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NO.373 更年期障害 その7 「エストロゲンについて2 〜女性の身体に与える影響〜」

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前回、エストロゲンには3種類のホルモンがあるということをお話してきました。またそれぞれのホルモンでも分泌される時期や作用が違うということがわかって頂けたと思います。



エストロゲンは、思春期の女性に膣や子宮、卵管などの成長をさせます。また脂肪によって女性らしい曲線や骨格をつくったり、乳房を膨らませていく役割も担っています。
この脂肪を増やしたり、水分貯留量を増やす作用は、一見悪いことのように思えますが、妊婦さんが胎児の生存や出産に際して、たとえ飢餓に襲われても胎児を守るためには重要な作用なのです。

しかし、逆に食料がいつもあふれていて飽食状態が続くとこのエストロゲン作用は有害なものになります。必要以上のカロリーは女性の中でのエストロゲン優位性を作り、更年期になっての落差がひどくなります。
特に先進国の食事には、動物性脂肪、砂糖や精製された炭水化物など、加工品も多く、必要以上のカロリーを摂取するため、文明化が進んでいない地域の女性に比べて、酷い場合はエストロゲン数値が2倍にもなっていると言われています。


一般的に、エストロゲン類は細胞の分裂を促すことが盛んなホルモンで、乳房や子宮内膜を作る組織の細胞はとくに敏感に反応します。それこそが、エストロゲンが過剰になると乳がんのリスクが高まると言われる理由でもあります。
また前回話した3種類のホルモンのうち、乳房にもっとも刺激的なのは、エストラジオールというホルモンで、逆に刺激が少ないと言われているのがエストリオールです。ここ数年の研究によるとエストラジオールが過剰で、エストリオールが少ない場合に乳がんのリスクが高まると言われています。



エストロゲン補充療法や避妊薬の中で広く使われている人工合成ホルモンは、エチニルエストラジオールは、乳がんのリスクを高めると言われており、人工で作られているホルモンは代謝や排出に時間がかかるため、身体に与える影響も大きくなります。
それに比べてエストリオールの方が更年期の女性にとって安全で、エストロゲン補充療法をするなら、天然エストロゲンを使うようにした方が良いと言えます。




どちらにしても、エストロゲンにさらされる機会が長くなるほど、乳がんのリスクが高まるので、私の知り合いの栄養療法の先生は、閉経が遅ければ遅いほどリスクが大きくなると言っていますし、エストロゲンの変わりに大豆のイソフラボンを使っています。


イソフラボンの作用は穏やかで、効き目はエストロゲンの1000分の1〜1万分の1とされていますが、エストロゲンと同様に、更年期障害の症状の緩和、動脈硬化や高コレステロール血症の予防をはじめ、骨からカルシウムが溶け出すのを抑える効果を持ちます。
またイソフラボンはエストロゲンの受容体に働きかけ、ホルモン分泌量の減少によって発生する骨粗鬆症を予防することがわかっています。その他、糖質代謝改善にも有効といわれています。
そしてエストロゲンが過剰な状態にあるときは、エストロゲンの受容体にイソフラボンが結合し、エストロゲンの働きを抑える抗女性ホルモン作用もあります。つまり、過剰なエストロゲンによって高まる乳がん発症のリスクを抑える効果も期待できるのですね。



いかがでしたでしょうか。
知らないと怖いこともあります。
現代では、自分の健康のために知識をつけることがどれだけ大事なのことか、わかって頂けると幸いです。

ではまた次回に^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

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by chiropratica | 2013-02-26 15:55 | 更年期障害

NO.372 更年期障害 その6 「エストロゲンについて1 〜3種類のホルモン〜」

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いままで、更年期障害について大体のことをお話してきました。
今日からは別の視点でこの問題について見て行きたいと思っています。


長い間、更年期障害は女性ホルモンとくに「エストロゲン」が少なくなることによって起こると考えられてきました。そしていまなお、多くの婦人科医は、更年期ををエストロゲン欠乏状態と考え、ホルモン補充療法を行っています。
しかし、実際のところ、こういった問題はこれまでお話してきた二つのホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」の不均衡によって起こることがわかってきました。


