カテゴリ:更年期障害( 13 )

NO.383 更年期障害 その13 「脳と女性ホルモンの関係」

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長く続いてきた更年期障害のテーマですが、今日で終了になります。
最後の今日は、更年期のテーマで良く出ててきたJohn R Lee博士の本で面白いことが書いてあったので、それを参考にしながら、脳と性ホルモンも意外と関わりがあるという話をしたいと思います。


人間の脳の部分には内側と外側があり、外側の部分を大脳皮質といい、内側の部分を大脳辺縁系と言います。どちらも学習や調整に関係しており、しっかりと機能するには栄養はもちろんのこと、性ホルモンも必要とされます。
外側の脳「大脳皮質」は、私達の自覚に関連していて、視覚、聴覚、触覚などの感覚、会話能力、筋肉動作、意識行動をコントロールしています。
そして内側の脳「大脳辺縁系」は、感情や情緒に関係する部分で、痛みの感覚、本能的な欲求(闘争、逃避、食欲、性欲など)、無自覚、無意識の反応、免疫など、身体の機能を自動的に調整しています。

外側の脳の機能は、それぞれ別の機能として働いていますが、内側の脳では、違った働きをすることが互いに影響を与えています。
たとえば、何かに驚けば、同時に瞳孔が開き、口が渇き、筋肉は緊張し、血液は胃から筋肉に向かって流れます。無意識に尿や便をもらすこともあります。ストレスへの反応はまさにこの大脳辺縁系の働きと言えるでしょう。


月経周期では、この内側の脳「大脳辺縁系」にある視床下部から下垂体へ命令が行き、その後か下垂体から刺激ホルモンが卵巣へ、そして卵巣の状態からまた視床下部とフィードバックしています。
これについては何回もこのテーマで話してきましたよね。

そう考えていくと、ストレスが月経周期に影響を与えるということも納得の事実ではないでしょうか。



次に女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの脳への影響を話していきましょう。

激しい興奮状態になったり、運動をした後などは、脳の中でノルアドレナリンが出てきて、気分が上昇しますが、このノルアドレナリンはモノアミン酸化酵素によって非活性化されたりします。エストロゲンはこのモノアミン酸化酵素を抑制する作用があるため、エストロゲンがあると、ノルアドレナリンが活性化しやすいと言えますね。

ただ、エストロゲンが過剰だったり、長期に投与していたりすると、体内の亜鉛と銅のバランスが崩れ、気分がふさぐこともあります。
これは難しいので、また後のblogで取り上げようと思いますが、亜鉛と銅は、脳内の酵素によって重要な共同因子です。エストロゲンには、血液中の銅と結合するセルロプラスミンというタンパク質を増やす作用がありますが、セルロプラスミンの過剰は、銅の血液中での過剰を招き、それが血液中と脳内の亜鉛量を減らすことになります。
こうなると過剰なストレス反応や気分のむら、鬱といった問題が起こりやすくなるのです。

その他のエストロゲンの脳への影響としては、血管拡張作用による片頭痛の要因となることでしょうか。月経に合わせた頭痛はエストロゲン過剰やマグネシウム不足に関係していることが多いのですね。

またエストロゲンは甲状腺の機能を抑制する傾向もあります。エストロゲンの過剰な女性は、甲状腺を通した代謝能力が低下し、脳の機能が落ちることもあります。
やはりプロゲステロンとのバランスが大事なことがよくわかります。



さて、次にプロゲステロンはどうでしょうか。
脳細胞には実は、血液中より20倍も多いプロゲステロンが存在すると言われます。
これは脳細胞にとって重要だからだと思いますが、まだそれほど詳しくはわかっていないようです。

ただ、様々な研究があります。人は妊娠するとプロゲステロンの生産量が次第に増えて、母親の健康的な安定と、胎児の成長や発達を助けています。また特に胎児の脳の成長と発達には深く関わっているそうで、K・ダルトン博士は、プロゲステロンを摂っている母親から生まれた赤ん坊は知能が良くなっていると報告しており、R・ピート博士はプロゲステロン・ベビーは強く、明るく、独立心の強い性格を持っていることを発見しているのですね。
またプロゲステロンは脳の損傷の程度を減らすという発表もあります。ラットの研究でプロゲステロンを与えたラットが生存率と脳機能の回復が上がったそうです。



このように脳へも多大な影響を及ぼすエストロゲンとプロゲステロンの2つのホルモン。
今回のテーマでは、明らかにプロゲステロンが良いイメージがあったと思うのですが、最後に言いたいのは大切なのはバランスということです。
エストロゲンが少なくなって、問題を起こしている場合ももちろんあります。

女性ホルモンのバランスは、専門の医療機関でしっかりと検査をしてから、必要であれば天然のホルモンを補うことをお勧めします。
更年期障害やその他女性に特有の月経に関わる問題などでお悩みの方は、女性ホルモンのバランスが崩れていることも多く、女性ホルモンをチェックすることは大きな意義があるでしょう。
足りないホルモンを補うと知力や集中力がアップし、調子が良くなる感覚があると思います。


今回で更年期障害のテーマは終了です。
なにかご質問があれば、
こちらから
気軽に聞いてくださいね。



小菅一憲

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by chiropratica | 2013-04-16 19:29 | 更年期障害

NO.382 更年期障害 その12 「天然プロゲステロン」

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今日は、天然プロゲステロンについてお話していきましょう。
まず、この天然のホルモンとは何かということからお話していかなければならないと思います。
天然というとみなさんは、自然に存在するような原料を使ったものと思うと思いますが、基本的に天然ホルモンは、人間の身体の中のものと何ら変わらない、化学式なども全く同じのホルモンということになります。



