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NO.593 食物アレルギー/過敏症 その5 「食物アレルギーが身体に及ぼす影響」

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食物アレルギーに起因する炎症は、あらゆる病気や障害の原因となります。
症状は人によって異なり、病気になりやすい弱い部分に現れます。

例えば、前回お話した遅延型アレルギーの場合、食物抗原に暴露すればするほどIgG抗体が増えます。
この増加は免疫システムに負担をかけ、時間とともに炎症を引き起こし、あらゆる症状の原因となります。またIgG抗体と抗原の複合体(炎症媒介物質)は、血流に乗って体中の組織や臓器に運ばれ、血液が流れている場所であればどこでも炎症が起こしてしまいます。




遅延型アレルギーの検査について、日本ではアンブロシアさんが有名ですが、そこで書いてある食物アレルギーの例をあげると・・・

○チーズと卵を食べた9ヶ月の子供に、湿疹や呼吸困難が見られた。
○グルテンとカゼインの摂取で、突発性統合失調症を発病した。
○バナナやクルミを食べて、口腔内のかゆみ、顔面の紅潮、喘鳴を経験した。
○複数の食物アレルギーを患う10歳の少女に、昼間性/夜間性の遺尿症・遺糞症(おもらし)が見られた。
○複数の食物アレルギーを患う子供たちに、偏頭痛と多動症が見られた。
○食物抗原と抗体の複合体が、メニエール症候群の発症と悪化の原因となった。

いろいろな身体への悪影響がわかりますね^^。



食物アレルギーは関節炎にも関連しています。

栄養療法のジョナサン・ライト博士は、リウマチ性関節炎は食品過敏性が原因で発症するものではないが、ほとんどの患者さんが食品過敏性によって症状を悪化させていると言っています。薬品を使わない自然な治療を志向する医療家の必読書である「An Alternative Approach to Allergies」の中で、シーアラン・ランドルフ医学博士は、過敏症を起こす食品や化学物質を排除することにより、リウマチ性関節炎の症状が著しく改善されたケースを詳細にレポートにしています。
またその他の研究でも、リウマチ性関節炎の患者さんのアレルゲンを突き止め、それを排除することで治療の効果が上がったと報告しているものもあります。




その他、私も経験したことがありますが、食物アレルギーとよく関連するのが胆嚢炎です。

ジョナサン・ライト博士は、「Healing with Nutrition」の中で、胆嚢炎の患者さんは、アレルゲンとなっている食品を食べなければ、胆嚢の発作は防げると述べています。
ジェームス・ブラナマン医学博士(米国アレルギー医師会)の文献通りに、臨床で応用したところ、胆嚢炎の患者さんで発作を起こした人はなく、胆嚢を手術で切除した人はいないそうです。

ブラナマン医学博士の研究レポートでは、69人の被検者(そのうち胆石が確認されていたのは51人、すでに胆嚢を摘除されていた人も18人)全員に、アレルギーを起こしにくい食品だけで構成した食事が与えられましたが、その結果についてブラナマン博士は、「基本的なアレルゲン除去食を1週間与えただけで、すべての患者の症状が消失した」と報告しています。
ブラナマン博士は、アレルギー反応によって胆管(胆嚢から小腸へ胆汁を流すチューブ)が膨張することで、胆汁の流れがせき止められたり、遅れたりして胆嚢に痛みが出るのではないかと説明しています。

私も臨床において、食物アレルギーを持っている方に、胆嚢の問題をよく見かけます。胆嚢に問題があると食物アレルギーがあるのかと疑うぐらいです^^。
また、もう1つ面白い例をあげると、グルテンアレルギーを持っている方は甲状腺機能低下がよく見られます。あまり知っている方は少ないかもしれませんが、グルテンのタンパク質と甲状腺のタンパク質が似通っているために起こると言われています。
同じように、甲状腺機能低下が見られた場合、グルテンアレルギーの有無はやはりチェックしています。

