カテゴリ:椎間板ヘルニア( 7 )

NO.35 椎間板ヘルニア Case Study 「右足のシビレ」

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今日はまた夏日ですね。30度くらいに上がるらしいです。
でも今日で暑さは落ち着き、明日からはようやく涼しくなってくるようです。
私は夏が好きなので、少しさびしい感じもしますが、これからの秋も素敵な季節。
食欲の秋!blogでも秋にちなんだ食材を紹介していきたいものです。

さて今日は「椎間板ヘルニア」のエンディング。
実際私のところへ来た患者さんの症例をご紹介しましょう。



40代 男性 会社員 ~右足のシビレ~

<初回の痛みと状態>
 4か月前に年末の大掃除でテーブルを持ってギックリ腰をし、右の腰を痛めてしまった。病院では痛み止めをもらい、腰の状態は落ち着くが、それから2か月後右のお尻が痛み始め、病院でMRIを撮ったところ「腰椎椎間板ヘルニア」と診断された。その後ブロック注射や、牽引、薬を処方されるが良くならず、現在は右殿部以外に足の甲や下腿にシビレがある。

<カイロプラクティック検査>
痺れに関わる神経的な検査を行ったところ、感覚の鈍さや筋力低下があり、腰を前に曲げたり、捻ったりすることでシビレが誘発され、足首を持ち上げる力が弱くなっていました。また腰椎下部の関節の動きは、かなり悪く、骨盤周りの筋肉のバランスもかなり崩れていました。

<カイロプラクティック治療>
神経的な検査や動作による痛みの誘発から、病院での診察結果と同じく、椎間板ヘルニアからシビレが出ていることがわかりました。ヘルニアとは、いままでのblogで話してきたように、腰椎の間にある椎間板というクッション材が硬くなり潰れて、中にある核が外に飛び出している状態を指します。

カイロプラクティックによるヘルニア治療は、重度でなければ効果が高く、もちろんこのケースも対応可能です。治療自体は、問題となっている椎間板の回りの組織の柔軟性を取り戻してあげること、また椎間板に負担のかかる腰の捻れや前傾姿勢を回避してあげることに尽きます。

治療は、なるべく初めは痛みの楽になる方へ行うよう注意していきます。まず負担のないポジション・体位で、痛みが一番出ない楽な方向へ関節を動かします。椎間板の上下の椎間関節が固くなっているので、そこを動かすのですが、その場合も腰を捻っても楽な側で治療を行うようにします。
また基本的にヘルニアは身体を丸めることがつらく、反る方に動かすと楽になるので(もちろんヘルニアの位置によっては例外もあります)その方向へ刺激を加えるようにします。

あとはそのヘルニアのあるレベルに負担がかからないよう、骨盤を整えたり、筋肉のバランスをとっていきます。場合によっては楽な方向への牽引も行います。

治療の序盤は、まず痺れ・痛みを取り除いていくことに集中します。その後痛みが少なくなってきた時点で、正常な腰回りの機能を取り戻していく治療を行っていきます。
ヘルニアだと大抵10回くらいの治療が必要になりますが、自宅でのエクササイズがその回復の早さを左右するでしょう。
前回のblog
でご紹介したような、その人に適した腰のエクササイズ(反る側への運動が多い)を行うことも重要です。

この男性患者さんの場合、エクササイズもしっかり行って頂き、比較的早い段階で右足のシビレが取れてきました^^。
日常生活が楽になり、いまでは再発防止のためのメンテナンス治療に通って頂いています。


椎間板ヘルニアに至るまでには長い年月がかかります。これは長い期間、腰に負担をかけてきたということでもあるのです。
このテーマでずっとお話してきましたが、椎間板に負担を与える要素としては、普段から腰への負担が強い仕事や前かがみの姿勢をしている、腰をひどく捻って痛めた、以前から腰痛を繰り返しているなど・・・。
椎間板はもともと柔軟性のある軟骨ですが、その上下の関節の動きがなくなることによって椎間板にも柔軟性がなくなり硬くつぶれてきます。そしてさらに悪化し、中の髄核が飛び出てしまった状態がヘルニアです。老化や突発的な怪我によっても起こりますが、その背景には以前から腰に負担がかかる生活をしていたなどの要素が大きいのです。

