NO.324 食物アレルギー その6 「Leaky Gut Syndrome」

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いきなり英語の題名でビックリしたかもしれませんが、これは食物アレルギーの原因になるリーキーガット症候群(以下LGS)というものです。

今日は、LGSについて触れておきましょう!

リーキーガット症候群は、日本語で腸管浸漏症候群といいますが、その名前のとおり腸管の壁から漏れるという意味の症候群です。リーキー(leaky)の意味は「漏れやすい」、ガット(gut)は「消化管、腸」。文字通り漏れやすい腸管というわけで、ザルに例えるなら、編み目がやぶれて穴が広がった状態をいいます。編み目が大きいと、毒素や未消化の食べ物の塊まで体内に吸収されてしまいますよね。

日本ではあまり知られてはいないかもしれませんが、LGSでは、腸管がアレルゲンとなり得る大きな分子に対して異常な透過性を示します。食べ物の大きな断片が透過しやすくなった腸壁を越えてしまい、その大きな分子に免疫細胞が反応して抗体を作ってしまうわけです。一度抗体を作ると2度目に同じ食べ物が入ってきた時に、炎症反応を引き起こす可能性があります。まさに食物アレルギーの原因となっていることがわかりますよね。
LGSは、食べ物を吸収する最前線の腸管において、食物アレルギー、炎症性大腸炎、自己免疫疾患など様々な症状をもたらす原因になっているわけです。



LGSについてお話をする前に、私たちの腸の働きついて少し理解する必要があります。
口から肛門までは、一本の管になっているのは以前のblogで話しました。そして腸粘膜は、人間が生きていくための栄養素の入り口になっています。
この腸の粘膜ですが、常に完璧な状態にあるわけではありません。皮膚や鼻の粘膜などと同じ角質層が重なって作られていて、新陳代謝を繰り返して、腸表面の古い粘膜を便と一緒に捨てて、下から新しい粘膜の角質層が作られてきています。新しい粘膜に入れ替わるのに3〜5日という早いスピードです。しかし、もし腸表面の古い角質層粘膜が剥がれるスピードが速く、下から新しい角質層が作られて上がってくるのが遅ければ、腸の粘膜で構成されている角質層は薄くなりリーキーガット症候群の原因の1つになります。
通常の腸粘膜では、分子の小さい物質(500ダルトンまで)は正常なかたちで吸収できますが、それよりも大きな分子は吸収されないことになっています。腸壁のところで、分子の大きさを選別しているわけですね。
だから、人間は食べ物を歯で咀嚼し、胃酸や消化酵素によって正常に腸管から吸収できるまで細かく分解していくわけです。

ところが、LGSによってこの粘膜が炎症を起こしたり、穴があいたりすると、大きな分子の食べ物や化学物質の塊が血液の中に流れ込んでしまうことになります。
これは大問題ですよね。

大きな分子が簡単に体内に入ってくることによって、この大きな食べ物の分子は、まさに食物アレルギーのアレルゲンとなるわけ。
先程言ったように、通常は腸管壁によって分子の大きさを選別し、自分の身体が必要とする小さな分子のみを吸収するようにしていますが、LGSによって大きな分子が入り込んでくると、これらの大きな分子の食べ物や細菌類は、異物とみなされ、身体の免疫システムが攻撃し始めるのです。
またさらに悪いことに、未消化の栄養素の固まり以外にも毒素や細菌が体内に吸収されると、肝臓にかなりの負担がかかります。毒素や細菌を解毒するために、肝臓はフル回転の稼働を強いられてしまうのです。
そして肝臓にあるクッパー細胞という免疫細胞が、全身に外敵(異物)侵入の警告サインを出すため、全身の免疫細胞が過剰に働いて、免疫システムに大混乱が生じます。それによりたとえば関節炎がおきたやすくなったり、記憶障害、顔の膨張などの症状があらわれやすくなります。
これが、LGSが便秘、下痢、食物アレルギー以外にもアトピー性皮膚炎やリウマチなどにも関わってくると言われる所以でもあります。



少しまとめてみましょう。

〈リーキーガット症候群から食物アレルギーへ〉
通常では、正常な消化過程を経て、細かくなった栄養素だけが腸の膜を通過できる。
          ↓
腸の膜が炎症、もしくは損傷すると、未消化の食べ物の塊、有害物質が体内に入り込む
          ↓
大きな分子の食べ物や有害物質が体内に入ると、体は防御のために抗体を作り出す。
         ↓ 
この状態がずっと続くと免疫機能は常に過剰に反応するようになる。
         ↓
毒ではないものにまで敏感に反応して攻撃。