私のAKの中でも参考にすることが多い、Dr.ライトもこの天然ホルモンを使って効果をあげている一人でもあります。

これに対して、人工で作られたものというと、自然界に全く存在しないものを指します。プロゲステロンで言うと、ワイルドヤムや大豆から抽出したジオスゲニンを原料にして人間が作っているものも、言ってみれば人工物ですが、こちらは人体内でつくられるプロゲステロンとまったく同じ分子構造になっているので、「天然」としています。
逆に、人工のプロゲステロン薬は「プロゲスチン」と言いますが、大部分のプロゲスチン薬は、プロゲステロンやノルテストステロンというホルモンを利用して人工合成されているものですが、それは自然界のどんな物の中にも存在しないものなんですね。
プロゲステロンとして保険診療で使われている薬がこの「プロゲスチン」です。多くの保険診療のクリニックではこのプロゲスチンが使われます。



たしかに分子的には天然プロゲステロンといくつかの原子が違うだけですが、プロゲスチンには副作用があり、天然のプロゲステロンには副作用はほとんどありません。
これは、プロゲスチン薬に添付されるよう副作用や注意のリストを見てみるとわかります。
人工合成したプロゲスチンは、細胞がプロゲステロンと勘違いしてしまい、受容体でしっかりと結びつきます。その結果天然ホルモンの作用は遮断され、副作用も起こります。また通常のプロゲステロンは人体が作るものなので、排出もスムーズですが、人工のプロゲスチンはうまく排出出来ないので、身体への影響が長期にわたり、天然では起こりえない問題も引き起こすのです。
要は、こういった合成のホルモンは人間の中にもともとない科学合成なので、似ている分、ホルモンに似た作用は起こしますが、代謝することが難しく、有害物質も作り出してしまうというわけです。

こういった副作用では、身体の不調からガンや心臓病などのリスクが高まるといったものまであります。

これはエストロゲンでも同じです。
通常のクリニックで使われるエストロゲン剤は「プレマリン」というお薬です。
これは馬の尿を原料に作られているものですが、これも合成ホルモンで副作用が起こることがあります。



1989年にJ.ハーグローブらで行われた研究では、プロゲステロンとプロゲスチンの比較実験が行われています。両者を更年期女性に対していくつか違う形のエストロゲンと一緒に与えました。
そうするとプロゲステロン群では、更年期症状が改善し、コレステロール値も良くなり、無月経でも子宮組織の異常な増殖などプロゲスチンとエストロゲンで起こるような典型的なトラブルがなく、副作用もなかったそうです。
逆にプロゲスチンとエストロン(エストロゲンの1つ)を使った群の中では副作用のために使用を中止する人もいたそう。
また、合成のプロゲスチンとエストロゲンのセットは、エストロゲンのみで補充した時と比べて、乳がんのリスクが2倍近くに増加したと報告している研究もあります。


天然と人工合成の薬との違いは、アスピリンでも良く似ているのではないでしょうか。
アスピリンは、柳やポプラなどのヤナギ属と呼ばれる植物の中の成分サリチル酸が原料となっていますが、ヤナギ植物のお茶や煎じた薬などは、副作用もなく頭痛や関節炎などの痛みに効果をあげており、合成薬であるアスピリンにある副作用はありません。

こう考えていくと、自然にはない新しい物質を作るとたいていの場合に、副作用が出やすいということでしょう。



みなさんの中にもホルモン療法はガンや心臓病などのリスクもあるという話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
これらの話は大抵は、天然でなく人工合成されたホルモンであることがほとんどです。



さて、話を戻して天然のプロゲステロンですが、プロゲステロンの製品には様々なタイプがあります。
肌に塗るクリームやオイルのもの、そして舌下から吸収させる舌下液タイプ、そしてカプセルがあります。この中でも栄養療法や欧米のカイロプラクティックでよく使用されているものは、天然のプロゲステロンクリームですね。

いままでもお話してきましたが、身体の中のホルモンバランスは微妙な感覚でバランスをとっています。なので、不足するホルモンを補うことは様々な効果をもたらしてくれますが、その量は常々注意しなくてはなりません。
そういった意味でもプロゲステロンクリームは使い勝手の良いもので、プロゲステロンが不足する方は、卵巣が作るのと同じくらいの量までプロゲステロンを補給していきます。
皮膚から吸収されたプロゲステロンは、皮下の脂肪層に入り、その脂肪中にある毛細血管に浸透し、必要に応じて血液中入っていきます。



さて、ここまで話すと興味を持ってくる方もいると思いますが、1つ注意したいのが、必ず専門家の指導のもとで行うということです。特にこういったホルモンが身体でどんな働きをしているかそしてどういう関係を持っているを熟知した専門家のもとで行いましょう。
人間のホルモンはとても複雑でお互いに関係し、影響し合っています。
適切に行えば、安全で非常に効果がありますが、とくに自分自身だけで行った場合思ってもみない作用が起こる場合もあります。

まず、更年期障害やPMS、そして無月経などの女性の問題でお悩みの方は、自分のホルモンの量を計ってみることをお勧めします。
ホルモンの量をチェックする方法は、血液検査と唾液検査があります。
場合によっては血液検査では把握できないものもあるので、ケースによって使い分けていくと良いでしょう。

では、今日はここまでにして、また次回に^^。



小菅一憲

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by chiropratica | 2013-04-08 14:00 | 更年期障害

NO.381 更年期障害 その11 「更年期と2つのホルモンの関係」

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さて、ここまで2つのホルモンについて知識を深めてきましたが、今日はこの2つのホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」がどういう関係性を持っているかをみていきましょう。

以前のblogでも少し述べましたが、更年期にエストロゲンが減る率は40〜60%と言われています。しかし、その頃忘れてはならないのが、プロゲステロンの量がほとんどゼロに近いくらいになるということです。



この2つのホルモンは実は、相反する働きを持ちながら、互いの受容体を活性化しています。例えばエストロゲンがあれば、体内の関係のある場所ではプロゲステロンに対して敏感になります。また逆にプロゲステロンがあれば、同じようにエストロゲンにより敏感になるのです。
どちらのホルモンも相反する働きながらも、お互いを助けてもいるわけですよね。
これは面白いと思いませんか?


