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NO.476 糖尿病と糖質の悪影響 その16 「糖化抑制と糖尿病予防に役立つ成分」

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いままで、糖尿病の仕組みや原因、そして糖尿病の合併症、糖化の話を中心に話してきました。
こういった病気を予防していくには、もちろん食事を中心とした生活習慣の改善が重要なのは言うまでもありません。

今日は、それにプラスアルファで、知っておくと糖化抑制に役立ち、さらに糖尿病の予防になる成分をご紹介していきますね。


1.ケルセチン
ブドウ糖をソルビトールに変える酵素を阻害。


2.アラビノース
砂糖の吸収を40%カットしてくれます。L-アラビノースは、長期間使用しても体に無害で、天然のビート大根(甜菜)から得られた成分で、適度に甘みがある(砂糖の1/2)ものです。日本でも食品として販売され入手可能です。L-アラビノースには、血糖を上昇させ、脂質合成をしてしまうショ糖の吸収を抑える作用があり、日本でもアメリカでも糖尿病や高血糖の改善素材として注目されています。


3.α-リポ酸
α-リポ酸の体内での働きは、糖の分解を助けたり、エネルギーを酸性する際の補酵素的な役割を担ったり、強力な抗酸化作用を持つことでも知られています。

(働き)
糖質、炭水化物、脂肪酸、タンパク質、アミノ酸の代謝

解毒作用

コレステロール抑制

強力な抗酸化作用

エネルギー産生

この中でも特に注目したいのが、糖の代謝作用です。
この作用は膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンに匹敵する程とも言われています。5年前にアメリカで行われた研究では、α-リポ酸が糖代謝を促進するとともに、インスリンに対する感受性をも向上させる作用があり、結果として血糖値を下げる効果があることを発表しています。
またすごいのは糖化を抑制する効果もあるということですね。


4.カルノシン
カルノシンはアミノ酸のβ-アラニンとL-ヒスチジンによって構成されているアミノ酸複合体で、人の筋肉や神経細胞に多く存在する物質です。糖化によるAGEが原因の1つとされる白内障の症状改善、緑内障や加齢黄班変性の症状緩和といった、目の症状の改善、予防に優れた効果があることが、動物実験だけでなく人の臨床検討でも報告されています。


5.グアニジン
6.アミノグアニジン
7.ビグアニド
いずれも2型糖尿病の治療薬として処方されてきた薬の主要成分で、ビグアナイド剤と呼ばれ、代表的な薬は「メトホルミン」。これらの成分は、ゴーツルー(Goat’s rue)という植物の花から抽出されたもの。
グアニジンやビグアニドは、インスリン抵抗性を改善、糖代謝を向上させ、糖化の進んでいく過程で化合物(AGEsを含む)を作る行程を阻止する作用を持っています。

(グアニジンを含む植物)
カモミール、ドクダミ、セイヨウサンザシ、ブドウの葉など
アルギニン : 構成成分にグアニジンが含まれているアミノ酸


1.マグネシウム
インスリンの放出とインスリン機能にマグネシウムは関係。2型糖尿病の多くの人のマグネシウムレベルが低いことが判明しています。

2.ビタミンB6
体内でたんぱく質と糖が結合する初期の段階で、たんぱく質と糖の合成を阻害する作用をもったビタミンです。

3.ビタミンC
抗酸化ビタミンはAGEが作られる少し前の段階で糖化を抑えてくれる抗酸化物質です。また糖尿病患者でビタミンCの損失が多いことがわかっています。

4.グルタチオン
肝臓で作られる最強の抗酸化物質です。糖化抑制にも非常に重要です。



是非、参考にしてみてください^^。



小菅一憲

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by chiropratica | 2014-06-27 15:22 | 糖尿病と糖質の悪影響

NO.475 糖尿病と糖質の悪影響 その15 「糖尿病と認知症」

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今日は、最近問題となりつつある糖尿病と認知症についてお話しましょう。
興味深い話なので、糖尿病でない方も是非知識として頭に入れておいてくださいね^^。


1999年に、糖尿病は認知機能低下に影響しているとして、血管性認知症とアルツハイマー病との関わりが発表されました。特に糖尿病は、認知症の発症危険度を1.5〜2.5倍にすると言われています。
けっこう高い数値ですよね。
また最近では、耐糖能異常でも認知症が増えることがわかりました。これについては特に空腹時血糖値より食後血糖値が高いほどなりやすいと言われています。

そしてここがポイントなのですが、高血糖の脳への影響以外にも、低血糖も同様に危険であるということです。低血糖の回数および重症度に比例して認知度の危険度もアップするのです。
要は、脳の大事なエネルギーである糖分がある一定の量が継続して補給されていないと、脳の機能が低下してしまうということなのですね。それは高血糖になっても低血糖になっても問題だと言うことです。




カイロプラクティックの神経学という分野では、脳の機能低下に関して専門的に治療を行なっていますが、やはり慢性的なインスリン抵抗性の上昇、インスリンの過剰分泌とともにアルツハイマーと記憶障害のリスクが増えるとしています(ワシントン医学大学)。


また低血糖時もそうですが、ストレスも大きな要因になります。
ストレスや低血糖時は、副腎から抗ストレスホルモンである「コルチゾール」が分泌されますが、コルチゾールの過剰分泌が長期に続くと「海馬」へのダメージが起こり、記憶や学習能力の低下を引き起こすと言われているのです。

海馬とは・・・
大脳辺縁系の一部である、海馬体の一部です。
特徴的な層構造を持ち、脳の記憶や空間学習能力に関わる脳の器官で、虚血に対して非常に脆弱であることや、アルツハイマー病における最初の病変部位としても知られており、最も研究の進んだ脳部位です。




このように、当初は認知症に対して、高血糖の影響が考えられましたが、実は低血糖も同様に危険であることが各研究で明らかになっているのです。
低血糖の回数および重症度に比例して、低血糖発作1回ごとに認知症の発症危険度が上がります。
こうなるとこれからの時代の血糖コントロールは、高血糖と同様に一度も低血糖を起こさないコントロールが要求されます。
むやみにインスリンを使って良いということではないのですね。
薬で血糖値を下げる場合も、低血糖を起こさないようにうまくコントロールしていかなければなりません。



