいどこからきたのでしょうか。

調べてみると、重症の児童はいずれも、とても神経質な子供たちでした。ほとんどが一戸建てに住んでいて、泥んこ遊びなどをしたことのない「清潔好き」の子供たちでした。O-157菌を飲み込んでも1回も下痢をしなかった児童は、みな泥んこ遊びなどを得意とする「清潔に無頓着」な子供たちでした。
彼らのお腹のなかには、大腸菌などのいろんな菌が大量にすんでいて、「ヤワな菌」であるO-157菌を追い出していたのです。

もしかすると日本人の清潔志向も、免疫力を弱くしてしまう一つの原因になるのかもしれませんね。





前回もお話したように、腸管は、呼吸や食事のたびに大量の異物が入ってくる危険ゾーンなので、体内の約60%の白血球が集中していると言われています。常に多量の白血球が常駐していて、異物が入って来ると侵入に備えて臨戦態勢を取りますが、腸管免疫に働く白血球のうち、常に活性化しているのは5%程度しかありません。残りの95%は眠っているみたいなものなのです。
その「眠れる白血球」を乳酸菌で刺激できれば、免疫力を高めて病原菌の侵入やガンの発生を抑制することにつながるというわけです。
乳酸菌には、白血球を元気にして免疫バランスを立て直し病気に負けない身体づくりをする力があります。

是非、みなさんも乳酸菌意識していきましょうね^^。



小菅一憲

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# by chiropratica | 2014-12-05 21:36 | 腸管免疫

NO.559 腸管免疫 その26 人体最大の免疫臓器である「腸」

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今日は、このテーマの目玉である腸と免疫についての関わりについて、お話したいと思います^^。

腸管は、食べ物などの有益な栄養分を体内に取り込む一方で、病原菌や異物から身を守る防御機構の最前線として機能しています。
驚くべきことに全抹消リンパ球の多くが腸管に集中しており、人体最大の免疫臓器としての機能を持っています。その数は免疫細胞全体の60%にも及びます。



免疫とは、「自己」と「非自己」を区別するシステムです。
自己とは自分自身の細胞のことで、非自己とは体内に侵入してきた細菌やウィルスなどの微生物、寄生虫などのことであり、体内で発生したガンなどの病的な細胞も「非自己」といえますね。
免疫とは、それらを異物として認識し、排除するシステムのことなのです。

免疫系を構成している細胞は白血球ですが、その形や働きにより、白血球はリンパ球(T細胞、B細胞)、マクロファージ、好中球などに分類されます。
人が生まれた時から持っている免疫のことを「自然免疫」といい、主にマクロファージや好中球が侵入者を取り込んで体外へと排除するように働きます。一方、生後に環境の刺激により鍛えられる免疫を「獲得免疫」といい、リンパ球や抗原提示細胞(レーダー役)が関与しています。
獲得免疫は、自然免疫と比べて時間はかかりますが、非常に効率よく侵入者を排除します。

腸管は消化酵素によって分解された栄養素が吸収される場所であり、分解された栄養素を利用して“微生物”が活発に増殖する場所でもあるのです。また、食物が有用か有害かを見極めて、吸収または排除する重要な場所なのです。
そういったことから、食べ物の抗原を上手に処理し、病原微生物に対抗するために重要な免疫機構が腸管、特に小腸に備わっていると考えられます。





少し難しい話も出てきたと思いますが、いかがですか?
以前お話したように、私たちの身体は、口から胃・腸へと続くトンネルのような構造になっています。そのため、腸には口を通じてカラダに入る食べ物のほかにも、細菌やウイルスなどの病原体が入ってきますね。そうした病原体の侵入をくい止めるのも、腸の大切な役目なわけです。つまり、腸は体内にありながらも、身体の外と接する場所、そして外界からの病原体の侵入をくい止める最大の免疫器官なのです。

