カテゴリ:腸の話( 31 )

NO.194 番外編 年齢とともに落ちていく胃腸力

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今日はこどもの日です。
あいにくちょっと肌寒い一日となりましたが、みなさんいかがお過ごしだったでしょうか?

このGWは私の職場の近くにできた特設ステージで、フラダンスやバンド演奏などがやっていてかなり賑やかでした。
今日なんかはビートルズのカバーバンドがたくさん出ていましたね。

元気なオジさん達が演奏しとりましたよ〜。
しかも上手い。
私も昔ギターをやっていたので、なんだか熱い気持ちを思い出しました。
楽しいんですよね。音楽って。

さて、そんな元気なオジさん達を見ながら、
今日は番外編「年齢とともに落ちていく胃腸力」です。笑。



年齢とともに、量が食べられなくなったり、油ものがもたれるようになったりすることはよくあります。
みなさんの中にも、そういうことで年齢を感じている方も多いのでは?

胃腸は年齢とともに機能が落ちていくので、当たり前と言えば当たり前のことなのです。


では年を重ねることによって胃腸はどのように変化していくのでしょう?


まず、胃に関しては、胃の粘膜が萎縮したり、胃液の分泌が減少することがあげられます。

胃の粘膜の細胞は加齢とともに減少するので、粘膜そのものも萎縮していきます。ピロリ菌に感染している人の場合は、この萎縮が早く進行して、胃をガードする機能が低下してしまいます。
その結果、胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんのリスクが高くなると言えるでしょう。

また粘液や消化に大切な胃酸、消化酵素からなる胃液は、胃の粘膜の細胞から分泌されています。
加齢とともに胃粘膜の細胞が減っていくと、胃液の分泌や濃度も低下し、胃の消化力が低下、内容物も長く胃の中に留まってしまうのです。

これが、量が食べれなくなったり、胃もたれしやすくなる理由でもあります。


さてでは、腸はどうでしょう。

胃液の分泌低下に伴って、やはり小腸の消化液の分泌も低下してしまうと言えます。
食べ物を消化するために、十二指腸に分泌されている膵液や胆汁は、これまた加齢とともに分泌量が減少したり、濃度が薄くなったりします。
小腸そのものが分泌している腸液にも同様のことが起こるので、胃液と合わせて、栄養素の吸収能力がかなりパワーダウンすることがわかります。

また小腸の粘膜の毛細血管は、食べ物から栄養素を吸収して全身に運搬するために欠かせない通り道なのですが、加齢とともに毛細血管の密度が少なくなったり、血液そのものも低下するので、栄養素の吸収力がここでも落ちてしまいます。

これは良くないですね。


そして、これは胃にも腸にも言えることですが、蠕動運動の能力が衰えてきます。どちらも何層かの筋肉によって作られていますが、筋力自体が弱くなってしまうのですね。
胃酸と食べ物を混ぜ合わせる、胃の蠕動運動が減ると、消化活動が滞りがちになって、胃もたれや暴慢感の原因にもなります。
また腸の運動機能が落ちると、とくに大腸の動きが低下すると便秘をしやすくなってしまいます。


そしてさらには、腸内環境が悪化します。
加齢とともに善玉菌のビフィズス菌が減少し、大腸菌、ウェルシュ菌などの悪玉菌が増加することで、腸管内に悪玉菌が出す毒素が増え、ビタミンの合成力がダウンしてしまいます。
その結果、体力が低下し、おなかをこわしやすくなったり、便秘しやすかったりすることも多くなるわけです。



みなさんいかがでしょう?
年はとりたくないですね(^^;)

それには、若いときから腸の働きに目を向けて、健康な胃腸を保っていてあげることが一番の予防になるのではないでしょうか。


しかも衰えていくのは胃腸だけではありません。
味覚が鈍ったり、噛む力や飲み込む力も年齢とともに低下します。消化管全体の働きは、まさに口の噛むことから始まっているので、これは大問題です。


是非みなさんも今から腸を元気にするような栄養をしっかり摂って、健康の第一歩を踏み出しましょう!
昨日のblogも是非参考にしてみてください。


これで消化管のテーマ全て完結です!
いや〜お疲れ様でした。
読んでいるみなさんもお疲れ様でした。
人の身体にとって、何より大切テーマだったので長くなりましたが、お話できる事は、漏れなく全て話せたのではないかと思います。


さて明日からは、先日セミナーを受けてちょっとおもしろかったので、
「睡眠」をテーマにしてお話していきます。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-05-05 22:26 | 腸の話

NO.193 小腸/大腸 intestine まとめ 「腸が元気になる栄養素」

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今日は、腸全体のまとめとして、腸に必要な栄養素をあげていきたいと思います。

今からお話する成分は、特に過敏性大腸炎やクローン病、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患に有効と言われてきている栄養素でもあるので、良かったら参考にしてみてくださいね^^。

さて、まずは自然の抗炎症効果のあるものからです。


<クルクミン>

クルクミンはインド伝承のスパイスとして知られていて、既に大腸がんの発生を抑制する作用があることが報告されています。またターメリックの活性成分でもあるクルクミンは、潰瘍性大腸炎およびクローン病の発生を抑える作用、予防作用の効果の可能性があるということです。
日本では、ウコンとしても知られていて、いわゆる2日酔いの予防が有名かもしれないですね。もちろんクルクミンは肝臓機能に対する作用もありますが、特筆すべきはなんといっても「抗炎症作用」です。細菌、ウィルスなどの感染による炎症はもちろん、傷や歯周病など炎症を起こした場合に抜群の効果を発揮します。
出来るかぎり生に近い形で摂取するとその恩恵にあずかることができます。


<マスティック>

マスティックとは聞きなれない名前だと思いますが、地中海沿岸地方で育つピスタチオの仲間の樹木の樹皮から抽出された成分です。樹木の成分にはけっこう身体に有効なものが多いんです。
クルクミンと同じく、このマスティックには潰瘍性大腸炎やクローン病など、炎症を伴う腸炎の抗炎症機能成分として有効であるとされています。