これは、ヨーロッパなどで、ヘモグロビンA1cの目標値が緩めに修正されていることと無縁ではないのです。
今日はかなり重要な話だったと思います。
糖尿病の合併症予防のための血糖コントロールは重要ですが、低血糖も注意していかなければならないポイントでもあります。
糖尿病でなくても、現在若い世代にも甘いものや精製炭水化物の取り過ぎで、反応性低血糖症というものがありますが、その症状の1つに記憶低下や集中力低下があるのは、まさにこういうこととつながりがあるとも言えるでしょう。



小菅一憲

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by chiropratica | 2014-06-26 12:59 | 糖尿病と糖質の悪影響

NO.474 糖尿病と糖質の悪影響 その14 「糖尿病の合併症」

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今日は、糖尿病で一番怖い「合併症」の話をしていきます。
糖尿病は血管の病気と言われるように、糖尿病では血管性の問題が合併症としてはと有名です。
それもそう、糖尿病の3大合併症(網膜症、末梢神経障害、腎症)は最小血管障害と呼ばれているのです。

全身の中でもとくに腎臓、目の網膜、神経にブドウ糖をソルビトールに変えるアルドース還元酵素が多いので、その部分に 血管障害が現れやすいと言われています。
またこれらの合併症は、糖尿病を発症してから経過が長いほど起こりやすく、HbA1cの値が8.0以上になると悪化しやすいのです。




では、少し詳しく見ていきましょう!


糖尿病の合併症は何が原因で起こるのでしょう?
これには2つ原因が挙げられます。
どちらも糖尿病によって、血糖値が高い状態が続くと、血液中の余ったブドウ糖が問題を起こすということなのですが、1つは、ここ何回かやってきた「糖化反応」です。そしてもう1つが「ソルビトール」という糖アルコールの問題です。


1.糖化反応

高血統状態が続くと、血液中のブドウ糖は体を構成する細胞のたんぱく質と結合し、「糖化タンパク」になり、これはタンパク質が変性した物質であり、たんぱく質としての正常な働きができなくなります。要は血管が硬くなってしまうということですね。したがって高血糖が続くと、血管細胞や細胞内のタンパク質に異常が起きて、合併症を引き起こします。


2.ソルビトール

ソルビトールとは、ブドウ糖(グルコース)から合成されてできる糖アルコールの一種で、砂糖の60%の甘味度があります。食品添加物、甘味料、化粧品としても使われていますね。
このソルビトールは、糖尿病の合併症の原因の一つと考えられています。
血液中のブドウ糖の量が増え続けると血管を構成している細胞の中で「アルドースリダクターゼ(還元酵素)」が働き出します。これはブドウ糖をソルビトールというものに変えるものなのですが、血糖値が正常なときにはソルビトールがもしできても果糖に変えられて細胞外に出されますが、高血糖状態が続くと次々にソルビトールが作られ、処理しきれなくなり、血管細胞(特に細小血管を構成する内皮細胞)内にソリビトールが増えてしまいます。
しかし、血管にはソルビトールはあっていけないので、それを薄めるために浸透圧によって細胞内に水が入ってきます。すると血管細胞内は水ぶくれ状態になり、血管が脆くなり、細小血管に障害が起きてくるわけです。
全身の中でも時に腎臓、目の網膜、神経にアルドース還元酵素が多いのでスルビトールが作られやすいために細小血管障害として合併症が現れやすいのです




糖尿病の主な合併症としては・・・

○糖尿病網膜症
悪化すると・・・失明

○糖尿病腎症
悪化すると・・・人工透析

○糖尿病神経障害
悪化すると・・・壊疽による足の切断

○動脈硬化
悪化すると・・・脳梗塞、心筋梗塞

○歯周病
悪化すると・・・歯の消失



こういったものが挙げられます。
悪化すると・・・のところがとても怖いと思いますが、そこまでいくことをなんとか防ぐように血糖コントロールが行なわれるわけです。
もちろんそのコントロールがうまく行けば回復は出来るので、むやみに不安になったり落ちこんだりしないで下さい。

また病気の状態に応じて、さまざまな治療法があります。

例えば糖尿病の合併症である網膜症が見つかったから、初期の段階の「単純網膜症」は、血糖のコントロールで症状を改善することができます。血糖をきちんとコントロールしていれば、網膜症の進行を食い止め、小さな出血は自然に消えることもあります。「増殖前網膜症」の段階までは、レーザーを利用した「光凝固」という治療法が行われます。出血や白斑が消え、病気の進行を防ぐ効果があります。末期段階の「増殖網膜症」の場合、比較的軽い場合はレーザー光凝固で治療しますが、硝子体出血や網膜剥離が起きていたら、「硝子体手術」を中心とした治療が行われます。出血のある硝子体を取り除いたり、増殖膜を切り取ったりする手術です。膜にレーザーを当てて、小さなやけど(凝固斑)をつくることで、新生血管の発生を防いだり、出血や白斑を解消する効果があります。



いかがでしたか?

今日は怖い糖尿病の合併症についてお話しましたが、最近では、糖尿病とガンそして認知症との関わりが強く言われるようになりました。
次回は「糖尿病と認知症」について少しお話したいと思います。
お楽しみに〜^^。



小菅一憲

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by chiropratica | 2014-06-25 12:12 | 糖尿病と糖質の悪影響

NO.473 糖尿病と糖質の悪影響 その13 「糖化を防ぐ食材」

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ここ2回ほど、「糖化」についてお話してきました。
糖化反応「メイラード反応」は、人間の身体を構成するタンパク質と余ったブドウ糖が結合することで、それによって出来る最終糖化産物「AGEs」が悪さをするということでしたね。
AGEsはタンパク質とタンパク質の間に架橋を形成することで、タンパク質の硬さや脆さを作ってしまうと言われています。末梢神経が働かなくなる、細胞壁がダメになる、血管が詰まる、歯槽膿漏、朝勃起しない、肌のしわ、弾力性の低下なども糖化の成れの果てです。
そして糖尿病というのは、まさに身体の中でこの糖化が溢れている状態です。



今日は、この最終糖化産物「AGEs」をいかにして作られないようにするか、(架橋形成)クロスリンクを阻止してくれるような食材や栄養素を紹介しましょう。


グアニジン
アミノグアニジン
ビグアニド化合物


これら3つの成分は、ゴ―ツルーというハーブに含まれる薬効成分で、インスリンの抵抗性を抑制し、糖代謝を促進してくれるものです。最近の研究では、グアニジンとビグアニドにはAGEsの形成阻害作用があることがわかっています。
このグアニジン、カモミールやドクダミ、セイヨウサンザシ、ブドウの葉にも含まれていることがわかっているので、こういった成分を30代くらいから日常で取り入れるようにすると糖化抑制に多いに役立つかもしれません。