免疫システムの中心を担うのは白血球中の免疫細胞「リンパ球」と呼ばれるものです。
特に腸にある消化管はリンパが発達していて“消化管リンパ装置”と呼ばれています。その中心となるのがパイエル板。そこに免疫細胞が集中。さまざまな物質を取り込んで免疫機能を維持しているのです。
リンパ球は、小腸や大腸にもっとも多く存在し、フル回転で働いているのでそれを「腸管免疫」と名付けているわけですね。




では、免疫システムがうまく働かなくなると、どのようになるのでしょうか。
身体に入ってきた病原微生物を処理できなくなるので、細菌やウイルスによる感染症にかかりやすくなります。特に食中毒やインフルエンザがその典型的な例です。風邪もひきやすくなりますし、ニキビ、肌荒れ、肌の乾燥、湿疹などの皮膚病をも誘発します。また、口内炎にも悩まされるかもしれません。
またそうしたケースとは別に腸管免疫が働きすぎて“過剰反応”を起こすことがあります。それが現代病の代表「アレルギー」でもあります。
ある種の食物成分に対して腸管の免疫系が異物(アレルゲン)と認識して、食物アレルギーを起こします。花粉症やぜん息、潰瘍性大腸炎なども腸管免疫の異常反応によるものと考えられています。腸管免疫という言葉はあまり馴染みのないものですが、腸は健康な生活を送るためにはかかせない重要な器官であることはおわかり頂けたかと思います。

このような免疫の機能は、栄養不足や栄養の偏り、高齢化、ストレスの増加などによって低下することは以前から明らかになっています。
また近年では、このような優れた働きに、乳酸菌が大きな影響を与えていることが明らかになってきています。





腸の中で24時間、私たちのカラダを守り続ける免疫細胞。
ところが、この大切な免疫力は、20代をピークとして年齢を重ねるごとに低下してしまうことがわかってきています。免疫力が低下してしまうことは、それだけ「感染症」などの病気にかかるリスクが高まるということでもあります。では、なぜ免疫力は年齢とともに低下するのでしょうか?それは、Th1細胞とNK細胞などの免疫細胞が加齢により落ちてしまうことが原因のひとつといわれています。

また腸内細菌が減ってしまうことも大きな原因の1つでしょう。

老年期に入るとビフィズス菌が顕著に激減し、逆にウェルシュ菌などの悪玉菌が急増します。
老年期の10人に3人は、ビフィズス菌がまるでいなくなってしまうというデータすらあるほどです。
腸内細菌は、種類や数が多いほど免疫力が高まります。
あなたの腸内細菌がおおよそどのくらいいるかは、便の量でもわかります。便の半分以上は、腸内細菌とその死骸だからです。

毎日の便を見ることだけでも、いろいろな健康状態がわかりますね^^。



次回は、こういった腸管免疫にも大事な役割を果たす「腸内細菌の働き」について見ていきましょう!



小菅一憲

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# by chiropratica | 2014-12-04 21:32 | 腸管免疫

NO.558 腸管免疫 その25 腸年齢

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前回お話したように、年をとるにしたがって、腸内の善玉菌は減っていき、悪玉菌が増えてきます。
また、悪玉菌が増えると病気に対する抵抗力(免疫機能)が低下し、病気にかかりやすくなったり、食べた物が十分に消化しきれずに大腸で毒素(アンモニア・インドール・硫化水素など)を作り出し、便やオナラが臭いなどということも起こってきやすくなりますね。
こうして悪玉菌が増え、善玉菌が減ることで、年齢に従って腸も老化していくのです。


こういった腸の老化は、加齢以外にもストレス、不規則な生活、睡眠不足、過労、食生活の乱れ、暴飲、暴食などでも起こってきます。



では、「腸年齢」と呼ばれるようなものは何によって決まるのでしょうか。 
実は、加齢以上に腸年齢を左右しているのが、毎日の生活習慣です。偏った食生活やストレス、運動不足、睡眠不足などが続いていれば、年齢が若くても腸は老けてしまいます。反対に、高齢でも若々しい腸の人もいます。 慌ただしい現代社会では、ストレスや疲労が腸の働きにも影響しがちです。

