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NO.292 砂糖病 sugar blues その5 「糖尿病との関わり」

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今日で砂糖病の話は一旦終了になります^^。
まだまだ本の中にはいろんな話がちりばめられていますが、興味を持った方は是非図書館などに行って探してみて下さいね。

さて、最後に紹介する5章では、主に糖尿病についての興味深い話が書いてあります。このシュガーブルースの行く末は糖尿病なのですが、現代では増えてきている病気なのでみなさんも是非知っておいてください。


1662年までに、イギリスの砂糖消費量は年間1600万ポンドに膨れ上がりました。ゼロからここまで来るのにおよそ2世紀ちょっと要した計算になります。
その頃になると、裕福で高名な患者たちの尿にこれまで見られなかった異常な甘さがみられるようになります。この異常を最初に書き記したのはウィリスという人でした。彼は脳の一部をウィリス環(大脳動脈輪)と名付けたことで有名ですよね。
彼の論文「ファルマシューティス・ラショナリス」の中で、彼はこの症候をディアベテス・メリテゥスと名付けました。
ギリシャ語のディアベテスは単に多尿を意味するもので、ラテン語では、この症状はポリユリアとなるはずでした。しかし、彼がギリシャ語のディアベテスと結合させたのは、蜂蜜の甘さを意味するメリテゥスでした。


その当時、砂糖貿易で儲けている御偉いさん方や国王までもが患者さんでした。そんなところに砂糖の摂り過ぎが新しい病気の原因だと言うことで、不必要にお得意さんの機嫌を損ねたり、商売や命を失う危険に身をさらしたいと誰が思うでしょう。

だからウィリスは多尿性砂糖炎と呼ばずに蜂蜜炎と呼んだのですね。


この本に書かれている糖尿病を紹介しましょう。

糖尿病は代謝異変による病気の一つです。遺伝性が顕著で、原始的な農村社会より都会、特に現代都市生活において多く見られ、ユダヤ人が最も罹病率が高い病気です。過度の砂糖摂取がこの病気の一要因と考えられ、肥満が発病を助長するとされていますが、多くの観察者によれば、しばしば患者に見られる肥満はこの病気の原因ではなく、この病気の一症状であると考えられています。
罹病は年齢には関係はありませんが、50歳代が最も罹病率が高くなります。男性は女性の2倍の罹病率を示し、白人種は有色人種よりも罹病率が高いです。
糖尿病は非常に死亡率の高い病気であり、治癒は大変稀であると言われています。

治療方法には、食餌療法と薬物療法という二つの異なる方法があります。ある種の食べ物、特にサッカリンやでんぷん質を多く含む食物は症状悪化に強力な影響を及ぼすことは間違いないので、食餌療法は糖尿病には最も重要なものと考えられています。
これらの症状を悪化させる成分を飲食物からできるだけ排除しようとする様々な食餌療法があります。最も効果のある食餌療法は個人によって異なり、実際に試してみないとわかりません。糖尿病治療に用いられる薬物は多数ありますが、何らかの効果があると認められるものは少ないのが現状で、阿片はしばしば強力な効果を発揮し、その投与はすべての症状を大幅に軽減するとされています。
またモルヒネやコデインも同様の効果をもたらします。
ヘロイン・ヒドロクロライドもこれらの薬物の代わりに用いられてきましたが、重症よりも軽症により効果があるそうです。


今では、糖尿病の薬ももっと出ていますが、なにはともあれ、難しい病気であることは事実です。


さて、この章を読んでいくと、インスリンの発見は、病弊体制がその利己的利用方法を知っていた一種の現代医学の奇蹟だとしています。
インスリンの製造は薬品産業に利益をもたらしてきました。糖尿病患者は否応なしに買わざるを得ない状況だったので、20世紀初頭には百万人の患者がインスリンに殺到しました。1920年代には砂糖中毒が急増し、その結果この高利益の市場は年々拡大することが確実となりました。
インスリン注射は高価ではありましたが、便利な一時的緩和剤だったのです。
しかし安価な即効治療薬ではありませんでした。インスリンは、包装され、ドラッグストアの店頭で注射針などの付随器具とともに、簡単に売られていましたが、予防注射に嬉々とする薬剤指向社会の想像力をうまく捕えるものでした。
このようにして、動物たちの膵臓から抽出したインスリン注射で、糖尿病患者たちはなんとか生きながらえたのです。

そして死すべき運命にあった多くの人々(インスリン注射を打つ金銭的余裕があった時の話ですが)は寿命を延ばして、糖尿病の傾向のある子孫を残すことになりました。



糖尿病や血糖障害は遺伝します。これが、今現在も増え続ける糖尿病に背景にあること間違いないでしょう。



糖尿病はこの当時、インリンス分泌減少症と呼ばれることになりました。

そして1924年、インスリン発見にノーベル賞が与えられた1年後、1人の医学教授がインスリン分泌減少症に拮抗する症状を発見しました。その頃、インスリンを過剰投与するとインスリン・ショックと呼ばれる症状を作り出すことがわかっていましたが、アラバマ大学のシァール・ハリス博士は、糖尿病患者でもなくインスリン投与を受けたこともない多くの人々に、インスリン・ショックの症状が認められることに気付き始めたのです。
これらの人々は血液中のブドウ糖値が通常より低いと診断されたのです。
いわゆる低血糖症ですよね!