その他、強力な糖化抑制作用をもつ素材として「α-リポ酸」があげられます。
α-リポ酸はヒアルロン酸の合成も促進してくれるので、美容の面から見ると、糖化抑制とヒアルロン酸によるダブル効果があるわけですが、オススメはR-ALAのタイプです。
α-リポ酸にはSのタイプとRのタイプがあるのですが、Sタイプだと体内でビタミンB6とマグネシウムを使って変換する手間があるので、R-ALAがオススメなのです。

食べ物では、α-リポ酸を含むものとして「ブロッコリー」があります。
ブロッコリーは、私のblogでも紹介しましたが(こちら)、本当に栄養豊富で生活習慣病予防の強い味方になってくれる野菜ですね!ただ、α-リポ酸を摂るのなら、ブロッコリーを熱しないでください。α-リポ酸は熱に本当に弱くて、熱するとなくなってしまうのです。日本人はブロッコリーを生で食べるのには慣れていませんが、α-リポ酸を意識するなら、生かジュースで摂ることが良いでしょう。


α-リポ酸は糖化抑制作用以外にも、体内で強力な抗酸化作用を持つグルタチオンを作るのにも必要で、TCAサイクルで糖からエネルギーを作るのにも必要になります。α-リポ酸を摂ると元気が出ると言われるのはそのためですね。うつ様症状や慢性疲労などにも効果的です^^。
なお、サプリメントで摂った場合に、飲んだ後1時間以内に尿をすると硫黄っぽい匂いがするのは、体内でα-リポ酸がしっかり吸収され代謝された証拠です。

その他、糖の過剰結合の予防としてビタミンB6や抗酸化物質としてビタミンC、E、グルタチオンなども重要な栄養素の1つでしょう。



小菅一憲

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by chiropratica | 2014-06-24 13:36 | 糖尿病と糖質の悪影響

NO.472 糖尿病と糖質の悪影響 その12 「最終糖化産物AGEsとクロスリンクセオリー」

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今日もとても良い天気ですね。
昼は外で日向ぼっこしたいぐらいです。
サッカーは引き分けでした。本当に惜しい場面が何度もありました・・・。
また次を応援しましょう^^。

さて、今日は前回お話した「糖化」によって出来る最終糖化産物AGEsとそれによる架橋形成(クロスリンク)についてお話していきます。



糖化は、人間の身体を構成しているタンパク質と余ったブドウ糖が結合することとお話してきました。
そしてこの過程では、身体のタンパク質中のリジン残基のアミノ基あるいはアルギニン残基のグアニジル基が、血中に余ったブドウ糖のカルボニル基と反応し、「シフ塩基」というものを作ります。そしてその後「アマドリ化合物」を経た上で、「最終糖化産物AGEs」を作るわけです。
そしてこの最終糖化産物であるAGEsがタンパク質のコラーゲン繊維を結ぶ新たな架橋となってしまうのですね^^。

例えば皮膚のタンパク質のコラーゲン部分で通常の架橋以外に、こういったAGEsによる架橋形成が起こると分子が硬くなり、皮膚本来の弾力性も失われてしまいます。
特に以前から美容の分野で「糖化」が注目されているのはこういったことからですね。
コラーゲンやエラスチンの架橋によって架橋物を分解する酵素が増えますが、架橋物よりもコラーゲンやエラスチンを分解してしまうので、肌のハリや弾力性が失われ、しわ、たるみ、くすみなどの原因となるわけです。



いったん作られた最終糖化産物AGEsはなかなか分解されず、AGEsの蓄積が進むほど老化も進みます。私たちの身体は15%程がタンパク質で出来ているので、糖化を完全に防ぐことは出来ませんが、糖化による副産物「AGEs」をどう作られなくするかがとても重要になってくるでしょう。
一般的に皮膚の真皮は70%程をコラーゲン繊維が占めており、橋をかけあう、いわゆる架橋結合することによって肌の張りを保っていますが、余分な架橋結合である悪玉架橋は、肌の弾力や張りを失い、肌を硬くすることにつながります。



ここで一旦、老化の話にも少し触れておきましょう。

老化は、医学的には・・・
「年々歳を重ねていく加齢とともに、身体の臓器の機能が低下して、ホメオスタシスの維持が困難になり、死に至る過程」
・・・となっています。


死に至る過程のいうのが寂しい感じがしますが、要は、生命を維持していくためのシステムに不具合が生じてきて、やがては死に至る、その過程というわけですね。
年齢とともに体力の低下が起き、この体力の低下にともない環境への適応能力が低下、このため、ストレスに対抗する能力が低下し、体調を壊したり、食べ過ぎて肥満になったりします。こういった悪循環が起こることも老化の特徴です。
老化のメカニズムには現在、以下の3つの考え方があります。


1.細胞プログラム説(遺伝的に仕組まれている老化)
2.分子障害説(後生に外から訪れる老化の作用)
3.遺伝子説(遺伝的に仕組まれている老化)



1.細胞プログラム説(テロメア説)

この説は比較的新しい学説です。私たちの身体では常に細胞分裂が繰り返されています。しかし、実は細胞が分裂できる回数には限りがあるのです。
体内には寿命の時計が組み込まれています。この時計の名前を「テロメア」と言っていますが、この「テロメア」、何をしているかというと、細胞の分裂できる回数を決めている部分なのです。
テロメアは、染色体の先に伸びている核酸で、染色体を保護する役割をしているのですが、細胞分裂を繰り返すとこの部分がだんだん短くなります。これが老化になるのです。
要は、何度も分裂をしてテロメアが短くなりすぎると、その細胞はもう分裂できなくなるのです。
細胞が分裂して新しい細胞を作ることが、細胞を維持することには重要なのですが、それができなくなると、機能が低下してしまいますよね。