座ることが多い人は、腰の中央にタオルを丸めたものやクッションを置いてあげることで、腰椎の反るカーブを保ってあげると、腰の負担を減らす助けになります。またなるべく普段からストレッチや運動を行い、腰をいたわってあげましょうね。


今回で「椎間板ヘルニア」のテーマは終了です。
なにかご質問があれば、
こちらから
気軽に聞いてくださいね。



小菅一憲

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by chiropratica | 2010-09-22 17:33 | 椎間板ヘルニア

NO.34 椎間板ヘルニア その6 「マッケンジーエクササイズ」

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今日は、椎間板ヘルニアの方によく指導する運動についてお話します。


さて、運動のことをお話しする前に・・・
みなさん椎間板に負担のかかりやすい姿勢や、ヘルニアの人の痛みが増悪する姿勢を思い出してください。
椎間板ヘルニアの人は座りっぱなしや中腰姿勢、身体を丸めると椎間板に負担がかかり、痛みが増悪するのでしたね。
これは椎間板の前方に圧がかかることで、髄核が後ろに押しだされるからです。


では、椎間板ヘルニアに適した運動とは?

そう。逆の動きをすれば良いのです。
実は、椎間板ヘルニアに適した運動とは「反らす運動」なのです。反らす運動をすることで、椎間板内の髄核のずれを矯正していき、後ろの方にずれてしまった髄核を元の位置に戻そうとします。
腰椎(腰の骨)はもともとゆるやかに前方に反るようにカーブを描いているのが本来の形ですが、椎間板ヘルニアの人や、日常生活で慢性的に腰を丸めた姿勢、前屈みの姿勢をしている人は、腰椎がまっすぐあるいは後ろに丸まった状態になってしまいます。そうなると椎間板内の髄核も後ろにずれやすくなります。
この髄核を前に戻そうとする運動が「反らす運動」なのですね。


この運動はマッケンジーエクササイズと言われ、ロビン・マッケンジーにより開発された運動法です。マッケンジーはニュージーランドの脊柱障害の専門治療家で、1960年代に彼の検査法と治療法を開発し、その治療システムは世界中に紹介され、多くの成功を収めています。

また多くの国でマッケンジーの概念や治療法への様々な研究がなされ、その中の一つ、アメリカのテキサス大学で発表された研究では、マッケンジーのシステムが多くの腰痛に効果を示し、高い確率で他の治療法よりも早く治癒すると報告しています。


さてそのマッケンジーエクササイズなのですが・・・
実は本当に簡単なので、誰にでも行えます。
ただ腰痛の度合いや足のシビレのひどい方は、専門家のもとでエクササイズを管理してもらった方が良いでしょう。

では、その運動法を、腰痛の程度によって段階を踏んで行っていきましょう。


うつぶせに寝る(腰痛や足の痛みがかなり強く腰が反らせない方)

床の上にうつぶせになり、全身の力を抜きます。また腰からふくらはぎまでの筋肉は特にリラックスして力を抜きましょう。その状態で深呼吸をしながら2~5分その姿勢を維持します。この運動は、一日に6~8回くらい行います。

肘立て反らし(痛みや身体の硬さで上体反らしまではできない方)

まずうつ伏せに寝て、リラックスします。次に、そこから両肘を肩の下について上体を起こします。その状態を2~5分保ったら、ゆっくりとうつ伏せの姿勢に戻していきます。慣れてきたら、この運動を何回か繰り返して行いましょう。

上体反らし運動(①、②が無理なくできる方)

肘立て運動が無理なくできるようになったら、今度は肘を伸ばして完全に上体を反らしてみましょう。けっして急がずゆっくり行います。反らしたら、またうつ伏せの姿勢に戻ります。この運動を10回程行いましょう。

※運動を行っている時に痛みが強かったり、運動をすることで痛みが増悪したり、広がったりする場合は、すぐに運動をやめてください。この運動が適している場合は、大抵、運動をすると痛みが軽くなってきたり、可動域が増えてきます。

※反らす運動で良くなってくる方がほとんどですが、あまり痛みが良くならない方は、上体を反らすと同時に、痛みが楽になる方へ腰を横にずらしてみてください。または天井の斜め左や斜め右を見ることで、楽な方へ伸ばしていきましょう。

腰を丸める運動+上体反らし運動

上体反らし運動で腰痛や足のシビレが大分よくなってきた方は、この運動を行ってみましょう。
まず仰向けで寝て両膝を手で抱えます。両膝を胸の方まで引き付けるようにしてこの状態を3分くらい維持します。
その後いつもの上体反らし運動を行ってください。必ず最後は上体反らし運動で終わるようにします。
この運動によって、腰椎の柔軟性もついてきます。


