<   2014年 11月 ( 16 )   > この月の画像一覧

NO.556 腸管免疫 その23 腸が身体の健康に影響を与える

b0195635_225026.jpg


大腸、とくに結腸の働きは、健康全般的に重要な役割があります。



食物が大腸内を通過している間に消化過程における正しいシステムが働かないと結腸内で問題が生じます。
これは、大腸以前の消化器での問題、たとえば低レベルの胃酸によって未消化な食物が作り出されることによっても引き起こされます。こういったものは直接、結腸へのストレスとなるのですね。
またこれらの結腸へのストレスは、腸内細菌に影響を及ぼし、直接炎症を起こす原因ともなるのです。




さて先日も腸内細菌については、何回かに渡ってお話していますが、もう一度復習しておきましょう^^。



消化器の大部分(胃から小腸を通る部分)は無菌ですが、大腸には様々な種類のバクテリア(細菌)が存在する場所になっています。
大腸には約500種類以上、100兆個もの細菌がグループをなして存在するといわれています。
かなり多くの数の細菌が存在しているのですね。
これを「腸内細菌」といいます。

腸内細菌の主なものは、善玉菌(乳酸菌、アシドフィルス菌やビフィズス菌など)と悪玉菌(ウェルシュ菌、大腸菌)、日和見菌(善玉にも悪玉にも属さない菌)の3つ。
これらの腸内細菌が腸内の環境を保っています。また腸内細菌はビオチンを含むビタミンB群の一部とビタミンKの栄養素を作って、エネルギーを生産する環境を作るのを助けてくれてたりもしています。

これら3種類の菌の割合は、一般に善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%が、バランスのとれた状態とされています。ちなみに日和見菌は、状況に応じて善玉菌に加勢したり、悪玉菌に方に傾いたりしている菌です。そして大抵は同じ種類どうし集まって生息し、お互いに抑制したり、牽制したりしながら共生していますが、その様子が花畑に似ていることから「腸内フローラ」と呼ばれています。
腸内フローラの様子はとても個性的で、ひとりひとりまったく違っているそうです。




普段は善玉菌が悪玉菌の繁殖を抑えていますが、抗生物質の使用や老化などでこのバランスが崩れることがあります。これがさまざまな疾患の原因となるわけです。
抗生物質以外にも、旅行に行ったときのストレスや広範囲の過剰なストレス、また乏しい食習慣による腸機能の弱化は、腸内細菌のバランスを著しく崩すことがあります。
腸内細菌のバランスが崩れた状態では、共通した多くの徴候があります。
下痢や便秘、臭いガスや便、消化不良はそのもっともみられる症状でしょう。
また過敏性腸症候群や大腸炎もあります。




いままでのblogで話してきたように、腸管の影響は体を通してとても広範囲に広がります。腸は、免疫システムの土台となり、腸が体全体の健康に影響を与えます。
たとえば、腸管に関わるアレルギーは、消化不良を起こしたたんぱく質を吸収することでアレルギー反応の引き金となります。またそれは、肌や副鼻腔、免疫システムを乱す原因となります。もちろん食物不耐症もこれと同じ関連の問題となるのです。

そして近年では「腸管―脳」の考えが発展してきました。腸全体の健康が免役に及ぼす影響もさることながら、今では脳に対しても重要な影響を与えていると考えられているのです。




来週からは、「腸管免疫と腸の老化」を中心にお話していきたいと思います。
お楽しみに〜^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

[PR]
by chiropratica | 2014-11-28 22:08 | 腸管免疫

NO.555 腸管免疫 その22 腹部膨満改善のために・・・

b0195635_16295863.jpg


ここ3回ほど、腹部膨満の原因の話をしてきましたが、いかがでしたか?
実は腹部膨満を放っておくと、身体全体の問題にもつながります。そして高齢者だと、なおさら大きな問題になります。それは腸が免疫に対して非常に大切な役割を持っているからですね^^。

この話はまたこれからじっくりとしていきますが、今日は腹部膨満改善のためのポイントをまとめておきましょう!



1.食物アレルギー・不耐症はあるか?

これを知ることはとても大切です。
有効なテストがいくつかあります。

○グルテンチャレンジテスト(小麦製品を2週間抜いて状態を見ていく)
○IgG遅延型アレルギー検査(血液検査における、アレルギーチェック)
○ラクトース不耐症チェック(ラクターゼという乳糖を分解する酵素を使ったチェック)


2.砂糖・精製された炭水化物の摂り過ぎ?

この場合、下記のことを注意してみましょう。

○穀類を食べ過ぎない
○デンプン質野菜はなるべく避ける
○食材をゆっくり噛んで食べる


3.胃酸が十分に分泌出来ているか?

詳しくはこちらを見てください。
胃酸の分泌について
胃酸が十分に分泌されていなくても、消化不良はもちろん食物アレルギーの原因になったり、腹部膨満が起きやすくなります。

○レモン水、塩酸ベタインによるチェック
○便の状態チェック


4.腸内細菌アンバランス、バクテリア繁殖?

こういった問題では、腸内バランスを整えるために下記のことを行なっていきます。

サプリメントやハーブによる除菌(場合によっては抗生物質や乳酸菌など)
腸の栄養素をしっかり摂る(Lグルタミンなど)



是非、参考にしてみてください。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

[PR]
by chiropratica | 2014-11-27 16:28 | 腸管免疫

NO.554 腸管免疫 その21 ラクトース不耐症(乳糖不耐症)

b0195635_17315232.jpg


さて、今日は腹部膨満の原因の3つ目、「ラクトース不耐症」についてお話しましょう!
ラクトースというと日本語では、乳糖。乳糖不耐症はよく聞くと思います。
この乳糖不耐症については、黒人・黄色人種には60〜70%いると言われています。なぜ乳糖を摂ると胃腸障害はもちろん、腹部膨満を引き起こすかというと、ラクトースを分解するラクターゼが小腸に存在しないから、もしくは十分にないからです。



