人気ブログランキング | 話題のタグを見る

NO.403 マグネシウムの話 その2 「マグネシウムの働き」

NO.403 マグネシウムの話 その2 「マグネシウムの働き」_b0195635_1992548.jpg


今日はマグネシウムの話、第2弾。

コロラド大学のジェリー・アイカワ博士は、マグネシウムを「始源のミネラル」と呼んでいます。
これは人間や全ての生物にとって最も重要なミネラルということです。
単細胞生物の代謝プロセスに重大な機能を担い、人間の細胞では2番目に多い元素です。マグネシウムは生命誕生ときに存在し、細胞の誕生・成長のあらゆる局面に関わってきました。太陽光をエネルギー源として利用し始めた時に、クロロフィル(葉緑素)の発達に中心的な役割を果たしていたのです。
こうやってマグネシウムは植物と動物の双方において、生命活動における何百もの酵素の働きに関わる必須のミネラルになっていったのです。


さて、ここで一度ミネラルについて簡単にお話しましょう。

地球上には118種類の元素があります。
人間の身体は、95%は酸素、炭素、水素、窒素の4元素で構成されています。栄養学では残り5%にあたる、それ以外の元素(114種類)をまとめて「ミネラル」と呼んでいます。
人間の身体の中ではミネラルの8割が骨に、1割が筋肉に存在します。ビタミンと同じく、ミネラルは体内では合成できないため、食事から摂る必要があります。中でも身体の中で絶対に欠かせない働きを担っているものを「必須ミネラル」と呼び、その必須ミネラルの中でも1日に100mg以上の摂取が必要なカルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウムの7種を「主要ミネラル」と呼んでいます。

ミネラル自体はエネルギー源とはなりませんが、大きく分けて4つの働きを持っています。

1.骨や歯などの構成成分となる。
2.筋肉、皮膚、臓器の構成成分となる。
3.体内で浸透圧やpHを調節する。
4.体内で起こる化学反応に関わる酵素の働きを助ける。

などです。


ちなみにマグネシウムはいままでお話してきたように325種類以上の酵素の働きを制御することで有名ですが、酵素とは、代謝など、体内で起きるさまざまな化学反応を円滑に行うために必要な触媒のことです。
酵素が作用すると化学反応のスピードを速めることになりますが、酵素自身はその化学反応の影響は受けず、変化することはありません。化学反応の種類にもよりますが、酵素があると、その反応時間が1000万倍スピードアップするものもあります。酵素なしでは100日以上かかる化学反応が、酵素が関わることでたった1秒強で終わってしまうのです。
もちろん酵素が不足していて、身体の中で起こりにくくなる反応もあるということですね。
そういったことが身体で必要な物質が作られづらくなることにつながり、身体に問題を起こすのです。

有名なところでは軟骨に大切なグルコサミンも糖分から様々な酵素を介して、作られます。またアレルギーを抑えてくれるようなプロスタグランジン1や3などの物質も、食べたものから酵素なしでは作れません。
そう考えると酵素が本当に大事だということはもちろん、何百種類もの酵素を制御しているマグネシウムは何より大事なミネラルだと言えるのではないでしょうか?




さて、では今日の本題、マグネシウムの働きですが・・・

1.温度調節など、大部分の体内化学反応の触媒作用において、マグネシウムは酵素を助ける共同因子です。
2.マグネシウムはエネルギーを作り出し、搬送します。
3.マグネシウムはタンパク質の合成に必要です。
4.マグネシウムは神経信号の伝達を助けます。
5.マグネシウムは筋肉弛緩を助けます。

この5つが大まかに分けるとありますが、実際のその働きは何百にも及ぶのです。
ではこの5つについてもっと詳しく見ていきましょう。



1.化学反応の共同因子

マグネシウムは何百種類という酵素を働かせるのに必要であり、他の何千種類という酵素の働きを助けます。


2.エネルギーの生成と伝達

マグネシウムとビタミンB群は、エネルギー栄養素の代表です。
なぜなら、これらの栄養素が消化、吸収はもちろんタンパク質、脂質、炭水化物の利用をコントロールする酵素を活性化させるからです。
マグネシウムは身体中の何百という酵素反応に関与しているので、マグネシウムが欠乏すると生命活動のあらゆる側面に影響を及ぼします。また欠乏すると20種類の症状の原因となるとも言われています。
その中でも最も重要なのが、アデノシン3リン酸(ATP)の活性化によるエネルギー産生です。

身体がエネルギーを造り、蓄えるのにマグネシウムが不可欠で、マグネシウムなくしては、大げさではなく、エネルギーも作れず、運動も出来ず、生命すらもないということなのです。


3.タンパク質の合成

マグネシウムは何十というビタミンやミネラルと共同して、身体の構造部分を作りだします。マグネシウムの統率下において、栄養素や酵素が食物から物質を作り変えて身体を作っているのです。
RNAとDNAには体内にあるタンパク質分子のための遺伝的青写真が含まれていますが、これもマグネシウムがなければ、うまくいきません。


4.神経の伝達

マグネシウムはカルシウムの少量が細胞に入ることを容認しています。
脳神経細胞を経由する神経伝達においても、マグネシウムが神経伝達に必要なだけのカルシウムを細胞内に入らせ、その後排出もさせています。
マグネシウムがなければ、神経伝達もうまくいかないのです。


5.筋肉弛緩

カルシウムは筋繊維の収縮、マグネシウムは弛緩に関わっています。
細胞内にカルシウムが過剰で、マグネシウムが不足している状態だと持続性の筋収縮が起こり、引きつけ、けいれん、癲癇さえも起きることがあります。
マグネシウム不足のサインとしても、筋肉がつる、瞼のけいれんなどは有名なところですね。

また平滑筋にその作用が起こると、気管支が引き締まり、喘息の原因ともなりますし、子宮痙攣や月経痛を起こすこともあります。その他血管の痙攣が起こると高血圧にもつながるのです。

(Dr.Carohyn Dean「The Magnesium Miracle」より引用)


今日はこのくらいにして。
次回は、以前一度やってこともありますが、身体には不可欠なカルシウムとマグネシウムの相反する働きについてお話したいと思います^^。




小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

by chiropratica | 2013-10-25 19:10 | マグネシウムの話


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


by chiropratica

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

最新の記事

NO.589 骨粗鬆症NEW..
at 2015-03-07 09:57
NO.588 骨粗鬆症NEW..
at 2015-03-05 09:44
NO.587 骨粗鬆症NEW..
at 2015-03-03 09:57
NO.586 骨粗鬆症NEW..
at 2015-02-21 10:28
NO.586 骨粗鬆症NEW..
at 2015-02-19 14:05

以前の記事

2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月

検索

カテゴリ

全体
骨のお話
生活習慣病
椎間板ヘルニア
逆流性食道炎
頭痛
骨粗鬆症
牛乳の話
高血圧
変形性膝関節症
炎症の話
消化と栄養吸収
腸の話
腸内細菌の話
回盲弁症候群
睡眠の話
妊娠&出産
栄養(基礎編)
低血糖症
砂糖の話
糖尿病と糖質の悪影響
副腎疲労
副腎疲労 (New)
食物アレルギー
アレルギー対策
大腸ガン
目の病気
老化
耳の病気
更年期障害
代謝の話
脳の健康
マグネシウムの話
花粉症
時間栄養学
生理前症候群PMS
腸管免疫
食べる日記
きまま日記
まじめ日記
未分類

その他のジャンル

ブログパーツ

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

健康・医療
メンタル

画像一覧