マッケンジーが最初にこの方法を発見したのは、ある患者さんを診たときからです。

スミス氏と呼ばれるその男性の腰痛患者は、右側の腰の痛みとそれに伴うお尻から膝までの広がる痛みを訴えて来院しました。それまで彼には、一般的な腰痛治療(温熱療法と超音波療法)が3週間施されましたが、彼の体調は一向に変化しませんでした。彼は背中を伸ばして立つことができず、前かがみでは歩けても背中を伸ばしては歩くことができませんでした。

マッケンジーは、彼に服を脱いだら、治療のベッドにうつ伏せになって寝ているように指示しました。そのときマッケンジーは平坦に戻していないベッドに気付かず、彼は指示されたようにうつ伏せで寝ると、背中が反る体勢となり、5分ほど大きくストレッチされながら寝る羽目になりました。ところが、マッケンジーが治療するために部屋に入って様子を尋ねると、驚くことに過去3週間で最も体調が良いと答えたのです。
足にまで及んでいた疼痛は消失し、右側の腰痛も中央に移動していました。加えて彼は、激しい痛みもなく背中を伸ばせたのです。そしてマッケンジーは翌日も同じ体勢で寝かせました。そうすると残りの症状も全て取り除かれたのです。

驚きの体験ですね^^。
この体験により、マッケンジーは現在の根底となる一般的な腰痛に対する診断法や、治療法の基本を作り出します。
忘れてはいけないのは、スミス氏が寝ていた姿勢です。それまで腰痛には最もダメージを与えると考えられていた背中を反る姿勢で、症状が劇的に良くなったのです。


いままで、腰痛や足への疼痛を持つ患者さんに対しての治療は、「まず安静に」が大半を占めていました。しかし現在では、逆に痛みを感じる患部を動かすことが必要であるということが、少しずつ理解されてきています。またこれらのエクササイズが、身体を動かさない治療法より効果的であることが判明しています。

ここで紹介したエクササイズは、通常の筋力を強化させる目的のエクササイズとは異なり、椎間板や軟部組織の構造、また周囲の代謝を増進させることに焦点が置かれています。
そしてこのエクササイズ一番の利点は、誰でも簡単で安全に行うことができる点です。注意して行えば、腰痛が悪化することはありません。また運動をすることが再発も防いでくれます。


もちろん最初は、臨床経験のある専門家の指示に従いながら行うべきですが、みなさんもご自分で出来る動かす治療を試してみてはいかがでしょう。



小菅一憲

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by chiropratica | 2010-09-21 14:15 | 椎間板ヘルニア

NO.33 椎間板ヘルニア その5 「椎間板ヘルニアとカイロプラクティック」

さて今日からまた「椎間板ヘルニア」のテーマを数回お届けしたいと思います。
今日は「椎間板ヘルニアとカイロプラクティック」です。


椎間板ヘルニアで、手術が必要な重症なケース(持続的で和らぐことのない強い痛み、神経欠損の増大、膀胱や腸の症状がある、馬尾症候群)以外では、カイロプラクティック治療は有効です。

椎間板の損傷には、進行度合によって4つのタイプがあります。

1.椎間板膨隆 protrusion
線維輪は破れておらず、椎間板が後方に隆起するもの

2.椎間板突出 prolapsed
膨隆が大きくなり、線維輪の最外層のみが髄核をおおっている

3.椎間板脱出 prolapsed
線維輪が破れ、髄核の一部組織が飛び出て、硬膜外腔(脊髄神経のある)に進入している

4.椎間板分離脱出 sequestration
髄核が線維輪から分離脱出し、椎間板分離片を形成している

進行状態が、1や2の場合はカイロプラクティックのマニピュレーション(カイロプラクティックの手技)が最適なケースです。また3の場合もより高度な診断やマネジメントが必要になりますが、カイロプラクティック治療は有効でしょう。4はめずらしいケースですが、この場合はカイロプラクティック治療では難しく、手術で取り除くこともあります。