これらの成分以外にも、柳の樹皮抽出物や、生姜、ニンニク、ボスウェリア(以前のblog参照)には抗炎症作用があるとされているので、腸疾患に対する効果も期待されます。

また消化を助け、炎症も抑えてくれるブロメライン(パイナップルに多く含まれる)やケルセチン(エンジュまたはタマネギの茶皮に含まれる)などの成分も、一緒に摂るとさらに良いと思います^^。



次に・・・
炎症を抑える意味では、油の摂り方も重要でしょう。


<オメガ3系必須脂肪酸>(フラックスオイル、シソ油、魚油)

大抵、腸の炎症疾患を持っている方や慢性下痢の方は、オメガ3系の必須脂肪酸が足りていないことが多いです。
オメガ3系の必須脂肪酸は、炎症が起こる過程を抑制してくれます。
紅花油、コーン油、ひまわり油、大豆油などの調理油(オメガ6のリノール酸)や加工品、マーガリンなどに含まれる腐った油(トランス脂肪酸)を控えて、オメガ3の油を摂ることで、腸の状態は著しく改善してくれるはずです。




そして・・・「小腸」のテーマでも話題にしましたが、

<L-グルタミン>

体の中でも消化管は、最も多く、アミノ酸であるL-グルタミンを消費していると言えます。小腸の細胞は、他の臓器に比べてより多くのL-グルタミンを吸収し、第一のエネルギー源として使っています。
L-グルタミンは生のキャベツに多く含まれますが、積極的に摂取することで腸内細胞を健康的に強化しくれます。




そしてもちろん・・・乳酸菌を摂ることも有効ですよね^^。

<プロバイオティクスやプレバイオティクス>

過敏性大腸炎などの患者さんにプロバイオティクス、腸まで届く乳酸菌を長期間摂取してもらうと、下痢や腹痛が大幅に改善されることもよくあります。
またこのテーマでも述べてきましたが、プレバイオティクス(善玉菌のエサ)を摂ることで、腸内の善玉菌を育成し、消化と排泄機能の向上や免疫機能向上の効果を図ることができます。腸内環境を整えてあげること、これは様々な腸疾患においてとても重要なことです。

飲むときは、胃酸の分泌が少ない食前30分前に飲みましょうね。

また、腸の調子が悪い人に消化機能の低下がみられるので、消化酵素を摂ってあげることも助けになります。


<消化酵素>

消化酵素はもちろん人間の身体で作りだすことができますが、消化管の健康状態が良くない人は、酵素の分泌が少なく、消化過程に問題を起こしている場合が多いのです。
その場合、外から消化酵素を補ってあげると、消化管内の消化不十分な食物による問題を予防する助けとなってくれます。腸に届く未消化のものを少なくし、アレルギーを予防するとともに、栄養素の吸収量も増加させてくれるのですね。

有名なところでは、パイナップルに含まれる「ブロメライン」、パパイヤに含まれる「パパイン」など。もちろんサプリメントでもあります。
食後のお腹の張りがある人などは、試してみてくださいね^^。



その他、通常のビタミン/ミネラルも必要です。

<ビタミン/ミネラル>

特に腸が弱い人は、ビタミンB群や亜鉛などが減少していることが多く、これらは必須の栄養素になります。
またビタミンAも小腸と大腸における細胞の成長や修復に必要ですね。

消化機能が落ちていると栄養素の吸収率が、健康な人より格段に落ちてしまうので、こういった方はマルチビタミン/ミネラルのサプリメントを飲んであげるのも手でしょう^^。



さてここまで、腸に有効な栄養素を述べてきました。


私が臨床をやってきて、腸の状態を改善する上で大事なポイントだと思うのが、以下の点です。

①アレルギーの食べ物がないか一度確認する
②動物脂肪、トランス脂肪をなるべく避ける
③オメガ3脂肪酸を積極的に摂取する
④糖分(炭水化物含む)の摂取許容量を見極めること
⑤精製された砂糖や小麦の摂取量をなるべく少なくする
⑥アルコールをやめる
⑦乳製品も場合によってはやめた方が良い人も多い
⑧乳酸菌を毎食30分前に摂る
⑨毎食適度な繊維質を摂る(ただし、腸が過敏な人は刺激が多すぎると下痢をします)


これができれば、ほとんどのケースで改善してくれます。
なにかご質問があれば、
こちらから
気軽に聞いてくださいね。

 

長い間、このテーマを読んできた方には、腸が元気になることがどれだけ大事なことかわかって頂けたと思います。

身体を動かすための大事な栄養素。
それを吸収する上で大事な消化管。
そして免疫の土台ともなっている腸。

単なる下痢や便秘と思わず、腸の状態を改善してあげることは、私たちが健康になるために何よりも大切なことだと思います。
慢性的な下痢や軟便、そして便秘。
いつものことだからとあきらめず、今一度、自分のお腹に注目してみましょう!