以前、乳糖不耐症については、こちらのblogでもまとめたことがあったので、それをまた再掲載しますね^^。




世界の成人人口の70%は牛乳中の糖質「乳糖」を分解できません。
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロして、すぐ下痢をしてしまったりしませんか?
また胃痙攣をおこしたり、腹部膨満感があらわれたり・・・

その原因こそが、実は「乳糖不耐症」と呼ばれるものなのです。



「乳糖」とは、牛乳に含まれている糖質(炭水化物)のことです。乳糖は二糖類で、ブドウ糖とガラクトースという二つの単糖類から構成されています。
乳糖は、乳腺の腺細胞だけでつくられます。したがって、乳糖を含んでいる物質は哺乳類の乳汁の他には存在しません。乳糖やその他の糖類をいっさい含まない乳汁を分泌する哺乳動物は、アシカ、アザラシ、オットセイ、セイウチだけです。1リットルあたりの乳糖の含有量は、人乳で約75g、牛乳で約45gです。
牛乳を飲んだ後で、乳糖が腸管から吸収されて血液に流入するには、二つの単糖類にまず分解されなければなりません。それには、乳糖を分解する酵素である「ラクターゼ」が必要になります。ラクターゼは腸管の上部の細胞に存在し、それが最も多く集まっているのが、小腸の中ほどにある空腸と呼ばれる部分です。

人間の母乳にも乳糖が含まれているため、赤ん坊のときは誰でもラクターゼを持っています。ラクターゼの活性がはじまるのは妊娠第三期(7ヵ月以降)の胎児の腸管の中で、活性が最も盛んになるのは出生直後と言われています。しかし、生後1年前後の離乳期からラクターゼの活性が弱くなりはじめ、成人になるとラクターゼがほとんど活性しなくなります。




摂取する乳糖の量が多くて腸内でのラクターゼの処理能力を超えると、乳糖は消化されないまま大腸に運ばれます。未消化の乳糖が大腸に到達すると、2つのことが起こります。

①大腸に普段から生息する細菌に乳糖が反応します。
細菌は乳糖を発酵させて、ガス、二酸化炭素、乳酸に変化させます。

②乳糖の分子は浸透圧作用によって腸管内に水分を引き寄せます。
その結果、腸管内にたまるガスと水分の量が増えます。

ガスと水分の組み合わせは、腹部膨満感、痙攣、げっぷ、放屁症状、そして水様性下痢の原因となります。

牛乳を飲んでお腹を壊してしまうメカニズムはこういうことだったのですね。



1965年、ジョンズホプキンス大学医学部の研究グループが、被検者となった白人の15%、黒人の70%が乳糖を消化できないことを発見し、これをキッカケに世界中の人々を対象とした調査が行われ、おどろくべきことがわかりました。

人類の大多数は乳糖不耐だったのです。

ほとんどの子供の小腸におけるラクターゼの活性は、生後1年半から4年の間に徐々に低下します。これは成長過程における正常な生理的変化です。
これと同じ現象は、離乳期に至ったほとんどの哺乳動物にもみられます。
この点では人も他の哺乳動物とまったく同じなのです。
生存のために牛乳に依存しなければならない部族は、自然淘汰の過程でラクターゼの分泌を維持する突然変異を起こす確率があります。また北欧のごく一部の人々はラクターゼを合成できる遺伝子を持っています。しかし、世界のほとんどの地域の人、特にアジア系やアフリカ系の人(有色人種のほとんど)が成人になるとラクターゼを作る働きが弱く、これらの人種の80~90%が乳糖不耐症であることが明らかになっています。


通常の離乳期を過ぎても、牛乳のような乳糖を含む食品を摂取するのは明らかに自然の摂理に反しているのかもしれません。
ラクターゼの欠損が成長過程における一般的なパターンだとすれば、乳児期を過ぎても乳糖を消化できる人はかなり例外的な存在といえるのではないでしょうか。
健康な成人における乳糖不耐の割合は、アメリカの白人で8%、黒人で70%、日本人では85%にのぼります。

日本人のほとんどがこの「乳糖不耐症」なわけですね。



こんな話もあります。
乳糖不耐という問題が認識されていない時代、途上国への粉ミルクの輸出が開始されたときのことです。
粉ミルクがはじめて南米諸国に到着した後で、現地住民が粉ミルクに水を加える作業を注意書のとおりに実行し、おいしく飲んだ後で、腹部の痙攣と下痢がどの村にも大量に発生したのです。
現地の反応は、「またしてもアメリカ帝国主義の陰謀だ」というものでした・・・。

有色人種のほとんどが乳糖不耐症なので、これは当然でしょう。
(Flank A.Oski,M.D. DON'T DRINK YOUR MILK 引用)




「乳糖不耐症」のために牛乳が苦手な人でも、大丈夫な乳製品があります。
それはヨーグルトやチーズ。
なぜかというと・・・
細菌の力を借りることによって牛乳を発酵させてヨーグルトやチーズにすると、乳糖の多くを細菌がブドウ糖とガラクトースに分解してくれるので、乳糖による問題は発生しなくなるからなのですね。
ただ、ヨーグルトでは70%のラクトースが分解されますが、30%のラクトースが残ってしまうので、重い人には適していない方もいます。

牛乳を飲んでお腹がゴロゴロしてしまう方。
牛乳を飲んで腹痛、おなら、下痢が起こる方。
このような人は乳糖不耐症です。
そしてその症状は「あなたは間違ったものを食べている」という自然界の警告なのかもしれません。
成長過程において、乳糖を分解するラクターゼの低下が自然な生理的変化であるのならば、その反応は正常とも言えます。
成人で乳糖を分解できないのは異常ではなく、当然なのです。
乳糖不耐症の人が牛乳を飲むと、栄養素の一部は吸収されず失われる可能性のあることが複数の研究で示唆されています。そうなると未消化の糖質からエネルギーを摂取できないだけでなく、下痢のためにタンパク質まで失われるおそれがあります。またせっかくカルシウムを摂るために牛乳を飲んだとしても、それが吸収されず排泄されてしまうので意味がありません。