特にプロゲステロンは、エストロゲンに対して相反する働きを持ってバランスを取るホルモンでもあります。更年期の時にプロゲステロン量がゼロ近くまで低下してしまうとエストロゲンも大分減ってはいるのですが、断然エストロゲンの優位な状況が起こり、多くの不快な症状を起こすわけです。
2つのホルモンどちらも更年期の時には減ってはきても、多くみられるのは、エストロゲン量がプロゲステロンに比べて多いという状況なのですね。
このホルモンのアンバランスからあらゆる問題が出てくるのです。



さて、こうなってくると、ホルモン補充療法をやっていく時もしっかりと考えていかなくてはなりません。エストロゲンを補うとしても、プロゲステロンを同時にバランスを取りながら補充していかないと健康を害する恐れもあります。
エストロゲン過剰によって子宮体がんや乳がんのリスクが増えるということは、世の中でも知られてきましたし、それ以外にもミネラルに対するバランスを崩したりもします。ナトリウムと水を細胞内に引き込み、カリウムとマグネシウムを外に追い出してしまうので、むくみや浮腫の原因になったり、細胞内に銅を過剰に蓄積させるので、亜鉛が少なくなってしまうという作用もあります。
この銅と亜鉛についてのバランスは副腎疲労にも関わっているので、後のblogでまたお話したいと思いますが、こういったことが、気分のむらや集中力の欠如、痛みなどの更年期症状につながっていくのでしょう。



この分野の権威であるジョン・R・リー博士は、更年期障害はプロゲステロンに対してエストロゲンが多すぎることが問題になっているので、こういった時は、良い栄養を摂取し、有害物質を避け、運動や適切なサプリメントを使えば多くの症状が緩和する、そしてホルモンバランスの問題が大きい場合は、天然のプロゲステロンを補うことで問題が解消されることが多いと述べています。
もちろんこれを行うには、まずホルモンの量を検査した上ということになりますが、天然プロゲステロンを使って効果をあげている栄養療法のクリニックやカイロプラクティックの先生方も海外では多いようですね^^。


次回はこの天然のプロゲステロンについてお話していきましょう。



小菅一憲

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by chiropratica | 2013-04-01 21:00 | 更年期障害

NO.380 更年期障害 その10 「プロゲステロンについて2 〜月経周期と出産〜」

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大分暖かくなってきましたね。
桜もほぼ満開。私も昨日、仕事帰りに千鳥ヶ淵に立ち寄りましたが、夜桜を見ようと集まったたくさんの人で賑わっていました。
いつもより早い春の訪れにビックリしてしまいますが、今日はまた少し寒いようです。


さて、今日は復習もかねて、プロゲステロンの生産と出産に関わる部分をお話していきましょう。

以前もお話したように、プロゲステロンの分泌量は月経周期によって大きく上下します。特に排卵が起こって、卵胞が黄体に変わり成熟していくと、卵巣ではプロゲステロンの生産量が増え、今まで1日2〜3mgだったのが、平均22mgになり、排卵後の一週間は1日最大30mgにもなると言われます。
その後、10〜12日経って妊娠がなければ、プロゲステロン生産量は激減します。このプロゲステロンそしてエストロゲンの急激な低下が引き金となって、月経の出血が始まります。月経出血は子宮内膜を体外に排出するためで、この後次の月経周期が始まります。


では妊娠が起こるとどうなるでしょう?

プロゲステロンは受精卵の生存にとって大切なホルモンです。受精卵が着床する子宮内膜を維持し、栄養補給を行います。
受精卵は、最初は子宮内膜から栄養を得ているので、プロゲステロンは欠かせないわけですね。
排卵の頃、プロゲステロンが急激に増えると性欲も増して、生殖行動が促されます。

妊娠中は、胎盤ができるとそこでプロゲステロンが作られ、生産量が出産に向けてどんどん増えて行きます。妊娠第三期にもなると、胎盤はプロゲステロンを1日300〜400mgも作ります。
このたくさんのプロゲステロンが大変な妊娠や出産の時期の女性を支えてくれているとも言えます。それとは逆に、出産後はプロゲステロンが急激に下がり、それが原因で女性は産後うつや不安神経症などになりやすいと言われています。

ちなみにプロゲステロンは、甲状腺ホルモンがより効果的に働くのを助けるのでエネルギー生産量を増やして、体温が上昇します。これが女性が排卵時期を知る手段としているものですよね。



次に更年期ですが、この頃になると実はみなさんが知っているエストロゲンの減少以上にプロゲステロンの生産量は減ってしまいます。
エストロゲンは平均で40〜60%減りますが、プロゲステロンの減り方はその12倍にもなるそうです。前回のblogで説明した通り、プロゲステロンは様々なホルモンの前駆物質になっているので、プロゲステロンが減るだけで身体に様々な影響が出てくることが考えられますよね。
これこそが現代に多い更年期障害の原因となるものです。

更年期は、無排卵のためプロゲステロンは作られませんが、エストロゲンが作られている場合はエストロゲン優位性となります。
こういった方の中には、身体のむくみ、乳腺繊維種、うつ、不安神経症、肌荒れ、しわ、月経不順、出血量の増加などを経験する人が多いと言います。

更年期の時に、エストロゲンを補うよりも、天然のプロゲステロンを補う方が効果が出やすい理由がここにあるわけす。



さて、今日はここまでにして、また次回もプロゲステロンの話をどんどん進めていきましょう!