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-05-04 20:29 | 腸の話

NO.192 便秘と大腸がん

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大分長いこと、腸の話をしてきましたが、後少しでおしまいです。
今日は、最近増えてきている大腸がんについてのお話をしたいと思います。


便秘がもたらすと考えられる、深刻な病気の代表が大腸がんです。
なぜなら便のなかには食べ物に含まれたり、消化管のなかで生じたりした発ガン物質が含まれているからです。
便秘になれば、その便が長く腸内にとどまりますから、便と接する大腸の壁がガン化する恐れが高くなります。
また、便が長く腸内にとどまることで便に腐敗菌が増え、これも大腸のガン化を促します。


日本人はかつて大腸がんになりにくいとされていましたが、近年大腸がんになる人がどんどん増え、50年前に比べると6〜7倍ともいわれています。

なかでも女性は、ガンによる死因のトップが大腸がんです。また数年後には国民の死因のトップになる勢いで増え続けています。


同じ腸なのに、なぜ大腸がんは多く、小腸がんはないのでしょう。

がんだけではありません。大腸の病気は、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、など、よく知られているものがあるのに、小腸の病気というのはあまり思いつきません。

小腸は、表面積も大腸よりも多く、ずっと繊細でデリケートな作業をしているのに、消化管の腫瘍に占める小腸がんの割合は、実は0.00いくつというレベルなんです。
これは、ほぼないと言ってもいいくらいで、小腸がんの患者さんは数年にひとりいるかいないかくらい。

小腸がんのない理由としては、実は、小腸では発がん性物質の分解酵素が大腸よりも強く働くことや、免疫細胞の働きが非常に活発で、がん細胞を排除する力が強いことなどが言われています。

逆に大腸は脳と密接にネットワークしていて、ストレスの影響を強く受けたり、老廃物をためておく部分であるということが、ガンを増やしている原因なのかもしれません。


大腸がんが増えている最大の原因は、肉類中心の高タンパクで高脂肪、それでいて野菜、海藻などの食物繊維をあまり摂らない食生活の欧米化です。
こういった食事をしていると、まず便秘しやすくなりますし、肉類そのものにもガンを促進する働きがあります。
ただ、私はお肉を食べること自体はそこまで悪いとは思っていません。
それよりも、問題は精製された炭水化物ばかりを摂って、食物繊維摂取量が減っている現代の食生活です。


Hillらは、大腸癌発生率の高い国(イングランド、スコットランド、アメリカ)と発症率の低い国(インド、ウガンダなど)の被検者の便の生化学的含有物質を比較検査しました。
精製、加工された食品など西洋化された食物を摂取する国では、便に多くの嫌気性バクテリアと高い濃度のステロイドが検出されたといいます。さらに、胆汁酸塩から変化した産生ステロイドも観察されました。

便の基本的な構成物質は、どのような食べ物を摂取しても大きな変化はないのですが、その濃度が異なります。

彼らは、「大腸癌発生率の地域差は、摂取する食べ物に含まれる脂質の量の差に関連性を示していると思われる。腸管内のバクテリアは、食べ物に含まれる脂肪または酸性ステロイドから発癌物資を産生するという仮説が存在する。このため、大腸癌の発症の相異は、摂取する食べ物とバクテリア叢に関与することになる」と言っています。


大腸内で発癌物質が発生するほどの状況で、繊維質摂取量が低いために起こる滞留がある場合、科学物質が長期にわたり大腸壁に接触することになります。
これは、更に癌発症の可能性を高めることになるのでしょう。


糞便の滞留が癌発生率を高める効果を持つことは、大腸遠位部に移動するに連れ癌発生率が高くなり、最も高い部位が直腸であることからも伺えます。

この問題の解決方法は予防することです。
大腸が健全な状態を保つ要素は、糞便の正常な化学物質とバクテリア、そして排泄物の通過時間の短縮です。これは単に繊維質摂取量を増加させることで解決することもあります。


食物繊維が少ないと腸内環境が悪くなってしまい、免疫力が低下しますから、ガン細胞を直接攻撃するNK細胞やインターフェロンが活性化されないということもあります。
人は誰でも毎日3000個以上のガン化した細胞が体内で発生していますが、NK細胞たちが、それらを日々攻撃し破壊してくれているため、ガンにならないですんでいるのです。

つまり、食物繊維が少なければ大腸がんだけでなく、あらゆるガンになるおそれが高まります。
便秘を改善して、健康な腸を持つことが本当に大事なことなのですね。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-05-03 07:33 | 腸の話

NO.191 便をやわらかくするマグネシウム

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このblogでもなんども登場しているマグネシウムですが、今日はマグネシウムが便をやわらかくする話です。

人の細胞内イオンという部分にあるミネラルのうち、マグネシウムは2番目に多く含まれており、生命を維持する酸素反応補因子(体に必要な補酵素的なはたらきをするミネラル)として、300以上もの働きを担っている重要な成分です。

明治期にはすでに酸化マグネシウムが薬剤として輸入されたという記録が残っており、日本では100年以上も前から使われている薬剤でもあります。
当初は胃薬(制酸剤)として利用されていた酸化マグネシウムですが、1回に1000mg以上服用すると下痢になることがわかっていました。

酸化マグネシウムが外から腸管内に入ると、その一部(40~60%)は、腸管内に吸収されずに残ってしまいます。
これが高浸透圧物質として作用し、腸からの水分の吸収を阻害するため、水分が腸管外へ流れ出して下痢を招きます。
現在では酸化マグネシウムのこうした作用が、便秘の人の硬い便をやわらかくするために活用されることがあります。

マグネシウムはほぼ副作用も少なく安全に使える薬として、現在もかなり多く使用されています。有名なところではマグラックスという薬でしょうか。カマとも呼ばれますね。

マグネシウムが多く含まれている食材としては、にがりや岩塩、硬質のミネラル・ウォーター(たとえばコントレックスなど)がよく知られています。

また昆布やホウレンソウ、ひじき、玄米、納豆、かき、かつお、ごま、さつまいも、落花生などにも多く含まれています。


このようにマグネシウムには便をやわらかくする効果があるため、
サプリメントであまり摂りすぎると下痢をすることもあります。

もし便秘以外で、マグネシウムを補給する場合は、にがりを使うと良いでしょう。
にがりをふくらはぎに塗ったり、お風呂に入れたりして経皮から吸収させる方法です。

これけっこう良いですよ^^。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-05-02 07:30 | 腸の話

NO.190 腸管運動促進に効果ありグルタミン酸

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今日はうまみの素、「グルタミン酸」について。


停滞した腸や進行した便秘などになると、腹部に貯留したガスが原因となり、膨満感や福圧が上昇し胃を圧迫することで、食欲不振や胸やけ(逆流性食道炎など)などの症状を引き起こすこともあります。