これについては、また後ほど記事にまとめようと思っていますので、お楽しみに〜。




このように、身体にありとあらゆる悪影響を及ぼす食物アレルギー。
食物アレルギーに起因する炎症はあらゆる病気や障害の原因となりますが、症状は人によって異なり、病気になりやすい弱い部分に現れます。メニエール症候群、てんかん、自閉症、統合失調症、その他の行動障害、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、セリアック病、過敏性腸症候群はすべて、食物アレルギーが関係している可能性がある炎症状態です。
根底に食物アレルギーを抱えていると、身体は常に攻撃にさらされた状態になります。

やはり自分のアレルギーは何かを知っておくことはとても大切なんですね。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


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by chiropratica | 2015-04-29 22:09 | 食物アレルギー

NO.593 食物アレルギー/過敏症 その4 「即時型アレルギーと遅延型アレルギー」

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みなさんは「食物アレルギー」という名前を聞くと、どんな症状を思い浮かべるでしょうか?

おそらく、魚介類、ケーキを食べることによって、数秒〜数十分の間で蕁麻疹などが出てしまったり、酷いときには呼吸困難になったりするというイメージを持っていると思います。
しかし、アレルギーはこれらの症状だけではありません。
アレルギーには数日経ってから肩が凝ってしまったり、うつになったり、アトピーになったりと様々な症状を引き起こす可能性があります。
これらのアレルギーは「遅延型アレルギー」と呼ばれていて、蕁麻疹などの数秒ほどで症状が出るものを「即時型アレルギー」と呼んでいます。



病院に行って検査をしても特に異常はないのに、なぜか調子が悪いと感じることが多い人は、もしかしたら遅延型アレルギーの問題があるかもしれません。そしてアレルギー検査を受けることによって不調の原因がわかり、体調がとても改善する可能性があるのです。



食物アレルギーには2種類あります。
1つ目はみなさんもご存知の即時型アレルギー(Ⅰ型)です。
このアレルギーには抗体の「IgE」が関わっていて、花粉症もこの中に入ります。
即時型アレルギーでは、食べ物を食べた直後、もしくは一時間後に蕁麻疹は発赤、浮腫、痒みや下痢などの急性の症状が出てきます。
この場合は、みなさんも何か食べ物が悪さをして、身体に不調が起こったとすぐにわかりますよね。
そうなんです。即時型アレルギーはご自分でも食物アレルギーと認識出来るアレルギーと言えますね。

さて、もう1つの方が遅延型アレルギー(Ⅲ型)です。
これは抗体の「IgG」が関係していて、食べてもその時には何も症状が出ません。
6時間〜12時間、遅い人は24時間後、またものによっては1週間から10日間に渡って体調を崩すものもあります。
症状自体も、即時型アレルギーと違って、疲労感や眠気、頭痛、耳鳴り、めまい、肌荒れ、アトピー、下痢、便秘、お腹の膨満感など多岐に渡ります。
実際には本当にゆるやかに症状が起こってくるので、食物アレルギーとは気づきずらいのです。
これが遅延型アレルギーです。




遅延型アレルギーの場合は、その時食べたものがすぐ症状に出るとは限らないので、場合によっては今日の体調が、昨日食べたものの影響ということもよくあります。




簡単に理論をご説明すると、Ⅰ型の即時型食物アレルギーは、原因食物を摂取してから数時間以内に起こる即時型の反応で、反応免疫細胞の表面に付着しているIgE抗体が食物抗原と結合します。そしてIgE抗体は肥満細胞(MAST CELL)とも結合しているので、IgEが抗原とくっついて反応を起こすと、ヒスタミン、セロトニン、サイトカイン、ロイコトリエンなどの炎症性メディエーター(媒介物)や免疫メディエーターが放出されるんですね。
ヒスタミンはみなさんも聞いたことがあると思います。
かゆみやむくみ、蕁麻疹などの原因になりますよね。
いわゆる即時型アレルギー特有の急性の症状をもたらすのはこれらの炎症性化合物と言われています。即時型アレルギーはこういった炎症性の化合物が放出されることから、気付きやすいアレルギーと言えますね。