小菅一憲

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by chiropratica | 2013-03-24 23:37 | 更年期障害

NO.379 更年期障害 その9 「プロゲステロンについて1 〜プロゲステロンの働き〜」

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今日から、プロゲステロンというホルモンについて詳しくみていきましょう。
プロゲステロンは、女性の卵巣で作られている大切なホルモンです。

前のblogでもお話しましたが、プロゲステロンは卵巣の中の黄体で作られますが、排卵直前に生産が始まり、排卵後は急激に生産量が増えていきます。
月経周期で言うと後の2週間で優位になってくるホルモンでしたね。

受精卵や赤ちゃんにも重要なホルモンなので、妊娠中は胎盤で作られます。



プロゲステロンの面白いのは、エストロゲンの原料、前駆物質でもあるということです。
またテストステロンや副腎皮質ホルモンの原料にもなっています。
つまりそれだけ重要なホルモンだということです。
プロゲステロンは何から作られるのかということ、コレステロールからつくられたステロールのプレグネノロンから作られています。人の細胞内のミトコンドリアという小さな工場で、コレステロールはプレグネノロンに変化し、プレグネノロンは卵巣と副腎でプロゲステロンに変化するのです(プロゲステロンは副腎でも少量作られます)。
先ほども話しましたが、プロゲステロンが重要なのは、エストロゲンなどの性ホルモンだけでなく、ストレスに対する反応や糖のコントロール、塩分とカリウムのバランス、そして血圧コントロールに必要な副腎皮質ホルモンが、このプロゲステロンから作られるということです。

これだけ大切なホルモンの原料になっているということを考えれば、プロゲステロンの不足が大きな健康問題を作るということは想像できるでしょうか?



コレステロールは、体内の細胞、とくに肝細胞の中で酢酸塩という2つの炭素原子を持つ物質から作られますが、この酢酸塩は糖質と脂肪が分解されたものです。なので、実はコレステロールを食べるとコレステロール値が上がるというのは間違えで、糖質や脂肪を食べ過ぎるとコレステロールが上がるのですね。
体内のホルモンはコレステロールから作られますが、つねに変化する身体の状態や必要性に応じて生産量を変えていきます。ホルモンは複雑な器官同士のネットワークをコントロールしている重要なものです。それなので、必要に応じて常に生産や代謝を行っており、必要がなくなれば体外へ排出もされているのです。
プロゲステロンはホルモンの中でも中心的役割を演じていると言います。
体内の主要器官にある細胞は、プロゲステロンを使って、副腎コルチコステロイド、エストロゲン、テストステロンなどを必要に応じて作っているのです。



最後にプロゲステロンの働きについて

・エストロゲン、テストステロンなど他の性ホルモンの前駆物質になる
・子宮内膜の分泌を維持する
・妊娠の全期間を通じて胎児の生存に必要
・乳腺繊維種を防ぐ
・脂肪をエネルギーに変えるのを助ける
・自然な抗うつ剤になる
・甲状腺ホルモンの働きを助ける
・血栓を正常にする
・血糖値のコントロールに役立つ
・亜鉛と銅のレベルを正常に維持する
・血液中の酵素のレベルを正常に維持する
・体熱発生効果(体温の上昇)を持つ
・子宮体がんを防ぐ
・乳がんを防ぐ
・骨を形成し、骨粗鬆症を防ぐ
・副腎皮質ホルモン(コルチゾン)の前駆物質になる

とこれだけの働きがあります。



今日は話が少し難しかったかもしれませんが、プロゲステロンがホルモンの中でもいろんなホルモンの前駆物質になっているということ、中心的な役割を持っていることがおわかり頂けたでしょうか。
現代の女性では、このプロゲステロンが少なくて問題を起こしていることは少なくないのです。



小菅一憲

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by chiropratica | 2013-03-18 23:39 | 更年期障害

NO.378 更年期障害 その8 「エストロゲンについて3 〜エストロゲン優位性〜」

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大分暖かくなってきましたね。
しかし、こう暖かくなってくると街は花粉症の人も多く、電車に乗ると大抵クシャミや鼻をすする音がたくさん聞こえます。
みなさんの中にも花粉で辛い思いをしている方もいるのではないでしょうか。
前回の花粉症対策のblogも是非参考にしてみてくださいね。
そしてPM2.5もひどいものですが、今日は東京も煙霧に見舞われ、目が痛いくらいでした。

なんだか異常気象と、こういった問題が続くと気分が良くないですね。

さて、前回エストロゲンの身体への影響をお話しました。エストロゲンは女性の子宮や卵管また女性らしさを作っていくために重要なホルモンであるということ、しかし逆に食べ物が豊富な現代では、エストロゲンが過剰なことにより問題が起こっていることも多いということをお話しました。

今日は、ジョン・R・リー博士が述べている「エストロゲン優位性」の症状についてお話していきますね^^。



エストロゲン過剰や、プロゲステロンによるバランスをとることが出来ない状態を「エストロゲン優位性」と博士は述べています。
そして、その状態に先進国の多くの女性が悩まされているというのです。