糖尿病患者の場合、ブドウ糖値は反対に高すぎるのです。

同年、ハリスはこの発見を公表し、血液中の低ブドウ糖値状態はインスリン分泌過剰症の症状であると宣言しました。
このときまで、インスリン分泌過剰症の症状を呈する患者たちは、冠状動脈血栓症、他の心臓病、脳腫瘍、胆嚢病、盲腸炎、ヒステリー、喘息、アレルギー、潰瘍、アルコール中毒、および様々な精神障害として治療されてきたのです。


しかし、なんとハリスにノーベル賞は与えられませんでした。病弊体制にとって、彼の発見は利益ではなく困惑だったのです。インスリン分泌過剰症あるいは低血糖に対して彼が提案した治療法は、包装され、薬局の店頭で売られたり、巨額な商いを約束する事業として薬品産業に認可されるような魅惑的な新特効薬ではなかったからです。


低血糖あるいはインスリン分泌過剰症の治療法は、非常に単純なもので、それから利益を得ることは誰一人としてできないし、医者でさえも不可能であることをハリスは指摘しています。

その治療法とは、みなさんもおわかりのように、体の自己管理だったのです。
低血糖の患者は精糖、キャンディー、コーヒー、清涼飲料水をやめる覚悟をしなければなりません。それは、これらのものが病気を引き起こしていたからです。インスリン分泌過剰症の患者は一生涯を通じて誰をも頼ることはできません。彼らは独力でなんとかやっていかなければならないのです。医者が彼らに教授できるのは、ただ単に、してはいけないことだけなのです。
このようにインスリン分泌過剰症あるいは低血糖の療法は自分で試みよという提案でした。



当然、医学会はハリスに猛然と攻撃を加えました。彼の発見は攻撃されるか、さもなければ無視されました。もし彼の発見が外部に漏洩するようなことがあれば、それは外科医や精神分析医や他の専門医たちに不都合な事態を引き起こしかねなかったからです。インスリン分泌過剰症あるいは低血糖は、今日に至るまで病弊体制の継子になっているのです。


そしてアメリカ医師会がハリスに賞を授与するまでには、実に25年の歳月が必要でした。

なんということなんでしょう。

1929年に、インスリン発見者フレデリック・バンティングは、インスリンは治療薬ではなく、一時的な緩和剤にしか過ぎない、糖尿病の予防方法は「危険な」砂糖の大量摂取をやめることである、という意見を表明しました。
そして彼は次のように警告しました。「アメリカでは、糖尿病罹患率は1人あたりの砂糖消費量に比例して増加してきた。天然の砂糖黍を加熱、再結晶する過程で、何らかの変化が起こり、精製品は危険な食料品となる。」



インスリンは糖尿病患者の死を遅らせることはできるが、それ以上のことはできないということをイギリスの統計は明らかにしています。

イギリスにおけるインスリン導入前の糖尿病死亡者数
1920年 110人(100万人あたり、以下同様)
1922年 119人
1925年 112人

インスリン導入後の糖尿病死亡者数
1926年 115人
1928年 131人
1929年 141人
1931年 145人



いかがだったでしょうか?
「シュガーブルース」の本から怒濤のように紹介してきたので、難しいところも多々あったかと思いますが、砂糖が身体に起こす影響や砂糖に関わる歴史。そしていまだになかなか理解されない砂糖の恐怖。
そんな大切なことが、この古い本に書いてあるのです。

もちろん糖質は大事な栄養でもあります。
しかし、精製した食品や白い砂糖を摂りすぎることへのリスクをみなさんに少しでも知っておいてもらいたいと思います。



さて、次からのテーマは、最近何度も登場してきている「副腎」についての話にしようと思います。
お楽しみに~^^。

なにかご質問があれば、
こちらから
気軽に聞いてくださいね。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


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by chiropratica | 2011-11-16 08:03 | 砂糖の話

NO.291 砂糖病 sugar blues その4 「砂糖の真実」

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4章では、まず、最新の栄養医学について紹介しています。

それは「今日、ライナス・ポーリング博士、ならびにA・ホッファー博士、アラン・コット博士、A・チャーキン博士らの「分子整合医学」(Orthomolecular Psychiatry)の先駆者たちは、精神病は神話であるとし、情動障害は、人体が砂糖依存状態のストレスを明らかに処理できない、ということを示す最初の兆候でしかない場合があることを確証している」という文章から始まります。



分子整合医学では・・・

ポーリングが「分子矯正精神医学」の中で次のように書いています。

脳と神経組織の機能は、他の器官や組織の機能に比べ、体内の化学反応率により敏感に左右されます。精神病は、概ね、遺伝的体質や食物によって決定される異常化学反応率と分子中の必須物質の異常濃度に起因している。そして化学とテクノロジーが急速に変化し続ける世界では、食物(や薬剤)の選択は、しばしば理想とはかなり掛け離れた形で行われる可能性があります・・・と。


たとえば、ビタミンB12の欠乏は、どんな原因で引き起こされても、それがもたらす肉体的結果よりもさらに顕著な形の精神病を発現させます。悪性貧血と結びつく精神病は、肉体的症状が現れる前に数年間にわたって観察されます。他の研究者たちによっても精神病患者のカラダの中のビタミンB12の濃度は一般の人々の濃度よりも低いと報告されてきました。ビタミンB12の欠乏は、それがどんな原因によろうとも、精神病を発現させる可能性があるということですね。

分子整合医学で、ニコチン酸(ナイアシン)が使用され始めると、何十万人ものペラグラ患者が、肉体的症状とともに精神的疾患から救われました。さらに最近になってからは、他の多くの研究者から精神病治療へのニコチン酸やニコチンアミドの使用による効果が報告されているのです。

またある程度まで精神病治療に使用されてきたビタミンには、他にアスコルビン酸(ビタミンC)があります。
ビタミンC欠乏症(壊血病)の肉体的症状には精神症状(躁鬱)が付随します。文献研究から、多くの精神分裂病者は生得的と思われるアスコルビン酸代謝増進傾向を持っており、大量のアスコルビン酸摂取は精神病治療にいくらかの価値を持つと考えられています。



このような分子レベルによる病気は、すべてのビタミン、すべての必須アミノ酸、他のすべての必要不可欠な栄養素によって説明されていますが、この分子病にわれわれの遠い祖先が冒され始めた時、ポーリングは治療食によってそれをコントロールすることを学んだのです。
そして「メガビタミンB3 精神分裂病の治療」の中で、A・ホッファーは「患者さんはショ糖およびショ糖の豊富な食物を制限する食計画が勧められる」と書いています。
精神分裂病と診断された患者の食生活を調査した結果、彼らの好物が甘菓子、キャンディ、ケーキ、コーヒー、カフェインの入った飲み物、砂糖で味付けされた食物などであることが判明しました。副腎を刺激するこれらの食物は削除されるか厳しく制限される必要があるということです。