これが老化ということなのですね。


2.分子障害説

この説は、みなさんにも馴染みがあるかもしれませんが、活性酸素によって身体がさびついてしまうことが老化の原因という説です。

フリーラジカルという言葉は、聞いたことがあるでしょうか。
電子には、いつもペアになりたがる変わった性格があります。100種類ほどある原子の大部分はシングル電子をもち、水素は1つ、酸素は2つというようにその数もはじめから決まっています。たとえば、酸素にはこの腕が2本ありますが、酸素の両手に水素が1つずつつながった時に、全部が落ち着いた関係になります。
お水、つまりH2Oはこの状態ですよね。
ちなみにこのH2Oからむりやり水素電子をひとつはぎとると、パートナーのいない手が1本残されてしまいます。これこそがフリーラジカルと呼ばれるものです。
フリーラジカルは、「ペアになっていない電子を抱え、非常に反応しやすくなっている原子や分子」のことです。フリーラジカルの中には、電子のペアを作るために、他の分子から強引に電子を奪う過激分子もいて、その代表格が「活性酸素」なのです。

こういうフリーラジカルなどによって攻撃されると、身体にはさびるミネラル分もありますし、細胞膜は油でできているので、酸化によってどんどん身体がさびついていきます。
さびついてしまうと細胞も持っている機能を充分に果たせなくなるのです。

分子障害説は、これが老化の原因とする説です。


3.遺伝子説

もう一つは、老化を促進する遺伝子があって、それがプログラムとして組み込まれていることによって老化が起きるとしている遺伝子説です。




そして、比較的新しい考え方としてこの3つの老化の原因以外に、栄養素摂取セオリーとクロスリンクセオリーという考え方があり、注目されています。
栄養素摂取セオリーというのは、60兆個の細胞のに不可欠な栄養素欠乏、摂取不良とビタミン、ミネラルの相互相殺作用によって老化が促進するというもので、確かにこれは納得する方も多いと思います。
もう1つのクロスリンクセオリーが、今回お話している「AGEs」やそれによる「架橋形成」と関わる部分です。
もうお気づきになるかと思いますが、糖分またはアルデヒドとタンパク質の結合が細胞組織の機能に及ぼす影響によって老化が促進するということなのですね。



いかがでしたでしょうか?



前回と今回で、「糖化」について触れましたが、アンチエイジングのことを考えていくのなら、みなさんもAnti-Aging老化抑制からさらに、Anti-AGEing糖化抑制という考え方に見方を変えてみてはいかがでしょう?
それこそが、本当の老化予防になることは言うまでもありません。
次回は、架橋形成(クロスリンク)を防ぐ食材についてお話します^^。



小菅一憲

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by chiropratica | 2014-06-20 13:34 | 糖尿病と糖質の悪影響

NO.471 糖尿病と糖質の悪影響 その11 「糖化の話」

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今日から、糖尿病や糖質の問題を話す上で何より大切な「糖化」の話と、糖尿病の合併症についてのところに入っていきたいと思います。

みなさんは、「糖化」という言葉は聞いたことがあるでしょうか?
最近TVでもにわかに健康番組で「糖化予防」「糖化抑制」という言葉が流れていたので、知っている人も多いかと思います。
「糖化」は、酸化と同じく老化に関わっているとして、近年注目を集めています。
生体反応としてこの糖化反応が注目されるようになり、1960年にその代表的な生成物としてヘモグロビンA1cが血糖コントロールの指標として、臨床に応用されるようになりました。さらにこの10年ほどの間に糖化反応は、老化現象、認知症、ガン、心臓病につながる大きな問題として取り上げられています。



現在、老化についての原因としてあげられているのが・・・

フリーラジカル
遺伝子の突然変異
ストレス
免疫システム
細胞プログラム
ホルモンバランス

です。


老化についての話は、また後にテーマにしてお話したいと思いますが、これ以外にもクロスリンクセオリーと言って、糖分またはアルデヒドとタンパク質の結合が細胞組織の機能に及ぼす影響によって老化が促進してしまうことが言われています(Advanced Glycation and Products)。この糖分とタンパク質が結合してしまうことが「糖化」といい、それによって作られた最終糖化産物がAGEsと呼ばれているわけです。そしてAGEsを防ぐことが糖化及び、生活習慣病を予防することにつながります。
糖尿病はまさにこのAGEsが溢れている状態になりますね。



さて、この「糖化」。

人間の身体を構成しているタンパク質とブドウ糖が結合する
「メイラード反応」が身体で起こる
身体を構成するタンパク質の正常な働きが失われてしまう
糖尿病だけでなく、老化現象、認知症、ガン、心臓病にも関わっている


こんなところが重要なポイントでしょうか。
これだけ聞いただけでも怖い感じがしますよね^^。
メイラード反応とは、物質(動植物)の中にある糖とたんぱく質(アミノ酸)が反応して、褐色に変化する反応です。物質が何かに変化する場合には、酵素(触媒)がかかわることが多いですが、メイラード反応の場合には酵素が関与しません。メイラード反応によってモノの色が褐色に変化する反応には、温度と pH(酸度/アルカリ度)が深くかかわっているそう。

たとえば切ったリンゴをずっと置いておくと、果肉が褐色に変化しますよね?
これがメイラード反応、つまりリンゴの果肉の細胞が「糖化」しているということなんです。
メイラード反応はpHの数値が大きくなる(アルカリ性方向に進む)ほど反応が進んで褐色が現れやすく、また色も濃くなり、pH3-9の間が最も反応が進むと言われています。また、温度が高いほど反応が進み、温度が10度高くなることで反応は5倍進むとも言われています。

リンゴの他には、プリンのキャラメル部分やサンマの焦げ、ホットケーキの茶色になったところ、オニオングラタンスープの褐色部分などなど・・・。
私たちの日常生活の中でも糖化は、ごく自然に起こっていることです。




この糖化がもし人間のカラダの中で起こったらどうなるでしょう?
これが大問題になるわけなのです。

メイラード反応とは、糖がたんぱく質(アミノ酸)と反応して起こる糖化のプロセスですが、これと同じような反応が体内で起こることによって、細胞に様々な影響をもたらすことになります。
たとえば糖尿病における手足のシビレや眼底出血等も糖化のなれの果てと言えるでしょう。血糖が高いと余った糖分が身体のタンパク質と糖化反応を起こします。
それが皮膚で起これば、皮膚のシワや弾力の低下につながり、血管が糖化によって濁ってくれば、白内障なども起こりえるわけです。
末梢神経が働かなくなったり、細胞壁がダメになったり、血管が詰まったり、歯槽膿漏、朝勃起しなくなる、白内障、皮膚のシワ、弾力の低下・・・などがこの糖化によって作られているものだとすれば、いかに体内で糖化を促進させないようにするかが、生活習慣病や老化の予防につながるということが理解できるのではないでしょうか?