それはもしかすると、消化管の活動に必要なエネルギー不足が原因かもしれません。そのカギを握るのは、日本人の舌に馴染む旨味のもと「グルタミン酸」なのです。

空腹時においしいものを食べると、この上なく満ち足りた気分になるものです。
味の素株式会社ライフサイエンス研究所の鳥居邦夫氏らによれば、この満足感は実は味覚だけでは生じないものなのだそうです。

飲み下された食べ物が胃に入ると、食物摂取を認知することにより消化が始まります。満足感には、そこでの食物の音(聴覚)、食感や温度(触覚)なども大きく関与してくるのだそう。これら一連の働きが脳に伝えられ、満足感が生まれるのです。

この満足感は、味覚と内臓感覚だけではなく、過去の食事の記憶、健康状態、栄養状態など多くの情報をもとに、脳で食物摂取後の情報の整理が行われた結果、得られるものです。
つまり体に必要な栄養素を取り入れた充足感ともいえます。一方、食事後に腹痛などが生じると、それは不快な感覚として記憶されます。食事後の満足感、不快感は、次に食べ物を選ぶ際の基準となるそうです。

日本人は古来、甘味、塩味、酸味、苦味に加えて、うま味を認識してきました。このうま味の正体は主に、かつおぶしや干しシイタケの出し汁(だし)に多く含まれているグルタミン酸です。このグルタミン酸には生体内で多くの作用をもたらすことがわかってきました。


前述の鳥居氏らの研究によれば、胃にはグルタミン酸を検知する受容体があり、胃にグルタミン酸を感じると、その情報は情報伝達物質であるセロトニンを介し、迷走神経(副交感神経)を通じて脳と全身へと伝えられます。


このような反応をみせるのは、グルタミン酸のみで、アミノ酸や糖にはまったく反応しないのだそうです。つまり、食べたものにグルタミン酸が含まれていないと脳は消化、吸収などの命令を出し損ねてしまうのです。
さらに、鳥居氏らは、消化管(小腸粘膜)が細胞の主要な活動エネルギー源として、グルタミン酸を大量に消費することも指摘しています。
つまりうま味成分(グルタミン酸など)の少ない食材ばかり食べていると、消化管のエネルギー不足になり、消化管運動の低下にもつながりかねないということなのです。

うま味成分が多いもの、つまり日本人が従来食していたダシの利いた食事を多くとることも消化管運動の亢進、つまり「排便力」をつけるためには欠かせないのです。

このグルタミン酸は、日本人の食生活に欠かせない大豆性食品(納豆、豆腐、味噌、醤油)のみならず、地中海性型食生活の基本食材であるトマト、パスタにも豊富に含まれています。これらの食材を上手に活用して、グルタミン酸をとりたいものです^^。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-04-30 07:27 | 腸の話

NO.189 硬い便をやわらかくするオリーブオイル

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今日からゴールデンウィークですね!
今年は地震の影響で、観光地も空いているようですが、みなさんにとって良いGWになるといいなと思います^^。
私はというと、世間はゴールデンでも、もちろん仕事です。
みなさんが休みの時は、しっかり働きます。
この時期調子を悪くする人も多いので、がんばっていきますよ〜^^。


さて、これから数回、便秘に有効とされている物を紹介していきます。
まずは「オリーブオイル」。


オリーブオイルはヨーロッパでは古くより便秘に有効だとされています。
なんと紀元前にはすでにその有効性が認められていました。

このオリーブオイルの便秘に対する効果を検証したのが、マイケル・フィールドという研究者です。
彼が著した「Diarrhea Disease(下痢症)」では、動物の空腸を用いた潅流実験(臓器などに液体を流す実験のこと)で、ヒマシ油(小児によく用いる下剤)の主成分であるリチノール酸とオリーブオイルの主成分であるオレイン酸を比較したところ、短期間ではオレイン酸の方が腸管内に吸収されにくく、腸管外に分泌されにくいと述べられています。

このことから、短時間でオリーブオイルを比較的多量に摂取すると、オレイン酸が腸管内に多量に残留するため、腸管内容物に混在し便がやわらかくなり、排便の促進につながるとされています。

ここでオリーブオイルについてもう少し詳しく触れておきます。
オリーブオイルは100gの成分中100%が脂肪で、そのうち脂肪酸は94g、コレステロールは0gといわれています。また脂肪酸100gのうちオレイン酸が75%、リノール酸が10.4%程度含まれています。
このオレイン酸。実は語源は、オリーブオイル由来の脂肪酸という意味だそうですね。

また精製されていないエキストラバージンオイルには、ほかのオリーブオイルにはないポリフェノールなどが含まれています。


オリーブオイルにはほかにも、オレイン酸によるLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を低下させる作用や、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を維持もしくは上昇させる作用などが認められ、動脈硬化にも有用とされています。
アメリカ国立衛生研究所でも、糖尿病性動脈硬化症に対してオリーブオイルが有用であることが認められています。


このような身体にも良いとされるオリーブオイル。

料理に使う油をオリーブオイルに代えてあげるだけでもまた違いますね^^。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-04-29 07:53 | 腸の話

NO.188 便秘

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昨日は風が本当に強かったですね〜。
しかも大分暖かくなってきました。
そして今年の夏は、晴れの日が多くかなり暑くなるみたいです。
どうやって節電をしていくか。我慢の夏となりそうですね。

さて今日は「便秘」のお話です。


腸内環境の悪化がもたらす症状の筆頭はやはり便秘です。
重度ともなれば、さまざまな症状があらわれます。いまや日本全国で、便秘に悩む人は1000万人と推定されています。