逆にⅢ型の遅延型アレルギーは、体中に炎症や痛みなどを引き起こします。これらの反応にはIgG抗体自体が重要な役割を果たしていて、先程お話したように原因食物を摂取してから数時間から数日後に起こる遅延型反応です。
IgGも食べ物とはくっ付きますが、それだけで終結してしまい肥満細胞とは結びつきません。その代わり食べ物とくっ付いた状態で免疫複合体をつくります。そしてこの免疫複合体が血液に乗って身体のあちこちで炎症を起こしてしまいます。やっかいなのは症状が慢性的で、複数の臓器が関連して、時間が経つにつれて悪化する可能性があります。原因食物を繰り返し摂取すると過敏性反応が強くなる特徴があります。

肥満細胞と結びつかないため、ヒスタミンが出ないことが何より気付きづらいアレルギーになっています。




IgGは主要な抗体の1つであり、「IgG1、IgG2、IgG3、IgG4」という4つのサブクラスに分けられています。IgGの「G」は、英語で遅延型を意味する「gradual」の頭文字を取ったものですね。
特定の状況下では免疫システムが過度に働き、これらの抗体を作り過ぎることがあります。IgG抗体が多すぎると、過敏反応と呼ばれる過度の反応を起こし、身体のあらゆる場所に過度の炎症や症状が発生します。

遅延型アレルギーは、みなさんの長期的な健康に悪い影響を及ぼす可能性があります。
IgG抗体は何ヶ月も体内で持続するため、身体のあらゆる場所に慢性炎症や組織変性を起こしていきます。
この過程は非常にゆっくりと気付かないうちに進行していくので、だんだんと不健康な健康状態に慣れてしまい、痛みやうずきを当然のことと考えたり、加齢によるものと諦めてしまう人も多々います。




遅延型アレルギーの症状には・・・

頭痛
注意欠陥
多動症
不眠
うつ症状
慢性疲労
喘息
感染を繰り返す
にきび
アトピー
口内炎
副鼻腔炎
鼻水
かゆみ
下痢
腸内ガス
腹部膨満感
便秘
お腹の痛み
体重がなかなか増えない
関節痛
関節炎
リウマチ

などなど・・・

かなり多岐にわたる症状があります。

また世界では、「小麦などのグルテンに対するアレルギーは、リウマチの症状を悪化させる」「ナス科の食物アレルギーは関節炎に関連する」「乳のカゼインに対するアレルギーはアトピーの原因になる」「子供の自閉症やADHDも食物アレルギーが関与しているのでは?」などと様々な研究が出ています。

私が臨床をしていても、特に麦のグルテンや乳のカゼインに対する遅延型アレルギーの方は多いですね。

ある研究では、グルテンやカゼインが腸内で消化される過程で、それぞれグリアドルフィンとβカソモルフィンと呼ばれるペプチドが形成されるとしています。これらのエクソルフィンは脳の神経伝達機能に影響を与えると言われ、自閉症患者の87%と統合失調症の患者の86%にグルテンに対する高濃度のIgG抗体が認められているとしています。また自閉症の患者の90%と統合失調症患者の93%にカゼインたんぱく質に対する高濃度のIgG抗体が認められ、3ヶ月にわたりグルテンとカゼインを含まない食事をした結果、統合失調症患者の症状は改善され、自閉症を患う子供たちの81%に改善が見られたそうです。
ちなみに、エクソルフィンに似た化合物はトウモロコシや大麦にも確認されています。


こう考えていくと、みなさんの気付いていないかもしれない遅延型アレルギー。
本当に様々な症状の背景に関わっていて怖いのです。



小菅一憲

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by chiropratica | 2015-04-22 12:37 | 食物アレルギー

NO.592 食物アレルギー/過敏症 その3 「食物アレルギーの仕組み」

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今日は、食物アレルギー/過敏症の第3弾です。

さて、まずアレルギーの原因となるアレルゲン(抗原)はどこから人間の体内に入ってくるかというと、ほとんどが粘膜ということになります。
身体の外側はみなさんも知っての通り、皮膚で覆われています。皮膚は、実は何層もの表皮細胞や角質によって形成されていて、その数は15層にもなると言われています。何層もの防御壁があるので、こういったアレルゲンはもとより、微生物やウイルスもなかなか皮膚からは入ってくることが出来ないのです。
 