糖化とは糖とタンパク質(アミノ酸)が反応することで起きますが、糖もタンパク質も人間にとっては大切な栄養であり、エネルギーであるので、人間が生きていく上では「糖化」は非常に身近な現象でもあるのです。


インスリンへの抵抗性を持ち始めると、2型糖尿病に近づきますが、そうなると、血中のグルコース(糖)のコントロールがうまくできなくなります。血液中を慢性的に高い濃度の糖が流れることは危険ですよね。
それは酸化ストレスも高くなることはもちろん、糖化が起こりやすくなるということにあるのです。末梢の細胞などで糖化が起こると、最終糖化産物AGEsが作られます。このAGEsによって末梢の細胞や神経に問題が起こると、視覚障害や末梢神経に深刻な欠陥が起こってしまうことがあります。
これを防ぐのは、その人の年齢、性別、仕事、環境にあった食生活(主に糖質、タンパク質、脂質の栄養バランス)が重要になってくるのは言うまでもないでしょう。




小菅一憲

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by chiropratica | 2014-06-19 12:10 | 糖尿病と糖質の悪影響

NO.470 糖尿病と糖質の悪影響 その10 「糖尿病は遺伝だけとは限らない」

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糖尿病が発症するのは、遺伝だけとは限りません。
体質的な遺伝子因子が考えられるとしても、それだけでは病気にはなりません。外から加わる環境的な因子があって、初めて発病するのです。感染症も感染のほかに、外傷や精神的なストレスが加わったとき発病するのではないか、と考えられています。
ピストルの弾は引き金を引くと発射されますが、引き金を引かない限り、発射されません。これと同じで、糖尿病も弾(遺伝子)がこめられていても、自分で引き金を引かなければ発症しないのです。糖尿病の場合の引き金は、食べ過ぎ、飲み過ぎ、肥満、運動不足などになりますね。

今日はその他の因子を細かくみていきましょう!



【喫煙】

喫煙は、酸化ストレスと動脈硬化に関連しています。
体内で発生した活性酸素や外から取り込まれた活性酸素は酸化ストレスを引き起こし、身体に様々な障害を引き起こします。インスリンを製造している膵臓のβ細胞は活性酸素で障害されて、インスリンが充分に作られなくなります。最近の研究では、酸化ストレスによる障害の仕組みもわかってきており、その一つは酸化ストレスが「P53」という抑制遺伝子の老化シグナルを活性化することです。酸化ストレスによって細胞の老化が進み、インスリンが分泌されても作用しにくくなるインスリン抵抗性が増悪するようになります。また筋肉細胞も障害されて機能が低下するため、インスリン抵抗性を持ちやすくなります。

また血管が硬く、もろくなる動脈硬化が進むと、心臓、脳神経系、腎臓、眼、皮膚、膵臓、筋肉などの全身の臓器、組織の血流量が減少して、様々な障害を引き起こすようになります。いわゆる糖尿病合併症です。


【飲酒】

肝機能低下につながります。
血液中に余ったブドウ糖は、肝臓に取り込まれて、肝臓の中でブドウ糖が結合してグリコーゲンに換えられて蓄積されます。そして、血糖値が下がったときに肝臓からブドウ糖に分解されて放出されています。また、肝臓では、アミノ酸などからもブドウ糖を作っており、「糖新生」と言われます。肝機能が低下するとブドウ糖の放出量が調整されにくくなり、血糖値が上昇しやすくなるとともに、低血糖にもなりやすくなるのです。


【食べ過ぎ】

膵臓の酷使につながります。
膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンは、筋肉細胞にあるインスリン受容体と結びついて、筋肉細胞の中にブドウ糖を取り込んでいきます。膵臓は、血液中のブドウ糖が多くなると、インスリンを出して血糖値を下げます。ブドウ糖が多い状態が続くと、膵臓はインスリンを出し続け、限界に達すると疲弊した膵臓からはインスリンが分泌されにくくなります。そのために常に血糖値が上昇しやすくなるのです。


【肥満】

内臓脂肪が多く蓄積されると、内臓脂肪からTNF-αやレジスチンといった物質が放出されます。TNF-αは悪玉アディポカインと呼ばれる生理活性物質で、インスリン抵抗性を引き起こします。レジスチンはインスリン抵抗性を高めるペプチドです。
一方では、血管を保護し、インスリン抵抗性を改善してくれる善玉アディポカインが低下してきます。また内臓脂肪が多く蓄積されると、血液中遊離脂肪酸が放出されますが、遊離脂肪酸は肝臓で高濃度になるとトリグリセライド(中性脂肪)の産生を高め、脂肪肝を起こしやすくなります。遊離脂肪酸の高値は、膵臓からのインスリン分泌を障害するようになります。


【運動不足】

筋力の低下につながります。
ブドウ糖の消費をして減らしている大きな臓器が筋肉なので、筋肉の量が減るとブドウ糖の処理能力が低下し、血糖値が上昇しやすくなります。インスリンの働きによって、ブドウ糖は筋肉細胞に取り込まれてエネルギーとして活動に使われます。筋肉でのエネルギー消費が少ないと、インスリンを受け取る受容体が働かなくなり、インスリン抵抗性が引き起こされます。


【妊娠】

妊娠糖尿病は8人に1人の妊婦さんがかかる、とっても頻度の高い病気です。妊娠時には胎盤で血糖値を上げやすいホルモン(インスリン拮抗ホルモン)などが産生されるため、妊娠中期以後にインスリンが効きにくい状態になり(インスリン抵抗性)、血糖値が上昇しやすくなります。 
 正常の妊婦さんでは、インスリン抵抗性になる時期には、膵臓からインスリンを多く分泌して血糖値を上げないように調節します。しかし必要なインスリンを分泌することができない体質の妊婦さんでは、血糖値が上昇します。
これは、生物の歴史は飢餓の歴史で、子宮の中にいる胎児にちゃんと栄養が行くように作られたシステムなのですね。
それが飽食の時代と高齢出産の割合の増加によって、妊娠にとって有害な域まで血糖が上がってしまうこともしばしば起こるようになったのでしょう。