原因には・・・

1.エストロゲン補充療法
2.前更年期(普通よりも早期に卵胞が排卵しなくなり、結果として、更年期より前にプロゲステロンが不足してしまう)
3.環境エストロゲンへの暴露(早期に卵胞が排卵しなくなる原因になっている)
4.避妊用ピル(エストロゲン物質が過剰に含まれている)
5.子宮摘出手術(卵巣の機能不全や萎縮を招く)
6.閉経(とくに太った女性の場合)

「What your doctor may not tell you about MENOPAUSE」John R.Lee,M.D.より引用


3の「環境エストロゲン」とは、体外で作られているものでエストロゲンに似た働きをするものを言います。石油化学製品の中でも殺虫剤やプラスチックといったものはまさにそれです。農作物などの農薬から身体に入ってくるのが一番でしょうか。

そして4の避妊用ピル。最近の若い女性でも避妊目的ではなくとも、PMS改善や卵巣膿腫予防のために低容量ピルを使っていることも多いです。



エストロゲン優位性で発生する病気と症状にはこんなものがあります。


早過ぎる老化
アレルギー
乳房の痛み
性欲減退
鬱や不安神経症
慢性疲労
乳腺線維腫
ほんやりとした思考
頭痛
低血糖症
血栓の増加
不妊
いらいら
記憶減退
流産
骨粗鬆症
更年期前の骨の弱体化
月経前症候群
甲状腺機能低下症に似た機能不全
甲状腺炎
子宮がん
子宮筋腫
むくみと膨満感
腹部・腰・大腿周囲への脂肪蓄積
紅斑性狼瘡
シェーグレン症候群などの自己免疫疾患


いかがでしょうか。
中にはみなさんにとって身近な症状もあるでしょう。


正常な月経周期の中では、エストロゲンとプロゲステロンはバランスが取れています。
しかし、無排卵月経の場合、エストロゲン量は変わりませんが、プロゲステロン量はかなり低くなります。また更年期後は、エストロゲン生産量が40〜60%減り、プロゲステロン値は非常に低くなります。
このように実際には、無排卵月経の時と更年期後はエストロゲンが優勢な状態が続くことになるのです。


ハーバード大学のエリソン博士は、運動量が多く食事が足りない女性は、ホルモン量が低くなる傾向にあり、逆に食事が多く運動量が少ないというバランスの女性は、ホルモン量が多くなると述べています。また先進国の女性のホルモン量が高いのは過食で運動不足だからであり、このまま更年期になれば、ホルモンの量が大幅に低下して更年期症状が重たくなると推測しています。逆に文明化が進んでいない国の女性は、更年期前と後とを比べると、ホルモンの差が少なく、更年期障害もほとんどないというのですね。
先進国の食事には、カロリーの過剰以外にも栄養の質も悪いことが多いです。
脂肪の多い肉、砂糖、精製された炭水化物、加工食品が多い食事は、植物性食品(食物繊維や植物ホルモン、抗酸化物質、複合炭水化物)が主体の他の国とは全く違っているからです。



ここでも食事の影響は多大なのですね^^。


更年期の問題を考える時、エストロゲンが減っていく以上にプロゲステロンが低くなり、それによるエストロゲン優位性が作られていること、また更年期症状の原因には、食事や運動が関わることなどがおわかり頂けたでしょうか。
いままでみなさんが考えていたのとは、別の視点かもしれませんが、面白いと思いませんか?


次回から「プロゲステロン」の方を詳しく見ていきましょう^^。



小菅一憲

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by chiropratica | 2013-03-10 23:00 | 更年期障害

NO.373 更年期障害 その7 「エストロゲンについて2 〜女性の身体に与える影響〜」

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前回、エストロゲンには3種類のホルモンがあるということをお話してきました。またそれぞれのホルモンでも分泌される時期や作用が違うということがわかって頂けたと思います。



エストロゲンは、思春期の女性に膣や子宮、卵管などの成長をさせます。また脂肪によって女性らしい曲線や骨格をつくったり、乳房を膨らませていく役割も担っています。
この脂肪を増やしたり、水分貯留量を増やす作用は、一見悪いことのように思えますが、妊婦さんが胎児の生存や出産に際して、たとえ飢餓に襲われても胎児を守るためには重要な作用なのです。

しかし、逆に食料がいつもあふれていて飽食状態が続くとこのエストロゲン作用は有害なものになります。必要以上のカロリーは女性の中でのエストロゲン優位性を作り、更年期になっての落差がひどくなります。
特に先進国の食事には、動物性脂肪、砂糖や精製された炭水化物など、加工品も多く、必要以上のカロリーを摂取するため、文明化が進んでいない地域の女性に比べて、酷い場合はエストロゲン数値が2倍にもなっていると言われています。


一般的に、エストロゲン類は細胞の分裂を促すことが盛んなホルモンで、乳房や子宮内膜を作る組織の細胞はとくに敏感に反応します。それこそが、エストロゲンが過剰になると乳がんのリスクが高まると言われる理由でもあります。
また前回話した3種類のホルモンのうち、乳房にもっとも刺激的なのは、エストラジオールというホルモンで、逆に刺激が少ないと言われているのがエストリオールです。ここ数年の研究によるとエストラジオールが過剰で、エストリオールが少ない場合に乳がんのリスクが高まると言われています。



エストロゲン補充療法や避妊薬の中で広く使われている人工合成ホルモンは、エチニルエストラジオールは、乳がんのリスクを高めると言われており、人工で作られているホルモンは代謝や排出に時間がかかるため、身体に与える影響も大きくなります。
それに比べてエストリオールの方が更年期の女性にとって安全で、エストロゲン補充療法をするなら、天然エストロゲンを使うようにした方が良いと言えます。




