NO.281 低血糖症 その5 「低血糖症で起こる症状」

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いきなりの写真にビックリしたでしょうか?
低血糖症のときに分泌される攻撃ホルモン「アドレナリン」。
そんな様子を表してみました^^。


さて、今日も低血糖症についてドンドン行きますよ。


血糖値が上がりやすい食べ物を多く食べた結果、低血糖症になってしまうと、困ったことが起きてしまいます。
脳は基本的にグルコースしかエネルギーとして利用できないので、脳がエネルギー不足になってしまうのです。脳は基本的に約40秒でグルコースを使いきってしまうので、血糖値が短時間で急激に下がってしまうと、エネルギーが十分に供給されず、脳のエネルギー不足を招くというわけ。


なので、とくに低血糖症の人に共通するのは、「疲れやすい」「慢性的な疲労感」です。
また「だるさ」や「朝起きられない」などの症状を訴える人が本当に多くいます。


うつ症状
やる気がわかない
集中力低下
記憶力低下
頭の回転が鈍い
だるい
つねに眠い
ぼーっとする
Etc・・・


脳が栄養不足になると、このような精神的な症状の原因となってしまうわけです。
また、ひどくなると脳細胞がダメージを受けるため、高齢者の認知症の原因になることもあります。血糖値が低い状態は、とても不安定です。もし血糖値が極端に下がり過ぎてしまったら、意識がなくなり、こん睡状態に陥るときもあります。最悪の場合、死ぬ危険性もあるのです。




さて、その他の低血糖症の典型的な精神症状とは・・・


イライラする
キレやすい
ちょっとしたことにカッとなってしまう
落ち着きがない
自分を抑えられない
暴れる
攻撃的になる
不機嫌
憂鬱
気分が優れない
極端に落ち込む
何をしても楽しくない
死んでしまいたくなる
気が狂いそうになる感じ
かんしゃくをおこす
性衝動の欠如
お腹が空いてしょうがない
いつも食べ物のことばかり考えている
食間の飢えがある
甘いものが欲しくなる
食べ始めるととめどなく食べてしまう
不安になる
忘れやすい
焦燥感
神経過敏
音と光に過敏
かゆみと蟻走感
何も理由なく突然胸が痛くなったり、息苦しくなる
突然悲しくなり、泣いてしまう。
意識がなくなる
完璧主義である。
あることに異常にこだわる
細かいことが気になる
絶えず何かが気がかり



これらは全て低血糖症によって起こりやすい精神状態です。
いかがですか?
普段感じているものがけっこうある!と思った方もいるのではないでしょうか。また低血糖症が治った後に、あのときはこうだったなと振り返れるような症状もあります。
低血糖症では、私たちにとって「もっとも使いやすいエネルギー源」である血糖がつねに低いか、安定しない状態にあります。
低血糖症が主な原因ではない時でも、この血糖値の不安定な状態というのは、様々な精神状態を引き起こすと考えて良いでしょう。



では、なぜこのような精神状態になるのでしょう?


前のblogでお話しましたが、血糖値をコントロールしているホルモンはいくつかあります。
血糖調節の仕組みの中で、血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンはこれまでもたくさん登場してきましたが、逆に血糖値を上げるホルモンもたくさんあるのです。
この「低血糖症」では、インスリンによって急激に下がった血糖値を上げようとして、これらのホルモンが分泌されることになります。

<血糖値を上げるホルモン>
グルカゴン
成長ホルモン
甲状腺ホルモン
アドレナリン・ノルアドレナリン(副腎髄質ホルモン)
コルチゾール(副腎皮質ホルモン)


この中でとくに様々な精神症状を起こす原因となるホルモンが、アドレナリンとノルアドレナリンです。アドレナリンとノルアドレナリン、およびドーパミンを総称して、カテコールアミンと呼びます。

この中でもアドレナリンは「攻撃ホルモン」と呼ばれ、通常は強いストレスにさらされたときに、副腎髄質というところから多く分泌されます。
ストレス、いわゆる精神的・身体的侵襲にさらされた時に、身体はこれらのホルモンを分泌してその危機に対応するわけです。
たとえば、シマウマなどの野生動物が草原を歩いているときに、お腹をすかせたライオンにばったり出くわして、目があったとしましょう。
その瞬間、シマウマは生命の危険を察知し、アドレナリン・ノルアドレナリンが大量に分泌されます。その結果、瞳孔がひらき、全身の筋肉は緊張し、血管が収縮して心拍数と血圧が上昇します。シマウマはその瞬間、「戦闘モード」に入るというわけなのです。
そして一目散にダッシュして逃げるか、または全神経を集中して戦うのです。
このように、アドレナリン・ノルアドレナリンは本来、生命の危険にさらされたとき、とっさの瞬発力を発揮して、危険から身をまもるために分泌されるホルモンといえます。



