カテゴリ:腸内細菌の話( 8 )

NO.185 フラクトオリゴ糖をもっとも多く含む野菜 「ヤーコン」

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みなさん「ヤーコン」って知っていますか?
私も知人の畑に出来たのをもらって、一度しか食べたことはないですが、今日は、健康野菜として注目されてきたこの根菜について紹介します。

ヤーコンは、南米アンデス高地原産のキク科の根菜。
インカ帝国の時代から果物のような野菜として親しまれていたそうです。


見た目はさつまいもに似ていますが、味や葉触りはナシに似ていて、シャキシャキした食感です。
その食感を生かして、生のサラダにしたり、サッと炒めたりするのが定番料理でしょうか。


主成分はなんといってもフラクトオリゴ糖。
そして豊富な食物繊維。
まさに乳酸菌のテーマで紹介したい野菜ということですね^^。


フラクトオリゴ糖の含有量は作物の中では一番。
腸内のビフィズス菌を増やし、腸の機能を整えるので、食物繊維とともに便秘改善にも大きな効果があります。

またその他に、カテキン、テルペン類、ミネラル類を多く含んでいます。

余談ですが、ヤーコンの葉には、血糖値の上昇を抑えるインスリンに似た効果があることがわかり、糖尿病や高血圧の予防にお茶にして飲まれているそう。
またヤーコンの葉は、血液中の中性脂肪やコレステロール、肝臓の中性脂肪が低下する効能も発表され、ダイエット効果も期待されています。

お腹の乳酸菌のエサになる「オリゴ糖」をたくさん含んだヤーコン。
みなさんも是非食べてみて下さい^^。


おいしいヤーコンの選び方は・・・

全体がふっくらとして、重みのあるもの
切り口がほんのり黄色からオレンジがかった色で、みずみずしいもの



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
栄養成分
フラクトオリゴ糖、食物繊維、カテキン、テンペン類

おいしい時期
10月〜12月

保存
土つきのまま新聞紙に包んで、冷蔵庫で3〜4日
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-04-25 00:36 | 腸内細菌の話

NO.184 乳酸菌特集3 「オリゴ糖を摂ろう!」

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腸内環境を整えるには、腸内細菌叢のバランスをよくすることが有効です。
それには、乳酸菌やビフィズス菌をできるだけ増やすことが重要になります。
乳酸菌やビフィズス菌を増やすには、腸内細菌叢の大好きな餌をたっぷり与えて上げること。

一番良いのは「オリゴ糖」の摂取です。

オリゴ糖は腸で吸収されず、腸内の善玉菌だけがエサとして活用することが出来るという変わった性質を持つ糖なんです^^。


今日はそんなオリゴ糖をじっくり紹介していきます。

オリゴ糖は、単糖(炭水化物を分解したときこれ以上分解できない最小単位)が2〜20個結びついたものです。食品に含まれる天然オリゴ糖と、機能性を持たせた合成オリゴ糖があり、合成オリゴ糖は、デンプンや砂糖、大豆、乳糖などを原料に作られます。


糖にはショ糖や麦芽糖のように、吸収されやすくエネルギー源になるものもありますが、オリゴ糖は人間の消化酵素では消化されません。
カロリーは砂糖の半分以下で、血糖値の上昇が少なく、インシュリンの要求度は玄米と同じレベルなのがうれしいところ。また虫歯の心配が少なく、副作用の心配もない、ダイエット向けの糖としても人気を呼んでいます。その他アレルギーや炎症の改善にも効果が認められています。


さらに、消化酵素で分解されないので、そのまま大腸に届き、腸内にすむビフィズス菌、乳酸菌など、善玉菌のエサになってくれるのです^^。
しかも悪玉菌のエサにはならないところがポイント。善玉菌だけを増殖させ、優勢にする助けをするため、腸の調子を整えるのにはうれしい糖ですよね。


具体的な目安としては1日3〜5g程度がよいでしょう。
ちなみに摂りすぎてしまうと、お腹がゆるくなったりします。これは腸の中の善玉菌が一時的に爆発的に増え、便を巻き込んで外に出るためです。


さて、オリゴ糖は、もちろん食べ物にも含まれていますが、甘味料としても市販されています。
市販されているオリゴ糖では、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などが有名。

少し紹介しましょう。



乳果オリゴ糖
天然のサトウキビに含まれるショ糖と、牛乳に含まれる乳糖から生まれたもの。砂糖に近い自然な甘みが特徴で、ビフィズス菌を増やす力が強いオリゴ糖です。


大豆オリゴ糖
大豆に含まれるオリゴ糖の種類です。大豆たんぱく質を利用したあとの残りカスからつくられるもの。エネルギーはショ糖と半分と低カロリーで、熱や酸に強いのが特徴です。砂糖に近い甘みがあり、腸内のビフィズス菌を増やし、免疫力を向上させる効能があります。


フラクトオリゴ糖
ショ糖に1〜3個の果糖が結びついたもので、玉ネギやゴボウなどの野菜に含まれています。くせがなく、まろやかな甘さが特徴です。ミネラルの吸収をうながしてくれ、ビフィズス菌の増殖を助けます。


イソマルトオリゴ糖
ハチミツや味噌、醤油などに含まれるオリゴ糖で、グルコースという単糖で構成されています。熱や酸にも強いため、料理に利用するとうま味やコクが出ます。整腸作用はゆるやかです。


キシロオリゴ糖
タケノコなどにごく少量含まれているオリゴ糖で、特に虫歯の原因になりにくいオリゴ糖です。さわやかな甘味があります。


ガラクトオリゴ糖
母乳に多く含まれているオリゴ糖。乳糖やアルカリで処理して作られます。甘味はあまりありません。ビフィズス菌の増殖を促し、たんぱく質の消化吸収を助ける働きもあります。


かなりいろんな種類のオリゴ糖がありますよね。

もちろん食べ物にも入っています。
大豆やゴボウ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス、バナナなどの食品にも豊富に含まれていますので、これらの野菜や豆類を積極的に摂ることもひとつの方法でしょう。ちなみに納豆は、納豆菌とオリゴ糖をダブルで摂れる食品ということになります。