どちらにしても、エストロゲンにさらされる機会が長くなるほど、乳がんのリスクが高まるので、私の知り合いの栄養療法の先生は、閉経が遅ければ遅いほどリスクが大きくなると言っていますし、エストロゲンの変わりに大豆のイソフラボンを使っています。


イソフラボンの作用は穏やかで、効き目はエストロゲンの1000分の1〜1万分の1とされていますが、エストロゲンと同様に、更年期障害の症状の緩和、動脈硬化や高コレステロール血症の予防をはじめ、骨からカルシウムが溶け出すのを抑える効果を持ちます。
またイソフラボンはエストロゲンの受容体に働きかけ、ホルモン分泌量の減少によって発生する骨粗鬆症を予防することがわかっています。その他、糖質代謝改善にも有効といわれています。
そしてエストロゲンが過剰な状態にあるときは、エストロゲンの受容体にイソフラボンが結合し、エストロゲンの働きを抑える抗女性ホルモン作用もあります。つまり、過剰なエストロゲンによって高まる乳がん発症のリスクを抑える効果も期待できるのですね。



いかがでしたでしょうか。
知らないと怖いこともあります。
現代では、自分の健康のために知識をつけることがどれだけ大事なのことか、わかって頂けると幸いです。

ではまた次回に^^。



小菅一憲

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by chiropratica | 2013-02-26 15:55 | 更年期障害

NO.372 更年期障害 その6 「エストロゲンについて1 〜3種類のホルモン〜」

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いままで、更年期障害について大体のことをお話してきました。
今日からは別の視点でこの問題について見て行きたいと思っています。


長い間、更年期障害は女性ホルモンとくに「エストロゲン」が少なくなることによって起こると考えられてきました。そしていまなお、多くの婦人科医は、更年期ををエストロゲン欠乏状態と考え、ホルモン補充療法を行っています。
しかし、実際のところ、こういった問題はこれまでお話してきた二つのホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」の不均衡によって起こることがわかってきました。


これらのホルモンは副腎皮質ホルモンであるDHEAやプレグネノロン、そしてコルチゾールなどのステロイドホルモンとも構造は良く似ています。
しかし、働きには大きな違いがあるのです。過剰なエストロゲンはそれ自体が身体に問題を起こしますが、プロゲステロンには過剰なエストロゲンの健康への影響を抑えてくれるような作用があります。また、過剰なエストロゲンが体内に有害で副作用があるのに対して、プロゲテロンは副作用がありません。
この分野で有名なジョン・リー博士は、プロゲステロンによって均衡を保たれていない過剰なエストロゲンは、高血圧、塩分、血液凝固、体内脂肪増加、甲状腺機能障害、胸痛、胸部繊維嚢胞症、子宮内膜癌、乳がんなどの問題を起こすと述べています。
また、更年期になってプロゲステロンのレベルが閉経前に比べて約1%まで減少してしまうと、減っているにも関わらずエストロゲン優位な状況に陥ります。
このアンバランスが先の様々な身体の問題を作るというのです。



みなさんどう思いますか?
更年期障害はエストロゲンが減るのが原因ではなく、エストロゲン以上に減ってしまうプロゲステロンによってエストロゲン優位な状況が作られ、起きる問題が多いのです。
たしかにエストロゲンが減って起こる問題もありますが、多くの場合プロゲステロンの減少が原因になり、プロゲステロンを補うことによって改善してくると言います。
その理由に、妊娠中は体重が増加したり、様々な負担がかかりますが、この時期のプロゲステロンは月経周期の20倍分泌されるので、出産の苦痛にも絶えられるくらい穏やかな健康状態を作ると言われています。

これが本当なら、エストロゲンの補充療法は間違ったことになりますよね。

エストロゲン過剰で、プロゲステロン不足であると、エストロゲンは身体にとって有毒となります。西欧先進国の女性で、本当にエストロゲンが不足している人は稀で、多くの女性はプロゲステロンが不足していると言います。



こういったことを理解していくために、今日からこの二つのホルモンについてさらに掘り下げてお話していきたいと思っています。



今日はまず「エストロゲン」についてのお話第一弾です。

エストロゲンを最初に発見した研究者は、発情行動(エストラス)を起こさせるホルモンとして、認識しました。その後いくつかの種類があることがわかり、それぞれ、エストロン、エストラジオール、エストリオールという名前がつけられました。
エストロゲンというのは、これら3種類のホルモンの総称でもあります。
通常エストロゲンとみなさんは話しますが、実はこの3種類でも働きが違うのです。

しかしその逆の作用を持つプロゲステロンは、1種類のホルモンです。


人体内で作られるこれら3つの重要なエストロゲンは、作られるプロセスの位置関係から、エストロンは「E1」、エストラジオールは「E2」、エストリオールは「E3」と呼ばれています。
妊娠していない時は、エストロンとエストラジオールは、卵巣で毎日100〜200マイクログラムだけ作られます。そしてもう一つのエストリオールはエストロンの代謝副産物としてほんの少しできます。
しかし、妊娠中は、胎盤を中心にエストロゲンが作られますが、この時エストリオールがミリグラム単位で作られるのに対して、エストロンとエストラジオールはマイクログラムで少なくなります。


そうなると妊娠中に量が増えるホルモンというと、プロゲステロンとエストリオールということになりますね。


大切なホルモンではあるのですが、エストロゲンの中でもこの「エストリオール」に比べて「エストラジオール」が過剰になった時に、いくつかの問題やリスクが起こりやすくなります。

次回は「エストラジオール」が過剰になった時の問題についてお話していきましょう。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


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by chiropratica | 2013-02-17 10:55 | 更年期障害