カイロプラクターのMathewとYatesはマニピュレーションによる治療の前後に、硬膜外造影法を用いて、椎間板突出の大きさが減少したことを証明しています。
またCoxは椎間板膨隆に対する治療として、伸展(反らす)と伸延(伸ばす)を用いたマニピュレーションを推奨しており、このマニピュレーションによって椎間板はその中心位を椎間板の繊維内に戻し、痛みに敏感な椎間板繊維に対する刺激が減少すると述べています。

私は、変性が進んでいる場合、構造的にもとに戻すことが可能かどうかには少し疑問ですが、マニピュレーションによって運動機能を改善させ、椎間板の健康を取り戻すことはできるのではないかと思っています。私自身、椎間板ヘルニアの患者さんを治療して改善しているケースは数多く、カイロプラクティック治療の有効性を実感しています。


MRIの画像があるとかなり助けになりますが、ない場合もヘルニアの痛みの特徴や痛みの増悪する体勢、楽になる体勢などが当てはまる場合、ヘルニアの検査をしていきます。
大抵の場合、まずどのレベルで問題が起きているかをチェックします。
椎間板ヘルニアのある部位により、下肢痛の出ている範囲や皮膚感覚が異なり、問題部位を診断する上で筋力検査も助けになります。
足首を上や下に折り曲げる力や親指を上に持ち上げる力が入るかどうかで問題が起こっているレベルを確認できます。また場合によっては多レベルに問題が生じている場合もあります。

椎間板が変性すると、そのレベルの椎間関節(背骨の関節)の関節包が緩くなり、サブラクセーション
以前のblog参照)が起こる場合も多くなります。また椎間板の問題が起こる前、もしくはそれと同時進行で関節のサブラクセーションが起こっている場合もあります。
サブラクセーションがあると、その関節および椎間板の動きはなくなり、柔軟性は低下していきます。柔軟性や周囲の動きが失われてしまうと、椎間板も押しつぶされるだけで、なかなか回復できないのです。

カイロプラクティック治療では椎間板の問題のあるレベル、またはその上下の関節部にサブラクセーションがないかをチェックし、それをしっかり取り除くことを最優先に行います。


治療の初期段階では、なるべく足の痛みや腰痛がやわらぐ方へ関節を動かすように治療をしていきます。また大抵の場合、腰を沿ったり伸ばすことで楽になることが多いので、治療の際にはその方向も意識していきます。専門のベットを用いて、楽な方向へ牽引をする時もあります。

また腰の筋肉のバランスも重要なポイントでしょう。腰に関わる筋肉、腹筋や背筋、下腹部の筋肉、お尻の筋肉のバランスが保たれていないと、腰に負担をかける原因になります。このバランスも治療で重点が置かれる部分です。

そしてほとんどの腰痛でもそうですが、とくに椎間板ヘルニアの患者さんの場合は、自宅での運動が必須になります。運動が改善を早める手助けをしてくれるのです。


次回はその運動のお話です。



小菅一憲

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by chiropratica | 2010-09-20 18:51 | 椎間板ヘルニア

NO.32 椎間板ヘルニア その4 「椎間板ヘルニアによる痛み」

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前回のblogで椎間板は腰を曲げている状態や捻転ストレスに弱いと言いましたが、ヘルニアで来院する患者さんの中には、発症の原因がほんの些細な出来事しかなかった場合もあります。
また、荷物を持ち上げた、身体を捻った、重い物を引っ張ったなどと話す人もいます。

これは、大抵の人がヘルニアを発症する前から腰痛症状をもっている場合が多く、腰への負担が長期的にかかっていたからでしょう。椎間板へのダメージが蓄積されている中、何かのきっかけが発症の原因になってしまうのです。

中には「靴ひもを結ぼうと腰をかがめただけ」とか「シャワーを浴びながら、石けんをとろうと腰を曲げただけ」という場合もあります。
発症はほんの些細なことでもあり得るのです。

椎間板ヘルニアによる痛みには、腰痛、下肢痛(足のシビレ・痛み)、または腰痛・下肢痛両方ある場合があります。


そしてヘルニアによる痛みの特徴としては・・・

前屈(前に腰を曲げる)による痛みの増悪
長時間の前屈位の姿勢で痛みが強くなる
クシャミや咳による痛み(硬膜内腔圧の上昇)
夜中、明け方に痛みが強い
膝を少しまげて横向きに寝ると痛みが和らぐ
身体を片側に傾けると痛みが和らぐ
足首、または親指に力が入らない
などなど・・・