またイモ類など、食物繊維の豊富な食品にも含まれているのでおすすめです。食物繊維は腸内細菌の餌になるばかりでなく、腸内の有害物質を体外に排出してくれます。いわば腸内のクリーニングの働きをするので、乳酸菌やビフィズス菌がすみやすくなり、腸内細菌を元気にしてくれます。



10%ぐらいのビフィズス菌がいると、オリゴ糖を与えるとビフィズス菌が40%まで増えます。しかし、オリゴ糖の少ない食事をしていると、また10%台に下がります。
現代社会では、毎日サプリメントだけで生活している人もいます。その人たちの便を調べてみると、ビフィズス菌ばかりでなく、大腸菌までもほとんどいない状況だというのです。
きちんと3食しっかりと食べ、野菜をいっぱい摂っている人は、ビフィズス菌が50%近くまで増えるそうです。


「便秘を治すためにヨーグルトを毎日摂っている」
「免疫改善のために乳酸菌を毎日摂っている」

こういう話をよく聞きます。
もちろんこのblogでもプロバイオティクスの効果を伝えたように整腸の効果はあるのですが、実は残念ながら、外からきた乳酸菌はたとえ生きたまま腸まで届いたとしても、腸に住み着くことは出来ません。
ヤクルトの研究者の話では、Lカゼイ・シロタ株の乳酸菌でも、腸に住み着くには40年間毎日休むことなく乳酸菌を摂り続ける必要があるそう。
なぜなら、私たちの腸にはお母さんからもらった乳酸菌がもともと住んでいて、私たちの体にはその乳酸菌が一番合っているためです。
だとしたら、その乳酸菌を増やすのが一番なのでは!?

そうなのです。
腸内環境改善、免疫UPのために、乳酸菌を摂るのはオススメですが、オリゴ糖も一緒に摂って上げるとダブルに良いといえます^^。
私も料理で甘味が欲しい場合は、オリゴ糖を入れることが多いです。


多くの研究から、乳酸菌などの善玉菌を増やすには、余計な油は控えて、食物繊維をたくさん摂る食事が良いと分かってきています。
野菜や穀類、食物繊維を摂らない食生活。こういったことは、善玉菌のエサである「オリゴ糖」から見ても、腸内環境を悪くする原因になっていたのですね。

さてこれで、乳酸菌特集は終了です。
これからは少し腸に関わる症状を紹介して、長かった腸もフィナーレへ^^。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-04-22 07:04 | 腸内細菌の話

NO.183 乳酸菌特集2 「酪酸菌と糖化菌」

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今日は、乳酸菌の働きを高めてくれる2つの菌のお話。


まずは酪酸菌。
これは、難しく言うと、酪酸を生成する偏性嫌気性芽胞形成グラム陽性桿菌です。
動物の消化管内の常在菌として知られていますが、有名なのはミヤリサンという整腸剤の「宮入菌」ですね!
宮入博士が発見したのですが、胃酸にも強くかなり有益な菌でもあります。

ミヤリサンのHPには、「Clostridium butyricumは偏性嫌気性の芽胞形成性酪酸菌であり、10~20%の人の腸管内に常在していることがわかっています。 そのC. butyricum のなかで、MIYAIRI株は1933年に千葉医科大学衛生学教室(現千葉大学医学部)宮入近治博士により、人腸管内より、腐敗菌に対して強い拮抗作用がある酪酸菌として報告されました。 本菌は腐敗菌をはじめとした種々の消化管病原体に対して拮抗作用を有し、BifidobacteriaやLactobacillus等のいわゆる腸内有益菌と共生することにより、整腸効果を発揮します。 さらに、本菌は芽胞形成細菌であることから、製剤中における安定性および胃酸に対する抵抗性が乳酸菌群と比較し高いことが報告されています。」と説明されています。
酪酸菌の中でも宮入酸は、乳酸菌などと共生し、高い整腸作用を発揮します。

私も以前ミヤリサンにはお世話になったことあります。実はちょっとした知り合いだったりもしまして・・・笑。
宮入菌は、処方薬のミヤBMでも使われています。



さて、次に糖化菌。
糖化菌は単独でも整腸作用の目的で医薬品として使われてきましたが、糖化菌は乳酸菌と共生することが確認されていて、腸内で乳酸菌の増殖に貢献していることがわかっています。

糖化菌の主要代謝産物はアミラーゼで乳酸菌の増殖を促進する働きがあるのですが、デンプンを主体とした栄養成分で構成される液体(培地)で乳酸菌を単独培養した場合、乳酸菌は10倍程度しか増殖しないが、乳酸菌と糖化菌を混合培養することで乳酸菌は培養後約100倍程度に増殖するそう。

糖化菌では、納豆をつくるときに使われる「納豆菌 Bacillus natto」が有名ですが、乾燥した芽胞生菌の状態で存在可能で、胃酸の強い酸性、アルカリ性、熱やたんぱく質の変性の影響を受けずにほぼ100%安定した状態で腸まで届くことができると言われています。また糖化菌の1つであるポリファーメンチカス菌(Bacillus polyfermenticus)には、過敏性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病といった腸の症状の背景にある腸粘膜の炎症の治癒促進をする作用があり、コレステロール、中性脂肪の抑制作用も確認されています。

私も大好きな納豆。
少し詳しく見ていきましょう。

日本古来の大豆発酵食品「納豆」は、世界に誇れる腸活食品です。

食べ物を微生物の力によって発酵させて食べることは、腸内細菌だけでは追いつかない消化力を高め、ビタミンなどの抗酸化物質を増やし、たんぱく質をペプチドまで細かく分解することによって、過剰なアレルギー反応を抑えることにもつながります。