便は毎日出ないと便秘だと思っている人は意外に多いものです。
便秘とは「排便がスムーズにいかなくて苦しい状態」をいいますが、回数には個人差があります。
2日に1回という人もいれば、1日に2〜3回という人もいますが、スムーズであるならば、便秘ではありません。
逆にたとえ毎日出ていても、残便感(便が出切らない感じ)があったり、膨満感(おなかの張る感じ)があれば、便秘と考えた方がよいでしょう。


まず便秘によって排便されない便がたまった腸内では、悪玉菌が増加し、便の腐敗や発酵によってガスが発生しやすくなります。
さらに、このガスが硬い便にふさがれて腸の外に放出されずに腸内に溜まると、おなかが張る、腹部膨満感だけでなく、腹痛を招くことさえあります。
そして腸に便がたまることによって、腸の働きが悪くなると、横行結腸に溜まったガスが胃を圧迫し、食欲不振、吐き気、胸焼けなどをおこすことすらあります。


排出されにくくなったガスが体内に吸収されてしまうと、肌荒れ、吹き出物、クマ、体臭の原因につながることもあり、便秘は不健康の源でもあります。
皮膚は「内臓の鏡」と言われるほど忠実に腸の状態を映します。いつも顔色が悪くて、体調が優れない人は、まず便秘退治が大切なのです。
その他便秘がひどくなると頭痛や肩こりを起こすケースもあります。


便秘は本当にやっかいなものです。


さて、この便秘。誰もが生まれつき便秘だったわけではありません。
最初は軽度の便秘だったものが、次第に悪化していったはずです。その原因は、私たちの日常のちょっとした行動や、生活習慣の積み重ねの中に潜んでいるのです。
主なものをあげてみましょう。


①排便を我慢する
朝トイレに行く時間をとっていない。仕事が忙しく我慢してしまう。


②偏った食生活
朝食抜きにしてしまう。朝は胃腸の蠕動運動がもっとも活発になる時間帯。朝食を抜くと、胃・結腸反射や大蠕動がおこらなくなり、腸の運動が低下してしまいます。


③不規則な生活
生活パターンの乱れも、排便のリズムを狂わせる大きな原因です。
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、両者のバランスがうまく整うことで、人間は健康を維持できるのです。ところが、夜更かしなどで生活のリズムが狂ってしまったり、旅行中に緊張が高まり交感神経が優位になったりすると、自律神経の働きが乱れ、胃腸の蠕動運動が抑制されてしまいます。


④過大なストレス
ストレスもまた便秘の大きな原因のひとつです。旅先で、一時的に便秘になったりすることがあるはずです。これはいつもと違う生活パターンにともなう食生活の変化と緊張感が原因です。
緊張感が強いと交感神経優位となり、腸管運動が抑制されてしまうのです。


⑤運動不足
ウォーキングなどの運動によって便秘が改善された経験を持つ人もいるでしょう。
病気やケガなどで、長く床についていると便秘がちになります。これは運動不足が、腸や排便とかかわる筋肉の働きを弱めてしまうことが原因だと考えられます。


⑥開腹手術後
開腹手術がきっかけで、腸の運動機能が急激に低下することがあります。腸や腹膜が炎症を起こして腸管が癒着してしまい、便の通過が妨げられるのです。
腸管癒着は、手術後まもなく、あるいは10年以上もたってからおこる人もいます。


⑦月経前症候群(PMS)・女性ホルモンの影響
便秘に悩む男性も少なからずいますが、圧倒的に多いのはやはり女性のようです。便秘が女性に多い理由には、生理的な要因があります。

月経前になると「イライラする」「お腹がはる」というような症状が出る女性は少なくありません。これらは月経前症候群と呼ばれますが、便秘もそのひとつで、若い女性に多くみられます。
女性ホルモンに関していうと、月経から排卵までは卵胞ホルモン、排卵から月経までの時期は黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が活発になります。このプロゲステロンは大腸の働きを抑える作用があります。腸管の平滑筋の刺激に対する感受性を低下させ、便のもとになる大腸の内容物の水分を吸収する作用があるのです。
このため、黄体ホルモンの分泌が盛んになると、大腸の蠕動運動が抑制され、便が硬くなってしまいます。またこの時期は便を押し出す力が弱くなるのですね。
特に、妊娠すると黄体ホルモンが普段より多くなるので、一層便秘になりやすくなります。
さらに便秘が女性に多い理由は、排便に必要な腹筋や横隔膜の筋力が比較的弱いことが考えられます。


⑧特定の病気の影響や薬の副作用
甲状腺の病気などは便秘傾向。抗うつ剤の副作用にも便秘傾向があらわれます。
 
⑨加齢
70歳以上の高齢者では、誰でも腸の働きの低下により、排便力は弱まるものです。高齢者の腸の中をX線で撮影しながら、便の移動時間を調べた研究では、便の貯留しやすいS状結腸や直腸で特に滞留時間が長くなることが確認されています。
 
その原因には次のようなことが挙げられます。

☆全体的に食べる量が減り、内容もやわらかいものが中心になるので、食物繊維の摂取 がすくなくなってしまう。
☆運動不足で筋力が衰え、便を出す力が弱くなる。

☆反射神経が衰えて便意を感じにくくなる。

その他、年配者の中には夜中トイレに起きるのがいやで、水分をあまりとりたがらない人がいますが、これも便秘を招くもとになります。


⑩季節の変化による不調
冬は気温の低下が手足や全身の冷えを招き、末梢血管が収縮し、交感神経が優位になることで腸管運動が抑制されてしまいます。寒いので、水分をあまりとらなかったり、運動不足になりがちなのも影響するでしょう。また夏は、水分不足が影響します。たくさん汗をかいたにもかかわらず、不足した水分を補給しないと大腸に移行する水分も大幅に減少してしまいます。また夏場のクーラーも交感神経が緊張することで、腸管の運動低下を招くケースがあります。