NO.371 更年期障害 その5 「更年期の症状が強く出るタイプ」

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更新が滞っていましたが、更年期障害のテーマはまだまだ続きますよ^^。
前回の内容をさらっと復習しておきましょう。

更年期というと医学的には、女性の卵子がなくなり、月経が止まることで始まるものと説明されています。
しかし、実際にはなぜ月経周期が消滅するかは、まだよくわかっていません。


一般的には女性は、赤ちゃんのときにすでに卵胞を100万個以上持っています。そして思春期には20万個ほどの卵胞があり、一回の月経ごとに数百の卵子を失います。そして卵子の残りが1,000個くらいになると排卵はあまり起こらなくなります。
多くの女性は、GnRH、下垂体からの刺激ホルモンFSH、LHなどを普通のペースで生産しているのに、卵巣がこれに反応しなくなります。こうなると、ほてりが出やすかったりするのですが、最近では、栄養不良やストレス、そして環境エストロゲンという身体に悪影響を与えるようなものが卵巣の機能を低下させていることも考えられます。



45〜50歳、あるいはその前後に体内のエストロゲンは減り始めます。
エストロゲンというホルモンが減れば、子宮内膜をつくったり、そこに血液を集めることも徐々に出来なくなり、月経出血の量が減り、その周期も不規則になります。
そしてやがて閉経を迎えることとなります。

前のblogで脳の視床下部でエストロゲンとプロゲステロンの量を監視しているという話をしましたが、もちろんこうやってエストロゲンが減ってくると、視床下部はGnRHを作って、下垂体に卵巣刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)というホルモンを作らせるよう命令を出します。
そしてこれによってエストロゲンとプロゲステロンが増えれば、視床下部はそれを察知して、GnRHの生産をやめます。

しかし、更年期になると、エストロゲンもプロゲステロンも減っていているのですが、GnRHに刺激されて、下垂体からFSHとLHが出ていてもなかなか反応しません。
こうやって卵巣が反応しないと、ホルモン系はうまく働きません。
卵巣が反応しないのは、卵子とそれを持っている卵胞が少ないもしくはなくなっているからです。
それなのに、視床下部と脳下垂体からの命令は続くので、脳内の血管運動神経中枢(血管の拡張や発汗をコントロールしている)に影響が及んできます。
体のほてりや夜間に汗をかくのはこんなことが起こっているからなのですね。


もちろん視床下部が活性化し過ぎているので、ほてり以外にも、気分のむら、疲労、悪寒、ストレスに対する耐性低下なども起きてきます。




さて、前置きが長くなりましたが、今日は更年期の症状が出やすい人についてです。
まず先進国に住む女性に更年期障害が多いということからお話しましょう。
この分野で著名なジョン・R・リー博士は、更年期障害の原因はエストロゲンが少なくなることではなく、プロゲステロンが作られなくなることにあると述べていますが、このことについては後にお話するとして、先進国の食事やストレス状況では、このプロゲステロンが減ってしまう環境が強いのです。

植物の多くはプロゲステロンに似た作用のある植物ステロールを含んでおり、非先進国の人々は、こうした植物性食品を存分に食べているため、プロゲステロンが欠乏することは稀です。このような地域に住む女性の卵巣は、プロゲステロンを十分に作れる卵胞を持っており、更年期以降も嫌な症状に悩まされることはないと言われています。

ではなぜ、先進国の人々に更年期障害がここまで多いのでしょう?

先進国の食事では、加工食品が多く、生鮮食品でも収穫後数日を経てから人の口に入ります。これではビタミンやミネラル、そして大切な植物ステロールの摂取量が減ってしまうのです。
昔はこのようなことはなかったのですが、現代の食生活はガラッと変わってしまいました。
このような状況では、プロゲステロンやエストロゲンが減ってしまった影響を大きく受けることになります。

また以前詳しくお話した副腎(こちらを参照)でもプロゲステロンを作ることが出来ますが、先進国の女性は30代〜40代までに、仕事、子育て、家事などに大きなストレスを背負っており、副腎で余分にプロゲステロンをつくる余裕はない方がほとんどです。

困ったものですよね。
閉経後には、通常副腎が女性ホルモン生産の役割を担うことになるわけですが、先進国の女性は副腎の機能を使い果たしており、十分な役割を果たすことができないということなのです。




では次にその中でも、どんなタイプの人、そしてどんな環境にいる人が症状が強く出るのか・・・こういったことについて考えてみましょう。


まず身体的要因・・・

人によってエストロゲン、プロゲステロンの減少が急激な人もいれば、なだらかに下がる人もいます。
卵巣の機能だけでなく、身体各組織の機能低下やホルモンの変調に対する適応能力の差、自律神経のバランスなども関わってくるということは確かです。
これらが弱い人は症状が強くでやすいと言えますね。

食事やストレスコントロールも大事ですが、元々副腎や臓器が丈夫な人はこういった症状が少ないかもしれません。何はともあれ、健康的な生活が一番ということです。


2番目に心理的要因・・・

真面目で、完璧主義の人やストレスに弱い人は症状が重くなりやすいと言われています。閉経をマイナスイメージでとらえることも症状を悪化させる傾向になります。


最後に環境的要因・・・

更年期までの期間は、子育ての大変さ、受験勉強、また嫁と姑のストレスや親の介護、そして夫の転勤や夫婦仲といろんなストレスになる要因がたくさんあります。そして、職場や近所の人との人間関係、そして親族の死などによってさらにストレスがかかる状況も。
これは人によって変わりますが、副腎に負担をかけることが、そのままホルモンが作られない状況をつくり更年期障害の症状が強く出るわけです。