また脳損傷や学習不能の児童、および、活動過剰症や精神病の児童に関する臨床調査では、異常に多くの糖尿病患者の出た家系、つまり、両親および祖父母は砂糖をうまく処理できないということが明らかになりました。こういった家系に生まれた子供自身の機能的低血糖症発生率の異常な高さ。これは子供の体が砂糖をうまく処理できないことを意味しています。



これらのことは、本当に大事な情報だと思います。
糖尿病の家系を持っている人は注意すべきだということですよね。現代に糖尿病が増えているということを考えれば、世代を超えて血糖値障害を持った子供達が増えているということなのです。
砂糖をうまく処理できない全ての子供は、砂糖が大量に含まれている食べ物に依存していることが多いとされています。

さて、ここにきてようやく、現代医学の最先端は、蔑まれていた女呪術師が入念な自然の研究を通して遠い昔に学んだことをようやく再発見したのです。





その一方、伝統的な東洋医学は、精神と肉体は分離し得ないと常に主張していました。われわれが病とか病気とか呼ぶものは、身体全体が均衡を失っていることだというのです。再び調和を取り戻し、健全な人になるには、完全な食物を食べさえすればいいと昔から話してきたわけです。
日本の伝統的な医者・反医者である石塚左玄(19世紀以来日本が西洋科学および医学の多くの技術を取り入れる中で、かたくなに古来の伝統的方法を厳守したがゆえに、彼はこう呼ばれます)は、西洋が精神病と呼ぶものは、食養生法で治癒できる、という教えを弟子たちに授けていました。

1920年代~1966年に死ぬまで、ヨーロッパとアメリカで講演、著作、教育活動に携わっていた桜沢如一(石塚の後継者)は次のように書いています。「癌は強壮な体質の人々がかかる極端に陰の病気ですが、精神分裂病は虚弱体質の人がかかる最も陰の病気です。」
東洋医学では、鍼術と同様に、すべては陰陽の無双原理から導き出されると言われています。砂糖は極端に陰の食物であり、赤肉は極端に陽の食物です。陰が過剰な砂糖は癌や精神分裂病と呼ばれるような陰の過剰による病気を産むという話です。
虚弱体質と伝統的な東洋医学が定義するものは、遺伝によって決定されますが、胎児が初めの何か月かを子宮の中で生きる間に母親が摂取する食べ物によって、この体質は部分的に改められます。頬に密着し、頬との境がはっきりしないような小さな耳たぶは、東洋人にとっては、虚弱体質のしるしになるのです。
反対に、頬とはっきりと分離している大きな耳たぶは、強壮な体質のしるしであり、健全な遺伝体質を受け継いだしるしです。
西洋の診断専門医たちは、頬とはっきり分離している大きな耳たぶは強い副腎のしるしであるとしており、この古代東洋の診断を立証しています。


これらの診断は現在でも使われていますね。
顔や身体を見て、その人の状態を判断する方法です。




さて、ここからは血糖調節に関わる副腎の話を。

1940年代、ジョン・ティンテラは、「病的精神作用」すなわち“脳仰天作用”において内分泌システム(特に副腎)が極めて重大な働きをしている事実を再発見しました。
これにより、古代東洋医学のいくつかの基本的な考えの正しさが再発見されました。

副腎皮質機能低下症(hypoadrenocorticism 十分な副腎皮質ホルモン分泌不能あるいは当ホルモン内の種々のホルモン間の不均衡)治療中の200例から、彼は、患者の主な訴えは砂糖を処理できない体を持つ人々の訴えとしばしば重なり合うことを発見しました。例えば、疲労、神経の苛立ち、抑鬱、不安、甘い物の切望、アルコール処理不能、集中力欠如、アレルギー、低血圧。

シュガー・ブルースと似ていると思いませんか。

彼は、最後に砂糖処理能力があるかどうかを調べるために、すべての患者さんに4時間のブドウ糖負荷試験を強要しました。その結果はまさに驚くものだったのです。
全ての青年期初期に属する患者さんたちが低い均一の曲線を示したのです。



麻薬中毒、アルコール中毒、精神分裂病に関する大部分に副腎皮質機能低下という一つの内分泌型が共通して認められるというのは興味深い事実です。

ティンテラは画期的な医学論文をいくつか発表しており、病状の軽減、緩和、治癒は「身体全体が正常な機能を取り戻すことにかかっている」と彼は繰り返し強調していました。彼の第一の処方は食餌療法でした。
「日常の飲食物の重要性は強調しても強調し過ぎるということはない」と彼は繰り返し述べています。

ティンテラは1969年に57歳という若さでこの世を去ったのですが、彼が死んでくれた御陰で、医者たちは、遺伝学と食餌療法の単純な東洋医学原理である陰陽理論と同様、現実離れしていると見なされていた彼の発見を受け入れやすくなりました。
今日では、ティンテラが何年も前に表明したことを世界中の医者たちが繰り返し述べています。そこでは、何人いえども、患者の砂糖処理能力の有無を調べるブドウ糖負荷試験を試みぬかぎり、いかなる場所においても精神医学治療と呼ばれる治療を始めてはならないと言っています。
そして予防医学では、副腎は元来強壮だから砂糖を処理できると考えている人々に対して、副腎が疲れきったという信号を出すまで何もしないことへ警鐘を鳴らしています。



血糖調節に関わる副腎。そして血糖バランスが崩れている人によく見られる副腎機能低下症。
まさにこの副腎こそが、身体を調節してくれている万能の臓器であり、副腎に負担を与えるような食事は精神病だけでなく、様々な病気の元になるのです。