乳糖不耐症の人はとくに「牛乳」は飲まない方が賢明かもしれません。

そしてお腹をよく壊してしまうお子さん。
もしかしたら、乳糖不耐症が関わっているかもしれません。
子供の腹痛はかなりよくある現象です。
全体の一割の子供が「小児再発性腹痛」と呼ばれる症状を経験していると推測され、その子供たちを対象にした研究では、その約三分の一の子供の腹痛が乳糖不耐に起因しているといいます。
牛乳を飲むことが良いという認識だけで、給食に毎日出たり、積極的にすすめられたりしますが、これは子供の健康を害するだけでなく、アレルギーの元になる可能性すらあります。


人類の大多数が「乳糖不耐症」であるということ。
これはまぎれもない事実なのです。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

[PR]
by chiropratica | 2014-11-26 17:37 | 腸管免疫

NO.553 腸管免疫 その20 グルテンとカゼインの不耐症

b0195635_1833084.jpg


さて、今日は腹部膨満の原因の2つ目。
「グルテンとカゼイン」についてお話していきましょう!

食について詳しい方であれば、もうこの2つのタンパク質が問題を起こしやすいものであること、そして副腎疲労症候群においても、グルテンフリーやデイリーフリーは馴染みのものでしょう。
そう、まず、グルテンについては小麦などの穀類に多く含まれているタンパク質で、これも前回お話したレクチンの一種なのですが、人体ではかなり消化がしづらいタンパク質と言えます。小麦については、遺伝子組み換えがここ最近まで禁止されてたことで、遺伝子組み換えによる影響はあまりありませんが、ただ品種改良が激しく行なわれているため、古代の小麦と呼ばれているスペルト小麦などから比べると大分品種が変わってしまったことが言えます。

そういった背景や、その他の遺伝子組み換え食品を食することやストレス環境による腸内環境の悪化により、グルテンに過敏に反応してしまう人が現代では多く見られるようになりました。


日本では、特に、パン、パスタ、カレー粉、マヨネーズ、ケチャップ、醤油などにも小麦が入っているため、全く避けるの難しい現状があります。
小麦の過敏症では、セリアック病が有名ですが、そこまでいかないまでも日本人でもnonセリアックと呼ばれるようなグルテン過敏症の人が本当に増えています。
そして、その始まりもSIBO(小腸におけるバクテリアの異常増殖)による腹部膨満です。


ちなみグルテンによる腹部膨満は、他のもの(レクチンやラクトース不耐症)より食後少し時間がたってから起こることが多く、明らかにオナラが臭いという特徴があります。





さて、「カゼイン」の方はみなさんご存知でしょうか?

牛乳のたんぱく質の80%は「カゼイン」というたんぱく質です。母乳にもカゼインが含まれますが、これは赤ちゃんの胃腸でも消化しやすいものです。しかし、牛乳の「カゼイン」は、胃を4つ持っている子牛だからこそ消化が可能なタンパク質です。
とくに人間にとっては消化・分解が困難なたんぱく質なのですね。

牛乳の中の80%のカゼインはそのうち40%が「αカゼイン」、残り40%が「βカゼイン」です。一方人間の母乳のカゼインはほとんどが「βカゼイン」です。生まれた赤ちゃんには牛乳に含まれるαカゼインを分解するレンニンという酵素がなく、赤ちゃんに牛乳を与えると下痢をしてしまいます。

「レンニン」はチーズを作る時に使う固形ラードのようなもので、人間にはレンニンという酵素は作ることが出来ません。その代わりを胃酸が補うことになるのですが、カゼインはとても固いたんぱく成分なので、胃酸でもなかなか分解しづらいのです。
胃の中でたんぱく質分解をするペクチンがちゃんと分泌できるようになる2、3才までは、
牛乳は、絶対に与えるべきではなく、その後もできれば避けたい食品です。それは成人でも牛乳のたんぱく質によって問題を起こす場合があるからなのです。



そして、もちろんこの「カゼイン」もSIBOには関わっています。
カゼインをうまく消化できない場合、腸では炎症が起こります。
そして小腸の絨毛が萎縮してしまい、バクテリアの過剰な発酵によるガスの発生が起こるわけです。





グルテンとカゼインというタンパク質も、SIBOの起こる原因としては大きいものだと私は強く確信しています。
この状態をほおっておくと、小腸の絨毛が萎縮して栄養が吸収できないような慢性栄養吸収障害の状態を引き起こすので、たかが腹部膨満感だと放置しないで、しっかり対処していくことが大切でしょう。

お腹の調子がいつも優れない方、下痢や便秘に悩まされている方、そして腹部膨満感がある方、是非一度グルテンフリー、デイリーフリーの食事をしてみてください。
やってみる価値は十分にありますよ^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

[PR]
by chiropratica | 2014-11-25 10:02 | 腸管免疫

NO.552 腸管免疫 その19 レクチン不耐症

b0195635_14234291.jpg


腹部膨満が起こる原因の1つとして「レクチン不耐症」が挙げられますが、今日はこのレクチンについて少しお話しましょう^^。



私達は、体内のウィルスや細菌など異物に対して、身体を守る免疫というシステムを持っていますよね。
その役割のほとんどをやってくれているのが白血球ですが、その中でもナチュラルキラー細胞という細胞が、それらの異物を攻撃してくれています。
ただ、たまに正常な細胞に対しても攻撃をしてしまうことがあって、これがアレルギーということになるわけですが、例えばIgGであれば、IgG抗体を介して正常な細胞を異物と認識し、攻撃をしかけてしまっているわけです。

この異物となってしまう細胞ですが、ここにレクチンというタンパク質が関わっています。難しい話は省略しますが、このレクチンは、植物や動物でも確認されており、体内で細胞膜に存在ある糖と結合し、細胞同士を結合させる働きがあるのです。