【手術】

身体に外科的なストレスが加わることにより交感神経系が活性化され、アドレナリン、グルカゴン、コルチゾール、成長ホルモンなどが放出されます。 これらは抗インスリン作用を持つと共に末梢性のインスリン抵抗性の亢進を起こして、 外科的糖尿病と呼ばれる高血糖状態を引き起こしやすくなり、 特に糖尿病患者では症状が増悪することが多いと言われています。
糖尿病のない人でも大きな手術を受けるとそのストレスで一時的に糖尿病状態になる こともあるので、糖尿病の人はなおさら注意する必要があります。

ちなみに術前に血糖コントロールが悪いと、これを是正してから手術ということになりますが、緊急を要する手術ではそんな悠長なことは言ってられませんので、やむを得ず手術を行わざるを得ません。また、麻酔などに使う薬品でも血糖値に影響を与えるものがあります。 もちろん悪影響のある薬は使いませんが、 いろいろな状態によっては使わざるを得ないこともあります。
さらに、手術中には不測の事態に対処するため頻回に血糖値や、電解質、ケトン体などの チェックが必要になります。
また神経障害があると手術中に血圧の低下をきたしやすいとも言われ、糖尿病のコントロールが悪いと動脈硬化が早く進むことはもちろん、動脈硬化が強いと手術中の出血量が多くなることもあります。その他、手術が終わってからも、血糖コントロールが悪いと傷が治りにくく化膿しやすくなります。
このように糖尿病があると外科手術に際していろいろ不利なことが生じるのですね。

その他には・・・
【ストレス】
【感染症】
【薬物の乱用】
もあります。


さて、少し難しい話だったとは思いますが、これらが遺伝以外に、糖尿病の引き金を弾いてしまう因子ということです。
特に糖尿病の遺伝素質をもっている人は、弾丸の入っているピストルと同じで、いつでも発射OKという危険な状態にいます。
そして引き金をひく犯人がこういった生活習慣というわけなのです。

糖尿病になる原因は実にさまざまです。それこそ多くの生活習慣が関わっているのです。
最近では糖尿病の家系的因子を持っている人だけが糖尿病を発症するとは限らなくなっています。
あなたの糖尿病の真の原因が、あなたが思っているものと違う生活習慣にあるかもしれません。
それをあなた自身で見つけてみませんか。
隠れていた真の原因である生活習慣を見つけだし改善することで、糖尿病の治療の成果を高めることができるのです。
薬に頼る前に、真の原因である生活習慣を見つけましょう。
そして、糖尿病の人もそうでない人も糖のことを良く知って、自分に合った食事でコントロール、予防していくことが大事ですね^^。




小菅一憲

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by chiropratica | 2014-06-18 16:24 | 糖尿病と糖質の悪影響

NO.469 糖尿病と糖質の悪影響 その9 「糖尿病の治療 〜カロリー制限食の限界〜」

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さて、今週も始まりましたね。
今日は、糖尿病の治療についてお話していきます^^。

糖尿病と診断されると、まずお医者さんに言われることは「糖尿病の治療の基本は一に食事療法、二に運動!」です。そしてこの食事療法とは大抵は、カロリー制限食になりますね。
たとえば、身長170cm体重80kgのデスクワーク中心のサラリーマンでは、1日の総摂取カロリーは1,600kcal程度に抑えられ、そのうち55〜60%を炭水化物で摂取し、脂質は20〜25%以内に抑えるように指導されます。しかし、この食事では圧倒的に物足りなさを感じる人が多く、食後の血糖値の上昇は十分に抑えられないのが現実です。
そして食事療法をしてもヘモグロビンA1cが目標のレベルまで下がらないと、血糖を下げる内服薬を使いましょうということになります。またそれでもダメなら、いよいよインスリン注射に移ることに。

実際は、食事制限と薬だけだと改善してこないのが現実です。
そういうことから、栄養療法では、良質なタンパク質とビタミン、ミネラルを摂ってもらうことで合併症を防ぐことになります。




糖尿病は「海の波」に良く似ています。
海辺で遊んでいる時は安全でも、波に流されて沖に出てしまうと、努力なしには岸に戻ることが出来ない、そして流されている時にはあまりその状況を認識出来ないなどの点が似ているのです。
このことは私もサーフィンをするので、良くわかります^^。
糖尿病の場合、食事と運動を改善する努力をすることで、ある程度は安全な状態を維持することが出来ます。ただし、それは沖に出る前のこと。糖尿病と診断されたその時には、すでに健康の岸から遠く離れています。出来るだけ早く行動することが、その後の明暗を分けることになるでしょう。

糖尿病の治療にかかる費用ですが、年間で合併症がないと約24万円、合併症を伴うと約35万円になるという研究があります。合併症があると医療費は1.5倍も高くなり、それだけでも大きな負担ですが、糖尿病腎症を発症するともっと大変です。透析が必要になると、それにかかる費用は年間500万円にもなります。
糖尿病が疑われた時、どう反応するかは人により異なります。
現実には、自覚症状があまりないため、人によってはあまり治療を受けない人もいます。


それもそう、糖尿病患者で、きちんと治療を受け、血糖値をうまくコントロール出来ている人は患者全体の18%にすぎません。
しかし、必ずしも理想とする数値を目指さなくても、そこそこ良い数値を保つことにも意味があります。
それは何より合併症が怖いものだからです。
ある程度良い数値を保つことで、合併症を予防出来れば、患者さん自身の生活の質をより良い状態に保てるだけでなく、医療費の抑制ににもつながります。




少し話しは戻って、お医者さんで指導されるカロリー制限食ですが、これが万事オッケーかというとそうでもありません。

日本人の2型糖尿病の6割は太っていないことが、厚生労働省の調査などで示されています。
2型糖尿病では、血糖値を下げるインスリンを作り出す能力が低下すること(インスリン分泌低下)と、インスリンに対する感受性が悪くなること(インスリン抵抗性)の2つが原因となり、インスリンの作用不足が引き起こされ発病します。
実は日本人の体質的に、「欧米人比べてインスリン分泌能力が低いため、太っていない人でも糖尿病になりやすい」と言われています。このことをあまり認識していない人も多いのですが、これは、太っていないから大丈夫と思っていても、過食や運動不足が原因で糖尿病を発症する可能性があるということです。
2型糖尿病は、遺伝的な素因が深く関わっていますが、加齢のほか日常の生活習慣が誘因となって発病するので「生活習慣病」とされています。現代生活では食べ過ぎ、運動不足、ストレス、アルコールの飲み過ぎなど、糖尿病を招きやすい条件がそろっています。ある調査では、自分が将来、糖尿病になる可能性があると思うと回答した人にその理由を尋ねたところ、「運動不足」がもっとも多く69.7%、次いで「体型が太っている」が37.6%、「ストレスがかなりたまっている」が26.0%、「食生活が乱れている」が25.2%、「近親者で糖尿病の人がいる」が24.6%という結果だったそうです。