最近では、特に便秘気味・下痢気味の人が増えていますね。
便は食べ物の残りかすと思っている人が多いようですが、それは全体の5~10%に過ぎず、多くは古い細胞や腸内細菌なのです。肌が約1カ月でターンオーバーしているのはよく知られていますが、腸は昼も夜もフル活動しているため、細胞の約半分は毎日新しく入れ替わっており、古い細胞は便として排出されています。つまり、便通がよくないということは、腸の細胞の新陳代謝がうまく行われていないということ。当然、腸の老化は進みやすくなります。
また、油ものが多いと、油は酸化を受けやすく、腸内が酸化状態(錆びた状態)になり、日焼けと同じ状態になり老化が進みます。
もちろん必要な油(必須脂肪酸)もありますが・・・。




では、老化した腸を若返らせる方法はないのでしょうか。
実は、腸は老化しやすい一方で、生活習慣を改善すれば、何歳からでも機能を高めることができます。
まず一番大事なのは、毎日の食生活と運動習慣を見直すことです^^。
特に食べ物は、腸の働きにすぐに影響を与えます。また、十分な睡眠をとり、ストレスをためないことも大切。そんな生活習慣を心掛ければ、腸は本来の機能を取り戻し、若々しく働いてくれるはずなのです。



そして何より大切なのが、腸内にいる善玉菌の働きなのですが、これが実は腸管免疫にもとても深く関わっています。
次回はそういったお話にも触れていきましょう^^。



小菅一憲

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# by chiropratica | 2014-12-03 09:52 | 腸管免疫

NO.557 腸管免疫 その24 腸の老化について

年齢とともに、量が食べられなくなったり、油ものがもたれるようになったりすることはよくあります。
みなさんの中にも、そういうことで年齢を感じている方も多いのでは?
胃腸は年齢とともに機能が落ちていくので、当たり前と言えば当たり前のことなのです。
では年を重ねることによって胃腸はどのように変化していくのでしょう?


まず、胃に関しては、胃の粘膜が萎縮したり、胃液の分泌が減少することがあげられます。
胃の粘膜の細胞は加齢とともに減少するので、粘膜そのものも萎縮していきます。ピロリ菌に感染している人の場合は、この萎縮が早く進行して、胃をガードする機能が低下してしまいます。
その結果、胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんのリスクが高くなると言えるでしょう。

また粘液や消化に大切な胃酸、消化酵素からなる胃液は、胃の粘膜の細胞から分泌されています。
加齢とともに胃粘膜の細胞が減っていくと、胃液の分泌や濃度も低下し、胃の消化力が低下、内容物も長く胃の中に留まってしまうのです。
これが、量が食べれなくなったり、胃もたれしやすくなる理由でもあります。




さてでは、腸はどうでしょう。

胃液の分泌低下に伴って、やはり小腸の消化液の分泌も低下してしまうと言えます。
食べ物を消化するために、十二指腸に分泌されている膵液や胆汁は、これまた加齢とともに分泌量が減少したり、濃度が薄くなったりします。
小腸そのものが分泌している腸液にも同様のことが起こるので、胃液と合わせて、栄養素の吸収能力がかなりパワーダウンすることがわかります。
また小腸の粘膜の毛細血管は、食べ物から栄養素を吸収して全身に運搬するために欠かせない通り道なのですが、加齢とともに毛細血管の密度が少なくなったり、血液そのものも低下するので、栄養素の吸収力がここでも落ちてしまいます。

これは良くないですね。


そして、これは胃にも腸にも言えることですが、蠕動運動の能力が衰えてきます。どちらも何層かの筋肉によって作られていますが、筋力自体が弱くなってしまうのですね。
胃酸と食べ物を混ぜ合わせる、胃の蠕動運動が減ると、消化活動が滞りがちになって、胃もたれや暴慢感の原因にもなります。
また腸の運動機能が落ちると、とくに大腸の動きが低下すると便秘をしやすくなってしまいます。


