NO.322 食物アレルギー その4 「アレルギー反応のタイプ」

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さて、今日は前々回に少し触れましたが、食物アレルギーの反応のタイプについて話していきます。

私たちの身体の免疫は、身体からウィルスや細菌、血液細胞、組織細胞などの異物いわゆる「抗原」を取り除く働きをしています。
通常は、抗原が免疫系の細胞と接触したときに身体から除去されますが、アレルギー反応では少し違っています。

アレルギーでは「感作」が起こります。感作というのは、抗原と抗体の特異的な結合に使われる言葉です。感作は免疫細胞がアレルゲンに初めて曝露する時に起こり、感作が起こると次に同じアレルゲンに曝露する時に、そのアレルゲンを認識するように免疫細胞が変化してきます。こうやって一度侵入してきたアレルゲンを記録し、二度目に侵入してきたときにすぐに攻撃できるようにしておくのですね。
少し難しい話になりますが、免疫細胞には、Bリンパ球、Tリンパ球、マクロファージがあり、骨髄中の幹細胞から派生するリンパ球や胸腺の幹細胞に由来しているT細胞というものが、免疫系に非常に重要な役割(体液性免疫と細胞性免疫)をしています。
抗体(免疫グロブリン)が関与している体液性免疫は食物アレルギーにおいて重要な役割を果たしています。抗体は、抗原の提示に反応してBリンパ球(B細胞)によって産生され、抗原にこの抗体が結合することで、肥満細胞による化学物質の産生や細胞傷害を引き起こし、アレルギー症状が起こります。


さて、この抗体にはいくつか種類があります。
それはIgA、IgD、IgE、IgG、IgMの5つクラスです。これらの抗体は、もちろん細菌やウィルスから身体を防御しています。
たとえば、母乳中の分泌型IgA抗体は、母乳哺育の乳児にウィルスや細菌に対する腸の防御をもたらしてくれます。またIgA抗体は唾液や腸分泌液中に存在し、抗原の吸収を阻止しているのですね。
そしてIgE抗体は身体からの寄生生物除去を助け、いわゆる食物アレルギーのIgE介在性反応に関与しています。
そのほかIgDは免疫グロブリンのクラス転換に関与していますが、他の機能は解明されていません。

抗体にはこれだけの種類があるわけです。



アレルギー反応は免疫系の異常な反応ですが、抗原(アレルゲン)に対する反応性の変化を意味しています。
その反応には、4つの種類があります。


①1型 即時型過敏症、アナフィラキシー性IgE介在性、レアギン性反応

枯草熱、アナフィラキシー、大半の食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、喘息が該当します。症状は数秒以内から最高で2時間以内に起こります。
食物反応は、咽頭浮腫、吐き気、嘔吐、重度の腹痛、鼓腸、下痢、血管浮腫、湿疹、紅斑、そう痒、喘鳴、咳、胸部締め付け、低血圧、気管支痙攣、ショックなど。


②Ⅱ型 細胞障害性

血液型が不整合な輸血によって起こります。
食物反応の例はありません。


③Ⅲ型 抗原–抗体複合体 アルサス反応

一部の食物反応において生じます。
乳汁中の沈降素が慢性呼吸器感染症の小児の肺、また胃腸疾患の患者さんの腸管中に発見されているそうです。
反応が現れるには通常6時間またはそれ以上かかり、臨床的に明白になるには数日かかる可能性もあります。


④Ⅳ型 遅延型または細胞介在性過敏症

移植片拒絶反応によくみられる機序。タンパク質漏出性腸炎などの一部の食物アレルギーに関与しています。




即時型過敏症(1型)はIgEが関与しており、アレルギー反応の中では最も頻度が高く、その機序は明確にされています。
肥満細胞に結合したアレルゲンの特異IgEや循環血中の好塩基球が組み合わさると、ヒスタミンやサイトカイン、脂質由来のプロスタグランジン、インターロイキンなどを含む化学伝達物質の放出を引き起こします。これらの炎症を起こす物質が放出される時に、痒みや筋肉収縮、血管拡張、粘液分泌が引き起こされることがあります。
症状はほとんどの場合、全身で起こり、皮膚や胃腸管、呼吸器系に影響を及ぼすことが多くあります。

さて、もう一つの非IgE介在性免疫反応(IgEが関わっていない)の食物過敏症については、機序が明らかではないですが、食物の特異抗体(IgA、IgG、IgM)が関わっています。
そして、遅延型とも言われるⅣ型は、セリアック病(重度の小麦のアレルギー)やタンパク質漏出性腸症(リッキーガット症候群)、好酸球性胃腸炎、および潰瘍性大腸炎などにも関わっていると言われています。



今日は難しい話だったと思いますが、食物アレルギーを話していく上で重要な部分なので、少し触れておきました。
食物アレルギーでよく知られているIgE抗体によるもの以外にも、いくつかの抗体があり、それによってアレルギー反応も遅く出てくる場合があるということを覚えておいてください。

欧米では、IgE以外でもIgGやIgAのアレルギーチェックも行われることが多いのですが、現在日本ではIgEのみの検査しか行われていません。
IgEは、自分でも認識できるほどに症状が顕著で、食べてすぐ出てくるものが大半なので、判断しやすいですが、このIgE以外のアレルギー反応の人もたくさん増えてきていると私は思います。

日本のお医者さんでは、IgGのチェックまではする必要がないという人もいますが、毎日アレルギーを起こす物質を身体に入れていることは、前回のテーマでもあった副腎にとって大変な負担になるということは間違いのないことでしょう。
またIgGの検査では、みなさんが思う以上にたくさんの食べ物に対する過敏反応がわかることがあります。
その点で、日本人の食に対する執着心は強いものがあることや、全ての食品を除去することがなかなか難しいことから、IgGの検査が日本から姿を消したのかもしれませんね。

ちなみに現在、栄養クリニックでIgGの検査キットを扱っているところや、インタネット上で検査キットを販売しているので、自分で検査キットを使い、アメリカの検査機関に送ることで100種類くらいの食べ物に対するIgG抗体の反応を見ることができます。

興味のある方は是非。

次回は簡単に「食物アレルギーと副腎疲労の関係」についてみていきましょうか^^。



小菅一憲

CHIROPRATICA|健康の素晴らしさを伝える治療院


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by chiropratica | 2012-03-10 13:58 | 食物アレルギー


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