NO.302 副腎疲労 Adrenal Fatigue その9 「唾液のコルチゾール検査」

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多くの医師が一般的に用いる標準臨床検査はどれも、様々な副腎疲労「アドレナル・ファティーグ」を検出するようにはできていません。
標準的な血液検査や尿検査を用いることはできますが、それらで異常と判断されるのは、副腎機能が極めて低い「アジソン病」か、極めて高い「クッシング症候群」の症例です。したがって、副腎機能低下がこれほど重症でない限り、医師による検査結果では、副腎機能は正常範囲内にあるという診断になるでしょう。

こういった背景の中で、副腎に関わるいくつかのホルモンを正確に測定する比較的新しい臨床検査があり、その代表的なものの一つに「唾液ホルモン検査」があります。日本では、唾液を使ったホルモン検査についてはあまり馴染みがありませんが、アメリカやヨーロッパなどでは、非常にポピュラーなものです。


唾液ホルモン検査は、血液や尿の代わりに唾液内の様々なホルモンの量を測定します。
副腎疲労を検出するために利用できる最も優れた臨床検査であり、副腎ホルモン濃度を測定するに当たって、他の臨床検査に比べ有用です。
血液や尿中に含まれているホルモンは、血液または尿中に存在するタンパク質と結合した状態のホルモンとタンパク質と結合していないフリー(遊離)ホルモンの2種類があります。一方、唾液に含まれるホルモンのほとんどはタンパク質と結合していないフリー(遊離)ホルモンなのです。
タンパク質と結合した状態のホルモンとタンパク質と結合していないホルモンの違いは、「細胞の中で働くことのできる活性型かそうでないか」であり、フリーホルモンは、まさに細胞内で働くことのできるホルモンです。
こういったことから唾液ホルモン濃度は、ホルモン反応が起こる細胞内のホルモン量をよく示してくれます。血液や尿のホルモン検査では、細胞内のホルモン濃度を正確に測ることは出来ないのですが、唾液検査は、信頼性があり、細胞内のホルモン濃度の指標として正確であることが、多くの研究により確認されています。
副腎で作られ、分泌されるホルモンには様々な働きがありますが、細胞・組織・臓器でその機能を果たすには活性型である必要があります。ホルモンが働く状態をチェックするにも、この活性型を分析する方がいいというわけですね^^。



またこの唾液検査は、針を刺す痛みや尿を決められた時間に採尿することもなく、手軽で簡単にどこでも痛みを伴わずにできる検査です。
検査は、唾液を小型の瓶の中に吐くだけでよく、必要に応じて何度でも繰り返すことができるため、副腎機能低下の程度と経過を観察するのにまさに適しているわけですね。
とくに副腎ホルモン「コルチゾール」の濃度を測定していきますが、通常唾液ホルモンの含有量を調べるのに使われるのは、1日4回以上検体を摂る検査キットです。小型の試験瓶を持ち歩き、1日のうちに指定された時間になったら、その1つに唾を吐き出し、ふたを閉めます。
この1日の唾液ホルモン濃度を測定することによって、自分のコルチゾール濃度が基準値(自分の)と比べて、どこに位置するのか、またその濃度の低さが1日のうち特定の時間に起こる疲労感の原因なっているかどうかもわかります。
一日の中でのコルチゾール濃度の変動がどの程度であるか、そしてその人の通常の日とストレスや疲労感がある時間帯との違いなどを見ていくことで、患者さんが症状を実感している時点の副腎作用を評価ことができるわけですね。


またこの唾液検査では、DHEAやDHEAsの濃度も一緒に測定されます。DHEAとはデヒドロエピアンドロステロン、DHEAsはそれを硫酸化したものです。
DHEAs濃度は、副腎内の性ホルモンを生産する領域(網状帯)の機能を直接示す指標です。それによって、テストステロンやエストロゲン、プロゲステロン、その他のホルモンを必要に応じて調べることできるので、副腎機能を調べるのには適しています。
ちなみにテストステロンとDHEAsの濃度は、生物学的年齢を示す最も信頼性のある指標と言われています。もしその濃度がその人の年齢の基準範囲より低ければ、加齢が進行している可能性があります。合わせてコルチゾール濃度も低下していれば、副腎機能の慢性的な低下が明確になってくるわけです。




いかがですか?
早朝から深夜までの決められた4回、もしくは疲労を感じた時点などでの、コルチゾールの周期的な値とコルチゾールDHEA比を導き出すことで、細胞内の濃縮されたステロイドホルモン活性レベルを評価することが可能になるのです。
この唾液サンプルは、日常的に疲労時に簡単に摂取できるところがポイントですよね!

しかも血液検査のように皮膚を傷つけたり、採血によって副腎を無理に刺激する可能性もなく、また尿検査のように摂取時間によってサンプルデータが不安定になることもないのです。
便利ですよね~。


ちなみに、このような唾液検査によるコルチゾールやコルチゾールとDHEA比率は、副腎機能低下症のストレス段階における患者さんの障害の進行状態を判断するためにも有効です。
ストレスに対する反応が抵抗期に達するとともに、DHEA値の減少とコルチゾール値の増加が起こります。逆に障害が枯渇期に移行する状態になると、枯渇期直前においてDHEAレベルを上昇させる作用が起こったりするので、正常のような値が出ることもあります。
時間的なコルチゾール値のグラフは、副腎を評価する上で非常に役立つのです。



現在、唾液検査は栄養療法のクリニックで行っているところがあるので、興味がある方は調べてみると良いかもしれません。
私も将来近いうちに唾液検査を取り入れていきたいなぁと思っています。

さて、コルチゾールの話題が出てきたので、次はコルチゾールの日内変動についてのお話をしていきましょう。



小菅一憲

CHIROPRATICA|低血糖症と副腎疲労のためのカイロプラクティックと栄養療法


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by chiropratica | 2011-12-18 13:29 | 副腎疲労


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