レクチンは、前述のように細胞の糖タンパクとくっ付き、IgG抗体を介して食物アレルギーが起こりますが、こういったIgG抗体を介さないまでもその前にレクチンの細胞への影響だけでも反応が起こることがあります。
これがIgGの抗体検査をしても大きな反応がないケースですね。

レクチンによってアレルギー反応が起こると、腸の至るところで炎症が起こり、SIBO(小腸でのバクテリアの異常増殖)の状態になります。
ちなみにレクチンと反応する細胞は体内の多くに存在しており、食物不耐症に深く関わっています。


上皮細胞(皮膚、目、鼻、口、耳管、咽頭、肺、食道、胃、腸、膀胱、尿道、膣)
関節の滑膜
血管内皮細胞(血管、リンパ節、心臓、肺、腹部、骨盤)
分泌液(唾液、消化液、鼻の粘液、母乳、涙、汗、精液、膣分泌液)



レクチンは、70度以上で30分加熱すると不活性化すると言われているので、もし気になる食材があれば、試してみると良いかもしれませんね。
ただ、全ての食材に適さないかもしれませんが。

余談ですが、遺伝子組み換え食品によってアレルギーが増えている背景にはこのレクチンの影響があります。遺伝子の組み替えによってレクチンの生産能力を高めた品種が多く出回ることによって、体内環境への影響が強くなっていることが、現代人に食物アレルギーが増えてきたことの根底にあるのでしょう。

こういった植物の種の話は、また別の機会でじっくりお話していきましょう。



腹部膨満の1つの原因として、レクチン。
頭の片隅にでも入れておいてくださいね^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

[PR]
by chiropratica | 2014-11-21 17:55 | 腸管免疫

NO.551 腸管免疫 その18 腹部膨満感の原因とは?

b0195635_19311820.jpg


今日は、腹部膨満感についてお話したいと思います。
食後にお腹が張ったり、ガスが溜まったりして困っている方はとても多いと思います。

腹部膨満の原因の95%はガスだと言われており、ガスの発生原因はバクテリアによるメタンガスや二酸化炭素が多いと言います。
ではなぜ、このガスがお腹が張るまで発生してしまうのでしょう?



それは何らかの原因で腸の蠕動運動機能が損なわれ、小腸にバクテリアが過剰に増殖することが関係しています。
腸で起こる蠕動運動は、食べ物を送る以外に腸の中を掃除する役割も持っているのです。なので、この蠕動運動が何らかの原因によって機能を果たさなくなってしまうと腹部膨満が起こると言えます。
通常、小腸には大腸に比べるとそこまでバクテリアはいません。
しかし、小腸の機能低下が起こり、蠕動運動がうまく出来なくなってしまうとバクテリアが小腸にも繁殖してしまうのですね。

このことを英語では「Small Intestine Bacteria Overgrowth(SIBO)」と言います。




では、その小腸の機能低下が起こる原因とは一体なんなのでしょう?
もちろんいままで勉強してきたような、呑気症や胃酸低下症、それ以外にも過剰なコレストキニンの分泌などもありますが、現代人に多いものとしては、レクチンによる食物不耐症、グルテン・カゼインなどの不耐症、そしてラクトース不耐症(乳糖不耐症)でしょう。

これらは、腸の粘膜の至るところで、アレルギーや炎症反応を引き起こし「SIBO」の状態を作り出します。

腸は、このテーマのメインにもなる免疫にとても深く関わっている部分です。
たかが腹部膨満ではないのです。
常にそういったものの原因を見極め、しっかりと改善してあげることがとても重要です。
特にお年寄りでは、こういったことが何よりも大切になりますね。


次回からは、これらの不耐症について詳しく見ていきましょう!



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

[PR]
by chiropratica | 2014-11-20 19:44 | 腸管免疫

NO.550 腸管免疫 その17 なぜ腸内ガスがたまるの?

b0195635_21462083.jpg


なぜお腹にガスがたまるのでしょう?



今日は、そんな腸内ガスの原因のお話をしていきます^^。


おならが急にくさくなったり、ところかまわず出るようだったら、腸内に悪玉菌が増えているサイン。
近年の研究で、腸内で悪玉菌が増えると腸内発酵ではなく、「腐敗」が進むことがわかっています。
おならのにおいは腸内の状態を示すバロメーターなんです。

ちなみに「鼻をつまみたくなるおなら」の原因の多くは、たんぱく質が分解された時。
肉や卵などのたんぱく質が分解されると、アンモニア、硫化水素、インドール、スカトール、揮発性アミンなどの腐敗型のガスに変わり、便秘と組み合わさると強烈なにおいの元になるのです。
たんぱく質の分解は悪玉菌が担当します。
たんぱく質ばかりの食事だと悪玉菌を活性化させてしまうかもしれません。

しかし、もちろん動物性たんぱく質は必要な栄養素なので、肉を断つ必要は全くありません。
ただなるべく野菜も一緒にたくさん食べてくださいね。野菜や果物、海藻などに含まれる水溶性食物繊維は善玉菌のエサになるだけではなく、腸の中に入ると水分を含んでドロリとしたゲル状になり、いらないものを吸着、排出してくれるので、悪玉菌を抑えてくれます。

ここでもバランスのとれた食事が重要になるわけです。
バランスの良い食事で、バランスのとれた腸内細菌叢ができあがるということなのです。




さて、ではくさいおならとは別に、腸内ガスが溜まる人はどうなのでしょう?
よくお腹の膨満感がつらいとかガスがたまって苦しいといいますよね・・・。

おなかを軽く叩いてみて、ポンポンと音がする人はガスが溜まっているかもしれません。
とくに停滞腸や便秘の人には、ガスがたまって腹部膨満感の人が多くみられます。
腹部膨満感の原因となるガスの正体とは、その約70%は口から飲み込んだ空気で、残りは血液中から拡散したガスと腸内で発行したガスが混じり合ったものと言われています。
1日に腸で作られるガスは、大人で400~1500ml。それを5~20回ぐらいに分けて放っています。
おなかの中のガスの排出回数は、人によって異なりますが、健康な人の場合、おおよそ7~20回で、1回につき50~500mlの量が排出されます。なお、このガスの成分はなんと約400種類あり、そのうち約80%が空気で、インドール、スカトールなどの悪臭物質は1%にも満たないと言われています。