納豆菌は「枯草菌」の一種で、土の中や空気中などいたるところに存在し、枯れ草の表面から分離されることも多い菌です。
熱にも酸にも強く、おそるべき増殖力をもちます。

たとえば枯れたワラを水に浸けて煮沸すると、ほとんどの微生物は熱で死滅しますが、枯草菌は、「芽胞(種の一種)」になって生き残ります。
その後、条件が整うと発芽して、そこで納豆菌が優勢になって繁殖します。
体内ではダイナミックに姿を変え、自らは窒息死して腸を守ってくれます。
たとえば納豆菌K–2株は、お腹に入ると芽胞になり、胃液で消化されないで、生きて腸まで届きます。
そこでいったん「発芽」しますが、腸内には酸素がないため、納豆菌としては死ぬことになります。
しかし、流れ出た菌体物質がビフィズス菌などのエサになり、結果として、腸内の善玉菌を増やすのに大きく貢献するのです。


納豆菌には有機物やアンモニアを分解する働きもあり、最近は水質浄化にも活用されています。すごい能力を秘めた細菌ですね。

最近では、納豆菌と生きた乳酸菌を共存させた製品もたくさん出てきていますよね。
日本人の慣れ親しんだ納豆はこんなに優秀な食材だったわけです。



さて、今日お話した「酪酸菌」と「糖化菌」は、「乳酸菌」とのコンビネーションによって、お互いに共生・増殖することで、かなりの整腸作用が期待されます。
またこれらの菌は酸素の有無によっても生きる環境が違います。


酸素がないと生育できない(偏性好気性菌)・・・糖化菌、納豆菌
酸素があると生育できない(偏性嫌気性菌)・・・酪酸菌、ビフィズス菌
酸素があってもなくても生育できる(通性嫌気性菌)・・・乳酸菌


この酸素の量は長い腸とも関係していて、肛門に近づくにつれて減っていきます。つまり腸の部分によって生育する細菌の種類も変化していきます。
とするとこの3つの菌を摂ることの有益性がわかってくると思いませんか?
そしてなんとこの乳酸菌、酪酸菌、糖化菌が3つセットで入っている医薬品もあります。

その名も「ビオスリー」!

市販でも売っているので、過敏性大腸炎や、下痢・便秘で悩んでいる方、腸が弱い方は、日常で使用する整腸剤としてはお勧めです^^。

薬剤師でもある私の義母が、「なんかビオフェルミンよりビオスリーが効く気がするのよね、お腹痛い時は、ビオスリーがいいわよ」と言っていたというのですが、さすが薬剤師の勘というか。
中に入っている菌の作用がわかっていたかどうかは別として・・・義母すごし。笑。

さて、次回は乳酸菌のエサである「オリゴ糖」についてお話していきましょう。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-04-21 18:28 | 腸内細菌の話

NO.182 乳酸菌特集1 「日本人のおなかの変化」

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さて、今日からみなさんも興味深いと思いますが、善玉菌の代表「乳酸菌」についてお話します。
ヨーグルトやサプリメントで乳酸菌を摂っている人もたくさんいるのではないでしょうか?

乳酸菌を積極的に摂ることで、便通が良くなったり、アレルギーが改善したりなどの効果を感じることもありますが、いままで話してきたように腸内細菌はいわゆる善玉菌といわれる乳酸菌だけがたくさん繁殖していれば良いというものではなく、悪玉菌と呼ばれている大腸菌などの菌とのバランスが重要になります。
そこは覚えておいてくださいね^^。


さて、この40年間の日本人の食生活の変化で変わったのは、食物繊維量や動物脂肪の摂取量だけではありません。

ある報告によると、乳酸菌の摂取量も大きく変化しているといわれます。
1960年代までには植物性乳酸菌として摂取していたものが1970年代以降に減少し、これに反して動物性乳酸菌の摂取量が増加しています。
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌摂取量の摂取量のバランスは、1990年代では約1対1に、現在では1対2にまでなっています。




乳酸菌とは乳糖やブドウ糖などの糖類を分解して、乳酸をつくりだす菌のことで、乳酸発酵食品に多く含まれているものです。
乳酸発酵食品といえばヨーグルトやチーズなどを思い浮かべますが、漬け物や味噌などもその代表例です。
乳酸菌は生育される場所によって以下のように分解されます。

動物性乳酸菌・・・動物由来の牛乳や肉類に生育する。
植物性乳酸菌・・・植物由来の漬け物や果汁、穀類などに生育する。
腸管系乳酸菌・・・人や動物の腸内に棲む。


一般には、主にヨーグルトやチーズのように乳(動物性のもの)に生育する乳酸菌を動物性乳酸菌というのに対して、主に漬物や味噌、醤油、酒などの発酵食品に多く生育するのが植物性乳酸菌です。
人間の腸由来の乳酸菌ももちろんいます。人にはヒトの乳酸菌などと言われたりしますよね^^。フェリカス菌という菌が有名でしょうか。


さらにそこから、食べたときに生きたまま腸に到達する腸内乳酸菌と、生きたまま腸内に到達しない酪農乳酸菌に分類することもできます。


生きたまま腸に届いた乳酸菌は、腸内で乳酸を出し、腸の中を弱酸性の環境に整えます。その結果、弱アルカリ性の環境を好む悪玉菌が抑えられ、腸内の善玉菌が増えることになります。そうすると、腸内の環境が良い状態に保たれるので、腸本来の機能が回復され、便秘や下痢の解消につながります。



乳酸菌は、前回のblogでも話しましたが、プロバイオティクスのサプリメントもたくさん出ています。ここで、人間の腸で有益な乳酸菌を少しあげておきましょう。

Lactobacillus bulgaricus(ブルガリア菌)

Streptococcus thermophilus(サーモフィリス菌)

Lactobacillus casei(カゼイ菌)

Lactobacillus acidophillus(アシドフィリス菌)

Bifidobacterium(ビフィズス菌)