便秘は日常生活にさほど影響を及ぼさないために「たかが便秘」と思ってしまいがちです。
旅行の時などの便秘は、一時的なもので病気とはいいませんが、便秘は病気の徴候としておきる場合もあります。特に見逃せないのは、大腸ガンです。便に血や粘液がついたり、便が細い方は、病院で検査をしてもらう必要があります。
女性では、子宮筋腫や卵巣のう腫が大きくなって腸を圧迫し、便秘になるケースもありますので、定期的に婦人科も検診することも必要ですね。


また便秘が、痔の発生や悪化につながることはよく知られています。直腸におけて乾燥した固い便がたまってくると、この部位の静脈に圧力が加わり、静脈そのものを膨張させ、最終的には直腸静脈叢を膨張させます。
固い便を排出するときには、この静脈叢にかなりの圧力と物理的な負荷がかかります。さらに息張ることによって下大静脈の圧力が上昇し、更に直腸静脈叢を膨張させることになって痔につながってしまうのですね。

その他便秘によって大きな糞塊が形成されると、足の方まで向かっている血管が腸骨部で圧迫されることがあります。これによって血流の低下が起こると、静脈瘤や静脈炎が起こる可能性もあるといわれています。
ある研究では、排便時の腹腔内圧は、下大静脈の圧力を上昇させて足の静脈の弁を壊してしまうとも報告しています。
そうなると怖いですよね。


たかが便秘。されど便秘なのです。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-04-28 08:44 | 腸の話

NO.187 下痢

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今日は「下痢」について・・・。

最近、若い人でも慢性的に下痢の人や軟便の人が増えてきています。
私は、そこにストレスなどの影響、食べ物の問題が多く関わっていると感じています。


食べ物は、口から胃、小腸、大腸の順に運ばれ、その間に栄養や水分が吸収され、そして最後に便となり、排泄されます。
この過程になんらかの問題があると下痢が起きます。

便は水分と腸内細菌の死骸、食べカスでできています。そのほとんどが水分で、健康的なバナナ状の便では70〜80%が水分です。しかし、腸で水分の吸収が十分にされないと、水分が80%以上の泥状や90%以上のゆるゆるの便になることもあります。

これは水分吸収が十分でないだけでなく、水分が腸の中に分泌されたり(アルコールなど、大量の水分を摂った時など)、腸が動き過ぎて、便が腸の中を超特急で通り過ぎてしまうなどで起こります。

しかし、下痢には大きな病気が潜んでいることもあります。
下痢には急性と慢性があり、急性の下痢は食べ過ぎや寝冷えなどが原因だったり、発熱や吐き気がある食中毒やウイルス感染、ストレスなどによるものがほとんどです。
しかし、慢性の下痢となると、いろいろなことが考えられます。
慢性膵炎や甲状腺機能亢進症でも下痢は起こるのです。

最近、私の治療院に来る方の慢性下痢のほとんどは、炭水化物の摂り過ぎによる「炭水化物不耐症」が多いですね。「食物アレルギー」もかなり関わっています。
またこの話は、後ほど・・・。


便秘と下痢が交互に起こるケースもありますよね。
過敏性大腸炎もまさにこんな状態です。
痩せている人はS状結腸が長いことが多いのですが、さらにS状結腸にねじれがあると、そこで便の通りが悪くなるため、便秘でコロコロの便が出た後に、下痢が続きます。
なかには大腸でポリープやガンが出来て通りが悪くなったときも、同様に便秘と下痢が交互に起こりやすくなるので、注意が必要ですね。


下痢に関わる症状で、

熱や吐き気がある
腹痛がひどい
便に血が混ざっている
下痢が3日以上続いている
海外から帰国したばかり
体重が減った

が当てはまる人は、病院で受診をお勧めします。


また下痢の原因が食中毒などの場合は、安易な下痢止め薬の使用は、腸の動きを止め、毒素を体内に留めてしまうこともありますので、注意してくださいね。



さて、慢性下痢の予防には、腸内の健康を保つことが第一です。

以前のblogで述べた「プロバイオティクス」もおおいに助けになります。
善玉菌の代表である乳酸菌とそのエサとなるオリゴ糖を一緒に摂りましょう。
しかし、オリゴ糖は摂りすぎると下痢をするので気をつけましょうね。

その他、便秘を伴う下痢には、オクラなどのぬめり食品に含まれる水溶性食物繊維(以前のblog参照)もオススメですよ。


逆に牛乳、ダイエット甘味料、コーヒーなどのカフェインを含むもの、ビール等は下痢を招きやすいので、摂り過ぎにも注意しましょう。

次回は「便秘」です。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-04-27 07:39 | 腸の話

NO.186 腸内ガスがたまる!?

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くさいおならは病気のサインかもしれません。

今日は、腸内ガスの原因のお話をしていきます^^。


おならが急にくさくなったり、ところかまわず出るようだったら、腸内に悪玉菌が増えているサイン。
近年の研究で、腸内で悪玉菌が増えると腸内発酵ではなく、「腐敗」が進むことがわかっています。
おならのにおいは腸内の状態を示すバロメーターなんです。

ちなみに「鼻をつまみたくなるおなら」の原因の多くは、たんぱく質が分解された時。
肉や卵などのたんぱく質が分解されると、アンモニア、硫化水素、インドール、スカトール、揮発性アミンなどの腐敗型のガスに変わり、便秘と組み合わさると強烈なにおいの元になるのです。
たんぱく質の分解は悪玉菌が担当します。
たんぱく質ばかりの食事だと悪玉菌を活性化させてしまうかもしれません。

しかし、もちろん動物性たんぱく質は必要な栄養素なので、肉を断つ必要は全くありません。
ただなるべく野菜も一緒にたくさん食べてくださいね。野菜や果物、海藻などに含まれる水溶性食物繊維は善玉菌のエサになるだけではなく、腸の中に入ると水分を含んでドロリとしたゲル状になり、いらないものを吸着、排出してくれるので、悪玉菌を抑えてくれます。