このような働きをするため、アドレナリンは「闘争か逃走か(Fight or Flight)」のホルモンと呼ばれています。

低血糖症では、血糖値を上げるために、これらの攻撃ホルモンが本人の意思とは関係なく突然大量に分泌されたり、または頻繁に分泌されてしまいます。
低血糖症で血糖値が下がったとき、身体は生命の危機なわけです。そうなるとこれらのホルモンを分泌して戦闘態勢に入る必要があるということなのですね。

低血糖症ではさまざまな症状が起こりますが、共通してみられることが多いものとして、イライラしやすい、怒りっぽい、攻撃的である、キレやすいなどの症状があげられます。
これはアドレナリンによって起こる感情変化と同じです。

アドレナリンにより起こる感情の変化
・イライラ
・怒り
・キレる
・憎しみ
・敵意
・暴力
・完璧主義
・異常なこだわり


たとえば、ついさっきまで普通だったのに、空腹になると人が変わったように怒り出し、暴れたり暴力をふるったりしたにもかかわらず、何かを食べると(とくにあまいお菓子やジュースなど)、けろっとおさまってしまうというのは、まさにそれですね。
月経の前にイライラして攻撃的になったり、攻撃的なったり、逆に憂鬱になってしまう月経前症候群(PMS)も、アドレナリンの影響が強いために起こると言われています。


また逆に、ノルアドレナリンが働くと不安な気持ちやネガティブな感情を引き起こしてしまします。
パニック障害の人などが、人混みなどに行くと緊張して動悸がしたり、不安な気持ちになったり、恐怖感に襲われたりしてしまう原因のひとつは、このようなホルモンが分泌されることであると言われています。
また、うつやパニック障害の人で、死にたいという気持ちが強くなり、リストカットなどして自分を傷つけてしまうのも、これらのホルモンの影響が強いためになります。

パニック障害とは、くりかえして起こるパニック発作と、発作が起こることへの不安、およびそれに伴う回避行動(パニック発作を起こした場所を避けるなどの行動)が特徴とされる不安障害の一種です。
パニック障害の原因はまだよくわかっていませんが、脳の青斑核という部分におけるノルアドレナリンなどの神経伝達物質の分泌の異常が指摘されていますが、原因の一つとして低血糖症があげられるのですね。

また現代では、うつ病の患者さんが増えているといわれていますが、これの原因にも低血糖症があげられます。それにはカテコールアミンの分泌が増えることによる脳内での神経伝達物質のアンバランスや低血糖症における栄養素の不足(たんぱく質、ビタミンB群、マグネシウム、鉄、亜鉛)によって起こると言われています。
もちろん、うつ症状の原因は多彩であり、低血糖症や栄養失調以外にも、甲状腺機能低下症や副腎疲労が原因となっている場合もあれば、食物アレルギーが関与している場合もあります。しかし、これらも全てに関わりがあるので、問題が重なっている場合もあり、低血糖症ではないかと疑ってみることも必要です。


カナダのエイブラム・ホッファー博士は、低血糖時に分泌されるアドレナリンが酸化されてできる、アドレノクロムという物質が、統合失調症の幻覚や幻聴などの症状を引き起こすことを発見しました。
また低血糖症では、精神疾患と類似した症状をあらわす場合があります。精神科病棟の入院患者にはあまいものを欲する人が多い傾向があるといわれています。
もちろん、多くの場合、低血糖症だけでなく複合的な原因が考えられますが、低血糖症を改善することで症状の改善が見られたりします。


最近、若者による衝動的・突発的な犯罪が増加しているとのことですが、おそらく低血糖症が多大な影響を与えていると考えられます。
このような攻撃ホルモンの存在は、人の感情や行動にとても大きな影響を与えます。
人格さえも変えてしまうことがあるのです。
そしてだからこそ、低血糖症が怖いのです。

学校や更生施設などで、砂糖や精製炭水化物をやめ、玄米や新鮮な食材を中心とした食事に変えたら、非行などの反社会的行動が激減した、という例は数多くあるのです。
(低血糖症という病気 矢崎智子引用)