しかし、口から肛門までの消化管や鼻から肺までの気管の内側は粘膜と呼ばれ、通常は1層の上皮細胞からなるために外からの侵入物に対して比較的弱い場所です。サランラップ2枚くらいのイメージを持って頂くとわかりやすいでしょうか。
 実はこの粘膜がほとんど病原体やアレルゲンなどの侵入経路となっています。もちろん粘膜も決して負けてはいません。ここではこういった病原体から感染を守るために免疫が戦っているわけです。
この免疫こそがこれらの病原体の感染から身体を守る最前線と言えます。




免疫システムは私達の身体を外界から防御するようにつくられています。
免疫は身体の中でも特に複雑なシステムです。免疫がなければ人は生きていくことができません。少なくとも、免疫システムが最高の状態で機能していなければ、侵入する異物から身体を防御することができないため、健康を大きく損なう可能性があります。
特に、免疫システムの60%は腸壁に存在しています。腸壁は外界と身体の内部とを隔てる「巨大な壁」のようなものです。免疫細胞は、摂取された食物と最初に接するこの場所たくさん存在しています。免疫細胞が食物に対して免疫反応を起こすか起こさないかはここで決定されるのですね。

食物はもちろん、花粉、カビ類などの身体に取り込まれる全てものは、外界から入ってきた情報と見なされます。
これらの情報は体内に自然に存在しないため、抗原と呼ばれます。抗原は異物であるため、免疫反応を引き起こす可能性があります。しかし、すべての抗原が必ずしも免疫反応を誘発するわけではありません。食物に含まれるたんぱく質や炭水化物などの多くの抗原は、生命活動に不可欠な良いメッセージを持っています。なので、通常、免疫細胞はほとんどの食物を良い情報と判断し、粘膜のところを素通り出来ます。




さて、食物抗原(アレルゲン)になりやすいタンパク質の消化過程を詳しく説明しましょう!

食物中のタンパク質は、胃の中に入ると、その強酸性の胃液によってタンパク質の高次構造が破壊されて変性します。変性したタンパク質は一次構造が露出し、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)の作用を受けやすくなります。
胃液には、ペプシンという酸性溶液中で作用するプロテアーゼが存在するので、その作用によって、タンパク質分子の内部の一次構造が切断され、いくつかのポリペプチド断片になるわけです。
胃の中で処理された食物は、十二指腸に入ると膵液と混ざっていきます。膵液には高濃度の重曹(炭酸水素ナトリウム)が存在するので、まず塩酸が中和され、その後、トリプシンおよびキモトリプシンという、中性溶液で働く2種類のプロテアーゼによってペプシンで部分的に分解されたタンパク質(ポリペプチド)は小腸内でさらに細かく分解されます。
その結果生じる小さなペプチド(オリゴペプチド)は、小腸の管腔壁に結合して存在する種々のペプチダーゼによって、完全にアミノ酸にまで分解されていきます。


しかし、タンパク質のなかには強固な高次構造をもつものがあって、熱を加えた後でも、消化管の中で分解されないものがあります。また、ポリペプチドにまで分解されても、それ以上分解されないで残るものもあります。
さらには、年齢が上がってきたり、ストレス、その他胃の機能障害によって胃酸の分泌が少ないもしくは胃酸の濃度が薄い状態がある場合、タンパク質の消化がうまく出来ず、同じようにポリペプチドの状態で小腸粘膜のところに未消化のタンパク質が向かうことになります。
これらの未消化のタンパク質およびポリペプチドの多くのものは、糞便とともに排出されますが、一部には、小腸上皮細胞の飲作用によって細胞内に取り込まれるものもあります。

細胞内に入ると、ペプチドの多くのものはリソソームでアミノ酸まで分解されていきますが、中には細胞内でも分解されないで残るものがあります。
こういったペプチドはもともと自分の体にないものであり、小腸の粘膜部分にいる抗体に異物として認識され、抗原(アレルゲン)になってしまうのです。



これこそが食品アレルギーが起こる仕組みですね。
また人によっては、特定の食品タンパク質の特定領域のペプチドがアレルギー抗原になることが知られています。



次回は、即時型アレルギーと遅延型アレルギーについてお話していきます。



小菅一憲

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by chiropratica | 2015-04-15 11:38 | 食物アレルギー