LGSが関わっていることが多い症状についても、並べてみましょうね。

ニキビ
老化
アルコール中毒
アレルギー症状
関節炎
喘息 
自閉症
小児多動症
クローン病・嚢包性繊維症
湿疹
食物性アレルギー
アトピー性皮膚炎
蕁麻疹
炎症性大腸炎
過敏性大腸炎
潰瘍性大腸炎 
栄養吸収障害
化学薬品過敏症
膵臓機能障害
乾癬
リュウマチ
精神分裂症
腹痛
恐怖感
夜尿症
慢性的な吐気
慢性的筋肉痛
錯乱
便秘
下痢
慢性的疲労
原因不明の熱発
消化不良
免疫力低下
膣感染症
皮膚の荒れ
重金属中毒症
不眠症
骨粗鬆症
ドライアイ

(栄養医学研究所HP 参照)


ざーっとこれだけあります。
いかがでしょう?
食物アレルギーが関わっている疾患の多さにもびっくりしたと思いますが、LGSが関わっている病気もこんなにまであるのです。いかに腸管における栄養素の吸収が大事かということがわかりますよね^^。


さて、ではこのLGSが起こる原因とはなんなのでしょうか?

1、抗生物質
(胃腸器官系の細菌、寄生虫、カンジダ、真菌類の異常繁殖を促すため)
2、アルコール類、カフェインなどの刺激物
3、食物と飲料
  (細菌によって腐敗、汚染された食物や地下水)
  (着色剤、防腐剤、酸化防止剤など、食品添加物)
4、酵素欠乏
5、牛乳・乳製品の摂取
6、非ステロイド系抗炎症薬(イブプロフェン、インドメタシン等)
7、プレドニゾンのような処方コルチコステロイド
8、精製炭水化物食品(クッキー、ケーキ、清涼飲料、漂白パン )
9、避妊用ホルモン(ピル)
10、精製炭水化物食品に混入しているカビ、菌
11、水銀、鉛など重金属の蓄積

(栄養医学研究所HP 参照)



みなさんによく当てはまるのは、乳製品の摂取や精製炭水化物の過剰摂取でしょうか。また大型魚に含まれる水銀などの体内蓄積もあなどれません。
こうしてみていくと、今日本でLGSの人や食物アレルギーの人が増えている背景も納得ですね。

また、以前のblogでテーマとして取り上げましたが、胃酸の分泌が少ないこともLGSの原因になります。
胃酸は、強い酸性の液体なので、食事に混入している細菌の多くは胃酸でやられてしまいます。また胃液と胃の運動によって食べ物は細かく分解され、小腸へ向かうわけですが、胃酸の分泌や胃酸の酸性度が落ちた場合はどうなるでしょう?
まさに、食材に含まれる細菌やウィルスがそのまま腸へ流されることになります。通常、腸管粘膜はウィルスや細菌を跳ね返し感染症を起こさない作用をもっていますが、繰り返し細菌やウィルスへ暴露されることによって、徐々に腸管粘膜は弱くなってしまいます。
このようなときに抗生物質を飲んだり、消化分解しにくい牛乳に含まれるカゼインや小麦のグルテンなどを大量に摂取すると、弱くなった粘膜部分の機能が破綻してしまいます。

もちろん栄養状態も良くないわけですから、通常だったら3〜5日で再生していく腸間膜も再生がスムーズに行かずLGSになってしまうというわけ。さらに胃酸が適切に分泌されなければ胃でのタンパク質の消化が不完全になり、大きな分子のまま腸に入ります。その大きな分子は腸を荒らしてしまうとともにLGSになった腸壁から入り込むことになって、腸でのアレルギー反応を高めてしまいますよね。
特に日本人は体質的に胃酸の分泌が少ないため、LGSや栄養素の吸収障害になりやすいと言われているので、たかが腸の問題とは言えなくなってくるわけです。



Think healthでは、ここ半年程、低血糖症、副腎疲労、食物アレルギーと話してきていますが、低血糖症や副腎疲労で良くないとされていた砂糖や精製された小麦もLGSによくありません。砂糖や精製された小麦は、腸内でのカンジダなどの生育に適した環境を作り、LGSに大きな影響を与えることになります。

食べ物の影響は大です。
特に私はこれらの3つのテーマが非常に深いつながりを持っていると感じているので、みなさんにも是非知っておいて頂きたいと思うのです。


さてさて長くなりましたが、今日はここくらいまでにして。



私は、今日の夜から6日程お休みを頂きまして、友人のいるオーストラリアに旅立ってきます!
久々のオーストラリアなので、とても楽しみでワクワクしていますが、あまり予定は詰め込まず・・・(といってもなんだかんだ忙しくしてしまうのですが)、リフレッシュしてきたいと思います!

ではでは、また来週^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲が提供する健康情報発信基地

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by chiropratica | 2012-03-16 11:30 | 食物アレルギー


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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