ここまで読んできて、このblogの読者ならわかったと思いますが、更年期障害の症状を少なくすることにも、食事や栄養、そして副腎の状態がとても大切になってくるのです。
これはいままでのblogでずっと勉強してきたことでもありますよね!
全てにつながっているんです^^。

さて、今日はこのくらいにして、次回は違った角度から更年期障害を見ていきたいと思います。



小菅一憲

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by chiropratica | 2013-02-12 13:45 | 更年期障害

NO.370 更年期障害 その4 「更年期障害の症状」

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前回までのシリーズで、女性の月経周期や脳との関わりがよく理解頂けたのではないかと思います。
また脳(視床下部と脳下垂体)の刺激ホルモンを通した命令によって、卵胞や黄体から女性ホルモンが分泌されることもお話してきました。


さて、この卵子が作られる卵胞なのですが、実は年齢とともに減少していきます。
生まれた時、卵胞は100万個以上あるのですが、そこからどんどん減ってきます。18歳くらいの時に10万〜15万、20万くらい、20歳くらいで平均15万個の量と言われています。そしてさらに閉経近くになると、5,000個以下にもなってしまうのです。年齢があがるごとに妊娠率も低くなるというのは納得ですね。


卵胞が少なくなると、脳がいくら命令してもエストロゲンがなかなか作られません。そして、それがホルモンバランスの乱れにもつながると言えます。
またみなさんももうお気づきかもしれませんが、卵胞が少なくなるということは黄体も少なくなるということですよね。そうなると、そこから分泌されるプロゲステロンも同じように少なくなってきます。


通常、卵胞減少に伴い、エストロゲンの血中濃度が少なくなってくると脳ではエストロゲンの減少を察知し、卵胞刺激ホルモンが増えてきます。また閉経近くになってくるとこの動きがさらに強まり、刺激ホルモンはパワフルに多くなってきます。刺激ホルモンを送ってもなかなかエストロゲンが増えないので、視床下部からのゴナドトロピン放出ホルモンも多くなってきますよね。
実はこれらのホルモンが一様に脳に増えてくることがホルモンのアンバランスにつながってきます。
ホルモンの中枢である視床下部と同じところに自律神経の中枢もあるので、こういったホルモンのアンバランスは、自律神経の乱れにも影響を与えることになるのです。


こういうことが更年期障害の発端になってくると言われています。


更年期では、こういったホルモンのアンバランスや、その他に感情やストレスに関わる部分、また鬱などの症状から様々な症状が起こってきます。
特にこの時期というのは、旦那さんのお仕事が忙しい時期と重なったり、子供も大きくなって転機を迎える時だったり、両親の介護のことで悩んでいたりといろんなストレスがかかってくる時期とも重なるものなのです。
また閉経は女性でなくなったというショックが大きい方もいらっしゃいますよね。

こういった様々な影響から更年期障害は起こってきます。



もちろんホルモンのアンバランスは、一番大きな問題ではあるのですが、ホルモン補充療法が全ての解決になるかというと決してそうではありません。
場合によっては補充しても全く症状が変わらなかったり、逆に調子悪くなったりすることも多いのです。
更年期障害の原因がその人の何にあるのかが一番重要になってきます。

ストレスによる副腎疲労なのか、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが悪くて起きているのか、またはそれ以外の問題なのか。

こういった問題は、やはりその人の背景や問診でお話を聞くこと、そしてホルモンの量を調べたりすることで、的確な判断が出来ると思います^^。





さて、更年期障害の症状についてですが・・・


○血管運動・神経系

のぼせ、ほてり、冷え、動悸、頻脈

○精神神経系

頭痛、めまい、不眠、耳鳴り、憂鬱感

○消化器系

食欲不振、便秘、腹部膨満感

○運動器官系

肩こり、腰痛、関節痛、背部痛

○泌尿器・生殖器系

頻尿、残尿感、血尿、性器下垂感、月経異常、性欲低下、性交痛、外陰掻痒感

○知覚神経系

しびれ感、知覚過敏、蟻走感、掻痒感

○皮膚・分泌系

しみ、しわ、湿疹、発汗、口内乾燥、眼球乾燥、唾液分泌異常、舌痛症


・・・とこんなにたくさんあります。
これは、ホルモン系だけでなく、自律神経も揺さぶられることで起こっています。自律神経は全身支配ですので、全ての系統に影響を及ぼしてきます。それこそ、種々雑多というか、不定愁訴といわれるものも本当に多く、いろいろな症状が出てくるのですね。
人によっては、全ての症状が出現したり、かなり辛い思いをしている方もいるのが現実です。


次に男性と女性の症状のベスト5もお話しましょう。


男性
1.疲れやすい
2.肩こり、腰痛、手足の節々に痛みがある
3.夜眠ってもすぐに目を覚ましやすい
4.夜なかなか寝付けない
5.腰や手足が冷える


女性
1.顔がほてる
2.腰や手足が冷える
3.肩こり、腰痛、手足の節々に痛みがある
4.汗をかきやすい
5.疲れやすい


男性なんかの症状は、疲れでも出てきそうなもので、気付きづらいのですが、症状が重なってくると何かおかしいなと気付きます。
女性は特に多くの症状を抱える方もいるので、比較的すぐに気付かれる方が多いかもしれませんね。

どちらにしても閉経を迎えるのも、ホルモンが少なくなるのも自然な流れなので、怖がることではないのですが、近年の方はこれらの症状で悩んでいる方も多くいるのが現実です。


次回は、症状が強く出やすいのはどんなタイプの人が多いかを話していきます。
お楽しみに。



小菅一憲

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by chiropratica | 2013-01-31 18:59 | 更年期障害


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