またヘルニアの飛び出している位置によっても痛みは違います。
神経根(神経の根元)の外側もしくは内側に突出している時は、片足に痛みが出ますが、中央部に膨隆していると、腰痛と下肢痛が両方出ることが多く、両足に痛みが出る場合もあります。また外側ヘルニアの場合は、下肢痛のない方に寄りかかると痛みがおさまりますが、内側ヘルニアの場合は、下肢痛のある方に寄りかかると痛みが減少します。
そして中央部の場合はより重症なケースが多く、馬尾神経(脊髄神経一番下の馬の尻尾のようにわかれる神経)を圧迫して、膀胱・直腸障害をきたすこともあります。また、過伸展(反らす)を避けるようにかがんだ姿勢をとることが多くなります。


お医者さんで、レントゲンを撮って椎間板ヘルニアと診断された人が多くないですか?

ここは間違わないでください。レントゲンではヘルニアかどうかは断言できません。
確かに側面撮影で、椎間板の高さが減少している様子が見られることは多いですが、それでヘルニアが起こっているかどうかはわからないのです。
レントゲンでは骨が写っているだけで、椎間板自体は写っていないのですから。
たしかに椎間板の高さが減少して、変性が起こっているかもしれません。ですが、内容物が突出しているとは限らないのです。

より正確な診断をするにはMRIが必要になります。
MRIでは軟部組織の影も映し出すことができます。これによって椎間板の膨隆、および突出、またそのレベル、突出方向も確認することができ、神経への障害がどれほどになっているかも明確になります。

みなさんレントゲンだけではヘルニアかどうかは断言できないので、それだけでショックを受けないでくださいね。悩むならMRI撮ってからにしてください。

もちろん重症なケースでなければ、手術でなくても改善できます。

次回は「椎間板ヘルニアとカイロプラクティック」についてお話していきます。



小菅一憲

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by chiropratica | 2010-09-17 09:18 | 椎間板ヘルニア

NO.31 椎間板ヘルニア その3 「どのような原因でヘルニアが起こるのか?」

前回のblogで椎間板への年齢の影響は、いやというほどわかったと思います。
椎間板は歳とともに柔軟性を失ってくるのですね。

そして歳を重ねると、椎間板の柔軟性の減少により、髄核(椎間板の中にある核)が萎縮することがあります。
そのため椎間板の繊維は張りを失って、簡単に裂け目ができるようになってしまうのです。そのときの裂け方によっては放射状に避ける場合(若者でも過剰な負担によって起こる)と円状に割れる場合(年齢による変性過程で起こる)があり、最終的には椎間板の中の内容物が飛び出すことになります。

ゼリー状の核が、輪状の繊維の損傷により後ろに押し出されるとこれによって背骨の中を通る脊髄、もしくは背骨から出てくる神経の根元部分に障害をきたすことがあります。これが椎間板ヘルニアによる神経障害(足のシビレ、感覚異常、筋力低下)につながるのです。

このようなヘルニアは腰の骨の3番/4番の間、もしくは4番/5番の間でもっともよくみられ、首では下部でみられることがあります。

でも私の臨床経験では、首のヘルニアはまれですね。ほとんどの場合が外傷的な要因が多いです。私の診た患者さんでは、走り高飛びをしていて頭から落ちてしまい、それから頸椎ヘルニアが発症した人がいました。
圧倒的に多いのはやはり普段から身体の体重を支えている腰椎部分のヘルニアでしょう。


さて、歳をとるともちろん椎間板は柔軟性が低下し、固くなり、つぶれてくるのですが、どんな要素が椎間板にかかるストレスとしては大きいのでしょう?

実は、姿勢によって腰椎の椎間板にかかる圧は変化しています。
Nachemson は姿勢の違いによる腰椎3番の椎間板内圧の変化を研究しています。
下の図における数値は、立位における椎間板にかかる圧を100%として基準値にとり、姿勢変化に伴う内圧を示しています。

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これによると、不良挙上(無理な体勢で起き上がる)や20kg手に持って前屈が、一番負担かかるようです。また前にかがんだり、座っている姿勢が椎間板にはきついようですね。
たしかに物を持ち上げることが、腰痛の原因になることは多いですよね。たとえば、77kgの体重の人が椎間板から約36㎝離れた位置で91kgの物を持ち上げたときには、椎間板には940kgの力がかかります。つまり大袈裟にいうと椎間板にかかる力は、持ち上げる重量のほぼ10倍になってしまうのです。
正しい姿勢で物を持ち上げた方が、どんなに良いかがわかりますね。
また女性より男性のほうが、背が高いのでその分だけ重心が高くなり、15〜20%腰への負荷が多くなります。