そしてさらには、腸内環境が悪化します。
加齢とともに善玉菌のビフィズス菌が減少し、大腸菌、ウェルシュ菌などの悪玉菌が増加することで、腸管内に悪玉菌が出す毒素が増え、ビタミンの合成力がダウンしてしまいます。
その結果、体力が低下し、おなかをこわしやすくなったり、便秘しやすかったりすることも多くなるわけです。


みなさんいかがでしょう?
年はとりたくないですね(^^;)

ここで大事になるのが、腸が私達の免疫にとても大きく関わっているということです。

腸が老化すると、全身への影響が大きいのはなぜでしょうか。
腸は、生命活動の土台となる重要な役割を一手に担っている器官だからです。
少しまとめてみましょう。

① 食べ物を消化・吸収 栄養を全身に運ぶ基点です。
② ウイルスや細菌など外敵を防ぐ 腸粘膜には全身の免疫細胞の約6割が集結。粘液の成分にも外敵の侵入を防ぐバリア機能があります。
③ 腸内細菌による様々な働き 乳酸菌などの善玉菌が大腸菌などの悪玉菌を抑えながら、老廃物を便として排泄しています。 





ここまで大事な腸の老化が進むと、身体はどうなると思いますか?

消化・吸収機能や排泄機能の低下はもちろん、腸内の免疫細胞が弱体化します。
粘膜成分も減ってくるため、外敵を排除する力が衰え、様々な病気のリスクが高まります。
また、腸内細菌のバランスも崩れ、増殖した悪玉菌が腸の中で作り出す有害物質が、血液によって全身に運ばれて、各臓器にダメージを与えます。 

さらにこのテーマの最後でやりますが、腸の働きは心とも密接に関わっています。実は感情や思考などを司る神経伝達物質の大半は、腸で作られ、脳に送られているのです。これが“腸は第二の脳”ともいわれている所以でもありますが、腸内環境が悪くなれば、神経伝達物質の分泌バランスが崩れ、心の健康にも影響します。
腸の老化は、そのまま全身の健康を脅かす原因ともいえるわけです。 
ぜひ知っておいていただきたいのは、“腸年齢”は、実年齢とイコールではないということなのです。

歳はとっても、いつまでも若い腸でいたいものです^^。



小菅一憲

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# by chiropratica | 2014-12-02 17:02 | 腸管免疫

NO.556 腸管免疫 その23 腸が身体の健康に影響を与える

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大腸、とくに結腸の働きは、健康全般的に重要な役割があります。



食物が大腸内を通過している間に消化過程における正しいシステムが働かないと結腸内で問題が生じます。
これは、大腸以前の消化器での問題、たとえば低レベルの胃酸によって未消化な食物が作り出されることによっても引き起こされます。こういったものは直接、結腸へのストレスとなるのですね。
またこれらの結腸へのストレスは、腸内細菌に影響を及ぼし、直接炎症を起こす原因ともなるのです。




さて先日も腸内細菌については、何回かに渡ってお話していますが、もう一度復習しておきましょう^^。



消化器の大部分(胃から小腸を通る部分)は無菌ですが、大腸には様々な種類のバクテリア(細菌)が存在する場所になっています。
大腸には約500種類以上、100兆個もの細菌がグループをなして存在するといわれています。
かなり多くの数の細菌が存在しているのですね。
これを「腸内細菌」といいます。

腸内細菌の主なものは、善玉菌(乳酸菌、アシドフィルス菌やビフィズス菌など)と悪玉菌(ウェルシュ菌、大腸菌)、日和見菌(善玉にも悪玉にも属さない菌)の3つ。
これらの腸内細菌が腸内の環境を保っています。また腸内細菌はビオチンを含むビタミンB群の一部とビタミンKの栄養素を作って、エネルギーを生産する環境を作るのを助けてくれてたりもしています。

