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NO.490 時間栄養学 その7 「夜遅く食べると太る?」

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今日は、夜遅く食べると太るかということについて、時間栄養学という観点からお話したいと思います。
体内時計を動かす時計遺伝子は、現在6種類見つかっていると言われていますが、その中の「BMAL1」という遺伝子が脂肪の貯蓄に関わっていると言われています。

BMAL1遺伝子とは・・・

☆体内時計が正常に働くように調整するタンパク質です。
☆脂肪を合成し、貯蓄する酵素を増やします。
☆日中よりも夜に活発に働くタンパク質です。
☆特に午後10時〜午前2時頃が活発に働き、最も働きの鈍い午後3時に比べると約20倍も違います。
(BMAL1の量(相対値マウスの脂肪組織中のBMAL1量)を測定して、BMAL1量が一番多いときを100%とし、時間ごとの変化を見た。結果、BMAL1量は午前2時をピークとしてその後下がり、午後2時に一番少なかった)



このように、体内で脂肪の合成を促すタンパク質のBMAL1は、夕方の18時以降に右肩上がりで活性化することが分かっており、そのため、遅い時刻に食べると、肥満になりやすくなると言われています。


BMAL1という時計遺伝子は、日中に減少し、夜間に増加するリズムを刻んでいます。俗に「夜に食べると太る」と言われますが、この仕組みこそがまさにその理由といえます。
BMAL1の主なはたらきは、DNAに結合し、体内時計が正常に動くように調節することです。
また、脂肪の合成を促すとともに、脂肪細胞の分化を促進して新たな脂肪細胞を作り出す働きがあり、脳以外では脂肪組織に大量に存在していて、細胞内のBMAL1の量が多いと、脂肪の量も多いということがわかりました。
逆に、皮膚など脂肪を蓄えない細胞には、BMAL1はほとんど存在していません。BMAL1がもっとも増える時間帯は午後10時~午前2時ごろ。この時間帯に食べたものは体内に脂肪として蓄積されやすいということになります。ちなみに、この時間帯のBMAL1量は、もっとも少ない時間帯である午後2~3時ごろの約20倍に達することわかっています。
では、昼夜が完全に逆転した生活を送っている人は、どうなるのでしょうか。お昼ごろに、Bmal1量が最も多くなり、深夜に最も減るというリズムになるのでしょうか。残念ながらそうではないのです。
BMAL1量を減らす方法は、朝日をしっかりと浴びることしかないのです。朝日を浴びることによって、BMAL1は減少し、数時間一定量を維持します。逆に、朝日を浴びない生活を送っていると、BMAL1量は増えたままになります。いくら、夜中に明かりが煌々とついた部屋で過ごしていても、太陽の光にはかないません。
そうすると、Bmal1の量は増えたままになり、気づかないうちに結果として太りやすいカラダを作っていることになってしまいます。健康のためにも、太りにくいカラダを作るためにも、規則正しい食事や生活リズムは重要だということですね^^。



よく夜食が健康に良くないと言われます。
それがなぜなのかを調べるため、ある研究では、コントロール群のラットには、朝・昼・夕の1日3回、6gずつ食事を与え、夜食群のラットには、朝と昼はコントロール群と同様に、3回目の食事は遅い時間に与えました。これらの筋肉グリコーゲンの量を比較したところ、夜食群では夕食時間帯のグリコーゲン増加は見られませんでした。肝臓は、食事をしない空腹時や寝ているときにブドウ糖を脳に補給する役割を担っています。寝ている間にも肝臓グリコーゲンは使われていますが、夜遅い食事では、その肝臓グリコーゲンが十分にできないことが分かったのです。
また寝る前の遅い時間に食事をすると、オレキシンの活動が低下するために筋肉での糖質の利用が抑制され、余分な栄養素は脂肪組織に溜まり、肥満の原因になります。
こういった意味でもある程度、規則正しい食事が大事なことがわかります。



その他最近、栄養学の分野で注目を集めるのが「食事誘発性体熱産生(DIT:Diet Induced Thermogenesis)」です。人が消費するエネルギーは、「基礎代謝」と「身体活動代謝」、そしてDITに分けられます。DITは、食べ物の消化吸収や味、香りなどの知覚が働くことなどで消費されるエネルギーですが、遅い時間に食事をとる「夜型生活」をしていると、同じ食事内容でもDITが低下することもわかっています。


とは言っても、みなさんの中でも、どうしても夕食時間が遅くなってしまうことはあると思います。

もしも昼食と夕食の間が7時間以上空いてしまう場合には、夕食の一部を前倒しして間食として“分食”するといいと思います。そのとき肝心なのは、夕食の量を軽くすることです。 長時間の空腹後に夕食をとると血糖値の変動が激しくなり、脂肪をため込むホルモンであるインスリンの分泌量が増えてしまいます。分食なら、これを避けることができます。

私が夕食が遅くなる場合は、先に夕方17時ぐらいに間食を摂り、遅い夕食は野菜とタンパク質のみにしたりしています^^。



今日の話は、女性の方に限らず、男性の方も是非参考にしてくださいね。
飲み会後の夜食のラーメンは肥満の原因になっているかもしれません・・・。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2014-07-24 10:14 | 時間栄養学


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

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