これらのホルモンは副腎皮質ホルモンであるDHEAやプレグネノロン、そしてコルチゾールなどのステロイドホルモンとも構造は良く似ています。
しかし、働きには大きな違いがあるのです。過剰なエストロゲンはそれ自体が身体に問題を起こしますが、プロゲステロンには過剰なエストロゲンの健康への影響を抑えてくれるような作用があります。また、過剰なエストロゲンが体内に有害で副作用があるのに対して、プロゲテロンは副作用がありません。
この分野で有名なジョン・リー博士は、プロゲステロンによって均衡を保たれていない過剰なエストロゲンは、高血圧、塩分、血液凝固、体内脂肪増加、甲状腺機能障害、胸痛、胸部繊維嚢胞症、子宮内膜癌、乳がんなどの問題を起こすと述べています。
また、更年期になってプロゲステロンのレベルが閉経前に比べて約1%まで減少してしまうと、減っているにも関わらずエストロゲン優位な状況に陥ります。
このアンバランスが先の様々な身体の問題を作るというのです。



みなさんどう思いますか?
更年期障害はエストロゲンが減るのが原因ではなく、エストロゲン以上に減ってしまうプロゲステロンによってエストロゲン優位な状況が作られ、起きる問題が多いのです。
たしかにエストロゲンが減って起こる問題もありますが、多くの場合プロゲステロンの減少が原因になり、プロゲステロンを補うことによって改善してくると言います。
その理由に、妊娠中は体重が増加したり、様々な負担がかかりますが、この時期のプロゲステロンは月経周期の20倍分泌されるので、出産の苦痛にも絶えられるくらい穏やかな健康状態を作ると言われています。

これが本当なら、エストロゲンの補充療法は間違ったことになりますよね。

エストロゲン過剰で、プロゲステロン不足であると、エストロゲンは身体にとって有毒となります。西欧先進国の女性で、本当にエストロゲンが不足している人は稀で、多くの女性はプロゲステロンが不足していると言います。



こういったことを理解していくために、今日からこの二つのホルモンについてさらに掘り下げてお話していきたいと思っています。



今日はまず「エストロゲン」についてのお話第一弾です。

エストロゲンを最初に発見した研究者は、発情行動(エストラス)を起こさせるホルモンとして、認識しました。その後いくつかの種類があることがわかり、それぞれ、エストロン、エストラジオール、エストリオールという名前がつけられました。
エストロゲンというのは、これら3種類のホルモンの総称でもあります。
通常エストロゲンとみなさんは話しますが、実はこの3種類でも働きが違うのです。

しかしその逆の作用を持つプロゲステロンは、1種類のホルモンです。


人体内で作られるこれら3つの重要なエストロゲンは、作られるプロセスの位置関係から、エストロンは「E1」、エストラジオールは「E2」、エストリオールは「E3」と呼ばれています。
妊娠していない時は、エストロンとエストラジオールは、卵巣で毎日100〜200マイクログラムだけ作られます。そしてもう一つのエストリオールはエストロンの代謝副産物としてほんの少しできます。
しかし、妊娠中は、胎盤を中心にエストロゲンが作られますが、この時エストリオールがミリグラム単位で作られるのに対して、エストロンとエストラジオールはマイクログラムで少なくなります。


そうなると妊娠中に量が増えるホルモンというと、プロゲステロンとエストリオールということになりますね。


大切なホルモンではあるのですが、エストロゲンの中でもこの「エストリオール」に比べて「エストラジオール」が過剰になった時に、いくつかの問題やリスクが起こりやすくなります。

次回は「エストラジオール」が過剰になった時の問題についてお話していきましょう。



小菅一憲

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by chiropratica | 2013-02-17 10:55 | 更年期障害

NO.371 更年期障害 その5 「更年期の症状が強く出るタイプ」

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更新が滞っていましたが、更年期障害のテーマはまだまだ続きますよ^^。
前回の内容をさらっと復習しておきましょう。

更年期というと医学的には、女性の卵子がなくなり、月経が止まることで始まるものと説明されています。
しかし、実際にはなぜ月経周期が消滅するかは、まだよくわかっていません。


一般的には女性は、赤ちゃんのときにすでに卵胞を100万個以上持っています。そして思春期には20万個ほどの卵胞があり、一回の月経ごとに数百の卵子を失います。そして卵子の残りが1,000個くらいになると排卵はあまり起こらなくなります。
多くの女性は、GnRH、下垂体からの刺激ホルモンFSH、LHなどを普通のペースで生産しているのに、卵巣がこれに反応しなくなります。こうなると、ほてりが出やすかったりするのですが、最近では、栄養不良やストレス、そして環境エストロゲンという身体に悪影響を与えるようなものが卵巣の機能を低下させていることも考えられます。



45〜50歳、あるいはその前後に体内のエストロゲンは減り始めます。
エストロゲンというホルモンが減れば、子宮内膜をつくったり、そこに血液を集めることも徐々に出来なくなり、月経出血の量が減り、その周期も不規則になります。
そしてやがて閉経を迎えることとなります。

