NO.594 食物アレルギー/過敏症 その6 「食物不耐性とは?」

b0195635_11514995.jpg


みなさん、こんにちは^^。
大分blog更新が空いてしまいました。
いつもお読み頂き、ありがとうございます。
これからもたまに投稿が空く時はあるかもしれませんが、定期的には情報発信をしていきますので、よろしくお願いします。

では、今日の話題へ。

今日は「食物不耐症」についてお話していきます。



まず、「食物不耐性」の話の前に、食物アレルギーと食物不耐性についての分類をお話しておきますね。
基本的にいままでお話してきた「食物アレルギー」は免疫が媒介するものです。

アレルギーでは「感作」が起こりますが、感作というのは、抗原と抗体の特異的な結合に使われる言葉です。感作は、免疫細胞がアレルゲンに初めて曝露する時に起こり、感作が起こると次に同じアレルゲンに曝露する時に、そのアレルゲンを認識するように免疫細胞が変化してきます。こうやって一度侵入してきたアレルゲンを記録し、二度目に侵入してきたときにすぐに攻撃できるようにしておくのですね。
少し難しい話になりますが、免疫細胞には、Bリンパ球、Tリンパ球、マクロファージがあり、骨髄中の幹細胞から派生するリンパ球や胸腺の幹細胞に由来しているT細胞というものが、免疫系に非常に重要な役割(体液性免疫と細胞性免疫)をしています。
抗体(免疫グロブリン)が関与している体液性免疫は食物アレルギーにおいて重要な役割を果たしています。抗体は、抗原の提示に反応してBリンパ球(B細胞)によって産生され、抗原にこの抗体が結合することで、肥満細胞による化学物質の産生や細胞傷害を引き起こし、アレルギー症状が起こります。

この抗体にはいくつか種類があります。
それはIgA、IgD、IgE、IgG、IgMの5つクラスです。これらの抗体は、もちろん細菌やウィルスから身体を防御しています。
たとえば、母乳中の分泌型IgA抗体は、母乳哺育の乳児にウィルスや細菌に対する腸の防御をもたらしてくれます。またIgA抗体は唾液や腸分泌液中に存在し、抗原の吸収を阻止しているのですね。
そしてIgE抗体は身体からの寄生生物除去を助け、いわゆる食物アレルギーのIgE介在性反応に関与しています。
そのほかIgDは免疫グロブリンのクラス転換に関与していますが、他の機能は解明されていません。

抗体にはこれだけの種類があるわけです。
そして、アレルギー反応は免疫系の異常な反応ですが、その反応には、4つの種類があります。



①1型 即時型過敏症、アナフィラキシー性IgE介在性、レアギン性反応

枯草熱、アナフィラキシー、大半の食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、喘息が該当します。症状は数秒以内から最高で2時間以内に起こります。
食物反応は、咽頭浮腫、吐き気、嘔吐、重度の腹痛、鼓腸、下痢、血管浮腫、湿疹、紅斑、そう痒、喘鳴、咳、胸部締め付け、低血圧、気管支痙攣、ショックなど。


②Ⅱ型 細胞障害性

血液型が不整合な輸血によって起こります。
食物反応の例はありません。


③Ⅲ型 抗原–抗体複合体 アルサス反応

一部の食物反応において生じます。
乳汁中の沈降素が慢性呼吸器感染症の小児の肺、また胃腸疾患の患者さんの腸管中に発見されているそうです。
反応が現れるには通常6時間またはそれ以上かかり、臨床的に明白になるには数日かかる可能性もあります。


④Ⅳ型 遅延型または細胞介在性過敏症

移植片拒絶反応によくみられる機序。タンパク質漏出性腸炎などの一部の食物アレルギーに関与しています。



即時型過敏症(1型)はIgEが関与しており、アレルギー反応の中では最も頻度が高く、その機序は明確にされています。
もう一つの非IgE介在性免疫反応(IgEが関わっていない)の食物過敏症については、機序が明らかではないですが、食物の特異抗体(IgA、IgG、IgM)が関わっています。
そして、遅延型とも言われるⅣ型は、セリアック病(重度の小麦のアレルギー)やタンパク質漏出性腸症(リッキーガット症候群)、好酸球性胃腸炎、および潰瘍性大腸炎などにも関わっていると言われています。




前置きが長くなりましたが、これらが「食物アレルギー」と呼ばれる免疫が介在するものです。
では「食物不耐性」とは何なのでしょう?

