NO.600 食物アレルギー/過敏症 その12 「セリアック病」

みなさん、こんにちは^^。
今日は記念すべき、600記事投稿です。

さて、今日は「セリアック病」についてお話していきたいと思います。
前回、欧米ではグルテンフリーが流行しており、そういった風潮は決して海外セレブが取り入れているとミーハーな理由だけでなく、実はグルテンに対して問題を起こす人たち、いわゆるセリアック病やグルテン過敏症の人が増えてきたという背景があるとお話しました。

今日はアメリカでも増え続けている、この「セリアック病」について焦点を当ててみます。




セリアック病は、「特定の穀物のタンパク質に含まれるグルテンの断片が原因となる自己免疫疾患」です。

この特定の穀物というのが、小麦やライ麦、そして大麦などなのですが、セリアック病の人では、これらの穀物に含まれる、グリアジン(小麦)、セカリン(ライ麦)、ホルデイン(大麦)と呼ばれる構成タンパク質に由来したグルテンの断片が身体に問題を起こします。
このグルテンの断片にアレルギー反応を示す人は、グルテンを摂取すると外敵の侵入を防御するバリアーでもある小腸の内壁が破壊されてしまいます。その結果、腹痛や下痢が起こることはもちろん、それが長期間続くと小腸の栄養吸収をする大切な絨毛が萎縮し、栄養吸収障害に陥ります。体重が減り、タンパク質(アミノ酸)、脂肪酸、ビタミンB12、葉酸、D、E、K、鉄、亜鉛など様々な栄養が不足して、栄養失調につながるのです。



セリアック病は、突発性スプルーやグルテン過敏性腸疾患とも呼ばれ、遺伝的な要因が大きいとされていますが、先程お話したように、グリアジン(小麦)が抗原となり、抗体と結びついた免疫複合体が消化管の壁面に堆積し、細胞や組織に損傷を与えます。また重症化すると小腸の栄養吸収に大事な絨毛が変性してしまい、消化機能が衰えるもしくは消失してしまうので、セリアック病の患者さんの約50%が腹痛、下痢、体重の継続的な減少という典型的な症状を示しますが、実は栄養吸収障害により、様々な病気や症状に関連しています。



ガス
腹部膨満感と痛み
慢性の下痢
悪臭を放つ便(脂肪便)
体重の急激な減少や増加
顔面蒼白
貧血(赤血球数の低下)
骨あるいは関節の痛み
骨粗鬆症
筋肉の痙攣
疲労感
てんかん症状
脚部のしびれ感
口腔内の痛み
痛みとかゆみを伴う湿疹
歯の変色あるいはエナメル質の欠損
無月経
成長の遅れ(子供の場合)


いかがでしょうか?
セリアック病は、こういった症状や病気にもつながっています。
セリアック病の人は、実は貧血、片頭痛、関節炎、神経障害、不妊、低身長(子供の場合)、うつ病、慢性疲労など、一見してセリアック病とは無関係なさまざまな症状や体調不良に見舞われてしまうのです。
また何の症状もないまま過ごし、年をとってから神経障害、失禁、認知症、消化管がんを発症する人もいます。

この病気の厄介なところは、症状が多岐に渡るため、自分がセリアック病だと自覚していないという人も非常に多いという現実ですね。欧米で200万人から300万人の患者の患者がいるとされているセリアック病ですが、なんと自覚している人はその10%程というから、恐ろしいです。




数年前までセリアック病は数千人に1人の珍しい病だと考えられていました。またセリアック病は、白人に多く、有色人種(黒人や黄色人種)では少ないとされていました。
しかし、現在では診断方法の向上により患者数が増加し、以前想定されていたよりも、かなり多くのセリアック病患者が存在すると言われています。また様々な症状や病気につながっているために、診断至っていないケースも非常に多いものと考えられています。

欧州で大体300万人程度(アメリカの人口の約1%)がセリアック病と言われており、特に年齢とは関係ないとされていますが、2歳半〜15歳までの有病率は子ども1000人中3人〜13人とされています。またセリアック病の発生率は、近親者では4.5%、腸疾患の兆候がある人は17%に達します。
日本でも以前はセリアック病の発生は認められていませんでしたが、信州大の発表では人口の0.7%(87.5万人)に発生が見られるそう。
世界では、従来は認識が甘く、症状を見逃してしまうこともあったため、直接患者さんに接する機会の多い家庭医を始め、社会的にも認識を改めてもらう必要性があるとしています。

もちろん、日本も例外ではありません。
安心してはいられないです。
日本でも是非、このセリアック病に対する認識がもっと広がっていくと良いですね。





セリアック病は、血液検査で診断が行なわれます。
例えば小麦の場合、グルテンの成分の1つでもあるグリアジンに対する抗体が血中に発見出来ます。
また小麦の成分は、破壊された腸の内壁自体の成分、すなわちトランスグルタミナーゼや筋内膜などに対しても抗体を作らせます。診断には腸の筋肉に含まれるこの2つのタンパク質に対する抗トランスグルタミナーゼ抗体と抗筋内膜抗体の検査も行なわることが多いです。
通常は腸管に生息する害のないバクテリアも、その生成物質を血液に送り込み、別種の異常な炎症や免疫反応を引き起こすので、問題が大きく広がりやすいと言われているのです。


こうやってセリアック病が増えてきた背景には、実は小麦という穀物の品種改良という変化が関わっています。
また後の記事でお話しますが、セリアック病の発生率が上昇した理由の少なくとも一部は、現代の小麦を摂取することによりグルテンへの暴露が増えたためだと言われていいます。
オランダの研究では、現代の小麦36品種と1世紀前まで育成されていた代表的な小麦50品種を比べ、セリアック病を引き起こすグルテンタンパク質の構造をチェックしたところ、現代の小麦のほうがその構造の発現数が多く、逆にセリアック病を引き起こさないタンパク質の構造の発現数は、現代の小麦のほうが低いという結果が出ました。
(WHEAT BELLY/Dr.William Davis 引用)


次回もお楽しみに〜^^。


小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


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by chiropratica | 2015-08-19 17:22 | 食物アレルギー


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