長い期間、腸内にガスが多すぎる状態は、良い状態とはいえません。
それは多くの不快感の原因となるとともに、腸管内でガスが多いとストレス応答のように交感神経システムの反応を引き起こします。
さらには、横行結腸などにガスが多く溜まると胃を圧迫して胃内容物の流出を滞らせるため、胃炎や逆流性食道炎の症状と同様の悪心(むかつき)や食欲不振、胸やけなどを起こしてしまいます。
私の臨床でも、慢性便秘症で胸やけなどの症状があって、逆流性食道炎になっている人は多々います。


もちろん少量のガスが腸管内にあるのは正常なのですが、大量のガスがあるのは正常ではなく、消化不良やアレルギーが問題になっていることも多く、そこには食事内容や食べ方の悪さも大きく関連しているのですね。



最も一般的な腸内ガスの原因をお話しましょう。


1.炭水化物、糖質

最も一般的な原因は、でんぷん質の炭水化物、パンやシリアル、多くの小麦粉製品と砂糖、そして砂糖を含んでいる食物です。また乳糖を含んでいる食べ物も問題になります。これらの食品を摂り過ぎていると腸内ガスの原因となります。
たとえば、イモや豆などの炭水化物が腸内細菌によって分解されると、二酸化炭素やメタンなどのガスが発生します。
ちなみにこれは発酵型のガスでさほど匂いません。


2.空気をのみこむ

冒頭で述べましたが、その他の一般的な腸内ガスの原因は空気を飲み込むことです。
これは飲み物を飲むときや食べ物を食べるときに発生する問題ですが、特に水を一度に大量に飲む傾向がある人は注意してくださいね。
できればゆっくり飲むことを心がけ、空気を一緒に飲み込まないようにしましょう。
頭の傾きにも注意してみましょう。頭を後方へ傾かせて飲むことをやめると、空気を飲み込まずに済みます。

また急いで食事を食べる人にも空気が大量に入っていることが多いです。食べ物を噛む時は急がないことが重要です。ゆっくり噛んで食べれば、唾液と混ざって「ガス抜き」ができます。
一度空気を飲み込み、すぐにゲップとしてあがってこないなら、多くはおならになってしまうのです。


3.胃の機能障害

胃の機能障害は一般的な腸内ガスの原因になります。以前のblogでお話した低レベルの塩酸はまさに腸内ガスの原因です。


4。腸内細菌のバランス

大腸の機能が落ち、悪玉腸内細菌が多く腸管に住み着くことで、過剰なガスの原因となります。




その他にもチューインガムやその他のソルビトールや糖アルコールを含む食品で腸内ガスを促進する場合もあります。また一部の人ではフルーツジュースに含まれるフルクトースに過敏になっている場合は腸内ガスを起こすといえます。
またストレスを感じたときに、ガスが溜まりやすくなることもあります。緊張によるストレスを感じると空気嚥下症といって、大量の空気を飲み込んでしまいがちです。
緊張やイライラから無意識のうちに空気を飲み込んでしまうのですね。
飲み込まれた空気は、ゲップを我慢して外に出さずにいると、腸に下がってガスになるのです。またストレスは腸の働きや蠕動運動を妨げるので、さらにガスがたまりやすくなります。


余談ですが、腸内ガスは口臭の原因ともなります。
それは腸内ガスが、腸管から血管に吸収され、肺に放出されるために起こるといわれています。

さて、よく宣伝で腸内ガスを減らすような薬をみることがあります。
しかし、American Colledge of Gastroenterology Statesでは「多くの薬物療法の広告やCMで腸の膨満やガスの不快感を取り除くと宣伝していますが、その価値はとても少ないと科学証明されている」としています。

そんなことよりも、ここで記述したような原因を追及することで、通常は問題をかなり改善することができると私は思います。
またドイツなどのヨーロッパでは、腹部膨満感に対してペパーミント・ウォーターやティーの摂取が勧められています。以前のblogでお話しましたが、ペパーミントオイルは、腸のはたらきを良くしてくれるものとして効果的でもあります。

ペパーミントのこうした働きは、主要成分であるメントールが、セロトニンの放出と、サブスタンスP(タキキニンの一種で痛覚の伝達物質。P物質と呼ばれる)による平滑筋の収縮を抑制することによるものです。
またメントールの成分がカルシウム拮抗剤として作用し、平滑筋細胞へのカルシウム流入を阻止することもわかっています。
つまり、メントールが筋肉を収縮させる作用のあるカルシウムをブロックすることで、腹痛や不快感の元にある筋肉の過度の収縮を防ぎ、リラックスさせてくれるのです。





腸内ガスを引き起こす原因いかがだったでしょうか?
普段の食べているものや、食べ方にも腸内ガスを発生させてしまう習慣があったのです。
またそれは、腸内環境にも関わってくると言えます。
ガスが溜まった時の不快感はなんとも言えないものです。
もし、膨満感に悩まされているなら、まず良く噛んでゆっくり食べること、そして炭水化物や甘いものの摂り過ぎをやめること、また乳酸菌を意識して摂ることなどを試して下さい。
かなりのケースで症状が改善されるはずです。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

[PR]
by chiropratica | 2014-11-19 21:46 | 腸管免疫

NO.549 腸管免疫 その16 大腸機能低下の原因

b0195635_2150194.jpg


このテーマの最初の方でも話しましたが、大腸の機能低下が起こる原因として最も重要なポイントと思われるのが、「繊維質摂取量の減少」と「精製炭水化物摂取量の増加」です。