この本で、作者は、過去に医学史に起こったことを思い返すだけで、驚愕してしまうと言っています。幾世紀にもわたって、迫害されてきた精神病患者たちは、やれ魔法だと言ってバーベキューにされ、魔憑きだと称しては悪魔払いにされ、精神異常のかどで監禁、はたまた自慰のやり過ぎの気狂いと虐待され、精神病は精神医学、精神分裂病は脳味噌切断の刑、と様々な虐待を受けてきたのです。

作者は言っています。
もし地方の自然療法家が、苦しみの原因はただ一つ、シュガー・ブルースだけなのだと患者さんに語ったとしたら、どれだけの人がその言葉を素直に受け止められるでしょうか?・・・と。



今日の話は難しかったと思いますが、大切なことがちりばめられていましたね。
砂糖の害が精神に及ぶことをなかなか認められなかった医学。
そしてその中で、ちゃんとした診断を得られず苦しんでいた患者さん。
今現代でもいまだにそういった状況が少なからずあります。

それが最後の言葉にあらわれているのではないでしょうか。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-11-15 08:36 | 砂糖の話

NO.290 砂糖病 sugar blues その3 「シュガーブルース」

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さて今日は、3章目ですね^^。
みなさんも砂糖の怖さがだんだんわかってきたのではないでしょうか。

さて、この章ではまず、砂糖によって人間のカラダに何が起こるのかをわかりやすく書いていますので、その文章を全文載せておきましょう。



・・・・・
脳は人体中で最も敏感な器官といえる。気分の高揚と沈滞、正気と異常、冷静と情緒不安定、躁状態と鬱状態、これらのいずれの状態になるかは、われわれが口をするものに大きく左右される。全身(脳はその一部に過ぎない)が最大の能力を発揮するためには、血液中のブドウ糖量と血液中の酸素量とがうまくバランスを保っていなければならない。

E・M・エイブラハムソン博士とA・W・ペイゼットは「体、心、砂糖」で次のように書いている「・・・血糖値が通常より低いと・・・細胞、とりわけ脳細胞は栄養不足になる傾向がある。この低血糖は食事によって回復するが・・・細胞、特に脳細胞が慢性的に栄養不足になると、どういうことが起こるか?その場合、最も弱く、最も傷つきやすい細胞が最初に損なわれることになる。」すべての機能が正常に働いている時は、このバランスは副腎の監督下に厳密に維持される。われわれが砂糖(ショ糖)を摂取した場合、砂糖はブドウ糖にすぐ変化しうるものであるので、体内での化学変化過程を大分飛び越えてしまう。腸に直接収まったショ糖は、そこで「消化されやすい形になった」ブドウ糖になる。そして次にブドウ糖値と酸素量が厳密なバランス状態にある血液中に吸収されるわけだ。
こうして血液中のブドウ糖値は激しく高まる。バランスは崩れ、体は危機状態に陥る。

この危機を最初に記憶するのは脳である。
次に砂糖処理に関するすべての化学物質を調整するホルモンが副腎皮質から分泌され、血液内のブドウ糖値を下げる働きを持つインシュリン(ブドウ糖値を高く保とうとする働きを持つ副腎から分泌されるホルモンと相拮抗するホルモン)が膵臓のランゲルハンス島から分泌される。

これらすべての作用は急激に行われ、所定の結果をもたらす。しかし、早すぎる作用は行き過ぎを生む。ブドウ糖値が低くなり過ぎ、第二の危機が生まれるのである。このため、膵臓のランゲルハンス島は分泌腺を閉鎖し、副腎皮質のある部分も同様に分泌を停止する。化学作用のこの逆流を調整するために他の副腎のホルモンが造り出されなければならず、この結果再びブドウ糖値は上昇することになる。

こうしたすべての変化は、われわれの感情に反映する。ブドウ糖が血液に吸収されている間、われわれの気分は「高揚」する。急激な気分の上昇である。しかしながら、ブドウ糖値が低くなり過ぎると、この投げ与えられたエネルギーの動揺はおさまる。われわれは気力を失い、疲れを感じ、ブドウ糖値が再び上昇するまで動いたり考えたりするのさえ億劫に感じる。われわれの貧弱な脳は疑惑や幻覚にとらわれやすい状態になる。われわれは苛立ち、全身の神経がピリピリすることもある。この第一の危機に続く第二の厳しい危機も、結局、ブドウ糖の超過に起因している。もし、このまま砂糖を摂り続けると、前の危機が終わらないうちに新たな危機が二倍となって始まることになる。こうして蓄積された危機は、ある日途方もなく大きなものとなる可能性がある。

こんな日が何年も続くと、しまいに副腎がやられてしまう。過重労働のためではなく、絶えず鞭打たれるために疲れ果ててしまうのだ。ホルモン製造機能は全体的に低下し、量も適量を分泌することができなくなる。バランスを失って機能障害を起こし、これが内分泌循環器系統全体に反映する。すぐに脳は障害を起こし、あらぬ妄想や幻覚を告げるようなことにもなり、撃鉄を十分引かないうちに弾丸が飛び出すようにわれわれは早まったことを仕出かすようになる。こんな時にストレスが溜まると、それに対処するような健康な内分泌系統がもはやないので、われわれの体はメチャメチャに崩れてしまう。日々の仕事の能率がだんだん落ちていき、常に倦怠感に悩まされ、何もできない気持ちになる。こうしてわれわれは本物のシュガー・ブルースに冒されてしまうのである。
・・・・・



なんと明確な文章でしょう!
まさに砂糖をとって身体に起こることがわかりやすく書いてあります。
私が臨床に出ていても砂糖により、副腎がやられてしまい、全体的に内分泌系統が障害を起こしている方をたくさん見かけます。



そしてこの本では、たしかにすべての人が同じように蝕まれるわけではなく、副腎の強い人もいるし、副腎の弱い人もいると述べ、砂糖の濫用度により、シュガー・ブルースもまちまちとなると言っています。ただ、身体は嘘をつかない、もしあなたが砂糖を摂ったら、その報いを体に感じることになると警告しているのです。