ここでもバランスのとれた食事が重要になるわけです。
バランスの良い食事で、バランスのとれた腸内細菌叢ができあがるということなのです。



さて、ではくさいおならとは別に、腸内ガスが溜まる人はどうなのでしょう?
よくお腹の膨満感がつらいとかガスがたまって苦しいといいますよね・・・。

おなかを軽く叩いてみて、ポンポンと音がする人はガスが溜まっているかもしれません。
とくに停滞腸や便秘の人には、ガスがたまって腹部膨満感の人が多くみられます。
腹部膨満感の原因となるガスの正体とは、その約70%は口から飲み込んだ空気で、残りは血液中から拡散したガスと腸内で発行したガスが混じり合ったものと言われています。

1日に腸で作られるガスは、大人で400~1500ml。それを5~20回ぐらいに分けて放っています。

おなかの中のガスの排出回数は、人によって異なりますが、健康な人の場合、おおよそ7~20回で、1回につき50~500mlの量が排出されます。なお、このガスの成分はなんと約400種類あり、そのうち約80%が空気で、インドール、スカトールなどの悪臭物質は1%にも満たないと言われています。


長い期間、腸内にガスが多すぎる状態は、良い状態とはいえません。
それは多くの不快感の原因となるとともに、腸管内でガスが多いとストレス応答のように交感神経システムの反応を引き起こします。
さらには、横行結腸などにガスが多く溜まると胃を圧迫して胃内容物の流出を滞らせるため、胃炎や逆流性食道炎の症状と同様の悪心(むかつき)や食欲不振、胸やけなどを起こしてしまいます。
私の臨床でも、慢性便秘症で胸やけなどの症状があって、逆流性食道炎になっている人は多々います。


もちろん少量のガスが腸管内にあるのは正常なのですが、大量のガスがあるのは正常ではなく、消化不良やアレルギーが問題になっていることも多く、そこには食事内容や食べ方の悪さも大きく関連しているのですね。


最も一般的な腸内ガスの原因をお話しましょう。


1.炭水化物、糖質

最も一般的な原因は、でんぷん質の炭水化物、パンやシリアル、多くの小麦粉製品と砂糖、そして砂糖を含んでいる食物です。また乳糖を含んでいる食べ物も問題になります。これらの食品を摂り過ぎていると腸内ガスの原因となります。
たとえば、イモや豆などの炭水化物が腸内細菌によって分解されると、二酸化炭素やメタンなどのガスが発生します。

ちなみにこれは発酵型のガスでさほど匂いません。


2.空気をのみこむ

冒頭で述べましたが、その他の一般的な腸内ガスの原因は空気を飲み込むことです。
これは飲み物を飲むときや食べ物を食べるときに発生する問題ですが、特に水を一度に大量に飲む傾向がある人は注意してくださいね。
できればゆっくり飲むことを心がけ、空気を一緒に飲み込まないようにしましょう。
頭の傾きにも注意してみましょう。頭を後方へ傾かせて飲むことをやめると、空気を飲み込まずに済みます。

また急いで食事を食べる人にも空気が大量に入っていることが多いです。食べ物を噛む時は急がないことが重要です。ゆっくり噛んで食べれば、唾液と混ざって「ガス抜き」ができます。

一度空気を飲み込み、すぐにゲップとしてあがってこないなら、多くはおならになってしまうのです。


3.胃の機能障害

胃の機能障害は一般的な腸内ガスの原因になります。以前のblogでお話した低レベルの塩酸はまさに腸内ガスの原因です。


4。腸内細菌のバランス

大腸の機能が落ち、悪玉腸内細菌が多く腸管に住み着くことで、過剰なガスの原因となります。




その他にもチューインガムやその他のソルビトールや糖アルコールを含む食品で腸内ガスを促進する場合もあります。また一部の人ではフルーツジュースに含まれるフルクトースに過敏になっている場合は腸内ガスを起こすといえます。

またストレスを感じたときに、ガスが溜まりやすくなることもあります。緊張によるストレスを感じると空気嚥下症といって、大量の空気を飲み込んでしまいがちです。
緊張やイライラから無意識のうちに空気を飲み込んでしまうのですね。
飲み込まれた空気は、ゲップを我慢して外に出さずにいると、腸に下がってガスになるのです。またストレスは腸の働きや蠕動運動を妨げるので、さらにガスがたまりやすくなります。



余談ですが、腸内ガスは口臭の原因ともなります。
それは腸内ガスが、腸管から血管に吸収され、肺に放出されるために起こるといわれています。




さて、よく宣伝で腸内ガスを減らすような薬をみることがあります。
しかし、American Colledge of Gastroenterology Statesでは「多くの薬物療法の広告やCMで腸の膨満やガスの不快感を取り除くと宣伝していますが、その価値はとても少ないと科学証明されている」としています。

そんなことよりも、ここで記述したような原因を追及することで、通常は問題をかなり改善することができると私は思います。

またドイツなどのヨーロッパでは、腹部膨満感に対してペパーミント・ウォーターやティーの摂取が勧められています。以前のblogでお話しましたが、ペパーミントオイルは、腸のはたらきを良くしてくれるものとして効果的でもあります。

ペパーミントのこうした働きは、主要成分であるメントールが、セロトニンの放出と、サブスタンスP(タキキニンの一種で痛覚の伝達物質。P物質と呼ばれる)による平滑筋の収縮を抑制することによるものです。
またメントールの成分がカルシウム拮抗剤として作用し、平滑筋細胞へのカルシウム流入を阻止することもわかっています。
つまり、メントールが筋肉を収縮させる作用のあるカルシウムをブロックすることで、腹痛や不快感の元にある筋肉の過度の収縮を防ぎ、リラックスさせてくれるのです。



腸内ガスを引き起こす原因いかがだったでしょうか?
普段の食べているものや、食べ方にも腸内ガスを発生させてしまう習慣があったのです。
またそれは、腸内環境にも関わってくると言えます。