これらの菌が入っている発酵食品やサプリメントを毎日摂ることは非常に有益です。
乳酸菌を摂ることで、免疫力も高まり感染症にも強くなります。
ちなみにヨーグルトで摂る場合、糖分が入っているものや、予めフルーツが含まれているものは避けてくださいね。できればプレーンが良いです。サプリメントは様々なものが出ていますので、詳しくは前回のblogを参照してください^^。

さて、他にも今注目されているのが植物性乳酸菌です。この乳酸菌は野菜や米、豆などの植物素材が発酵するところに生育し、植物に含まれるブドウ糖、果糖、ショ糖など、植物ごとに異なるいろいろな糖をエネルギー源にしています。
さらに植物性乳酸菌は、酸やアルカリ、温度変化に強く、過敏な環境条件でも生き続けることができるので、胃で死滅することなく、生きたまま腸に届きやすいことがわかっています。

野菜を発酵させた食品を食べれば、この乳酸菌とともに食物繊維を一緒に摂取することになり、低脂肪・低カロリーなので一石二鳥です。植物性乳酸菌を多く含む代表的な食材は、ぬか漬、しば漬け、野沢菜漬け、味噌、甘酒、キムチ、ザーサイ、サワーブレッドなどです。
日本人の好きなぬか漬けや白菜漬けなどを毎日食べることができれば良いのですが、昔に比べればこれらの摂取量が減少してきています。


日本では、京都の漬物である「すぐき漬け」からとったラブレ菌をよく聞きますよね。



大腸のテーマの最初に述べた食物繊維の不足に加えて、乳酸菌の摂取量が減るにつれて、大腸がんや炎症性腸疾患(難治性である潰瘍性大腸炎、クローン病)にかかる人が増えています。
とくに1980年代以降には、激増しており、2004年には大腸がんは女性のがん死亡の1位になってしまいました。


実は生命力の強い植物性乳酸菌が、日本人の腸を守ってきたのかもしれませんね。
食生活の変化だけでここまでなるというのは、いかに食事が大事かということを思い知らされます・・・。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-04-20 17:53 | 腸内細菌の話

NO.181 腸内細菌4 「プロバイオティクス」

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以前のblogでも述べたように人体の腸の長さは約8.5~9mで、広げたときの面積はテニスコート一面分にも相当しており、腸のひだの中には、約500種類の細菌、計100兆個もの細菌が存在すると言われています。

そして腸内環境には、この腸内細菌のバランスが非常に重要な話はしてきました。

腸内細菌のバランスを回復させるためには、腸管によい適切な食べ物の組み合わせや健康的な生活を送ることは重要ですが、プロバイオティクスもおおいに助けになります。


今日は、このプロバイオティックスについて話していきましょう。

ここ10年ほどにわかに、腸内環境を、生きた微生物で整える「プロバイオティクス」の考え方がヨーロッパから世界に広まっています。
「生きて腸に届く乳酸菌」というフレーズも、よく耳にしますね。
実は、そのパイオニアは日本人。

有名な代田稔博士は、80年も前に「予防医学」「健腸長寿」を提唱し、乳酸菌シロタ株(ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株。通称ヤクルト菌)を発見しました。
これが世界初の、人腸由来の「生きて腸に届く乳酸菌」だったのです。

代田博士は、人が栄養を吸収するのも、病原菌が暴れるのも腸。腸が丈夫になってこそ、人は健康になれると考え、「人腸乳酸菌」に着目したのです。
乳酸菌は乳酸を生産することによって、悪玉菌を減らしてくれます。

当時、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌が腸の有害な微生物を抑えることは、すでに知られていました。しかし、ネックは口から摂ると強い胃酸にやられて死んでしまうことだったのです。
代田博士は、人の腸にすむ乳酸菌をひとつひとつ取り出し、胃液や胆汁を加えた培地で鍛え上げる培養に没頭しました。そして1930年、人腸乳酸菌の中の、酸にもアルカリにも強い株を分離し、強化培養することに世界に先駆けて成功したのですね。


いままで、世界のさまざまな地域で、多くの菌株の細菌が培養され、ヨーグルトやケフィアなどの食べ物に使われてきました。
みなさんも長寿の人が多い地域にこれらの食品を摂取する習慣があることを知っていると思います。

現代では、これらの細菌をフリーズドライ(凍結乾燥)させたサプリメントが売られています。便利になったものですよね。

これらのサプリメントに含まれている細菌の菌株には、ラクトバチルス菌類(アシドフィルス、ラクトバチルス・ラムノサスとラクトバチルス・サルバリウス)、ビフィズス菌とストレプトコッカス・サーモフィルス菌があります。
これらの種類の乳酸菌を含むサプリメントのことを「プロバイオティクス」と呼びます。

また現在では「プレバイオティクス」というような腸内細菌の生育を促す難消化性食物繊維もあります。オリゴ糖などがよく知られていますよね。
善玉菌がこれを食べて増えるわけです。
近年プロバイオティクスの事は、マスコミでも盛んに取り上げられますが、プロバイオティクスの乳酸菌類の増殖を助けるためにそれらの餌であるプレバイオティクスも併せて必要でしょう。
また両方が併せてとれる食品やサプリメントも出ています。


プロバイオティクス
腸内に住む微生物のバランスを改善して有益な作用を与える生きた菌(ビフィズス菌、乳酸菌など)、またはそれを含む食品

プレバイオティクス
食べ物を由来とする成分で、大腸にそのまま到達して腸内の善玉菌を増殖させる働きのあるもの。でんぷんやラクトフェリン、オリゴ糖など。

シンバイオティクス
プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を持ち合わせた混合食品。


このプロバイオティクスとプレバイオティクスという考え方は、近年出来ましたが、これらを摂ることで、腸管の機能は改善し、結果的に便の量が増大します。それは排便するほとんど半分が乳酸菌だからなのです。
これは腸内細菌のバランスが崩れて、悪玉菌が多いと便が少なくなるとも言えます。しかし、善玉菌が多いと最大で45%便の量が増えると言われています。