大腸の機能低下で起こる症状には、一般的には下痢や便秘など、また現代でよくみられるようになった大腸炎などがあげられます。
それらの症状についても後ほどお話していきますが、今日は、この一般的な症状以外にも繊維質が減少したり、精製炭水化物に偏った食生活がさまざまな症状につながるというお話をしたいと思います。


さて、以前アフリカでは、西洋の食物が取り入れられるまでは、虫垂炎が存在することさえも知られていませんでした。
ひとつの研究があります。
南アフリカで、郊外に住む黒人と都市に住む白人の18~20才の学生の中で虫垂炎の発症率を調査したところ、郊外に住む黒人では0.5%、都会に住む白人では16.5%という結果が出たそうなのです。
以前のblogでもお話しましたが、Cleaveというカイロプラクターは、流行病学と過去の統計から大腸菌による、虫垂炎、尿道炎、憩室炎などは、精製炭水化物摂取量の増加と繊維質摂取量の減少により起こることを見出しました。
繊維質の欠乏による便の滞留と精製炭水化物の培地は、大腸の細菌バランスに変化を起こしてしまうのです。

そしてCleaveは以前、そういった疾病を持つ全ての患者さんに対して、繊維質の摂取量の増加と精製炭水化物摂取量の減少の食事指導をして、感染症を治癒させています。


どれだけ、繊維質が大事かということですよね。



さて、先程出てきた「憩室炎」を例にあげてみましょう。
どのような機序で起こるのでしょう。

摂取する食物の多くが精製されている場合、大腸内容物の通過時間は長く、乾燥した固い糞便を移動させるために大腸の収縮が増加するわけです。
このような固い便対する蠕動運動は、大腸を伸長して、最終的に憩室を形成してしまいます。

憩室炎は、固い糞便や糞石による閉塞が憩室を形成することによって起こるとされており、この後に炎症や感染症、腫瘍を続発するので注意が必要なのです。
また繊維質を含まない精製炭水化物の摂取は、副腎機能低下症を合併することが多く、それにより、副腎からの炎症を抑制するホルモンの分泌が減少します。これは、大腸に起こる炎症に対する抵抗力を低下させ、炎症を助長することで、治癒過程がスムーズに行われなくなってしまう可能性があります。


いつも食べている精製炭水化物。
それにばかり偏った食生活は実は怖いものなのです。

その他にも大腸の機能が低下することで、コレステロール値や肥満にも関わることがわかってきています。
大腸の機能が低下すると、腸内のバクテリア(細菌)は胆汁酸に働きかけ、リトコール酸というものを産生します。
この物質は、肝臓に影響を及ぼし、コレステロールの胆汁酸への変化を抑制することになります。

少し難しいと思いますが、要は、肝臓から胆汁酸の形でのコレステロール排除が低下し、血液中のコレステロール量が増加してしまうということなのです。
いわゆる高コレステロール血症ですね。
このことは「胆石症」にもつながっているので、怖いものです。


またこれと関連して、精製炭水化物摂取量の増加と繊維質摂取量の減少は、「肥満」と関わりがあります。
これには2つの原因があるのですが、1つは、いわゆる「空のカロリー」の摂取ということ。
空のカロリーとは、「身体のカロリー摂取量に加えられても、健全な組織の産生には利用されることがないもの」を指します。
たとえば、白砂糖、小麦粉、アルコールなどの精製炭水化物がそれにあたりますが、これらはカロリーだけをあげてしまうものとも言えるわけです。

そしてもう1つの原因は、繊維質摂取量の減少によるものです。
生野菜や果物の繊維質を含む食物は、咀嚼量を増加させ、食事をする時間を長くします(以前のblog参照)。
繊維質を食べることに必要な十分な咀嚼は、唾液量と消化液と食塊を十分に混ぜ合わせてくれます。これは消化機能の向上や容量UPにもつながり、それが満腹感を与えることにもつながるわけです。
少ないカロリーで満腹感を得ることにつながるわけですね^^。

また繊維質摂取量が多いと、便への脂肪分排出量を増加させてくれるというのも大きなポイントでしょう。




このように見ていくと、食物繊維が少なく、精製された炭水化物に偏った食事が、単に下痢や便秘というだけでなく、大腸の機能低下および、さまざまな疾患につながることがわかったでしょうか。
このことは、みなさんが、明日から食事内容を変更するだけで、さまざまな病気の予防が出来るということでもあります。





さて、このように大腸機能低下の原因についてお話してきましたが、大腸機能低下のスタートには、ほとんどのケースで「腸内ガス」の異常発生があります。
腹部膨満を放っておかずに、原因を見つけていち早く解決してあげることが、大腸機能低下を慢性化しないポイントにもなります。
次回からはこの「腸内ガス」や「腹部膨満」について詳しく見ていきましょう^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

[PR]
by chiropratica | 2014-11-18 21:53 | 腸管免疫

NO.548 腸管免疫 その15 酪酸菌と糖化菌

b0195635_21433324.jpg


今日は、乳酸菌の働きを高めてくれる2つの菌のお話。



まずは酪酸菌。
これは、難しく言うと、酪酸を生成する偏性嫌気性芽胞形成グラム陽性桿菌です。
動物の消化管内の常在菌として知られていますが、有名なのはミヤリサンという整腸剤の「宮入菌」ですね!
宮入博士が発見したのですが、胃酸にも強くかなり有益な菌でもあります。

ミヤリサンのHPには、「Clostridium butyricumは偏性嫌気性の芽胞形成性酪酸菌であり、10~20%の人の腸管内に常在していることがわかっています。 そのC. butyricum のなかで、MIYAIRI株は1933年に千葉医科大学衛生学教室(現千葉大学医学部)宮入近治博士により、人腸管内より、腐敗菌に対して強い拮抗作用がある酪酸菌として報告されました。 本菌は腐敗菌をはじめとした種々の消化管病原体に対して拮抗作用を有し、BifidobacteriaやLactobacillus等のいわゆる腸内有益菌と共生することにより、整腸効果を発揮します。 さらに、本菌は芽胞形成細菌であることから、製剤中における安定性および胃酸に対する抵抗性が乳酸菌群と比較し高いことが報告されています。」と説明されています。
酪酸菌の中でも宮入酸は、乳酸菌などと共生し、高い整腸作用を発揮します。