カイロプラクターのFarfan は椎間板破壊のメカニズムを変性(年齢による変形)と力学的影響の両方の作用によるものだと述べています。
そしてヘルニアの原因となるもっとも一般的なメカニズムは一連の回旋による損傷であると考えられています。回旋による損傷は、円周状、放射状の亀裂を作り、最終的な外傷によって椎間板の輪状の繊維がたわんでしまいます。このため、椎間板が局所的に膨隆し、完全に破裂してしまうこともあります。

上の図では、身体を回旋してもそんなに内圧はあがらないようにみえますが、椎間板の繊維は捻ったりするなどの回旋方向へのストレスに弱いのです。

その他、背骨を前に曲げた状態で激しい圧迫損傷を受けると椎間板の繊維が突然破裂することもありますが、このようなケースはまれで、ほとんどの場合、椎間板ヘルニアの原因は圧縮加重によるものではなく、捻転挫傷によるものと考えられています。

またある研究データでは、就業時間の50%以上自動車を運転している男性は、他の職業についている人に比べて、椎間板ヘルニアにかかる率が3倍も高いといいます。これは、座る姿勢で椎間板により強い圧がかかることに加えて振動が脊椎に伝わるからでしょう。
足の位置が制限されていることも椎間板ヘルニアにかかりやすくなる要因になっています。

重い荷物を持ち上げたり、押したり、引っ張り上げたり、運んだりする職業と腰椎椎間板ヘルニアの間にはあまり因果関係はないようですね。


このように、椎間板は座って腰を曲げている状態が続くと負担がかかり、また強く捻ったりすることで痛めやすいのですね。またこれは腰全般に言えますが、車やバイクで腰に振動がかかることは、骨盤や腰椎部に障害を生じることが多く、注意した方が良いでしょう。

次回は「椎間板ヘルニアの痛み」です。



小菅一憲

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by chiropratica | 2010-09-16 00:09 | 椎間板ヘルニア

NO.30 椎間板ヘルニア その2 「椎間板と年齢」

だいぶ涼しくなってきましたね。今日なんか朝起きたら、少し肌寒いくらいでした。
さて、今日は椎間板についてもう少し詳しく掘り下げていきたいと思います。
少し難しくなりますが、ゆっくり読んでいってくださいね^^。

椎間板は・・・
1.中心の髄核
2.外側の繊維輪(15~25の板からなる)
3.上下面を形成する軟骨

から出来ています。

外側の繊維輪は15~20の繊維の同心列からなっており、しかも互いにラセン交叉をしていることで強度を強め、捻転(ねじる)運動にも対応しています。また椎間板の中には髄核と呼ばれる核があって、圧がかかるとその髄核が圧をうまく分散してくれます。
この髄核、赤ちゃんの時には親水ムコイド組織からなっているのですが、加齢とともに徐々に繊維軟骨に換わり、繊維輪のようになります。

また椎間板は背骨の約20~25%を占めており、その中でも身体を支える腰部の椎間板が一番分厚くなっています。
この椎間板の厚みも加齢とともに、変性や親水作用低下が生じて減少していく傾向にあります。


なにか歳とともにどんどん硬く、潰れていくようでいやですね^^;
でもこれはどうしようもない現象なのかもしれません。

椎間板の含水能は年齢とともに減少し、すでに10歳代に変性が始まります。椎間板自体、最初は約85~90%が水分であったものが、年に伴って65%に減少します。さらに椎間板には弾力性を付加する親水性ムコ多糖類が多く含まれているのですが、これも年とともに減少し、繊維に変わってしまうのです。

みなさんここで嘆いていては、いけません。
椎間板に負担がかからない姿勢を心がけ、そして適度に運動してあげれば、椎間板は健康を保ってくれます。


前回のblogで「椎間板は弾力があり、衝撃や重力などの圧を受け止めるクッション」ということを少しお話ししましたが、そのとおり、椎間板は柔軟性があるので、長い時間付加がかかると平たく縮み、負荷がかからない状態になると再びもとの形にもどります。たとえば身体の上半身を支えている腰の椎間板は、一日の間に次第に薄くなっていき、通常5時間以内の睡眠で元の形に戻るとカイロプラクターのcreaveは言っています。
ちょっと驚くかもしれませんが、成人では朝の身長が夕方より、1~2㎝高くなっています。この身長差は椎間板上下面の軟骨から水分が出たり入ったりする現象によるもので、日中の立位や運動による椎間板圧迫によって髄核は水分を放出し、横になって安静になると再び水分を吸収し膨張しているのです。
実はこの水分移動が椎間板を保護する役割も果たしているのですね^^。