今は亡き内分泌学者ジョン・W・ティンテラは断固として述べていました。「気質を改良し、能率を高め、性格を改善するのは簡単である。その方法は砂糖黍と砂糖大根から作られるあらゆる形の砂糖をさけることである。」と。



ヨーロッパにおける砂糖の歴史は、十字軍兵士が信じ難い話を携えて帰郷してきた時に始まりましたが、その時、兵士たちは、異教徒の地で見出したいくつかの技術を持ち帰りました。その一つは風車であり、これによって旧式の水車による丘陵下での粉挽き同様、丘陵上での粉挽きがすぐに可能になりました。そしてもう一つは、ビールや葡萄酒の醸造に砂糖を発酵促進剤として使用する技術でした。この卑劣な方法はソフィスティケーションと呼ばれ、当時、ビールをソフィスティケートするということは、粗悪な異物を加えビールを台無しにすることを意味していたのです。
そう砂糖は自然の麦芽とホップにとって粗悪な異物だったのです。
その後ソフィスティケートという言葉はなくなりましたが、その代わり、アダルトレート(混ぜものをして品質を落とす)という言葉が使用されるようになりました。

作者は、このようにして、今日では食べ物は非常に洗練されてしまい、栄養価が損なわれてしまっているため、製造者はでたらめな話を並べて、私たちを煙に巻くと話しています。
また、どうして私たちの食べ物は「強化」されたり、「栄養価」を高められる必要があるのだろうか?なぜ小麦は精製され、しかる後に栄養価を高められるのだろうか?それは小麦が精製される過程で多くの生命維持に必要な栄養素を略奪されるからですと述べ、これが進歩の実態と話しています。

まさに現代食の核心に触れていますね。
もちろんこれは砂糖の精製にも言えます。砂糖黍と精糖ではまったく違うわけです。


この章の後半では、最初に述べたシュガー・ブルースによる症状についてずっと医者は認めてこなかった歴史がつらつらと描かれています。
砂糖が悪いということは、女呪術師、賢女、自然療法家たちは昔から気づいてそれに対する治療を行ってきました。しかし当時の無能な医者は、何世紀にもわたってシュガー・ブルースの症状をもっぱら魔法のせいにしてきたのです。その中には、精神分裂症、偏執病、緊張病、早発性痴呆、神経症、精神病、精神神経症、慢性蕁麻疹、神経性皮膚炎などがあり、それらの病気は悪魔のせいだとされたのですね。
そしてさらに良くないことに、シュガー・ブルースがどういうものなのかを理解していた才知ある人達を追いやってしまうのです。いわゆる魔女狩りです。

なんてことでしょう。



有名な自然療法家であるモーリス・メセゲのベストセラーの本では、彼の祖先たちから学んだ単純な処方箋を繰り返しているといいます。それはすなわち自然に生育した完全自然食品。現代医学の最先端がやっと私たちに伝え始めたことは、彼の祖先たちが400年以上にもわたって説き続けてきたことだったのです。それは、どのように加工され、どのような形になっていようとも、砂糖黍および砂糖大根の精糖をいっさい摂ってはならぬということなのです。

日本でもマクロビオティックの桜沢は「あなた方はみな三白だ」の序文では、砂糖に関する一章が設けられています。

「西洋の医学と科学は、特にアメリカにおいて甚だしい、一人あたりの砂糖消費量の途方もない増加に、やっと警鐘を鳴らし始めたところです。彼らの研究や警告は何十年も前になされるべきであったもので、今では遅過ぎるのではないかと私は恐れています。・・・東洋医学が昔から知っていたことを西洋医学もある日認めることになるだろう、と私は確信しております。それは砂糖が疑いもなく人類史上最大の殺人者であるということであり、阿片や放射能の死の灰よりもずっと致命的なものであり、特に米を主食としている人々にとってそうであるという事実です。砂糖は近代工業文明が極東やアフリカに投げ込んだ最大の罪悪であります。・・・子供たちにキャンディーを与えたり、売ったりする愚かな人々は、ある日、大変な償いをしなければならないことを発見し、唖然とすることでしょう」



どうでしょう?
今日では、さまざまな食事療法や自然療法家がいます。もちろんそれぞれ考え方も違うこともあります。しかし、砂糖を摂ってはいけないというところでは、意見が一致しています。
人は、精糖すなわちショ糖を処理できないのです。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-11-14 08:24 | 砂糖の話

NO.289 砂糖病 sugar blues その2 「砂糖の足跡」

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今日は、シュガー・ブルース2章。
この章では、砂糖にまつわる歴史について紹介していますが、これがけっこうおもしろい。砂糖によって大国が弱くなっていく様も描かれています。
考え過ぎなのでは?と思う人もいるでしょう。でも砂糖の怖さを知ったらこれはおおいに考えられることかもしれません。


砂糖は昔、遠い異国から輸入される非常に高価で贅沢な品物でした。砂糖黍(サトウキビ)をもたらす遠い異国とは、恐らくインドだったようです。
ポリネシア神話や伝説では、よく砂糖黍の栽培が語られます。中国が砂糖黍の輸入という形で、インドから貢物を取り立てていたという証拠も残っています。
この砂糖を作る原料である砂糖黍は、熱帯地方の気候下で生育する食物で、熱帯地方以外の国々がその栽培に手を出しても、ほとんど成功するなかったようですね。


古代インドでは、初め牛たちが砂糖黍を噛んでいたのではないかと書いています。そこで、インド人はそれを裏庭に植え、今度は自分たちもその甘い植物を噛み始めました。そのうち10年ほどたつと、アメリカのインディアンが楓の木に刻みをつけて樹液をとり、その糖蜜を飲んでいたように、インド人たちも砂糖黍の絞り汁を飲むようになりました。