NO.591 食物アレルギー/過敏症 その2 「食物アレルギーとは」

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近年になってアレルギーの発症率は非常に増加しています。みなさんの周りでもアレルギーの人や子供が増えたと思いませんか?
その原因には、偏った食事、ストレス、トラウマ、感染、科学物質、環境有害物質、遺伝性要因などが関わっていますが、なかでも50年前に比べ、明らかに食べ物に対する過敏症(一般的には食物アレルギーと呼ばれている)は、増加の傾向をたどっています。


そもそもアレルギーという言葉は、ウィーンの小児科医クレメンズ・ピーター・フレヘール・フォン・ピルケ氏とアメリカの小児科医ベラ・シック氏が、種痘が患者に及ぼす影響を研究している時に作った言葉だそうです。
ギリシャ語の「アロス」(変化・様変わりした状態)、と「エルゴン」(反作用・反応性)を合わせて作った言葉で、フォン・ピルケ氏は、アレルギーを超過敏反応であると定義しました。
こうやって1906年にはじめてアレルギーが提唱されたとき、アレルギーとは「変化した反応」のような意味合いでした。それから長い年月を経るうちに、当初の意味合いは医療現場から失われていきました。
現在では、「抗原」と呼ばれる分子によって誘発される反応がアレルギーであると考えられています。



カラダの仕組みでは、この抗原を退治するために、身体の中の白血球が「抗体」をつくり出します。そしてこの抗体がなんらかの原因で必要以上に過敏反応することがあるのですが、アレルギーでは、あるこのような過敏反応してしまう同じ抗原が身体に侵入してきたときに、同じ抗体が放出されて、過剰に働くことで、アレルギー反応が起こるとされています。
こうした「抗体」、免疫グロブリンは、Y型をしていて私たちの免疫システム細胞によって作られます。また接触する個々の抗原ごとによって固有の形になっているのですね。
アレルゲンである「抗原」は、人によって多岐に渡りますが、特定の食物や花粉、動物の鱗屑、カビ、イースト菌などがあります。
人間の身体の免疫システムは、身体の防衛反応として、激しい炎症を介してこのアレルゲンを中和しようとするのですが、その一連の反応がアレルギーと言われるものです。



みなさんが、食物アレルギーというと思い浮かべるのは、食べた後、突然起きるような呼吸困難や蕁麻疹、胃腸障害のようなものだと思いますが、実はその症状は多岐に渡ります。
それには、肉体的な症状、精神的な症状を含め、様々な症状がありますが、反応が早い即時型というタイプや、反応が遅い遅延型と呼ばれるもの、そして症状が慢性化するもの、一過性で終わるものなどと様々なものがあります。
そのため、中には自分の症状が食物アレルギーできているということに全く気付いていない人がいるのですね。
簡単に言うと、一般に言われるような、涙目や目のかゆみ、鼻水や鼻のかゆみ、くしゃみ、蕁麻疹、湿疹、腫れ、胃腸障害(下痢、嘔吐)など、すぐに自覚症状として現れるものだけでなく、自覚症状として現れなくとも体内の細胞臓器に影響を与え、慢性化していくものまであります。

すぐに反応が現れるものを、一般的にIgE免疫介在型アレルギーと言います。この反応は通常激しく突然に起きるため、原因となる食べ物とその症状の関係はすぐにわかることが多いです。
しかし、このIgE以外のタイプのアレルギー、特にIgG免疫機能によるものは、反応が遅く、発症するのに数時間から数日間もかかり、長時間続いて遅発性の症状が出るので、なかなか原因がわからないケースがあります。アレルギーの性質上、本人がその存在にまったく気づかないこともあり、知らないうちに自分の健康が蝕まれていることがあるので、長期にわたると実は怖いものです。
このIgGタイプの症状は、軽度で慢性的なものが多く、全身疲労、イライラ、頭痛、異常な食欲、食物中毒症状、注意散漫・・・などなどと、これが食物アレルギーから来る症状とは思えないのも、原因に気付けない理由の一つでしょう。