「やせ糖尿病」では多くの場合インスリン分泌が低下しています。
インスリンは血糖を下げる以外に、余剰の炭水化物を中性脂肪に変え脂肪組織に蓄える働きをしているので、インスリンの分泌が少ない人はなかなか太れないわけです。
このような患者さんの食事指導をどうするかはとても難しい問題です。実際には「やせ糖尿病」の患者さんにもカロリー制限食が指導されることが多いようです。しかし、カロリー制限食を忠実に守ると患者さんはいっそう痩せてしまい、しかも食後高血糖は改善しないという結果になります。




そしてここ10年でかなり有名になってきた糖質制限食。
確かに、炭水化物の摂取量を減らし、その分脂質やタンパク質の摂取量を増やすことで、総摂取カロリーを減らすことなく、血糖値を下げることができます。また膵臓に対するインスリン分泌刺激を減らすことにより、限られたインスリン分泌機能を温存することが出来るというメリットもあります。

しかし、現実はそう簡単ではなく、糖質を制限すると食欲が低下するため、総摂取カロリーも減ってしまう場合が多いのです。またもともと脂の嫌いな方の場合は、炭水化物を減らした分を脂質で補うことが出来なかったり、胃腸が弱くてタンパク質の消化が辛かったりと、やはり総摂取カロリーが減ることになります。そうなると、カロリー制限食と同様痩せた患者さんがさらに痩せてしまい、死亡危険度が高まるという結果になりかねません。



もちろん何よりも、うまく食事のコントロールが出来れば糖尿病の状態はかなり変わってきます。
しかしそれには新しい食事の考え方が必要です。
その人の年齢、食物の好み、食に対する意識、本人もしくは配偶者の調理能力、家庭環境、そして代謝タイプを考慮したオーダーメイドの食事バランスを考える必要があるのですね^^。

またこれについては後半に詳しく説明していきますね。



小菅一憲

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by chiropratica | 2014-06-17 15:58 | 糖尿病と糖質の悪影響

NO.468 糖尿病と糖質の悪影響 その8 「糖尿病の自覚症状と診断基準」

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前回は、糖尿病についてお話しましたが、今日は糖尿病の自覚症状にはどんなものがあるか、そして今、糖尿病の診断はどうやって行なわれているかについて、お話したいと思います。

糖尿病の初期症状がわかれば早期発見に役立ちます。
しかし、現実的には、糖尿病は「沈黙の病」とも呼ばれ、めだった「自覚症状」がないのが特徴です。 そして、血糖値が相当に高くなり、その状態が続いた時点で、それなりの自覚症状が現れることがあります。
実際には、糖尿病と診断されるのはかなり後の方で、その前に血糖値の不安定な状態が続いていることが多いです。
ただ、自覚症状的なものを知っておくのは意味があるでしょう。



自覚症状として表れやすいのは…

□異常な喉の渇き、水をよく飲む
□尿量が多い、夜中何度もトイレに行く
□疲れやすい、身体がだるい
□しびれやすい
□こむら返りが起こりやすい


これらの症状は、「自覚症状の中での『初期症状』」にあたります。 『初期症状』ですけれども、高血糖の状態がある一定の期間、継続してから感じる症状であるといわれます。 つまり、上記の『初期症状』があるならば、できるだけ早く血糖値などの検査をしたほうがよいでしょう。

通常、糖尿病の症状としてあるのは、喉が乾いたり、水をよく飲む、そして尿量が多いということです。また尿の中に排出される糖の量もかなり多くなります。
血液中のブドウ糖は腎臓の糸球体で濾過されて尿細管に出ますが、通常そこで再吸収され、尿にはほとんど出てきません。しかし、糖尿病では、尿細管に出てくる糖が多くなり、尿細管での再吸収が間に合わなくなると(糖尿病などで血糖が160~180mg/dl以上の場合)尿に糖がでます。

また、水を多く摂ることで尿量がアップし、尿と一緒にビタミンB群が減ってしまいます。
そうしたことで、糖代謝が悪くなることはもちろん、疲れやすかったり、しびれ(B1不足)が出ることにつながりますのですね。



もう1つ前回のblogでもお話した「インスリン抵抗性」について、クリニックでよく聞く質問もご紹介しましょう。
インスリン抵抗性とは、過剰なストレス、糖分や炭水化物、アルコールなどの過剰摂取等によってインスリン分泌が上昇し、インスリン受容体の感受性が鈍くなることで、インスリンの働きが悪くなることです。まさに糖尿病の原因とも言えます。


インスリン抵抗性の人には・・・

□食後に疲労感が残る
□日中に甘いものが欲しくなる
□甘い物を食べても欲求が満たされない
□食後に必ず甘い物が必要
□ウエスト回りが腰回りと同じサイズ
□頻尿
□喉の渇きや食欲が増加する
□体重を落とすのが難しい

こういったことがないか聞く時があります。
これはまだ糖尿病になっていない境界線の人でも感じることは多いので、チェックしてみてくださいね^^。



さて、最後に糖尿病診断基準ですが・・・

1.空腹時血糖が126(mg/dl)以上である
2.75gのブドウ糖を飲み、2時間後の血糖値が200以上である
3.随時、血糖値が200以上である
4.ヘモグロビンA1cの値が6.5以上である

になっています。



1999年から糖尿病の診断基準が改定され、新たに加わったのが、ヘモグロビンA1c(HbA1c)です!
みなさんも健康診断で良く見る言葉なのではないでしょうか?
ではなぜ、ヘモグロビンA1c(HbA1c)が糖尿病の診断基準に加わることになったのでしょうか。

これまでの診断基準は、1999年に策定されたもので、いままでの血糖値を直接計るものでは、食事や運動の影響を受けやすく、検査前の一時的な節食などをすることで数値が変わってしまい、より適正な診断が出来ない可能性があったのです。要は、前日から甘い物や食物を控えたら、血糖値が変わってしまうということです。
たしかに健康診断前は、食事制限や飲みに行くのを控えたり、よくそういう人がいた気がします。