そして背骨が前後左右に動くと、椎間板は弾力があるのでそれに伴い、片側で縮んだり、伸ばされたりしながら背骨を安定させています。

椎間板を連結する靭帯が外傷を受けたり、弱くなったりすると、椎間板の外側にある繊維軟骨が破れるほど、椎間板にかかる圧力が大きくなることがあります。
そして破れてしまうと、椎間板の内容物が外に脱出します。この状態を「椎間板ヘルニア」と言います。
背骨の中では、腰の部分が体重の大部分を支えていることや、最もよく曲がる部分であることから、椎間板ヘルニアは腰椎部で最もよく起こるのです。

次回は「どのような原因でヘルニアが起こるのか?」です。



小菅一憲

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by chiropratica | 2010-09-15 12:45 | 椎間板ヘルニア

NO.29 椎間板ヘルニア その1 「椎間板王国の終焉」

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過去数十年間、椎間板は腰痛の原因として中心的な役割を果たす部分として考えられてきました。
しかし、最近になっても腰痛との関連について、椎間板の正確な役割を示す直接的な証拠はほとんどみられず、いま現在は、椎間板が正常な背骨のメカニズムの仲介役を果たす一部位であること、また正常な椎間板機能が失われても、必ずしも患者さんがその症状を示すとは限らないことが明らかになっています。

腰痛の原因として椎間板が問題になってくるのは、長期にわたる変性(老化に伴う変形)の末期になると言われています。

このことは私の臨床でも、いやという程経験してきました。
腰痛でお医者さんに行くと、必ずといっていいほど「椎間板がつぶれてしまっている」「軽度のヘルニアかもしれません」「関節の間がせまくなっている」と言われ、このことが腰痛原因だとされることがどれほど多いことでしょう。
ほとんどのケースで、レントゲンを撮り、こう言われるのではないでしょうか?

そこで牽引をするか、痛み止めと湿布をもらうかで大抵の治療はおしまいです。もちろんそれでは、治らない人が多くいるのは当然なのです。

それはそうでしょう。椎間板が原因で腰痛になっているわけではないのですから。
以前のblog
でもちょっと触れましたが、その他の原因(腰椎、骨盤の関節の動きの固さ、筋肉の異常な状態)によって腰痛が起きていることがほとんどです。レントゲンでたしかに関節の間がせまく、椎間板がつぶれている場合も多いですが、そこから腰痛が起こるとは限らないのです。
同じように関節間が狭く、椎間板がつぶれていても腰痛など感じずに元気に生活している人もいるのですから。

また足のシビレがあり、画像診断によって椎間板の膨隆がみられても、臨床的に検査して椎間板による神経症状ではないケースも多くあります。

たしかに中には、足にシビレも出ていてまさに椎間板ヘルニアから神経症状が出ている人もいます。私も椎間板病変を見逃すようなことがあってはいけないので椎間板に対する検査はしっかりと行っています。ただ多くの腰痛、足のシビレのケースがお医者さんのわからない原因で起こっていることも多いということを覚えておいてもらいたいのです。

さて、そこでみなさんが多く診断される「椎間板ヘルニア」とはどんなものなのか。まずはそこを知ってもらいたいと思い、これから数回は「椎間板」をテーマにお話ししていきたいと思います。


椎間板 Discus intervertebralis とは・・・


以前の骨のテーマ
でお話しした背骨の一つ一つの骨(椎骨)の間にある繊維軟骨です。
この背骨の骨と骨の間にある椎間板は弾力があり、衝撃や重力などの圧を受け止めるクッションのような役割をもっています。
椎間板は、背骨にかかっている負荷を吸収し、いくつかの運動ができるようにしてくれている優秀なDISCなのです。


今日はここまでにして・・・

明日はもう少し詳しく椎間板を見ていきましょう。



小菅一憲

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by chiropratica | 2010-09-14 23:47 | 椎間板ヘルニア


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

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