食物アレルギーが広い範囲で健康状態に悪影響を及ぼすことは、アメリカのアレルギー委員会元委員長のブラナマン医師をはじめ多くの研究者が指摘しており、私も自分の経験でそのことには確信があります。

ブラナマン医師はこう言います。

「食物アレルギーは、からだのあらゆる部分で、あらゆることを起こしうる」



また、なかにはこの一連の反応に抗原や抗体が関与していないものもあり、それらはアレルギーとは呼ばないと一般的には考えられていますが、ブラナマン医師は、アレルギーと呼ばれようが呼ぶまいが、健康を害するものであることには変わりはないとしています。





このアレルギー反応が起こらないものに、食物過敏症と言われるものがあります。
その話も少し触れておきましょう!

食物過敏症(不耐症とも呼ばれる)とは、アレルギーよりも意味合いが広く、食品や食品の構成成分、添加物などに起因するあらゆる身体への悪影響が含まれています。
食物過敏症は、個体差がはっきりしていて、ある人に大問題を起こす成分が、他の人にはまるで影響を及ぼさなかったりします。
医療従事者が混乱するのは、この過敏症というものの症状の多くが、アレルギー反応を介せずに発生することです。
そのため、このアレルギーではない、食物過敏症の方の多くは、トラブルを抱えたまま放置されているわけです。



ブラナマン医師は、症状にいたる基本的なメカニズムがどうであれ、患者さんが特定の食品にうまく対処できずに苦しんでいることに変わりはなく、アレルギーと過敏症の区別がどうだという問題より先に、患者さんを救うことが優先されるべきではないかと述べているのですが、まさに同意できる言葉ですね。
さらにブラナマン医師は、「食品過敏症を解決することで60%の病気は改善される」とも語っています。
たしかに前回の食物アレルギーが関わっている病気のリストを見てみれば、そのことが決して大袈裟ではないことがわかります。



現在の大抵の医師は、栄養療法や食品過敏症について知らない方が多く、その重要性が見過ごされるケースが多くあります。
私が臨床をやっていて、常に思うのは、診断が適切でなければ、適切な治療ができないということ。

何よりも根本的な原因に対しての治療を行うべきなのです。



最後に食物アレルギーと過敏症のカテゴリーを紹介して今日はおしまいにしましょう。

1967年に米国のコロラド大学とスウェーデンのカロリンスカ研究所の共同研究チームによって、現在言われているIgEアレルギーが解明されました。
しかし、最近では、IgE以外の反応もあるということが解明されてきており、食物を食べて体が何らかの反応を起こす状態を「食物過敏症状(Food Hypersensitivity)」と呼ぶようになり、4つのカテゴリーに分けるようになったのですね。


1.食物アレルギー
  IgE誘因食物アレルギー(3)
  非IgE誘因食物アレルギー(4)

2.非アレルギー性食物過敏
  ラクトース(乳糖)不耐症
  食品添加物(色素、硫黄成分など)
  反応の原因が不明

3.IgE誘因食物アレルギー
  牛乳、卵、大豆、米、ピーナッツ、小麦などの食材
  花粉
  ダニ・ほこり
  ゴム

4.非IgE誘因食物アレルギー
  セリアック病(グルテン、カゼインなどの不耐症)
  体系的アレルギー性皮膚炎



小菅一憲

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by chiropratica | 2015-04-08 15:59 | 食物アレルギー

NO.590 食物アレルギー/過敏症 その1 「自分で気付いていない食物アレルギー」

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みなさん、今日から4月です^^。
今日からは新しいテーマ「食物アレルギー/過敏症」についてお話していきたいと思います。
以前にも一度特集を組みましたが、このblogでも人気が高い記事の1つなので、もう一度新しい話題も取り入れながら、書いてみたいと思います。


ローマ時代の詩人であり哲学者でもあるルクレティウスという人は、「ある人にとって食物となるものは、別の人にとっては苦い毒となることもある!」と言っています。

この言葉は、本当に的を得ていると思います。
私のところにも、「人に勧められた健康食品を摂ったら、酷く体調を崩した」と言って来院される方は数知れず・・・。私自身も以前、人に勧められた健康食品で体調を崩した苦い経験があります。