前のblogで脳の視床下部でエストロゲンとプロゲステロンの量を監視しているという話をしましたが、もちろんこうやってエストロゲンが減ってくると、視床下部はGnRHを作って、下垂体に卵巣刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)というホルモンを作らせるよう命令を出します。
そしてこれによってエストロゲンとプロゲステロンが増えれば、視床下部はそれを察知して、GnRHの生産をやめます。

しかし、更年期になると、エストロゲンもプロゲステロンも減っていているのですが、GnRHに刺激されて、下垂体からFSHとLHが出ていてもなかなか反応しません。
こうやって卵巣が反応しないと、ホルモン系はうまく働きません。
卵巣が反応しないのは、卵子とそれを持っている卵胞が少ないもしくはなくなっているからです。
それなのに、視床下部と脳下垂体からの命令は続くので、脳内の血管運動神経中枢(血管の拡張や発汗をコントロールしている)に影響が及んできます。
体のほてりや夜間に汗をかくのはこんなことが起こっているからなのですね。


もちろん視床下部が活性化し過ぎているので、ほてり以外にも、気分のむら、疲労、悪寒、ストレスに対する耐性低下なども起きてきます。




さて、前置きが長くなりましたが、今日は更年期の症状が出やすい人についてです。
まず先進国に住む女性に更年期障害が多いということからお話しましょう。
この分野で著名なジョン・R・リー博士は、更年期障害の原因はエストロゲンが少なくなることではなく、プロゲステロンが作られなくなることにあると述べていますが、このことについては後にお話するとして、先進国の食事やストレス状況では、このプロゲステロンが減ってしまう環境が強いのです。

植物の多くはプロゲステロンに似た作用のある植物ステロールを含んでおり、非先進国の人々は、こうした植物性食品を存分に食べているため、プロゲステロンが欠乏することは稀です。このような地域に住む女性の卵巣は、プロゲステロンを十分に作れる卵胞を持っており、更年期以降も嫌な症状に悩まされることはないと言われています。

ではなぜ、先進国の人々に更年期障害がここまで多いのでしょう?

先進国の食事では、加工食品が多く、生鮮食品でも収穫後数日を経てから人の口に入ります。これではビタミンやミネラル、そして大切な植物ステロールの摂取量が減ってしまうのです。
昔はこのようなことはなかったのですが、現代の食生活はガラッと変わってしまいました。
このような状況では、プロゲステロンやエストロゲンが減ってしまった影響を大きく受けることになります。

また以前詳しくお話した副腎(こちらを参照)でもプロゲステロンを作ることが出来ますが、先進国の女性は30代〜40代までに、仕事、子育て、家事などに大きなストレスを背負っており、副腎で余分にプロゲステロンをつくる余裕はない方がほとんどです。

困ったものですよね。
閉経後には、通常副腎が女性ホルモン生産の役割を担うことになるわけですが、先進国の女性は副腎の機能を使い果たしており、十分な役割を果たすことができないということなのです。




では次にその中でも、どんなタイプの人、そしてどんな環境にいる人が症状が強く出るのか・・・こういったことについて考えてみましょう。


まず身体的要因・・・

人によってエストロゲン、プロゲステロンの減少が急激な人もいれば、なだらかに下がる人もいます。
卵巣の機能だけでなく、身体各組織の機能低下やホルモンの変調に対する適応能力の差、自律神経のバランスなども関わってくるということは確かです。
これらが弱い人は症状が強くでやすいと言えますね。

食事やストレスコントロールも大事ですが、元々副腎や臓器が丈夫な人はこういった症状が少ないかもしれません。何はともあれ、健康的な生活が一番ということです。


2番目に心理的要因・・・

真面目で、完璧主義の人やストレスに弱い人は症状が重くなりやすいと言われています。閉経をマイナスイメージでとらえることも症状を悪化させる傾向になります。


最後に環境的要因・・・

更年期までの期間は、子育ての大変さ、受験勉強、また嫁と姑のストレスや親の介護、そして夫の転勤や夫婦仲といろんなストレスになる要因がたくさんあります。そして、職場や近所の人との人間関係、そして親族の死などによってさらにストレスがかかる状況も。
これは人によって変わりますが、副腎に負担をかけることが、そのままホルモンが作られない状況をつくり更年期障害の症状が強く出るわけです。




ここまで読んできて、このblogの読者ならわかったと思いますが、更年期障害の症状を少なくすることにも、食事や栄養、そして副腎の状態がとても大切になってくるのです。
これはいままでのblogでずっと勉強してきたことでもありますよね!
全てにつながっているんです^^。

さて、今日はこのくらいにして、次回は違った角度から更年期障害を見ていきたいと思います。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


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by chiropratica | 2013-02-12 13:45 | 更年期障害


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