さて、ここで良いプロバイオティクスの製品を探すポイントをあげましょう。


1.乳酸菌の数
ボトルのラベルを読んで、1回分当たりの乳酸菌の種類と数ををみてください。
100万単位ではなく10億単位であると良いです。

2.乳酸菌の品種
胃酸に強い乳酸菌の種類()が十分にあるのを確認しましょう。

3.乳酸菌の有効期限
乳酸菌はフリーズドライされているので乳酸菌が死んでしまう有効期限を確認しておきましょう。

4.冷蔵庫に保管
培養された乳酸菌は、冷蔵庫に入れておくと長持ちします。

5.プレバイオティクス含有のもの
最近ではプレバイオティクスが含まれているサプリメントもあります。これらを両方摂ることでより効果があがります。

さて、次からは乳酸菌に焦点をあてていきます。その名も乳酸菌特集!
まだまだ細菌の話続きます。笑。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-04-19 07:29 | 腸内細菌の話

NO.180 腸内細菌3 「お母さんから譲り受けた腸内細菌」

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これまで、腸内細菌のバランスが重要だというお話をしてきました。
このバランスは、実は、年齢とともに変化します。

母親のお腹にいる胎児は、体内にも体の表面にもまるで細菌はいません。新生児として生まれるまでの間、人間は全くの無菌状態に保たれているのです。
しかし、産道を通ってくる時にまず母親の細菌をもらい、この世に生まれ落ちた瞬間、ありとあらゆる細菌の侵入を受けます。母親の体の外に出ると、産道や空気、母乳、手、指などを通して、細菌が体の中に入ってくるわけです。

産道を通るときについた細菌は腸管で増殖します。また外界の細菌の先例を受け、すでに1〜2日目では大腸菌、腸球菌、ウェルシュ菌などが腸内に発生します。このように当初、大腸菌などの悪玉菌が優勢ですが、すぐにビフィズス菌などの善玉菌が多くなります。
赤ちゃん腸内に「善玉菌」が登場するのは、生後2〜3日目。
母親の母乳の助けで、まず乳酸桿菌、続いてビフィズス菌が現れ、腸内で乳酸と酢酸を作りながらぐんぐん勢力範囲を広げていきます。そして有害菌が減りはじめ、5日目には、ビフィズス菌が圧倒的に優勢になります。
大体生後約1週間ほどで、乳酸や酢酸に弱い「悪玉菌」をほぼ抑制し、腸内を乳酸菌、ビフィズス菌が占領するのですね。

母乳とミルクで栄養を摂っている乳児期には、腸内細菌の90%以上が善玉菌であるビフィズス菌で、悪玉菌はわずかなのです。また母乳で育った赤ちゃんのほうが、ビフィズス菌が多く、赤ちゃんの腸内細菌の95〜99%がビフィズス菌です。
ビフィズス菌は赤ちゃんにとって大変重要な菌ですが、母乳を飲んでいる赤ちゃんと、人工ミルクを飲んでいる赤ちゃんでは、腸内細菌の環境が明らかに違っている事が分かり、現在注目されています。
最近のお母さんは、母乳ではなく人工ミルクで育てるという人が増えている様ですが、母乳が切れる寸前まで是非母乳を飲ませてほしいと思います。
もちろん母乳を作るお母さんの栄養状態も非常に重要になりますが・・・。またこの話は別の機会で^^。


赤ちゃんの便が黄色っぽく、甘酸っぱいにおいがかすかにする程度でくさくないのは、腸内がほぼ善玉菌100%だから。乳飲み子にとっては、この状態が健康のためにはベストなのですが、離乳食口にするようになると、腸内細菌のバランスは一挙に崩れ、悪玉菌の方が優勢になります。この頃ビフィズス菌は10〜15%でしょうか。この割合は以後老年期まで続きます。

最近の研究では、妊娠中に母親が乳酸菌を毎日摂り、赤ちゃんも生後すぐから摂らせることで、アレルギーを抑えられることがわかっています。


そして、老年期に入るとビフィズス菌が顕著に激減し、逆にウェルシュ菌などの悪玉菌が急増します。
老年期の10人に3人は、ビフィズス菌がまるでいなくなってしまうというデータすらあるほどです。


腸内細菌は、種類や数が多いほど免疫力が高まります。

あなたの腸内細菌がおおよそどのくらいいるかは、便の量でもわかります。便の半分以上は、腸内細菌とその死骸だからです。
健康な大人の便には、1gあたり、1000億個もの細菌がふくまれています。死骸もあるし、生きている細菌もいます。
かつての日本人の腸内細菌は、1日300g程でしたが、今はなんと1/2の150gほどに減ってしまっているといいます。

太平洋戦争中にこんな話があります。
日本軍が占領していたある島にアメリカ人が上陸した際、日本兵の便の多さを見て、まだまだタ数の兵隊がいるものと誤解して退散したという実話です。
当時のアメリカ人の便量は平均1日200g程だったので、かつての日本人の腸内細菌がいかに豊富だったかが推測できますね。


腸内細菌の種類や数を多く保つとともに、腸内細菌叢を若い時期と同じバランスに保つこと、そして年をとってもビフィズス菌を減らさない人が病気に強い人であるとも言えるのですね^^。


高齢になってしまうとビフィズス菌がかなり少なくなってしまうのですが、世の中には、100歳になっても善玉菌たっぷりの人々もいます。
中央ヨーロッパのコーカサス地方に、有名な長寿国・グルジアがあります。
90歳、100歳の超高齢者が多いだけでなく、背筋がちゃんと伸びて、軽い足取りでダンスを楽しむ人が大勢いることが注目の的になっています。

その秘密はどこにあるのだろうと、世界中の長寿学の権威が調べたところ、「年をとっても、腸内に善玉菌が非常に多い」こと。
高齢になっても、乳酸菌やビフィズス菌の数が若い人と大差ない、というデータが多数報告されています。