さて、その一方ギリシャ人は、紀元前325年に、アレキサンダー大王の海軍部将だったネアルキュスがインドでインド人が砂糖黍の汁を飲んでいるのを初めて目にしました。
その後それは、「インドの塩」とか「蜂のつくらない蜂蜜」と呼ばれ、非常に高い値でわずかな量だけ輸入されるようになったのです。

600年を過ぎると、ササン朝ペルシャ帝国では、ペルシャ人たちが自国に砂糖黍を植え始めました。そして砂糖黍の絞り汁と、発酵させずに保存できるような固形物を精製する方法を発見し、それにより砂糖の運送と貿易が可能になりました。

その当時、砂糖の子片はサッカルムと呼ばれ、貴重で高価な特効薬と考えられていたそうですね。その後世界でこの砂糖の貿易権を奪いあって、砂糖をめぐり国が大きくなったり衰えたりしていくわけです。
この2章ではその辺りの情勢が事細かく描かれています。


砂糖黍を精製する方法を発見したササン朝のペルシャ帝国も、興隆し崩壊していきます。マホメットとその後継者は、回教徒の軍隊で全世界征服に成功する目前で、砂糖により衰弱してしまいます。彼らは、制服最後には祈りを怠り、葡萄酒や砂糖入りの飲み物を飲んでいました。そして様々な地にいた彼らのアラブ占領軍もペルシャのお米やペルシャ人がインドで発見した砂糖黍を食べたのです。
その後、彼らはすぐに多くの新しい病気に苦しみ始め、それによって医学と外科手術には目覚ましい進歩が見られましたが、彼らの軍は衰えていきます。

初期のヨーロッパ人の観察者レオンハルト・ラウヴォルフは、アラブの砂漠の兵士たちが激烈な強靭さを失った理由として砂糖摂取の蔓延を挙げています。
アメリカ軍がアジアでヘロインやマリファナに溺れているのを発見した現代の観察者たちとほとんど同じ目で、ラウヴォルフはサルタンの軍隊に蔓延した砂糖常用癖を見ていました。「暴食に慣れたトルコ人には、もはや、猛勇果敢に敵に抗して戦った昔日の面影はない。」
これは、砂糖の濫用とそれがもたらす結果について科学界が発した、記録として残る最も古い警告でしょう。


その後、サラセン帝国の隆盛によって、砂糖は非常に政治的な食べ物になりました。
人間は、それを獲得するためには己の魂まで売り渡しました。そして、アラブの征服者たちの力を奪った運命が、今度は彼らの敵であるキリスト教徒たちを苦しめることになります。サルタンの手から聖地を奪回する遠征中、十字軍兵士たちは、すぐにサルタン人の砂糖の味を覚えました。兵士の中には、砂糖黍酒や砂糖菓子を腹一杯に詰め込み、異教徒の地でただやつれていくのを望む兵士もいたそうです。そしてヨーロッパの統治者たちは、エジプトの宮廷に滞在する大使たちが砂糖癖で堕落し、高価な香料や砂糖の賄賂に屈しているさまが発見したそう。

サルタンの支配する地においては、砂糖を大量に生育し、サルタン達は多額の収入と税をそこから得ていたので、キリスト教徒もその砂糖に手を出し始めます。
そして世界は、砂糖をめぐってその奪い合い、奴隷制や、集団虐殺、組織的犯罪が起こりはじめるのです。ヨーロッパにおける砂糖競争の始まりです。
そこにはポルトガルから始まり、イタリア、スペイン、ドイツ、イギリス、アメリカと大国を巻き込んで抗争が起こります。そしてアフリカ地域の奴隷制度も過度を増していくのです。

イギリスの歴史家ノウエル・ディアーは事も無げに言っています。「奴隷貿易のアフリカ人犠牲者は2千万人に登り、その3分の2は砂糖が罪を負うべきものである」と。


ここまで砂糖が歴史に関与してくるとは、おもしろい視点だとは思いませんか?



そして現在になると、砂糖を全ての中毒性物質の中で最悪のものとする言明がいくつかされています。

その中でも1912年にニュージャージー州の歯科医ロバート・ベースラーは、こう言っています。
「近代の砂糖工業生産は、ひたすら、新しい様々な病気を生み出してきた。市販されている砂糖は濃縮され結晶化された酸以外の何ものでもない。昔は、砂糖は高価だったので、それを使用することができたのは裕福な者たちだけであり、国全体の経済的観点から見れば砂糖は何の結果も引き起こさなかった。しかし、今日、砂糖は安価になり、民衆の身を蝕み退化を引き起こしており、今や、広範囲の啓蒙が必要であると主張する時である。前世紀および今世紀初めの10年間における砂糖摂取によるエネルギーの損失は、決して回復することはできない。その痕跡は民族の中に刻み込まれているのである。アルコールは何千年にもわたって飲まれてきたが、1つの民族全体の退化を引き起こすことは決してなかった。アルコールは破壊的な酸を含んではいないのだ。砂糖によって破壊されたものは永遠に失われ、それを回復することは不可能である。」

何かズシンと頭に来る文章ですよね。
まさに砂糖の痕跡は代々引き継がれていると言えます。
そして日本でも砂糖消費量が多い地域の若い世代に問題が起きはじめていると私は今思うのです。


この本で作者は言っています。
「砂糖常用癖と麻薬常用癖との違いは程度の問題と言ってよい。麻薬の場合、少量で体と脳の活動を即座に変えることができる。砂糖の場合は多少時間がかかり、純粋な砂糖の液体だとアルコールのように分の問題だし、他の形の砂糖だと年の問題となり、変化に要する時間は様々となる。アメリカはまさに大酒と砂糖中毒の国なのだ。」と。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


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by chiropratica | 2011-11-12 18:30 | 砂糖の話

NO.288 砂糖病 sugar blues その1 「砂糖に溺れる」

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大分寒くなってきて、ようやく冬到来と言った感じでしょうか。
砂糖関係の話題が続いているので、blog読んでいて砂糖を摂るのが怖くなってきたという方もいます・・・笑。
もうこんな話題は嫌かもしれませんが、もう少しだけ続けさせてくださいね。

