2014年 11月 13日 ( 1 )

NO.547 腸管免疫 その14 日本人のお腹の変化

前回お話した乳酸菌を積極的に摂ることで、便通が良くなったり、アレルギーが改善したりなどの効果を感じることもありますが、いままで話してきたように腸内細菌はいわゆる善玉菌といわれる乳酸菌だけがたくさん繁殖していれば良いというものではなく、悪玉菌と呼ばれている大腸菌などの菌とのバランスが重要になります。
今日の話に入る前に、そこは覚えておいてくださいね^^。



さて、この40年間の日本人の食生活の変化で変わったのは、食物繊維量や動物脂肪の摂取量だけではありません。
ある報告によると、乳酸菌の摂取量も大きく変化しているといわれます。
1960年代までには植物性乳酸菌として摂取していたものが1970年代以降に減少し、これに反して動物性乳酸菌の摂取量が増加しています。
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌摂取量の摂取量のバランスは、1990年代では約1対1に、現在では1対2にまでなっています。


乳酸菌とは乳糖やブドウ糖などの糖類を分解して、乳酸をつくりだす菌のことで、乳酸発酵食品に多く含まれているものです。
乳酸発酵食品といえばヨーグルトやチーズなどを思い浮かべますが、漬け物や味噌などもその代表例です。
乳酸菌は生育される場所によって以下のように分解されます。

動物性乳酸菌・・・動物由来の牛乳や肉類に生育する。
植物性乳酸菌・・・植物由来の漬け物や果汁、穀類などに生育する。
腸管系乳酸菌・・・人や動物の腸内に棲む。




一般には、主にヨーグルトやチーズのように乳(動物性のもの)に生育する乳酸菌を動物性乳酸菌というのに対して、主に漬物や味噌、醤油、酒などの発酵食品に多く生育するのが植物性乳酸菌です。
人間の腸由来の乳酸菌ももちろんいます。人にはヒトの乳酸菌などと言われたりしますよね^^。フェリカス菌という菌が有名でしょうか。


さらにそこから、食べたときに生きたまま腸に到達する腸内乳酸菌と、生きたまま腸内に到達しない酪農乳酸菌に分類することもできます。

生きたまま腸に届いた乳酸菌は、腸内で乳酸を出し、腸の中を弱酸性の環境に整えます。その結果、弱アルカリ性の環境を好む悪玉菌が抑えられ、腸内の善玉菌が増えることになります。そうすると、腸内の環境が良い状態に保たれるので、腸本来の機能が回復され、便秘や下痢の解消につながります。





乳酸菌は、前回のblogでも話しましたが、プロバイオティクスのサプリメントもたくさん出ています。ここで、人間の腸で有益な乳酸菌を少しあげておきましょう。

Lactobacillus bulgaricus(ブルガリア菌)
Streptococcus thermophilus(サーモフィリス菌)
Lactobacillus casei(カゼイ菌)
Lactobacillus acidophillus(アシドフィリス菌)
Bifidobacterium(ビフィズス菌)

これらの菌が入っている発酵食品やサプリメントを毎日摂ることは非常に有益です。
乳酸菌を摂ることで、免疫力も高まり感染症にも強くなります。
ちなみにヨーグルトで摂る場合、糖分が入っているものや、予めフルーツが含まれているものは避けてくださいね。できればプレーンが良いです。サプリメントは様々なものが出ていますので、詳しくは前回のblogを参照してください^^。

さて、他にも今注目されているのが植物性乳酸菌です。この乳酸菌は野菜や米、豆などの植物素材が発酵するところに生育し、植物に含まれるブドウ糖、果糖、ショ糖など、植物ごとに異なるいろいろな糖をエネルギー源にしています。
さらに植物性乳酸菌は、酸やアルカリ、温度変化に強く、過敏な環境条件でも生き続けることができるので、胃で死滅することなく、生きたまま腸に届きやすいことがわかっています。

野菜を発酵させた食品を食べれば、この乳酸菌とともに食物繊維を一緒に摂取することになり、低脂肪・低カロリーなので一石二鳥です。植物性乳酸菌を多く含む代表的な食材は、ぬか漬、しば漬け、野沢菜漬け、味噌、甘酒、キムチ、ザーサイ、サワーブレッドなどです。
日本人の好きなぬか漬けや白菜漬けなどを毎日食べることができれば良いのですが、昔に比べればこれらの摂取量が減少してきています。

日本では、京都の漬物である「すぐき漬け」からとったラブレ菌をよく聞きますよね。


大腸のテーマの最初に述べた食物繊維の不足に加えて、乳酸菌の摂取量が減るにつれて、大腸がんや炎症性腸疾患(難治性である潰瘍性大腸炎、クローン病)にかかる人が増えています。
とくに1980年代以降には、激増しており、2004年には大腸がんは女性のがん死亡の1位になってしまいました。

実は生命力の強い植物性乳酸菌が、日本人の腸を守ってきたのかもしれませんね。
食生活の変化だけでここまでなるというのは、いかに食事が大事かということを思い知らされます・・・。





動物性乳酸菌は、ある程度腸内の栄養環境がある程度高いと繁殖できますが、胃酸と消化酵素がうまく機能していなく、栄養環境が悪い腸では思いのほか、繁殖は期待できないことが多いです。その点、植物乳酸菌は腸の栄養環境が低下していても、繁殖は旺盛なので、人によってはこちらの方が合う方も多いですね。
また動物性乳酸菌は、大体が牛乳由来ですが、乳糖不耐症の方などには合わないことも多いので、こういった点からも日本人に合っているのは植物性乳酸菌と言えそうです。

参考にしてみてくださいね。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


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by chiropratica | 2014-11-13 10:32 | 腸管免疫


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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