実はその秘密は「ヨーグルト」で乳酸菌を毎日摂ることと「大笑い」にあったそう。

現地ではヨーグルトを「マツォニ」と呼び、近郊の村から、ヨーグルト売りたちが毎朝、大きな瓶にできたてを詰めて、売りにくるそうです。
ヨーグルトを自分の家で作っている家も多く、毎朝、どんぶり一杯ぐらいずつ食べるのが当たり前。
またもうひとつの長寿の秘境、パキスタンのフンザ地区でもヨーグルトがよく食べられているそうです。

日本人でも、かつての日本の長寿村と知られた山梨県の棡原村の老人の腸内細菌を調査した結果、老人には珍しく非常に若々しい状況で、つまりビフィズス菌(善玉)優勢、ウエルシュ菌(悪玉)劣勢だったそうです。
今は食生活が変わってしまったのですが、その当時の長寿者は、雑穀、野菜、海藻、魚の干物、そして味噌と味噌煮を非常に好んで食べていたようで、味噌のような発酵食品が腸内の乳酸菌を増やしていた可能性が考えられます。また今と違って食物繊維が豊富な食事をしていたことも重要ですね。


発酵食品おそるべし!



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by chiropratica | 2011-04-18 10:00 | 腸内細菌の話

NO.179 腸内細菌2 「免疫力を強くする」

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風邪をひいた人の腸内細菌を調べると、善玉菌の数が極端に減り、悪玉菌の数が優勢になっています。便秘や下痢の時も同じです。
また最近の調査で、胃がんの人の腸では、大腸菌よりももっと悪質なウェルシュ菌が異常に増加していることが確かめられています。
一見、腸とは関係なさそうな認知症の人にも、胃がんの人に似た悪玉菌の異常増殖が見られるのです。その他、心臓疾患や脳梗塞との関連もわかっているそう。


最近の研究によれば、腸内細菌は腸内環境を保つだけでなく、腸内免疫系にも作用することがわかってきました。
腸内細菌のうち、悪玉菌は結果的に蠕動運動を遅らせたり、消化管の反応を鈍くしたりするのに対し、善玉菌は蠕動運動を促進し、ビタミンを合成、免疫を高める働きをもつとされています。
これら善玉菌と悪玉菌のバランスを整えることで腸内細菌は活性化され、実は免疫力をも高めてくれるのです。


免疫とは、人体にダメージを与える物質から成体を守る仕組みのことです。人間の身体に備わる免疫機能は、病気の原因となるような細菌やウイルスなど、つまり抗原が体内に入ると、自己防衛のために抗体をつくります。
その重要な役割を担うのがリンパ球なのですが、そのうち60%以上が腸管に集中しており、抗体の60%が腸管でつくられているといわれています。それゆえに腸管が人体最大の免疫器官だとされているのです。リンパ球は腸内細菌と連動して免疫力を高めていると考えられているので、排便力が低下し、悪玉菌が増加するなど腸内細菌のバランスが崩れると免疫力が低下する恐れもあるのです。腸内環境の悪化は、確実に免疫力の低下を招き、病気の原因にもなりかねません。
腸内の約100兆個もの腸内細菌とそこから作り出される腸内細菌バランスはは、まさに免疫システムの重要なカギを握っているといえるのですね^^。



私たちの体を守るためには、リンパ球であるB細胞、ヘルパーT細胞、NK細胞といった免疫細胞やマクロファージが活躍していますが、これらの免疫細胞を活性化しているのが「腸内細菌」です。
腸内には乳酸菌やビフィズス菌などの「善玉菌」、大腸菌やウェルシュ菌などの「悪玉菌」などがすんでいます。これらの「腸内細菌」が免疫細胞を刺激する物質を出しているのです。

実際に免疫反応が起こっているのは血液中ですが、それを大もとで左右しているのはまさに腸といえます。免疫細胞を活性化する力の約70%は体内の微生物、残り約30%は内分泌系の刺激によるものがほとんどだと考えられています。
約70%に関与するという「体内の微生物」とは、その大部分が「腸内細菌」なのです。
つまり免疫力の大半は「腸内細菌」が働かせているといっても過言ではありません。

健康を維持している人は腸が元気な人とも言えるわけです^^。


風邪やインフルエンザが、季節を問わずはやること。花粉症やアトピーが増え続けていること。頭痛、不眠、うつ、更年期障害などの自律神経の乱れからくる不調、生活習慣病、感染しやすく治りずらい状態などなど・・・

不調のすべては、腸を健康にして免疫力を高めれば、一掃できるといえます。
そしてそのカギを握るのは、腸内細菌なのですね。



アレルギー性疾患と並んで腸内の病気が多いこともまた、現代の日本人の特徴です。
象徴的なのが、1995年に起こったバリ島のコレラ騒ぎです。
インドネシアのバリ島から帰国した200人以上の日本人がコレラを発症しましたが、おかしなことに発症者は日本人だけだったのです。
バリ島には現地の人はもちろんのこと、世界各国の観光客がいましたが、日本人以外の誰一人としてコレラを発症しなかったのです。

このバリ島でのコレラ菌の大部分を占めたのは、「エルトール小川型」という弱いタイプのコレラ菌でした。
免疫力がちゃんと働いていれば、たとえ飲み込んでも、ほとんど発症しない弱い菌です。日本人だけが発症したのは、身体を守ってくれる腸内細菌が少なく、免疫力が弱かったからに他なりません。

これは、のちに大流行した病原性大腸菌O-157にしてもそうです。
この菌は、毒素を生み出すことにエネルギーを使っているので、生命力は案外弱いものです。ですからO-157は、他の菌がいるところでは、生き延びることができません。
他に敵となる菌がいないから、人間の体内にもぐり込んで大きな顔をしていたのです。

腸にさまざまな細菌がしっかりすみついていれば、O-157にたとえ感染しても、軽い下痢程度ですんでしまいます。O-157の被害があれほど大きかったことも、日本人の腸の弱さを示しているのかもしれません・・・。


そしてこんな話も・・・
O-157の集団感染が発生したという大阪の堺市の小学校で、検便をしたところO-157の菌が多量に見つかったのに、1回も下痢しなかった子供が30%いました。
同時に下痢を繰り返して重症になり入院した児童も10%いたのです。

