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NO.487 時間栄養学 その4 「時計遺伝子と体内時計のリセット」

NO.487 時間栄養学 その4 「時計遺伝子と体内時計のリセット」_b0195635_10252341.jpg


前回は、一日の体内リズムのお話をしました。
また体内の25時間というリズムを、地球の24時間に合わせるために朝の光を浴びることがとても重要だということ、そしてその朝のリセットによって身体の体温、血圧、心拍数が整い、ホルモンの一日のリズムや内臓の働きにまで影響してくるということをお話していきました^^。



時間栄養学とは、栄養学を時間生物学の位置から研究する学問です。
時間生物学は、生物の周期的現象を研究領域としています。季節や月などを単位とする生物のリズムもありますが、覚醒睡眠などで広く知られている日周リズムがあり、全生物は時計遺伝子などで昼夜を予測して生活しています。
脳には視交差上核という神経細胞の固まりがあり、その中に主(中枢)時計遺伝子があります。また肝臓など全身の多くの細胞の中には、末梢時計遺伝子があります。

1日を約25時間のリズムで刻む体内時計。その司令塔的な役割を果たしているのが、脳の視交叉上核にある「体内時計」でしたね。
この時計は「時計細胞」から出来ています。時計細胞には6種類の「時計遺伝子」があり、これらが働くことによって体内時計のリズムが刻まれます。この脳の体内時計の存在は、ずいぶん前からわかっていましたが、最近はさらに体中の細胞のほとんどにも同じように「時計遺伝子」があることがわかってきました。心臓や血管、内臓、皮膚にも、それぞれに「時計遺伝子」があり、時計を持っていたのです。
(時間栄養学 (時計遺伝子と食事のリズム)より引用)

これは驚きですね^^。

そして、脳の体内時計を「親時計(主時計遺伝子)」と体の細胞が持っている時計を「子時計(末梢時計遺伝子)」とすると、親時計と子時計はつねに連絡をとりあい、体中を体内時計に合わせて動かすように働いています。例えば、朝に親時計が活動的なリズムを刻み始めると、そのリズムは子時計に伝わり、血圧を上げるなど体が活動的になるように働きます。こうして司令塔の親時計と実行部隊の子時計がチームを組み、バツグンのチームワークで身体全体をひとつのリズムに整えていくのです。
ちなみに、親時計(主時計遺伝子)は、朝の光で位相(時計の針の位置)を修正して、1日25時間の概日リズムを1日24時間の日周リズムに変えますが、子時計(末梢時計遺伝子)は朝食などの摂食活動で位相を合わせています。



さて、少しまとめてみましょう!

1.体内時計を動かす時計遺伝子は現在6種類見つかっています。
2.脳の視交叉上核というところに主時計遺伝子があります。
3.内臓器など全身の多くの細胞中には、末梢時計遺伝子があります。
4.視床下部背内側核には、末梢時計(腹時計)があります。
5.これらの時計遺伝子は、自律的に約25時間周期の概日リズムを作って、細胞の多くの活動を変動させています。
6.主時計遺伝子は、朝の光で時計の針の位置を毎朝修正います。
7.末梢時計遺伝子は、朝食など摂食活動で針の位置を合わせています。


ちょっと難しい話になってきていますが、わかりますか?
身体には脳にも内臓や細胞にまで時計遺伝子があり、その時計のリズムによって身体の働きを作っているということなんです^^。
このように、時計遺伝子が発見されて依頼、視交叉上核、大脳皮質、肝臓など、生体のほとんどあらゆる臓器にこの遺伝子が発現し、約24時間振動をしていることがわかりました。視交叉上核がオーケストラの指揮者で、他の場所が楽器のパートになり、指揮者のもとで、演奏ができていると考えられます。しかし視交叉上核が壊れるとそれぞれのパートが勝手に演奏し、調和が保てなくなります。ちなみに指揮者がどのような指示を出しているかは研究中だそうです。


海外の研究ではありますが、血管の時計遺伝子を変異させると、血管の老化が進むこともわかっています。健康に生きるためにも、時計遺伝子を大切にし、体内時計のリズムにあった生活が大切であることがわかると思います。




先程もお話したように脳には、視交叉上核という神経細胞の固まりがあり、その中に主(中枢)時計遺伝子がありましたが、肝臓など全身の多くの細胞中には、末梢時計遺伝子があります。
そして主時計遺伝子は朝の光で、末梢時計遺伝子は朝食など摂食活動で位相を合わせていました。
まず、朝の光を浴びること、これが体内リズムの出発点であり、次に、朝食を摂ることが刺激になり、調整される仕組みです。
 
このように生体リズムには2つのスイッチがあり、朝起きて太陽の日を浴び、朝食を食べることで、それがうまく連動し、1日のリズムがスムーズに進んでいくのです。このスイッチに関係しているのがまさに「時計遺伝子」というわけですね。


視交叉上核には、時計の中心があります。網膜を通して朝の光がここに達し、体内時計にリセット作用(時計の針を合わせる作用)を及ぼします。このメカニズムについては各方面で研究がなされています。
一方「朝ごはん」の方ですが、規則正しいリズムで繰り返し食事をとると、それが刺激となって、時計を調節することができます。これは視交叉上核を介さないバイパスなのです。面白い経路ですね。
普通、時計遺伝子は視交叉上核の経路で調節しているのですが、この経路が休んでいるときにも、このバイパスが使えます。具体的にいえば、例えば、加齢で主時計の働きが鈍くなってきたときにも使えますし、あるいは、白内障の患者さんのような視覚障害の方の場合は、乳児でまだ視覚系が発達していないときにも、この給餌刺激経路は働いています。
(時間栄養学(時計遺伝子と食事のリズム)より引用)

これは大変重要な体内リズムの経路と言えますね。




1日の身体のリズムを作るには・・・

朝の光を浴びることによって・・・
「親時計をリセットする」

だけでなく!

朝ご飯を食べることで・・・
「腹時計・子時計をリセットする」
ことが大事!

なのです!



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2014-07-18 10:35 | 時間栄養学


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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