今日から「sugar blues」という本について紹介していきます。


Sugar:
砂糖黍(さとうきび)や砂糖大根(甜菜)の絞り汁に多数の化学的処理を施して精製される蔗糖(サッカロースC12H22O11)。その過程で、原料食物の90%を占める繊維質とたんぱく質のすべてが除去される。

Blues:
恐れ、肉体的不快、不安などの重圧による憂鬱な気分(しばしば個人的不幸を自伝的に物語る歌として表現される)。

Sugar Blues:
砂糖と一般的に呼ばれる精製された蔗糖の摂取によって引き起こされる、様々な肉体的および精神的苦痛



古い本ですが、なんとも視点がおもしろいので、是非みなさんにも知ってもらいたい本です。
ただもう絶版になってしまっているので、このblogで、最初の何章か内容を紹介していきますね。


「砂糖病 シュガーブルース」という衝撃的な題名のこの本は、作者ウィリアム・ダフティの自分の経験談から始まります。
ウィリアムが、まだどうしようもないショ糖(砂糖の一種)中毒だった頃、ある女性と出会います。それはニューヨーク5番街の、ある弁護士事務所で開かれた昼食記者会見の時のこと。グロリア・スワンソンという女優が隣に座っていました。彼女は、ウィリアムがコーヒーに角砂糖を入れようとした瞬間、言いました。「砂糖は毒よ。私の家では使わないわ」と。
ウィリアムはビックリしました。そしてさらにこう続けたのです。「毒を食べている人たちを見ると、以前はよく激しい怒りが込み上げてきたものよ。だけど、並大抵のことじゃないけれど、これは1人1人が自分で気付かなければならないことだって今では悟っているの。白い砂糖を食べるといいわ。命が惜しくないならね。」

その言葉でウィリアムは、それ以来、砂糖に手が伸びると、彼女の言葉を思い出してしまい、その手を引っ込めてしまったそう。そして自分がかなりの砂糖中毒になっているということも発見したのです。
しかし、この時はまだ事の重大性に気付いてはいませんでした。

彼の幼少時代は、ごく普通のアメリカの田舎町の家族と同じく、3食とも家で食べ、その時代の子供たちにとっては、ソーダ水やコカ・コーラや他の清涼飲料水は存在してないも同じくらいだったといいます。
ある日、ウィリアムはクリスタルレークで夏を過ごしたときに、母の財布からお金をくすねてグレープソーダーを飲んでしまいました。それからというもの毎年夏のグレープソーダー癖をコントロールできなくなり、思春期には顔や首や背中は見苦しいニキビの花盛りとなりました。
今ではニキビの原因が、自分が重ねた罪のためだということがわかるのですが、その当時はそれをわかる医者すらいなかったのですね。

高校時代になると、学校の帰りになけなしの金をはたいて、毎日麦芽チョコレートを飲む毎日、皮膚病はさらに悪化しました。大学時代には初めてのペプシ・コーラを経験します。
そして大学を中退した後、フランドル戦線に赴くため徴兵にとられました。

軍隊では、立派な食事が与えられましたが、軍隊の食事にうんざりだったウィリアムは、朝、昼、晩と酒保に通い詰めます。そこで、麦芽乳、砂糖入りコーヒー、パイ、キャンディー、チョコレート、コカ・コーラをやたら詰め込む2年が始まったわけです。

こうやってついにウィリアムは砂糖漬けに・・・。


酒保通いを初めて数ヶ月たった頃、彼はひどい痔に悩まされるようになります。その後毎日のハードな航海の中、肺炎に侵され一時イギリスの病院へ。
ようやく戦線に復活する時には、かなり衰弱しており、戦線からはずれ、地中海沿岸のオランという街ですごすのですが、その砂漠街で3週間過ごすと彼は生まれ変わったように元気になったといいます。
そこでは何マイルも歩いたところで酒保はなく、その頃の気晴らしと言えば、海とアルジェリアのビールだったそう。
ようやく砂糖から脱したわけです。

そしてウィリアムが所属することになったフランス前線部隊では、行く先々でその土地のものを食べ、凝った料理や贅沢な料理は一切食べない生活。酒保に出会うことは二度となかったし、砂糖はヤミでしか買えなかったのです。馬、兎、リスの肉、フランス農民の黒パン、その他手に入る物なら何でも食べ、彼の身体は見違えたように丈夫に。
鼻風邪一つもひかず、この部隊で過ごした18ヶ月一日たりとも病気で寝込むことはなかったのです。

しかし、ウィリアムはこの食生活の経験で不健康の生活から抜け出せたことをこのときはまだ理解出来ていませんでした。

そしてアメリカに帰ってから、また不健康な泥沼を経験してしまうのです。
アメリカに帰ると、飲めや食えやの体たらくで、パイ・ア・ラ・モード、生クリームのケーキ、大量の麦芽乳、チョコレート、ペプシ・コーラ、それに加えて、砂糖、砂糖の毎日に逆戻り。
数週間すると、ウィリアムは立て続けに奇妙な病気にかかり、寝込まなければなりませんでした。痔が再発し、毎日熱が上がり、下がりしました。総合健康診断を受けると実にさまざまな病名が飛び出してきました。伝染性単核白血球増加症、仮性マラリア、肝炎、帯状疱疹、伝染性耳炎、眼病などなど。
こうしてウィリアムは、15年以上もの間、医者、病院、診断、治療の間を目まぐるしく泳ぎ回り、検査と薬に明け暮れました。ところが、それらで受けられたのは、煩雑で形式ばった手続きの連続のみで、彼が飲食したものについて多少なりとも興味を示した医者はただの一人もいなかったといいます。
そして薬も効かなくなってきて、片頭痛を我慢できなくなったウィリアムは働くことも、眠ることも、食べることも、動くことさえできなくなり、病院へ急患として入院しますが、検査では異常は見つからず、ひどい頭痛があるのに薬も出なかったのです。