これら3種類の菌の割合は、一般に善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%が、バランスのとれた状態とされています。ちなみに日和見菌は、状況に応じて善玉菌に加勢したり、悪玉菌に方に傾いたりしている菌です。そして大抵は同じ種類どうし集まって生息し、お互いに抑制したり、牽制したりしながら共生していますが、その様子が花畑に似ていることから「腸内フローラ」と呼ばれています。
腸内フローラの様子はとても個性的で、ひとりひとりまったく違っているそうです。




普段は善玉菌が悪玉菌の繁殖を抑えていますが、抗生物質の使用や老化などでこのバランスが崩れることがあります。これがさまざまな疾患の原因となるわけです。
抗生物質以外にも、旅行に行ったときのストレスや広範囲の過剰なストレス、また乏しい食習慣による腸機能の弱化は、腸内細菌のバランスを著しく崩すことがあります。
腸内細菌のバランスが崩れた状態では、共通した多くの徴候があります。
下痢や便秘、臭いガスや便、消化不良はそのもっともみられる症状でしょう。
また過敏性腸症候群や大腸炎もあります。




いままでのblogで話してきたように、腸管の影響は体を通してとても広範囲に広がります。腸は、免疫システムの土台となり、腸が体全体の健康に影響を与えます。
たとえば、腸管に関わるアレルギーは、消化不良を起こしたたんぱく質を吸収することでアレルギー反応の引き金となります。またそれは、肌や副鼻腔、免疫システムを乱す原因となります。もちろん食物不耐症もこれと同じ関連の問題となるのです。

そして近年では「腸管―脳」の考えが発展してきました。腸全体の健康が免役に及ぼす影響もさることながら、今では脳に対しても重要な影響を与えていると考えられているのです。




来週からは、「腸管免疫と腸の老化」を中心にお話していきたいと思います。
お楽しみに〜^^。



小菅一憲

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# by chiropratica | 2014-11-28 22:08 | 腸管免疫

NO.555 腸管免疫 その22 腹部膨満改善のために・・・

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ここ3回ほど、腹部膨満の原因の話をしてきましたが、いかがでしたか?
実は腹部膨満を放っておくと、身体全体の問題にもつながります。そして高齢者だと、なおさら大きな問題になります。それは腸が免疫に対して非常に大切な役割を持っているからですね^^。

この話はまたこれからじっくりとしていきますが、今日は腹部膨満改善のためのポイントをまとめておきましょう!



1.食物アレルギー・不耐症はあるか?

これを知ることはとても大切です。
有効なテストがいくつかあります。

○グルテンチャレンジテスト(小麦製品を2週間抜いて状態を見ていく)
○IgG遅延型アレルギー検査(血液検査における、アレルギーチェック)
○ラクトース不耐症チェック(ラクターゼという乳糖を分解する酵素を使ったチェック)


2.砂糖・精製された炭水化物の摂り過ぎ?

この場合、下記のことを注意してみましょう。

○穀類を食べ過ぎない
○デンプン質野菜はなるべく避ける
○食材をゆっくり噛んで食べる


3.胃酸が十分に分泌出来ているか?

詳しくはこちらを見てください。
胃酸の分泌について
胃酸が十分に分泌されていなくても、消化不良はもちろん食物アレルギーの原因になったり、腹部膨満が起きやすくなります。

○レモン水、塩酸ベタインによるチェック
○便の状態チェック


4.腸内細菌アンバランス、バクテリア繁殖?

こういった問題では、腸内バランスを整えるために下記のことを行なっていきます。

サプリメントやハーブによる除菌(場合によっては抗生物質や乳酸菌など)
腸の栄養素をしっかり摂る(Lグルタミンなど)



是非、参考にしてみてください。



小菅一憲

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# by chiropratica | 2014-11-27 16:28 | 腸管免疫


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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