その他の症状について・・・

〈痛み・頭痛〉
低血糖症では、体のどこかに痛みの症状があらわれることがあります。
これはアドレナリンが血管を収縮させるためといわれています。
多いのは頭痛ですが(以前のblog参照)、腰痛やひざの痛みなどとしてあらわれることもあり、人によってあらわれる場所がちがうようです。
頭痛が起きる原因は、低血糖から脳を守るために脳の血管が拡張するためとも言われています。


〈不眠〉
低血糖症ではアドレナリン・ノルアドレナリンが分泌されることにより、交感神経が優位な状態となります。
このためリラックスできない、不眠などの症状が起こります。
昼間活発に活動するためには交感神経が適度に緊張していることが必要ですが、夜リラックスして休息するためには、交感神経優位から副交感神経優位にモードが切り替わる必要があります。このバランスが乱れた状態がいわゆる「自律神経失調症」です。
質のよい睡眠を得る為には、夜は副交感神経優位になっている必要がありますが、低血糖症では、これがうまくいかないために、不眠の原因となります。

また、朝方目が覚めてしまうという症状を持っている人もいますが、朝の4時頃は血糖値が下がる時間帯なので、低血糖症の場合は、血糖値が下がってアドレナリンが出る為に、目が覚めてしまうということが考えられます。
この場合は、夜寝る前に、夜食としてゆっくりエネルギーに変わるものをとっておくと良いと言われます。


〈動悸〉
動悸も同様に、アドレナリン・ノルアドレナリンの影響によって起こります。


〈冷え性や肩こり〉
低血糖症の人で、冷え症や肩こりの症状を持っている人はたくさんいます。
甘いものが好きな女性に冷え症や肩こりが多いのもなんとなく納得できますね。
アドレナリンは血管を収縮させるため、末端の血行が悪くなり、冷え性や肩こりの原因となります。
低血糖症の人は同時に栄養失調でもあることがほとんどですが、エネルギーや熱を生み出すために必要なビタミンB群や鉄が不足していると冷え性になることはよく言われることです。
またたんぱく質が不足していると、血漿中の水分量が減ることにより血液循環が悪くなり、やはり冷え性や肩こりになります。


〈失神〉
低血糖症では、血糖値が急激に低下することにより、失神発作を起こす場合があります。このため、てんかんという診断がつくことがあります。
脳のエネルギーが急激に低下するために起こる症状と考えられています。


〈便秘〉
アドレナリン・ノルアドレナリンは、交感神経を緊張させるため、腸の蠕動運動が低下し、便秘の原因となります。またあまいものや精製炭水化物の大量摂取は、腸内環境を悪化させ、これも便秘やアレルギーの原因になることがあります。


〈アレルギー、炎症性疾患〉
低血糖症では、血糖値を上げるためにコルチゾール(副腎皮質ホルモン)が消費されるため、コルチゾールの抗炎症作用、抗アレルギー作用が不十分となり、アレルギーが起こりやすくなります。
アトピー性皮膚炎の患者さんには低血糖症の人が多いと言われています。

低血糖になる食事をあらため、アレルゲンを排除し、適切な栄養素を補給することで、多くのアレルギー性疾患は改善が期待できます。


〈副腎疲労〉
またこのコルチゾールの分泌が長期にわたると、コルチゾールの分泌が低下し、副腎機能の低下、すなわち副腎疲労と呼ばれる状態を招きます。
副腎疲労については、次回のテーマで取り上げたいと思っています。

コルチゾールには、心身のストレスに対する抵抗性を維持し、活力を高める、血圧を維持する、炎症を抑える、など多岐にわたる働きがあります。
コルチゾール不足の初期症状は、異常な疲労感です。うつ症状を伴う場合もあるため、うつ病と診断されることもあります。
ほかにも、精神的ストレスや食物アレルギーなどがコルチゾールを低下させる要素になります。
治療のためにはこれらの原因を排除し、副腎を保護する栄養素を補充する必要があるのですね。



いかがでしたか?
いままでこのテーマを読んでいて、私には関係ない話だと思っていたあなた。
けっこう自分に置き換えられるような症状もあったのではないでしょうか?
血糖値の変動は、普通の方でもある程度はあります。
ただ、精製された炭水化物が好きな方で、症状がいくつか当てはまる人は要注意ですよ。



小菅一憲

CHIROPRATICA|低血糖症と副腎疲労のためのカイロプラクティックと栄養療法


C-Magazine|カイロプラクター小菅一憲の治療実績




Face book page|カイロプラティカ

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by chiropratica | 2011-10-29 14:45 | 低血糖症


カイロプラクティック理学士/サプリメント指導士のカラダと食を考える日記


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