私も以前ミヤリサンにはお世話になったことあります。実はちょっとした知り合いだったりもしまして・・・笑。
宮入菌は、処方薬のミヤBMでも使われています。





さて、次に糖化菌。
糖化菌は単独でも整腸作用の目的で医薬品として使われてきましたが、糖化菌は乳酸菌と共生することが確認されていて、腸内で乳酸菌の増殖に貢献していることがわかっています。
糖化菌の主要代謝産物はアミラーゼで乳酸菌の増殖を促進する働きがあるのですが、デンプンを主体とした栄養成分で構成される液体(培地)で乳酸菌を単独培養した場合、乳酸菌は10倍程度しか増殖しないが、乳酸菌と糖化菌を混合培養することで乳酸菌は培養後約100倍程度に増殖するそう。

糖化菌では、納豆をつくるときに使われる「納豆菌 Bacillus natto」が有名ですが、乾燥した芽胞生菌の状態で存在可能で、胃酸の強い酸性、アルカリ性、熱やたんぱく質の変性の影響を受けずにほぼ100%安定した状態で腸まで届くことができると言われています。また糖化菌の1つであるポリファーメンチカス菌(Bacillus polyfermenticus)には、過敏性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病といった腸の症状の背景にある腸粘膜の炎症の治癒促進をする作用があり、コレステロール、中性脂肪の抑制作用も確認されています。





私も大好きな納豆。
少し詳しく見ていきましょう。

日本古来の大豆発酵食品「納豆」は、世界に誇れる腸活食品です。
食べ物を微生物の力によって発酵させて食べることは、腸内細菌だけでは追いつかない消化力を高め、ビタミンなどの抗酸化物質を増やし、たんぱく質をペプチドまで細かく分解することによって、過剰なアレルギー反応を抑えることにもつながります。
納豆菌は「枯草菌」の一種で、土の中や空気中などいたるところに存在し、枯れ草の表面から分離されることも多い菌です。
熱にも酸にも強く、おそるべき増殖力をもちます。

たとえば枯れたワラを水に浸けて煮沸すると、ほとんどの微生物は熱で死滅しますが、枯草菌は、「芽胞(種の一種)」になって生き残ります。
その後、条件が整うと発芽して、そこで納豆菌が優勢になって繁殖します。
体内ではダイナミックに姿を変え、自らは窒息死して腸を守ってくれます。
たとえば納豆菌K–2株は、お腹に入ると芽胞になり、胃液で消化されないで、生きて腸まで届きます。
そこでいったん「発芽」しますが、腸内には酸素がないため、納豆菌としては死ぬことになります。
しかし、流れ出た菌体物質がビフィズス菌などのエサになり、結果として、腸内の善玉菌を増やすのに大きく貢献するのです。

納豆菌には有機物やアンモニアを分解する働きもあり、最近は水質浄化にも活用されています。すごい能力を秘めた細菌ですね。
最近では、納豆菌と生きた乳酸菌を共存させた製品もたくさん出てきていますよね。
日本人の慣れ親しんだ納豆はこんなに優秀な食材だったわけです。





さて、今日お話した「酪酸菌」と「糖化菌」は、「乳酸菌」とのコンビネーションによって、お互いに共生・増殖することで、かなりの整腸作用が期待されます。
またこれらの菌は酸素の有無によっても生きる環境が違います。


酸素がないと生育できない(偏性好気性菌)・・・糖化菌、納豆菌
酸素があると生育できない(偏性嫌気性菌)・・・酪酸菌、ビフィズス菌
酸素があってもなくても生育できる(通性嫌気性菌)・・・乳酸菌




この酸素の量は長い腸とも関係していて、肛門に近づくにつれて減っていきます。つまり腸の部分によって生育する細菌の種類も変化していきます。
とするとこの3つの菌を摂ることの有益性がわかってくると思いませんか?
そしてなんとこの乳酸菌、酪酸菌、糖化菌が3つセットで入っている医薬品もあります。

その名も「ビオスリー」!


市販でも売っているので、過敏性大腸炎や、下痢・便秘で悩んでいる方、腸が弱い方は、日常で使用する整腸剤としてはお勧めです^^。
薬剤師でもある私の義母が、「なんかビオフェルミンよりビオスリーが効く気がするのよね、お腹痛い時は、ビオスリーがいいわよ」と言っていたというのですが、さすが薬剤師の勘というか。
中に入っている菌の作用がわかっていたかどうかは別として・・・義母すごし。笑。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

[PR]
by chiropratica | 2014-11-14 10:42 | 腸管免疫

NO.547 腸管免疫 その14 日本人のお腹の変化

前回お話した乳酸菌を積極的に摂ることで、便通が良くなったり、アレルギーが改善したりなどの効果を感じることもありますが、いままで話してきたように腸内細菌はいわゆる善玉菌といわれる乳酸菌だけがたくさん繁殖していれば良いというものではなく、悪玉菌と呼ばれている大腸菌などの菌とのバランスが重要になります。
今日の話に入る前に、そこは覚えておいてくださいね^^。



さて、この40年間の日本人の食生活の変化で変わったのは、食物繊維量や動物脂肪の摂取量だけではありません。
ある報告によると、乳酸菌の摂取量も大きく変化しているといわれます。
1960年代までには植物性乳酸菌として摂取していたものが1970年代以降に減少し、これに反して動物性乳酸菌の摂取量が増加しています。
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌摂取量の摂取量のバランスは、1990年代では約1対1に、現在では1対2にまでなっています。