同じO-157菌をお腹に入れても1回も下痢をしない子と、下痢を繰り返して重症になった子がいたのは何故なのでしょう。確かに同じ菌に対しても、強い人間、弱い人間がいます。
しかし、その差はいったいどこからきたのでしょうか。

調べてみると、重症の児童はいずれも、とても神経質な子供たちでした。ほとんどが一戸建てに住んでいて、泥んこ遊びなどをしたことのない「清潔好き」の子供たちでした。O-157菌を飲み込んでも1回も下痢をしなかった児童は、みな泥んこ遊びなどを得意とする「清潔に無頓着」な子供たちでした。
彼らのお腹のなかには、大腸菌などのいろんな菌が大量にすんでいて、「ヤワな菌」であるO-157菌を追い出していたのです。

もしかすると日本人の清潔志向も、免疫力を弱くしてしまう一つの原因になるのかもしれませんね。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-04-16 23:05 | 腸内細菌の話

NO.178 腸内細菌1 「腸内細菌の種類」

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さて今日からは、この前のblogで出てきた腸内細菌について具体的に見ていきましょう!

私たちは無菌室で暮らさない限り、細菌と無縁ではいられません。
息をしても、食べ物を食べても、空気中に漂う無数の細菌を体内に入れています。

その入り口である口内は、細菌のたまり場。
唾液1ml中に棲息する細菌の数は、1000万個とも言われています。

それらの細菌は食物と混じり合い、食道を通過して胃に送られます。胃では、食物を消化するために胃液が出ます。
これは非常に強い酸です。その酸にやられて、唾液1ml中に1000万個もいた細菌は、1000個程度まで減ります。胃は、食物にまぎれて体内に侵入しようとする細菌を撃退する第一の「関所」。ここをくぐり抜けて小腸にたどりつく細菌は、ほんのわずかです。

小腸上部でも、さらに食物を消化するために、強いアルカリ性の胆汁などが分泌され、そこでまた細菌は減少します。しかし、そこも耐えた細菌は大腸に移り、今度は爆発的に数を増やして元気を取り戻します。

その理由は、大腸は細菌にとって非常にすみやすい環境だからです。大腸の主な仕事は、水分の吸収なので、動きがゆったりとしています。また食物の中には、消化しきれてないたんぱく質や脂肪も含まれ、細菌の格好のエサになっているのです。



そしてこの流れの結果が大腸に棲む500種類、100兆を超す細菌の数になるわけなのですね。


さてでは、いわば病原菌の宝庫のような場所を体内に持ちながら、私たちはなぜ病気にならずにすむのでしょうか。

それは腸内存在する乳酸菌、ビフィズス菌などの善玉菌が、防波堤になって悪玉菌と闘ってくれているからです。



腸内にすむ細菌の数は、ほぼ一定に保たれています。
大人の腸内細菌のバランスは、かなり個人差がありますが、おおよそ日和見菌が全体の約70%、善玉菌と悪玉菌がそれぞれ約15%、善玉菌のほうがやや優勢だと、悪玉菌が暴れず、よい腸内環境が守られます。


健康を保つうえで大きなバックアップをしてくれているのが、私たちの腸内にすんでいる善玉菌。
そしてその代表としておなじみなのが、ビフィズス菌などの乳酸菌の仲間です。
ビフィズス菌や乳酸菌、腸球菌といった乳酸菌群は糖を発酵させて乳酸や酢酸をつくって腸内を酸性に保ち、外から侵入してきた有害な菌や悪玉菌の繁殖を抑えて感染を防いでくれます。多くの菌は、pH5以下の酸性の場所では生きられないからです。また免疫細胞を刺激する物質を出して、腸内での腐敗も抑え、免疫力を高める働きもしてくれています。
その他、ビタミンB群やビタミンKの合成にかかわったり、腸の蠕動運動を促して便秘を解消したりと大活躍なんです。
また悪玉菌によって作られたニトロソアミンなどの発ガン物質を吸着、分解する事もわかってきています。



善玉菌と悪玉菌がうまく「すみ分け」をしてくれれば問題ないのですが、どちらの菌も、常に自分の領地を拡大しようとたくらみ戦闘を繰り返しています。
一般的に善玉菌が増えると悪玉菌が減り、善玉菌が減ると、悪玉菌が増えるのですね。
もし、悪玉菌が増えてしてしまうと、不安定で病気の多い体になります。


それなら悪玉菌がなくなればいいと思う人もいるでしょう。

しかし、悪玉菌がまったく必要ないかといえば、そうではありません。悪玉菌という名が便宜上つけられてはいますが、悪玉菌の代表である大腸菌も実は消化を助けたり、ビタミンを合成したりと有用な面もあるのです。
それに悪玉菌がいなければ善玉菌も働きませんし、もし大腸菌をすべて排除したら、下痢などの悪影響を体に及ぼします。

ただ体調を崩して善玉菌である乳酸菌が少なくなると、大腸菌は必要以上に増えて有害物質を出すなどの悪さをするわけなのです。


つまりは、善玉菌と悪玉菌とがバランスよくすんでいることが非常に大切なのですね。

また一番数が多い日和見菌は、とりたてて善行も悪さもせず、そのときの状況に合わせて、強い方になびく菌です。




さてでは、それぞれの菌についてみていきましょう。

まずは善玉菌から・・・


善玉菌の代表、「乳酸菌」と「ビフィズス菌」の働きはほぼ同じですが、性格は若干違います。

乳酸菌は、糖類から乳酸を生産する微生物の総称。酸素があっても生きられます。
しかし、ビフィズス菌は、逆に酸素があると生きられないのです。


全ての動物の大腸内には固有の乳酸菌がすみついていますが、人間の腸内にもっとも多いのはビフィズス菌です。酸素に弱いため、大腸内の完全に無酸素状態になったところに多く生息し、活動しています。