ほとんど全ての人に、身体に合わない食物はあります。
そして現状、その食べ物に気付いていない人は多いものです。

実は、健康状態や身体の機能は食べ物によって左右されます。
また人の身体の機能や精神状態は、食べている食事で決まります。
この精神状態というのは、食物アレルギー・過敏症をよく知っている方であれば、特に影響があることを知っているでしょう。食べる物と気分の間には強い相関関係があるということです。人の身体の精神の状態は食事で決まると言っても過言ではないでしょう。
そして、健康に良いと言われている食べ物全てが万人にとって良いとは限りません。一般的に勧められる玄米や発酵食品などももちろん合わない人はいます。
私たちには、それぞれまったく違う個性(タイプ)があり、強い点や弱い点、そして必要としている栄養素が異なります。

これは栄養を学ぶ方には、必ず知っておいてもらいたいことです!




そして、この食物アレルギーには、自分で気付いていないアレルギーがあるということ。
アレルギーには時間をかけて徐々に症状が発現するものがあり、自覚症状がないことがあります。
通常、身体に相容れないものを食べるとほとんどの人はそのことに気付きます。それは食中毒の発作であったり、何かの病気の症状であったりするかもしれませんが、食物アレルギーである可能性も十分にあります。
しかし、中には自覚症状がなく、自分で気付いていないアレルギーによって体調を崩している方も多く存在するという現実があります。


あなたにとってアレルギー性の高い食べ物を食べ続けると、体内で炎症が起こり、細胞が十分に機能出来ない状態に陥ります。細胞の機能低下と炎症は様々な病気につながります。
食物アレルギーは身体のあらゆる細胞組織に悪影響を及ぼします。関節、筋肉、肺、脳、血管、つまり血液が流れる場所であればどこでも炎症が起き、症状が現れます。



食物アレルギーによって起こる症状のリストを紹介しましょう!

喘息
鼻炎
膀胱炎
滑液包炎
セリアック病
うつ病
十二指腸潰瘍
浮腫
疲労
胃炎
発疹
低血糖
めまい
学習障害
軽い脳の機能障害
気分が安定しない
頻繁に感染症にかかる
ふきでもの
夜尿症
気管支炎
口や唇の潰瘍
慢性の腰痛
下痢
湿疹
腹部にガスがたまる
頭痛(片頭痛など)
自閉症
総合失調症
慢性疲労症候群
てんかん
ハイパーアクティビティ
過敏性大腸炎
メニエール
中耳炎
口内炎
線維性筋痛症
関節リウマチ
関節の痛み、腫れ
栄養素の吸収不全
腎炎
尿にタンパク質が出る
発作
潰瘍性大腸炎
肌のかゆみ
アトピー性皮膚炎
蕁麻疹



こうなってくると食品アレルギーや過敏性の存在を知らないだけで、一般的な医療現場では無数の誤診が生まれているかもしれませんよね。深刻な症状を抱えている人でも、病院の検査で異常がなく、原因がわからない人の場合、食品アレルギーがかかわっているケースはものすごい数になるのではないでしょうか。
私の臨床でも、カイロプラクティックの検査で、食物アレルギーや過敏症の疑いがある患者さんが多々います。症状のひどい人にはアレルギーの検査を受けてもらったりもしますが、食物アレルギーを解決できると持っていた症状に大きく改善がみられたり、すっかり消失することもあります。
そして解決できた患者さんからは、決まって「こんなに身体が元気なことはいままで初めてです!」とおっしゃって頂けるのです^^。





食物アレルギーが広い範囲で健康状態に悪影響を及ぼすことは、アメリカのアレルギー委員会元委員長のブラナマン医師をはじめ多くの研究者が指摘しており、私も自分の経験でそのことには確信があります。

ブラナマン医師はこう言います。

「食物アレルギーは、からだのあらゆる部分で、あらゆることを起こしうる」




是非、みなさんの隠れた(潜在的な)食物アレルギーを特定することで健康になりましょう!
このテーマで書くことがみなさんの健康に貢献出来れば、言うことはありません。
また次回からゆっくり勉強していきましょう!



小菅一憲

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by chiropratica | 2015-04-01 12:10 | 食物アレルギー


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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