そこで注目されたのが、ヘモグロビンA1c(HbA1c)。
HbA1cは、赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結びついたもので、赤血球の寿命が長いため(赤血球は4ヶ月で入れ替わる)、過去1〜2ヶ月の血糖状態を把握できます(半分ぐらいはみれる)。
HbA1cを診断基準として導入すると、短期間の血糖の状態ではなく、長期的に見た血糖状態が把握出来ることで、より適切な判断が出来るわけなのです。



このヘモグロビンA1c、日本では6.5以上で糖尿病と診断されますが、ヨーロッパでは、目標とするヘモグロビンA1cは7.0〜7.5%、アメリカ老年病年学会のガイドラインは、ヘモグロビンA1c8.0未満となっています。
実はこれは、最近の海外では、高血糖より低血糖による問題の方が大きくなっているからなのですね。
もちろん糖尿病は、様々な合併症を引き起こすので、怖い病気です。
しかし、血糖値をコントロールするために、薬で下げ過ぎてもまた新たな問題が起きてくるということなのです。これはまた後で話しますが、少し覚えておいてくださいね^^。
認知症、心不全、肺気腫、ガンなどを合併している高齢者ではヘモグロビンA1cを緩くすることや高血糖より低血糖に注意するようにしているそうです。



なにはともあれ、糖尿病になる前に食事や運動などの生活習慣を見直し、食い止めること。
そして、それを敏感に察知するために、常に自分の体内環境を見る目を養っておくことはとても重要ですね。



小菅一憲

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by chiropratica | 2014-06-13 17:32 | 糖尿病と糖質の悪影響

NO.467 糖尿病と糖質の悪影響 その7 「糖尿病とは?」

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雨の日が続いていますね。
こういう時期は、体調を崩す人が多い時でもあります。
気温も変わりやすいので、みなさんも体調管理には気をつけてくださいね^^。

さて、今日はついに本題である糖尿病に入ります。



糖尿病は1型と2型に大別されますが、日本では9割が2型糖尿病です。1型糖尿病は、膵臓のインスリンを分泌する部位(ランゲルハンス島のβ細胞)に自己免疫による炎症・破壊が起こる病気です。最終的にはインスリンを分泌する能力が廃絶してしまい、インスリンが絶対的に不足するため、インスリンを注射しなくては生きていけない状態になります。
それに対して2型糖尿病には、2つ原因があります。一つはインスリン分泌障害で膵臓のβ細胞の機能が低下し、インスリンの分泌量が減るものです。特徴として1型糖尿病ではインスリン産生が非常に低下していますが、2型糖尿病の場合はやや低下する程度から、かなり低下する場合まで患者さんによって個人差があります。そしてもう一つの原因が、インスリンの抵抗性の増大(インスリンが効きにくくなる)です。食べ過ぎや飲み過ぎ、ストレスや疲労の蓄積、慢性的な運動不足が持続すると、「インスリン抵抗性」に陥ってしまいます。多くの2型糖尿病の患者さんは、この2つの原因が合併した状態、すなわち「インスリン分泌がやや少ない状態」+「インスリン抵抗性」で糖尿病が引き起こされています。

2型糖尿病は病名が同じでも、人によってその特徴は異なります。もちろん治療方針も個別に考える必要があります。
例えば、ある方は「インスリン分泌が相当低下している」+「インスリン抵抗性は軽度」であり、別なある方は「インスリン分泌がほとんど低下していない」+「インスリン抵抗性が非常に強い」という具合です。自分がどのタイプかを知り、正しい方向で自己管理していくことが重要ですね。




これまでのblogでは、「肝糖産生」や「糖取り込み」という血糖値の仕組みについてお話してきましたが、糖尿病はこの仕組みのどこかに障害が起こるために発症します。

そこで糖尿病の起こる原因について考えてみましょう!


身体からは何種類ものホルモンが分泌されていて、インスリンもその1つです。インスリンは、膵臓のランゲルハンス島と呼ばれる細胞集団の中のβ細胞から分泌されているホルモンでしたね。
ホルモンを分泌する臓器を「分泌臓器」、ホルモンが作用する相手方の臓器を「標的臓器」と呼びますが、分泌臓器から出たホルモンは、血液に乗って全身を巡り、標的臓器に働きかけて、そのホルモン特有の作用を発揮します。インスリンの場合、膵臓が分泌臓器で肝臓や筋肉が標的臓器ということになり、血糖の調節作用を発揮します。分泌臓器(膵臓)→ホルモン(インスリン)→標的臓器(肝臓・筋肉)という3ステップのうち、いずれかのステップに異常が起きると血糖の調節がうまくされずに糖尿病になってしまいます。




糖尿病の原因には主に3つあります。

1つ目は分泌臓器に原因がある場合で、膵臓自体の問題でインスリンが作れなくなる状態です。このため、インスリンの欠乏状態になりますから、インスリンを注射によって身体の外から補充する必要があります。

2つ目は、インスリン自体の異常です。これはインスリンの遺伝子に突然変異が起こり、正常のインスリンとは異なる変なインスリンが作られる場合です。この異常インスリンは正常のインスリンとは構造が少し異なるため、膵臓からきちんと分泌されていも、血糖を調節する作用は発揮されません。この病気は一種の遺伝病と考えられており、日本でも和歌山県の家系で発見されています。発見された異常インスリンは「インスリン和歌山」と名前が付けられていますが、このようなインスリン遺伝子の突然変異は非常に稀な病気です。

3つ目は、標的臓器の肝臓や筋肉に原因がある場合です。せっかく膵臓から分泌されたインスリンが血流に乗って、肝臓や筋肉に到達しても、肝臓や筋肉の細胞に原因があって、インスリンの作用がうまく発揮されません。このような状態を「インスリン抵抗性」と呼んでいます。肝臓や筋肉がインスリンに抵抗しているわけではありませんが、インスリンに帯する感受性が低下しているという意味で、「インスリン抵抗性」と表現されています。これは肥満や運動不足など生活習慣の悪さが主な原因とされています。


次回は糖尿病の自覚症状や診断基準について、お話します。



小菅一憲

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by chiropratica | 2014-06-12 21:33 | 糖尿病と糖質の悪影響


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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