その後ある友人が食事療法を作者に勧めます。
その友人が勧めたのは、タバコとコーヒーをやめ、朝にオートミール、昼に米、夕に米と鶏を食べることでした。また朝夕の熱いお風呂や昼の軽い体操も義務づけられました。

それまでのウィリアムの朝は砂糖とクリームたっぷりのコーヒーから始まり、一日にそれを何杯も飲んでいたました。ひどい時は昼間でに4,5杯も飲んでいたそう。
こうして夕食までにウィリアムの身体は砂糖漬けになってしまうので、夕食時に食欲を呼び起こすために、北京ダックかラングスト・ア・ディアボロが必要になったと書いてあります。

そんな食生活だったので、その友人の勧めた食事療法で、作者は一時的に体調が良くなりました。しかし、またすぐの食習慣に戻り、頭痛が再発するまで無茶な飲食をしてしまっていました。
そして転機が訪れます。

ある夜、ウィリアムは一冊の小冊子を一気に読み切りました。その本に書かれていたことは、単純明快なことでした。
「もし、あなたが病気なら、それは取りも直さずあなた自身の罪であり、痛みは最後の警告である。自分の身体をどのように虐待してきたかは、誰よりも自分自身が一番良く知っている。だからそれをやめなさい。砂糖は阿片よりも致命的で放射能の死の灰よりも危険な毒である。」
そこには大体そんなことが書かれていたのです!


そこで彼は、ここでグロリア・スワンソンとの角砂糖の一件を思い出しました。
並み大抵のことじゃないけれど、一人一人が自分で気づかなければならないと彼女は言わなかったか?

そしてウィリアムは、ついに意思を固め、翌朝台所にあった砂糖を全部捨て、さらに砂糖が含まれている穀物類、果物の缶詰、スープ、パンなども残らず捨ててしまいました。そうすると食料棚や冷蔵庫がすぐに空になってしまいました。
それまで作者は原材料など注意深く読んだことはなかったのです。
そしてそれからは何の手も加えられていない完全な穀物と野菜しか食べませんでした。


そうして48時間もすると、彼は吐き気と凄まじい頭痛に襲われ、激しい苦痛の中でのたうち回りました。もし痛みが警告だとしたら、これはなんなのか。しかし、麻薬常用者と似た状態にあることに気づいたウィリアムは、この禁断症状を必至に我慢しました。



ウィリアムはこう言います。
・・・ヘロインは化学薬品以外の何ものでもない。ケシの実から乳液を取り乾燥させると阿片になり、阿片を精製するとモルヒネになり、それをさらに精製するとヘロインになるのです。そして砂糖もまた化学薬品以外の何ものでもない。砂糖黍や砂糖大根の絞り汁を精製すると糖蜜となり、糖蜜を精製すると赤砂糖になり、それを更に精製すると最後に奇妙な白い結晶になる。だから麻薬の売人が乳糖(ラクトース)の結晶で純粋なヘロインを水増しするのは不思議でも何でもなかったのだ・・・


約24時間、彼は非常に辛い思いをしましたが、翌朝起きてみるとすべてが変わっていました。前夜、疲れ果て、脂汗を流し、震えながら眠りについた作者は、翌朝目を覚ますと生まれ変わったように爽快な気分になりました。
穀物と野菜は神様からの賜り物のように美味しかったといいます。

続く数日間は驚きの連続でした。
痔は出血しなくなり、歯茎の出血も止まりました。肌の艶も良くなり始め、体を洗うと以前とは見違える肌合いとなりました。水腫れの肉の下に隠れていた腕と足の骨も存在を主張し始めました。そして早朝にベッドを抜け出すこともできるようになります。
頭もフル回転し始め、もう何も問題はありませんでした。

その後の5ヵ月間に体重は約93kgから約61kgに減り、肉体と頭は完全に生まれ変わり、作者の生活は全く新しいものになったのです。



その後、作者はグロリア・スワンソンに手紙を送りました。
「あなたは正しかった、本当に正しかった、当時私はあなたの言ったことが分からなかったが、今では完全に理解しています」と。



この経験、みなさんどう思いますか?
現代の食生活の中で、これと同じようなことは極身近に起こり得ることです。
あなたの今苦しんでいる症状は、もしかしたら砂糖から起こっているかもしれません。

私自身、この作者と同じような経験をしたことがあります。
砂糖が引き起こす、様々な症状。本当に怖いものだと心底思います。

ただ、これはグロリア・スワンソンが言っていたように「一人一人が自分で気づかなければならない」ものです。
本当に辛い思いをした人、そして良きアドバイスをしてくれる人がいること、また自分を変える努力をする人しか、得られないものかもしれません。

ただ、この話を読んだ人は、砂糖がこのくらいの中毒性があり、様々な病気を引き起こすものであることを頭の隅に置いておいてください。
そして自分が辛い思いをしたときに是非思い出してください。
そういう時には、私は是非力になりたいと思います。


シュガー・ブルース

誰もが歌う シュガー・ブルース
惨めで 辛い 私の気持ち
もう諦めて 死んでしまおうか
あんたは 勝手に あんたでおやり
あたしは もう  何も分からない
だけど 甘い甘い シュガー・ブルース
もっと砂糖を!!
あたしには 甘い甘い シュガー・ブルースがある


この歌は1923年に発表されました。
シュガー・ブルースの歌詞は、甘くはあるが同時に危険でもある白い物質をめぐって人間が経験する、相反する2つの感情の拮抗を巧みに表現しています。
それは魅惑と拒絶、お願いそうして・いやよして、傍に寄ってよ・いや寄っちゃいや、抜け出したい・溺れたい・・・そういったブルースの根底にある対立感情です。
砂糖は、身体に悪いと分かっていながら止められない、言わば麻薬のようなものなのかもしれません。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


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by chiropratica | 2011-11-11 14:05 | 砂糖の話


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