ビフィズス菌はV字やY字に分岐した形をしていて、ラテン語で分岐を表す「bifid」という言葉から名付けられています。種類によって大きさは違いますが、一般的に幅0.3~1.5umほどです。
生まれたばかりの赤ちゃんの腸内はビフィズス菌でいっぱいですが、60歳を過ぎるころから腸内細菌のバランスが変化し、減少していきます。



そしてこれら乳酸菌のエサになるのは、なんといってもオリゴ糖。
人間の消化酵素で消化されないまま大腸に入り、善玉菌のえさとなります。甘味料のほか、はちみつや味噌、醤油、ゴボウなどに含まれています。

そして苦手なものは胃酸や熱など。
最近は胃酸に強いタイプの乳酸菌もサプリメントやヨーグルトで摂取することができます。


善玉菌たちは互いに力を合わせ、それぞれに分泌液を出し、混ぜ合わせることによって「有効物質」を作り出します。それがバリア網の役割を果たし、悪玉菌の活動をおさえて殺すほか、悪玉菌が生み出した有害物質を中和して、病気の根源を絶ちます。




次に悪玉菌・・・

腸の中で、おならや便の悪臭などのもとである臭いガスを発生させているのが悪玉菌。

常在菌(人間の体内にいる菌)である悪玉菌のほとんどは、病原性を持っています。腸の中にいるだけでは発病はしないのですが、菌に対する抵抗性や免疫力が低下したり、特定の悪玉菌が増殖すると病気になってしまいます。
悪玉菌の中で代表的なものは、ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌などがあげられます。
また「ウェルシュ菌」も悪玉菌の代表選手で、生まれたばかりの赤ちゃんの腸内にはいませんが、中年期以降急激に増え始め、それまで優位を保っていたビフィズス菌を逆転するまでになります。この菌は、人間や動物の大腸内にすんでいるのですが、下水や河川、海、耕地などの土壌にも存在しています。細長い棒のような形をしており、幅は約0.9~1.3umと言われています。

食生活の乱れやストレス、過労など、さまざまな原因でも善玉菌が減り、悪玉菌が優勢になります。
そうすると結果、腸内で腐敗が進んで腸内環境が悪化し、全身の免疫力が低下してしまうのです。

善玉菌の勢力が弱まり、悪玉菌が増え出すと一大事です。
大腸内では、食べもののカスに含まれるたんぱく質を分解し、アンモニア、アミン、インドール、スカトールなど、悪臭のするガスを産生します。
これらが血液に乗って全身をめぐると、肌荒れや頭痛、風邪をひきやすくしたり、心臓にまで悪影響を及ぼします。
また下痢、便秘の原因になったり、ニトロソアミンという発がん物質を発生させることもあるといわれています。
好物はたんぱく質なので、肉類にかたよった食事やストレス、不規則な生活習慣などによっても増えると言われています。



さてここまで、善玉菌と悪玉菌についてみてきましたが、一般に、体によい物質を出すのは善玉菌、悪い物質を出すのは悪玉菌と区別されていますよね。
みなさんは人間にとって良いのは善玉菌だから、悪玉菌はなくなればいいと思ってはいませんか?
実はその考え方は少し間違っています。


大腸菌の中にはビタミンの合成や感染制御にも関わっているものもあり、全てが悪玉とは言えないのも事実なのです。
また大腸菌は出産直後の乳児の体内に入り込み、乳児が細菌に対する認識ができる能力にスイッチを入れる役割も果たしています。このスイッチが入ることで、乳児は細菌などの外敵侵入者を見分ける能力を持つことができるようになり、免疫能力の基礎を築くことができるのです。

また単純に善玉菌と悪玉菌を区別できない菌もいます。

たとえば人間にとって有用なビタミンを作る「バクテロイデス菌」は、そこだけをとれば善玉菌。しかし他方では、発がん性物質も作っています。


このように悪玉菌は悪だけではないのです。

大腸菌など悪玉菌の餌は、便の中に残された栄養素ですが、乳酸菌などの善玉菌も負けじと餌である栄養素を必要として活発に動きます。
悪玉菌の大腸菌が腸内の栄養分を食べ始めると、乳酸菌も負けじと栄養分を食べるというように、お互いの存在があるから成り立っている面もあるわけです。
悪玉菌は、腸内でつねに善玉菌となわばり争いを展開しています。
この悪玉菌と善玉菌が、自らの環境を優位な状態に保とうと活発に増殖しようとしている状態こそが、腸内細菌の環境バランスがとれている状態といえるわけなのですね。


だから先程述べたように、悪玉菌がゼロの状態もよくない。一番良いのは善玉菌がやや多めのバランスなのです!
是非みなさんも除菌除菌と言わずに、菌と共存していくことを考えましょう。



腸内細菌のまとめ・・・


善玉菌(乳酸菌、ビフィズス菌、アシドフィルス菌、ガセリ菌など)

ビタミン、ホルモン、アミノ酸を生成する
老化を防ぐ
腸内フローラ(細菌叢)のバランスを整える
有害菌や病原菌の侵入・増殖・感染を防ぐ
免疫力を高め、病気になりにくい体を作る
食べ物の消化吸収、代謝機能を助ける
腸内を酸性に保つことで、便秘や下痢を防ぐ
腸の蠕動運動を促し、便秘を抑える
有害・発ガン物質の分解と排泄促進

※オリゴ糖や乳糖を利用して仲間を増やす



悪玉菌(ウェルシュ菌、大腸菌、ブドウ球菌など)

動物性たんぱく質を腐敗させる
有害物質を発生させる
炎症をおこしたり、発がん性のある物質を作る

※ たんぱく質を分解してさまざまな有害物質を作り出しながら増殖する



日和見菌(バクテロイデス、大腸菌(無毒株)、連鎖球菌など)

とくによい働きも、悪い働きもしない細菌
善玉菌が多い時はおとなしく、悪玉菌が増えると有害な作用を及ぼすことがある


次回は、腸内細菌と免疫の話です。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-04-15 15:58 | 腸内細菌の話


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