乳酸菌とは乳糖やブドウ糖などの糖類を分解して、乳酸をつくりだす菌のことで、乳酸発酵食品に多く含まれているものです。
乳酸発酵食品といえばヨーグルトやチーズなどを思い浮かべますが、漬け物や味噌などもその代表例です。
乳酸菌は生育される場所によって以下のように分解されます。

動物性乳酸菌・・・動物由来の牛乳や肉類に生育する。
植物性乳酸菌・・・植物由来の漬け物や果汁、穀類などに生育する。
腸管系乳酸菌・・・人や動物の腸内に棲む。




一般には、主にヨーグルトやチーズのように乳(動物性のもの)に生育する乳酸菌を動物性乳酸菌というのに対して、主に漬物や味噌、醤油、酒などの発酵食品に多く生育するのが植物性乳酸菌です。
人間の腸由来の乳酸菌ももちろんいます。人にはヒトの乳酸菌などと言われたりしますよね^^。フェリカス菌という菌が有名でしょうか。


さらにそこから、食べたときに生きたまま腸に到達する腸内乳酸菌と、生きたまま腸内に到達しない酪農乳酸菌に分類することもできます。

生きたまま腸に届いた乳酸菌は、腸内で乳酸を出し、腸の中を弱酸性の環境に整えます。その結果、弱アルカリ性の環境を好む悪玉菌が抑えられ、腸内の善玉菌が増えることになります。そうすると、腸内の環境が良い状態に保たれるので、腸本来の機能が回復され、便秘や下痢の解消につながります。





乳酸菌は、前回のblogでも話しましたが、プロバイオティクスのサプリメントもたくさん出ています。ここで、人間の腸で有益な乳酸菌を少しあげておきましょう。

Lactobacillus bulgaricus(ブルガリア菌)
Streptococcus thermophilus(サーモフィリス菌)
Lactobacillus casei(カゼイ菌)
Lactobacillus acidophillus(アシドフィリス菌)
Bifidobacterium(ビフィズス菌)

これらの菌が入っている発酵食品やサプリメントを毎日摂ることは非常に有益です。
乳酸菌を摂ることで、免疫力も高まり感染症にも強くなります。
ちなみにヨーグルトで摂る場合、糖分が入っているものや、予めフルーツが含まれているものは避けてくださいね。できればプレーンが良いです。サプリメントは様々なものが出ていますので、詳しくは前回のblogを参照してください^^。

さて、他にも今注目されているのが植物性乳酸菌です。この乳酸菌は野菜や米、豆などの植物素材が発酵するところに生育し、植物に含まれるブドウ糖、果糖、ショ糖など、植物ごとに異なるいろいろな糖をエネルギー源にしています。
さらに植物性乳酸菌は、酸やアルカリ、温度変化に強く、過敏な環境条件でも生き続けることができるので、胃で死滅することなく、生きたまま腸に届きやすいことがわかっています。

野菜を発酵させた食品を食べれば、この乳酸菌とともに食物繊維を一緒に摂取することになり、低脂肪・低カロリーなので一石二鳥です。植物性乳酸菌を多く含む代表的な食材は、ぬか漬、しば漬け、野沢菜漬け、味噌、甘酒、キムチ、ザーサイ、サワーブレッドなどです。
日本人の好きなぬか漬けや白菜漬けなどを毎日食べることができれば良いのですが、昔に比べればこれらの摂取量が減少してきています。

日本では、京都の漬物である「すぐき漬け」からとったラブレ菌をよく聞きますよね。


大腸のテーマの最初に述べた食物繊維の不足に加えて、乳酸菌の摂取量が減るにつれて、大腸がんや炎症性腸疾患(難治性である潰瘍性大腸炎、クローン病)にかかる人が増えています。
とくに1980年代以降には、激増しており、2004年には大腸がんは女性のがん死亡の1位になってしまいました。

実は生命力の強い植物性乳酸菌が、日本人の腸を守ってきたのかもしれませんね。
食生活の変化だけでここまでなるというのは、いかに食事が大事かということを思い知らされます・・・。





動物性乳酸菌は、ある程度腸内の栄養環境がある程度高いと繁殖できますが、胃酸と消化酵素がうまく機能していなく、栄養環境が悪い腸では思いのほか、繁殖は期待できないことが多いです。その点、植物乳酸菌は腸の栄養環境が低下していても、繁殖は旺盛なので、人によってはこちらの方が合う方も多いですね。
また動物性乳酸菌は、大体が牛乳由来ですが、乳糖不耐症の方などには合わないことも多いので、こういった点からも日本人に合っているのは植物性乳酸菌と言えそうです。

参考にしてみてくださいね。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

[PR]
by chiropratica | 2014-11-13 10:32 | 腸管免疫


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

最新の記事

NO.600 食物アレルギー..
at 2015-08-19 17:22
NO.599 食物アレルギー..
at 2015-08-12 13:57
NO.598 食物アレルギー..
at 2015-06-17 18:00
NO.597 食物アレルギー..
at 2015-06-10 12:11
NO.596 食物アレルギー..
at 2015-06-03 19:18

以前の記事

2015年 08月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月

検索

カテゴリ

全体
骨のお話
生活習慣病
椎間板ヘルニア
逆流性食道炎
頭痛
骨粗鬆症
牛乳の話
高血圧
変形性膝関節症
炎症の話
消化と栄養吸収
腸の話
腸内細菌の話
回盲弁症候群
睡眠の話
妊娠&出産
栄養(基礎編)
低血糖症
砂糖の話
糖尿病と糖質の悪影響
副腎疲労
副腎疲労 (New)
食物アレルギー
アレルギー対策
大腸ガン
目の病気
老化
耳の病気
更年期障害
代謝の話
脳の健康
マグネシウムの話
花粉症
時間栄養学
生理前症候群PMS
腸管免疫
食べる日記
きまま日記
まじめ日記
未分類

ブログパーツ

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