ガスが溜まった時の不快感はなんとも言えないものです。
もし、膨満感に悩まされているなら、まず良く噛んでゆっくり食べること、そして炭水化物や甘いものの摂り過ぎをやめること、また乳酸菌を意識して摂ることなどを試して下さい。
かなりのケースで症状が改善されるはずです。


さて次回からは、腸に関わるさまざまな不調についての話をすすめていきます。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-04-26 00:31 | 腸の話

NO.177 大腸 Large Intestine その10 「カイロプラクティックでおすすめの食事」

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今日は、大腸の機能低下に対して、カイロプラクティックのアプライドキネシオロジーで行われる食事内容の変更について紹介します。

まず、もう一度「精製炭水化物」を摂ることが、どのような過程で大腸の機能を低下させるのか簡単におさらいしましょう。


精製炭水化物とくに白砂糖、パン、白いご飯などは、腸管内に悪影響を及ぼすバクテリア(細菌)や真菌の培地を提供することになり、腸管内の細菌バランスを崩してしまうことになります。

この状態が続くと、最終的に腸管の健康状態は悪化し、腸管の透過性が亢進してしまうことで、身体の内部に毒素が混入してしまいます。

またこの状態により、免疫に多大な貢献をしている腸内細菌のバランスが崩れることによって、免疫システムが弱まり、アレルギーにつながるケースも多々あります。

ちなみに補足ですが、もちろん過敏性(アレルギー)がある食品をとり続けても、同様に腸管の状態は悪化します。


さて、前回のblogでも述べましたが、精製炭水化物についてもっと悪いことが、精製炭水化物は血糖値を急激にあげるため、余計な血糖ストレスが身体にかかるということです。身体の血糖値というのは常に一定に保たれてなければならないので、血糖値の上下が激しいのはあまりよくないのですね。そして特に血糖調節に関わっている副腎には多大な負担がかかるわけです。
これが続くと、副腎機能低下症の状態になります。

副腎疲労の状態が、精製炭水化物の摂り過ぎと関わっているというのはよく言われることでもあります。


この副腎疲労が極度になってくると、副腎のミネラルコルチコイド(炎症促進ホルモン)と糖質コルチコイド(炎症抑制ホルモン)の減少が起こり、炎症に対する対処がうまくできなくなってしまいます。

もし、大腸炎などが起きている場合は、精製炭水化物により、大腸の機能を低下させ、そこに副腎疲労が伴うことによって炎症が抑まりにくい状況に陥ってしまうと言えるでしょう。


どうでしょう。
精製炭水化物が身体に及ぼす悪影響について少し理解できましたでしょうか。



さてもうわかっているとは思いますが・・・
この状態を予防するには、前から述べているように精製された食べ物ではなく、未精製の炭水化物を摂るということがまず第一のポイントになります。また同じようにその他の食品からしっかり食物繊維を摂るということが大事なのです。

未精製の炭水化物にはいわゆる食物繊維が多量に含まれています。食物繊維は、腸内の善玉菌のエサになり、腸内環境を向上させます。また便の滞留を予防し、健全な排出をすることで、腐敗物や毒素の減少につながるわけです。

また食物繊維にはもう一つ利点があります。食事に食物繊維をプラスするだけで、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれるのです。
炭水化物を急に食べる前に、野菜などをしっかり食べてから炭水化物を摂りましょう。
それだけでも消化のスピードがゆっくりになり、血糖値上昇が抑えられます。
これはさきほど言った副腎に対しても、優しい食べ方になるというわけですね^^。



アプライドキネシオロジー(カイロプラクティックのテクニックの一つ)のデビット・S・ウォルサー先生は、もうすでに25年くらい前に、大腸炎や憩室炎などの患者さんに、他の医師から指導された食事内容を繊維質摂取が増加するような食事内容に変更させることで、効果をあげていました。

その当時は、まだ他の治療家や医師は、このような食事内容に反対していましたが、その後時代が変わり、今では、同じような食事法を指導しているといいます。
20年以上も前からこのようなことに気づき、実践していたのだからすごいと言えます^^。


またデビット・S・ウォルサー先生は、現代の食環境の中では、食事に「糠」を取り入れてあげると良いと言っています。もちろん玄米や全粒粉を食べることが一番なのですが、それが出来ないような方は、穀物の「糠」を手に入れて、それをさまざまな食べ物と一緒に摂ることで、容易に食生活に繊維質を取り入れることが出来ます。


これはおもしろいかもしれませんね^^。


健康な大腸機能に必要な糠の量は、個人の体質や食生活などによって異なり、初めは、ティースプーン1杯を1日3回摂取し、適切な結果が得られるまで摂取量を増やしていくそうです。
1日1回、適度に柔らかい便の排出があること、また便の臭いがないことが健全な大腸機能を示すサインでもあり、これを判断基準にします。
またこれは、バクテリアの量や腐敗の程度を示すサインでもあります。



もし大腸の機能低下が気になる人は、試してみてはいかがでしょう。
あまり味はしないですが、普通に食べ物にふりかけても食べれるので、手軽と言えば手軽ですね。



今の世の中、健康に関心を持っている人はたくさんいると思います。
またサプリメントも出回り、栄養素や健康食品に関しての興味も高いでしょう。
しかし、私たちは、多くの精製食品や加工食品に囲まれ、企業も魅力的なコマーシャルを掲げているので、良い食生活を送るのは難しいかもしれません。なんとも誘惑の多い世界です^^;。

ただ全てを変えるのが大変でも、毎日の食事に少しでも食物繊維をプラスしてあげることが大腸にも、そして健康にも良いということが、このテーマを読んできた方にはわかっていただけたのではないでしょうか。


さて、次回からはもっとミクロな世界へ。
「腸内細菌」をテーマにして話していきます。

なにかご質問があれば、
こちらから
気軽に聞いてくださいね。



小菅一憲

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by chiropratica | 2011-04-14 18:02 | 腸の話


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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