「食物不耐性」とは食物アレルギーとは異なり、免疫反応を誘起しません。食物不耐性は特定の食物を分解する消化酵素を十分に持っていなかったり、添加物や食物に自然発生した化合物などの化学物質を身体が処理できなかったりすることなどが原因になります。



それこそ、種類はたくさんあります。


乳糖不耐性
アルコール不耐性
ソラマメ中毒症
フェニールケトン尿症
ガラクトース血症
ヒスタミン不耐性
チラミン不耐性
硫黄不耐性
グルタミン酸塩不耐性
オクトパミン不耐性
サリチル酸塩不耐性

などなど・・・


有名なのは、乳糖不耐性でしょうか。
乳糖不耐性の人は、牛乳の中の乳糖という成分を消化する酵素を持っていないため、乳製品を摂ると痙攣性腹痛や下痢を発生することがあります。
赤ちゃんの時は、乳糖を分解するラクターゼという消化酵素を持っているのですが、成人になるとほとんどの人で生産されなくなると言われており、日本人の80%以上が乳糖不耐性です。

また発酵食品や保存食、干物やワイン、塩漬けなどに多いヒスタミンを分解出来ないヒスタミン不耐性の人や、硫黄を含むような食材を消化分解できないような硫黄不耐性も比較的多くみられるものです。硫黄(化合)成分は、保存剤、防腐剤、漂白剤、発色剤、酸化防止剤として食品添加物のカテゴリーで広く使われており、サラダバーにはこういった添加物が多く使用されているので、サラダバー症候群の名前でも知られていますね。




そして、硫黄にも通じますが、添加物にたいする拒否反応も食物不耐性と定義されています。
食物添加物、合成着色料、保存料、乳化剤/安定剤、充填剤、香味料、人工甘味料に対する反応は、健康に大きな影響をおよぼす可能性があります。

添加物の中には・・・安息香酸、トラガカント、エチレンジアミン4酢酸、アスパルテームなど、添加物は山のようにあります。日本は特に食品添加物が多い国として知られていますから。
こういった添加物に敏感な場合、湿疹、頭痛、呼吸困難、認識機能障害、疲労などの、免疫システムを介在しない症状が現れることがあるので注意が必要です。

あまり自然ではないものは食べない方が良いのは、やはり基本になりますね^^。




このように、食物過敏症(不耐症とも呼ばれる)とは、アレルギーよりも意味合いが広く、食品や食品の構成成分、添加物などに起因するあらゆる身体への悪影響が含まれています。
食物過敏症は、個体差がはっきりしていて、ある人に大問題を起こす成分が、他の人にはまるで影響を及ぼさなかったりします。
医療従事者が混乱するのは、この過敏症というものの症状の多くが、アレルギー反応を介せずに発生することです。
そのため、このアレルギーではない、食物過敏症の方の多くは、トラブルを抱えたまま放置されているわけです。



ブラナマン医師は、症状にいたる基本的なメカニズムがどうであれ、患者さんが特定の食品にうまく対処できずに苦しんでいることに変わりはなく、アレルギーと過敏症の区別がどうだという問題より先に、患者さんを救うことが優先されるべきではないかと述べているのですが、まさに同意できる言葉ですね。
さらにブラナマン医師は、「食品過敏症を解決することで60%の病気は改善される」とも語っています。

現在の大抵の医師は、栄養療法や食品過敏症について知らない方が多く、その重要性が見過ごされるケースが多くあります。
私が臨床をやっていて、常に思うのは、診断が適切でなければ、適切な治療ができないということ。

何よりも根本的な原因に対しての治療を行うべきなのです。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

[PR]
by chiropratica | 2015-05-20 12:20 | 食物アレルギー


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

最新の記事

NO.600 食物アレルギー..
at 2015-08-19 17:22
NO.599 食物アレルギー..
at 2015-08-12 13:57
NO.598 食物アレルギー..
at 2015-06-17 18:00
NO.597 食物アレルギー..
at 2015-06-10 12:11
NO.596 食物アレルギー..
at 2015-06-03 19:18

以前の記事

2015年 08月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月

検索

カテゴリ

全体
骨のお話
生活習慣病
椎間板ヘルニア
逆流性食道炎
頭痛
骨粗鬆症
牛乳の話
高血圧
変形性膝関節症
炎症の話
消化と栄養吸収
腸の話
腸内細菌の話
回盲弁症候群
睡眠の話
妊娠&出産
栄養(基礎編)
低血糖症
砂糖の話
糖尿病と糖質の悪影響
副腎疲労
副腎疲労 (New)
食物アレルギー
アレルギー対策
大腸ガン
目の病気
老化
耳の病気
更年期障害
代謝の話
脳の健康
マグネシウムの話
花粉症
時間栄養学
生理前症候群PMS
腸管免疫
食べる日記
きまま日記
まじめ日記
未分類

ブログパーツ

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

健康・医療
メンタル

画像一覧